商標拒絶査定不服審判
2022-001911
バーチャルラン、バーチャル
- 審判番号
- 2022-001911
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-034320
- 請求日
- 2022年02月08日
- 審決日
- 2022年12月12日
- 公報発行日
- 2023年02月24日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社アールビーズ
- 【請求人代理人】齋藤 晴男
- 【請求人代理人】齋藤 貴広
- 審判長/審判官
- 審判長 岩崎 安子
- 審判官 馬場 秀敏
- 審判官 茂木 祐輔
- 分類
- T18 .13 -Z (W094142)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-34320拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標
本願商標は、「バーチャルラン」の文字を標準文字で表してなり、第9類、第41類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、令和2年3月30日に登録出願、指定商品及び指定役務については、原審における同3年6月4日受付の手続補正書により、別掲1に記載のとおりの商品及び役務に補正されたものである。
本願は、令和3年4月2日付けで拒絶理由の通知がされ、同年6月4日に意見書が提出されたが、同年11月2日付けで拒絶査定がされたものであり、これに対して同4年2月8日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、「バーチャルラン」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「バーチャル」の文字は「仮想的。虚像の。」を意味する語であり、「ラン」の文字は、本願の指定役務との関係において、「走る」の意味を表す「run」の片仮名表記であると容易に認識させるものである。また、新聞及びインターネット情報によれば、本願の指定役務の分野において、インターネットなどの通信回線に接続して行うオンライン上のマラソン大会のことを、「バーチャルラン」と称している実情があることから、本願商標は全体として、「オンラインで参加する仮想的マラソン大会」ほどの意味合いを容易に認識させる。そうすると、本願商標をその指定役務中、第41類「スポーツの興行の企画・運営又は開催,運動競技会の企画・運営,マラソン・ウォーキング・ジョギング又はランニングの大会の企画・運営又は開催並びにこれらに関する情報の提供」等に使用するときは、これに接する取引者、需要者は「オンラインで参加する仮想的マラソン大会に関する役務」であると理解するにとどまり、本願商標は、単に役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものと認識する。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審における審尋
当審において、令和4年8月22日付け審尋により、請求人に対し、別掲2、3及び5に関する事実を示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の暫定的見解を示し、期間を指定して、これに対する回答を求めた。
第4 審尋に対する請求人の回答
請求人は、上記第3の審尋に対し、何ら回答をしていない。
第5 当審の判断
1 本願商標及び構成する文字の語義及び使用状況について
本願商標は、「バーチャルラン」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成する文字についての語義及び使用状況は、以下のとおりである。
(1)「バーチャル」の文字の語義及び使用状況について
本願商標の構成中、「バーチャル」の文字は、「仮想的。虚偽の。」の意味を有する語(広辞苑第七版)であるとともに、別掲2に掲げる事例のほか、「バーチャル会議」、「バーチャルイベント」、「バーチャルライブ」、「バーチャル大会」のように、仮想的に実施する行為や体験等について、「バーチャル○○」のように表示することが、一般に行われている実情がある。
(2)「ラン」の文字の語義及び使用状況について
本願商標の構成中、「ラン」の文字は、本願商標の指定役務中、第41類「スポーツの興行の企画・運営又は開催,運動競技会の企画・運営,マラソン・ウォーキング・ジョギング又はランニングの大会の企画・運営又は開催並びにこれらに関する情報の提供,マラソン・ウォーキング・ジョギング又はランニングの大会の試合結果に関する情報の提供,インターネット上のホームページ・電子掲示板を利用した口コミによるマラソン・ウォーキング・ジョギング又はランニングの大会に関する情報の提供,インターネットウェブサイトによるマラソン・ランニング・自転車・水泳・トライアスロン・ウォーキング・トレイルランニングの各イベントの企画・運営又は開催に関する情報の提供,ユーザーによるランキング・レビュー又は評価を内容とするスポーツに関する情報の提供(競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」との関係において、「走る」の意である「ラン(run)」の語(広辞苑第七版)を容易に認識させるとともに、別掲3の事例のとおり、ランニングイベントやランニングの大会の実施に際して、当該イベント等やそこで走ることを、単に「ラン」と称する実情がある。
(3)バーチャルで実施されるランニングイベント等と「バーチャルラン」の文字の使用状況について
昨今、新型コロナウイルスの感染拡大等を背景に、オンラインを通じてバーチャルで(仮想的に)実施されるランニングイベントやランニング大会が多く実施されており、そのようなイベント等について「バーチャルラン」の文字が使用されている実情があることは、原審で示した事例(別掲4)に加え、別掲5の事例からも確認することができる。
これらの事例によれば、特定の場所及び日時で行われるリアルのランニングイベントやランニング大会と異なり、一定の期間内に異なる場所で走り、専用のアプリケーションを利用するなどして参加するといったスタイルのもと、オンラインを通じてバーチャルで(仮想的に)実施されるランニングイベント等が行われており、そのようなイベントを「バーチャルラン」と称している。なお、別掲5の事例のほか、別掲2の(5)及び(6)の事例にも見られるように、「バーチャルラン」と同様の内容の催しを、「オンラインラン」、「バーチャルマラソン」、「バーチャルレース」等と称することがあることも確認することができる。
2 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「バーチャルラン」の文字を標準文字で書してなるところ、その構成中の「バーチャル」の文字は、上記1(1)のとおり、「仮想的」等の意味を有する語であるとともに、オンライン等で仮想的に実施する行為や体験等について、「バーチャル○○」のように表示することが、一般に行われているものである。
また、構成中の「ラン」の文字は、上記1(2)のとおり、「走る」を意味する語であるとともに、ランニングイベント等や当該イベント等で走ることを、単に「ラン」と称する実情がある。
さらに、上記1(3)のとおり、オンラインを通じてバーチャルで実施されるランニングイベント等が行われており、そのようなイベントを「バーチャルラン」と称する実情がある。
以上よりすると、「バーチャルラン」の文字は、バーチャルで実施されるラン(ランニングイベント等)であることを理解させるから、全体として、「バーチャルで実施されるラン(ランニングイベント等)」ほどの意味合いを容易に認識させるものというべきである。
そうすると、「バーチャルラン」の文字よりなる本願商標を、その指定役務中、「バーチャルで実施されるラン(ランニングイベント等)」に係る第41類「スポーツの興行の企画・運営又は開催,運動競技会の企画・運営,マラソン・ウォーキング・ジョギング又はランニングの大会の企画・運営又は開催並びにこれらに関する情報の提供,マラソン・ウォーキング・ジョギング又はランニングの大会の試合結果に関する情報の提供,インターネット上のホームページ・電子掲示板を利用した口コミによるマラソン・ウォーキング・ジョギング又はランニングの大会に関する情報の提供,インターネットウェブサイトによるマラソン・ランニング・自転車・水泳・トライアスロン・ウォーキング・トレイルランニングの各イベントの企画・運営又は開催に関する情報の提供,ユーザーによるランキング・レビュー又は評価を内容とするスポーツに関する情報の提供(競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」について使用をするときは、これに接する取引者、需要者は、これを「バーチャルで実施されるラン(ランニングイベント等)」であること、すなわち役務の質(内容)を表したものと認識するにとどまるというべきである。
したがって、本願商標は、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、「バーチャルで実施されるラン(ランニングイベント等)」と関連のない上記指定役務について使用をするときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるため、同法第4条第1項第16号に該当する。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するから、これを登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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