特許拒絶査定不服審判
2022-002491
変更ナノサイクリンセルロース材料と配合物及びそれらの製造製品
- 審判番号
- 2022-002491
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-556925
- 請求日
- 2022年02月18日
- 審決日
- 2023年07月11日
- 公報発行日
- 2023年08月25日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】イッサム リサーチ ディベロップメント カンパニー オブ ザ ヘブライ ユニバーシティー オブ エルサレム リミテッド
- 【請求人代理人】弁理士法人北青山インターナショナル
- 【請求人】メロデア リミテッド
- 【請求人代理人】弁理士法人北青山インターナショナル
- 審判長/審判官
- 審判長 山崎 勝司
- 審判官 久保 克彦
- 審判官 稲葉 大紀
- 分類
- P18 .55 -WY (D21H) / P18 .113-WY (D21H) / P18 .121-WY (D21H) / P18 .537-WY (D21H)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法17条の2第3項特許法53条1項特許法159条1項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第3項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2018-556925「変更ナノサイクリンセルロース材料と配合物及びそれらの製造製品」拒絶査定不服審判事件〔平成29年11月23日国際公開、WO2017/199252、令和1年6月27日国内公表、特表2019-518144、請求項の数(14)〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2017年(平成29年)5月16日(パリ条約に基づく優先権主張外国庁受理2016年(平成28年)5月16日アメリカ合衆国(US))を国際出願日とする出願であって、令和3年3月4日付けで拒絶理由が通知され、同年6月9日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年10月22日付けで拒絶査定がなされ、それに対して、令和4年2月18日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正書が提出されたものである。
第2 令和4年2月18日の手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和4年2月18日の手続補正を却下する。
[理由]
1. 補正の内容
令和4年2月18日の手続補正(以下、「本件補正」という。)は、令和3年6月9日の手続補正書により補正された以下の特許請求の範囲の請求項1である
「【請求項1】
ナノ結晶セルロース(NCC)ベースの固体フィルムまたはコートの少なくとも1つの性質を改変する方法であって、前記NCCベースの固体フィルムまたはコートが、NCCを含むか、NCCからなり、前記方法が、
-基体の少なくとも表面領域上に、(a)NCC、(b)添加組成物および(c)少なくとも1つの架橋剤と、(d)任意の少なくとも1つの触媒とを含む配合物のフィルムまたはコートを形成するステップであって、前記添加組成物が、ソルビトール、ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリカルボキシレートエーテル、炭水化物、およびホウ砂から選択される少なくとも1つのOHに富む物質と、セルロース系材料、炭水化物、アルコール、酸、および無機塩から選択される少なくとも1つの吸湿性物質とからなり、前記少なくとも1つの-OHに富む物質と前記少なくとも1つの吸湿性物質との比率が、0.01:1~1:0.01(w/w)であるステップと、
-前記フィルムまたはコートが固体フィルムまたはコートを形成するようにするステップと;
を備え、
前記少なくとも1つの性質が、NCCからなるフィルムまたはコートに関して改変されており、前記性質が、化学的、物理的および光学的性質から選択される
ことを特徴とする方法。」
を、
「【請求項1】
ナノ結晶セルロース(NCC)ベースの固体フィルムまたはコートの少なくとも1つの性質を改変する方法であって、前記NCCベースの固体フィルムまたはコートが、NCCを含むか、NCCからなり、前記方法が、
-基体の少なくとも表面領域上に、(a)NCC、(b)添加組成物および(c)少なくとも1つの架橋剤と、(d)任意の少なくとも1つの触媒とを含む配合物のフィルムまたはコートを形成するステップであって、前記添加組成物が、ソルビトール、ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリカルボキシレートエーテル、炭水化物、およびホウ砂から選択される少なくとも1つの第1の物質と、セルロース系材料、炭水化物、アルコール、酸、および無機塩から選択される少なくとも1つの第2の物質とからなり、前記少なくとも1つの第1の物質と前記少なくとも1つの第2の物質との比率が、0.01:1~1:0.01(w/w)であるステップと、
-前記フィルムまたはコートが固体フィルムまたはコートを形成するようにするステップと;
を備え、
前記少なくとも1つの性質が、NCCからなるフィルムまたはコートに関して改変されており、前記性質が、化学的、物理的および光学的性質から選択される
ことを特徴とする方法。」へと変更する補正事項1を含んでいる。
すなわち、本件補正は、補正前の請求項1において、「少なくとも1つのOHに富む物質」と「少なくとも1つの吸湿性物質」と記載されていたものを、本件補正後は「第1の物質」と「第2の物質」にそれぞれ補正する事項である補正事項1を含むものである。
2. 補正の適否
(1) 新規事項の有無について
願書に最初に添付した明細書及び図面(以下、「当初明細書等」という。)には、「少なくとも1つのOHに富む物質」と「少なくとも1つの吸湿性物質」を配合する比率を調整することで、性質を改変することが記載されているだけであり、当初明細書等には、「第1の物質」及び「第2の物質」との記載自体は一切ないし、「OHに富む物質」でない第1の物質と「吸湿性物質」でない第2の物質の比率を調整することで性質を改変することについては、当初明細書等に記載されていないし、当初明細書等の記載から自明な事項ともいえない。
そうすると、出願時の技術常識を考慮しても、補正事項1による補正は、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものである。
よって、補正事項1を含む本件補正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものでない。
3. まとめ
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていないので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により、上記のとおり本件補正を却下する。
第3 本願発明
令和4年2月18日の手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1~14に係る発明は、令和3年6月9日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~14それぞれに記載された事項により特定されるとおりのものであると認める。
そして、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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