商標拒絶査定不服審判
2022-001984
エディブルフラワー、エディブル
- 審判番号
- 2022-001984
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-031028
- 請求日
- 2022年02月09日
- 審決日
- 2022年11月29日
- 公報発行日
- 2023年02月24日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】豊橋温室園芸農業協同組合
- 【請求人代理人】井川 浩文
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 鯉沼 里果
- 分類
- T18 .13 -Z (W31)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020- 31028拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和2年3月23日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年 4月22日付け:拒絶理由通知
令和3年 7月 7日 :意見書、手続補正書の提出
令和3年10月29日付け:拒絶査定
令和4年 2月 9日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「エディブル・フラワー」の文字を横書きしてなり、第31類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。
本願の指定商品は、原審における上記1の手続補正書により、第31類「食用として栽培された花」に補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は「エディブル・フラワー」の文字を普通に用いられる書体で横書きにしてなるものであるが、当該文字は、「食用の花」を意味する語である。
また、花を取り扱う業界においては、食用の花を「エディブルフラワー」と称して取引している実情がうかがえる。
そうすると、本願商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者・需要者は、当該商品が「食用の花」であることを理解、認識するにとどまるものといえるから、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
また、本願商標が、出願人によって長期的、継続的かつ独占的に使用された結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識するに至っているものとは未だ認めることはできない。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は「エディブル・フラワー」の文字を普通に用いられる書体で横書きしてなるところ、その構成中、「エディブル」の文字は「(毒性などがないので)食べられる,食用に適する」の意味を表す英単語「edible」の表音を、「フラワー」の文字は「花」を意味する英単語「flower」(いずれも出典:株式会社研究社 新英和中辞典)の表音をそれぞれ片仮名表記したものと認められるものであり、「エディブル」及び「フラワー」の文字を一連に書した「エディブルフラワー」の語は、食用花や食用として栽培された花を意味するものとして、複数の辞書に掲載されていることが確認できるものである(別掲1)。
そして、原審提示の証拠及び別掲2に列挙した記事によれば、本願指定商品を取り扱う分野においては、食用花や食用として栽培された花が「エディブルフラワー」と称されて取引、紹介されている実情も認められる。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用したときは、これに接した取引者及び需要者は、その商品が、食用花又は食用として栽培された花であること、すなわち、商品の品質を表示したものと認識するにとどまり、本願商標は、自他商品の識別標識としては機能し得ないものといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)商標法第3条第2項該当性について
請求人は、本願商標「エディブル・フラワー」は、請求人が遅くとも1989年には使用を開始し、使用を開始してから現在に至るまでに、各種の普及活動を行ってきた結果、現在のように認知されてきた上、本願商標を付した「食用として栽培された花」の市場占有率は現時点で約90%である旨を主張し、証拠方法として甲第1号証ないし甲第23号証を提出している。
しかしながら、請求人の提出に係る甲各号証によっては、以下のとおり、本願商標が商標法第3条第2項の要件を具備しているものであると認めることはできない。
ア 本願商標の使用について
本願商標は、上記2のとおり「エディブル・フラワー」の文字を横書きしてなるものである。
そして、請求人が提出した甲各号証によれば、「エディブル・フラワー」の文字(本願商標と実質的に同一と認め得る「エディブルフラワー」と表記されたものを含む。)が、請求人が出荷する食用花を表すものとして請求人のウェブサイト、請求人発行の記念誌及びパンフレット(甲1、甲7ないし甲9、甲21及び甲22)において使用されていることが認められる。
しかしながら、上記請求人による本願商標の使用例には、「食用花(エディブルフラワー)」、「エディブルフラワー(食用花)」のように、「エディブル・フラワー」の文字(語)と「食用花」の文字(語)が併記されており、両語が同意のものとして記載されている(甲1及び甲7)。
また、請求人が、自身の商品や活動が紹介されている例として提出した各種会報誌、テキスト、雑誌等の証左中には、「食べられる花「エディブルフラワー(edible flower)」(甲10)、「エディブルフラワー試食会 食用花の試食会」(甲12)、「「エディブル・フラワー」とは、「食べることのできる花(Edible Flower)」です。」(甲13)、「エディブルフラワーとは、文字どおり「食べられる(edible)花(flower)」のこと。」(甲14)、「エディブルフラワーってなに? 文字通り「食べられる(Edible)花(Flower)」。」(甲15)、「食用花 エディブルフラワー」(甲17)、「食べられる(EDIBLE)花(FLOWER)=エディブル・フラワー」(甲18)、「食用に適した花「エディブルフラワー」」(甲19)、「エディブル・フラワーとは、「食べられる花」のことだ。」(甲20)のように、「エディブル・フラワー」について、「食用花」、「食べることのできる花」、「食べられる花」、「食用に適した花」等の、「食用花又は食用として栽培された花」を意味する語であるとする、一般的な語義(特長)の説明又は解説がなされている。
イ 第三者による使用
甲第10号証の新聞記事には、北海道及び複数の県における生産農家が、「エディブルフラワー」普及促進のための団体を発足させるなどし、産地間の競争が激しくなってきた旨の記載がある。
また、上記(1)のとおり、原審提示の証拠及び別掲2に列挙した記事からは、本願指定商品を取り扱う分野において、食用花等が「エディブルフラワー」と称されて取引、紹介されている実情も認められるところ、これら記事に記載されている取引者及び紹介者について、請求人との関連性は認められない。
ウ 判断
以上よりすれば、「エディブル・フラワー」の文字は、請求人及び第三者によって、単に「食用花又は食用として栽培された花」を指称する語として使用されているに過ぎないといえ、当該文字からなる本願商標を本願指定商品に使用しても、これに接する需要者に、「食用花又は食用として栽培された花」を表すものとして認識させるにとどまるから、本願商標は、自他商品の識別標識としては認識し得ないというべきである。
よって、本願商標は、請求人の業務に係る本願の指定商品の出所表示として、需要者の間で認識されるに至ったものとは認められず、本願商標が使用された結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものとはいえず、本願商標に接する取引者、需要者は、「食用花又は食用として栽培された花」であるという品質を表示するものとして理解するというのが相当である。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであり、かつ、同条第2項の要件を具備するものではないから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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