商標拒絶査定不服審判
2022-002710
ハダカイテキセッケー
- 審判番号
- 2022-002710
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-100455
- 請求日
- 2022年02月24日
- 審決日
- 2023年05月24日
- 公報発行日
- 2023年08月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】大王製紙株式会社
- 【請求人代理人】伊東 忠重
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 須田 亮一
- 分類
- T18 .13 -Z (W05) / T18 .17 -Z (W05)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-100455拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は,成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は,令和2年8月13日の出願であって,その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年7月7日付け :拒絶理由通知書
令和3年8月20日 :意見書の提出
令和3年11月16日付け:拒絶査定
令和4年2月24日 :審判請求書の提出
第2 本願商標
本願商標は,「肌快適設計」の文字を標準文字で表してなり,第5類「薬剤,医療用油紙,医療用接着テープ,医療用綿,医療用詰綿,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティーライナー,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,綿棒,失禁用パッド,失禁用ライナー,おむつ,おむつカバー,失禁用吸収性パンツ」を指定商品として,登録出願されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由(要点)
本願商標は,「肌快適設計」の文字を標準文字で表してなるところ,その構成中の「肌」,「快適」及び「設計」の文字は,それぞれ「人などの体の表面。はだえ。皮膚」,「ぐあいがよくて気持のよいこと。」,「ある目的を具体化する作業。製作・工事などに当たり,工費・敷地・材料および構造上の諸点などの計画を立て図面その他の方式で明示すること。」の意味を有するいずれも親しまれた語であるから,本願商標全体では「肌が快適な設計」程の意味合いを容易に認識させる。
そして,本願の指定商品の分野において,通気性に優れる,肌と商品が接する面をさらさらに保つなど,使用した際に肌が快適である構造であることをうたった商品が広く販売されている実情がある。
そうすると,本願商標をその指定商品中,例えば「衛生マスク,生理用ナプキン,失禁用パッド,おむつ」など肌に触れて使用される商品に使用したときには,これに接する取引者,需要者は,本願商標のみから,「肌が快適であるように設計された商品」であること,すなわち,商品の品質を理解するにとどまるものというのが相当である。
したがって,本願商標は,商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから,商標法第3条第1項第3号に該当する。
第4 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は,「肌快適設計」の文字を標準文字で表してなるところ,その構成中「肌」の文字は「人などの体の表面。」等の,「快適」の文字は「ぐあいがよくて気持のよいこと。」の,「設計」の文字は「ある目的を具体化する作業。」等の意味をそれぞれ有する語(いずれも「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)である。
そして,当審における職権調査によれば,別掲1のとおり,本願の指定商品を取り扱う業界において,「(使用したときに)肌が快適である商品」が販売されており,その中には「(お)肌快適」の文字が使用されているものもある。また,別掲2のとおり,本願の指定商品を取り扱う業界において,「設計」の文字は,「○○設計」の形で「○○」の文字が示す内容を実現するための設計がされた商品であることを示す語として使用されているものである。さらに,原審で示したように,本願の指定商品を取り扱う業界において,「(お)肌快適設計」の文字が,「(使用したときに)肌が快適であるための設計」程の意味合いで使用されている事実も認められる(別掲3)。
そうすると,本願商標は,これを,その指定商品中,「薬剤,医療用油紙,医療用接着テープ,医療用綿,医療用詰綿,衛生マスク,ガーゼ,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティーライナー,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,失禁用パッド,失禁用ライナー,おむつ,おむつカバー,失禁用吸収性パンツ」に使用するときは,「(使用したときに)肌が快適であるための設計」程の意味合いを表すものとして理解され,これに接する取引者,需要者は,それが「(使用したときに)肌が快適であるための設計がされた商品」であるという商品の品質を表示したものと認識するにとどまり,自他商品の識別標識としては認識し得ないといえるから,本願商標は,その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は,「本願商標は,「肌快適設計」以外の具体的な説明があって初めてどのような商品であるかを理解できるのであって,「肌快適設計」の文字だけでは,取引者,需要者はどのような商品の品質であるのか全く認識することはできない。したがって,本願商標は,商品の品質を直接的かつ具体的に表したにすぎないものではなく,自他商品識別力を有する商標である。」旨を主張している。
しかしながら,「肌快適設計」以外の具体的な説明がなくとも,前記1のとおり,本願商標の構成文字の語意及び別掲1ないし別掲3の事実から,本願商標は,これを,その指定商品中,「薬剤,医療用油紙,医療用接着テープ,医療用綿,医療用詰綿,衛生マスク,ガーゼ,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティーライナー,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,失禁用パッド,失禁用ライナー,おむつ,おむつカバー,失禁用吸収性パンツ」に使用しても,これに接する取引者,需要者に,「(使用したときに)肌が快適であるための設計」程の意味合いを表すものとして理解され,それが「肌が快適になる設計がされた商品」であるという商品の品質を普通に用いられる方法で表示したものと認識させるにとどまるものである。
(2)請求人は,過去における審決例及び登録例を挙げて,本願商標も登録されるべき旨を主張している。
しかしながら,登録出願に係る商標がその指定商品及び指定役務との関係において,自他商品及び自他役務の識別標識として機能し得るか否かは,当該商標の構成態様と指定商品及び指定役務との関係や取引の実情をも踏まえて個別具体的に判断されるべきものであるところ,請求人の示す審決例(甲1~甲10)及び登録例(登録第5248849号商標等)と本願商標とは,構成文字等が異なり,事案を異にするものであり,本願商標が自他商品の識別力を欠くものであることは,前記1のとおりであるから,請求人の示す審決例及び登録例があるからといってその判断が左右されることはない。
(3)請求人は,本願商標を使用しているとして,「需要者が本願商標を,品質表示としてではなく,出所識別標識として認識していることがわかる。」,「大々的に宣伝広告された結果,請求人の「肌快適設計」印の商標として,取引者,需要者に広く認識されている」旨主張し,甲第11号証ないし甲第16号証を提出している。
そこで,本願商標が使用された結果,需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至っているか否かについても,以下検討する。
ア 本願商標の使用について
請求人の提出する証拠及び同人の主張によれば,以下のとおりである。
(ア)2020年9月24日付けの請求人のPRESS RELEASEとされるものには,「ベビー用紙おむつ「グ~ンプラス」シリーズ」の「ラインナップ」の一つとして「グ~ンプラス 肌快適設計」が2020年10月21日から全国で発売予定である旨の記載があり,商品規格の表などから,当該「グ~ンプラス」シリーズには「【テープタイプ】敏感肌設計」と「【パンツタイプ】肌快適設計」とがあることがわかる(甲11)。
(イ)2021年11月1日付けの請求人のNEWS RELEASEとされるものには,2021年12月1日にリニューアルして全国で発売予定の,「ベビー用紙おむつ「グ~ンプラス」シリーズ」の商品名の一つとして,「グ~ンプラス 敏感肌設計」と共に「グ~ンプラス 肌快適設計」の記載がある(甲12)。
(ウ)PR TIMESのウェブサイトにおける2021年11月1日付けの「新技術※1“超音波接着”をパンツタイプに採用!肌へのやさしさを追求『グーンプラス』 が品質改良&ディズニーデザインに全面リニューアル肌への刺激となるゆるうんち対策として瞬間吸収スポットも搭載」というタイトルの記事において,「ベビー用紙おむつ『グーンプラス』シリーズ(全10アイテム)」を改良して,2021年12月1日から発売予定であって,その発売予定の全10種のうちの6種が「グーンプラス敏感肌設計」,4種が「グーンプラス肌快適設計」である旨の記載がある(甲13)。
(エ)ベネッセコーポレーション発行の育児情報誌「ひよこクラブ」(2021年1月号及び同年3月号)とされるものでは,「グーンプラス 肌快適設計」という請求人の業務に係る商品が紹介されている(甲15)。
(オ)本願商標を使用した請求人の業務にかかる商品(以下「請求人商品」という。)の市場シェア,売上高,販売数,広告費,広告宣伝の方法・回数等については,客観的な証拠の提出がなく不明である。
イ 判断
前記アによれば,請求人は,請求人の業務にかかる商品である「ベビー用紙おむつ「グ~ンプラス」シリーズ」の1つとして,「グ~ンプラス 肌快適設計」を販売していることがうかがえる。
しかしながら,これら使用の事実を証する証拠は,決して多いとはいえず,使用期間も,本願商標を使用した請求人の業務に係る商品のプレスリリースが2020年9月24日,発売は同年10月21日からであって,決して長いとはいえない。
また,請求人商品には,本願商標と共に,「グ~ンプラス(グーンプラス)」の文字が表示されていることから,本願商標のみが独立した識別標識として認識され,その機能を果たしているものとは認められない。
さらに,前記ア(オ)のとおり,本願商標を使用した請求人の業務にかかる商品の市場シェア,売上高,販売数,広告費,広告宣伝の方法・回数等については,客観的な証拠の提出がなく不明であって,本願商標について,具体的な使用事実に基づいて使用状況を把握し,その周知性の程度を客観的に推し量ることができない。
その他,請求人の提出に係る証拠をみても,本願商標が,請求人の業務に係る商品を表すものとして,我が国の取引者,需要者に広く認識されていたと認めるに足りる事情を見いだすことはできなかった。
そして,当審において,職権で調査するも,本願商標が,その指定商品を取り扱う業界において,自他商品の出所識別標識としての機能を発揮し得るものであると認めるに足りる事情を見いだすこともできなかった。
そうすると,本願商標は,本願商標を使用した請求人の業務にかかる商品を表すものとして,我が国の取引者,需要者の間に広く認識されていたと認めることはできないし,また,請求人主張のように本願商標を使用した請求人の業務にかかる商品を表すものとして機能しているということもできない。
(4)したがって,請求人の主張はいずれも採用できない。
3 まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
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