特許拒絶査定不服審判
2022-001869
圧縮された手動食器洗剤
- 審判番号
- 2022-001869
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-003126外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年02月08日
- 審決日
- 2023年09月26日
- 公報発行日
- 2024年03月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】エコラブ ユーエスエイ インク
- 【請求人代理人】弁理士法人YKI国際特許事務所
- 分類
- P18 .537-Z (C11D) / P18 .536-Z (C11D)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法36条4項1号特許法36条6項1号特許法49条1項4号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第36条第6項第1号、特許法第36条第4項第1号、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第36条、特許法第2条、特許法第17条の2第6項、特許法第49条第1項第4号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2020- 3126「圧縮された手動食器洗剤」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 5月14日出願公開、特開2020- 73687〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2016年(平成28年)12月7日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理2015年12月8日(US)米国))を国際出願日とする特願2018-529538号(以下「原出願」という)の一部を、2020年(令和2年)1月10日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和2年 3月11日 :手続補正書及び上申書の提出
令和3年 3月10日付け:拒絶理由通知書
令和3年 6月16日 :意見書及び手続補正書の提出
令和3年11月25日付け:令和3年6月16日にされた手続補正の補正の却下の決定及び拒絶査定(謄本発送は11月30日。)
令和4年 2月 8日 :審判請求書及び手続補正書の提出
令和4年 8月24日 :上申書の提出
なお、令和4年2月8日に提出された審判請求書においては、補正却下の決定に対する不服申立はされていない。
第2 令和4年2月8日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和4年2月8日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。(なお、下線部は補正箇所を明確にする目的で当審にて付与した。)
「固体ブロック洗剤組成物であって、
(a)1~95重量%の中和されたアニオン性スルホン化界面活性剤と、
(b)0.1~10重量%のマグネシウム塩、1~50重量%の炭酸塩、及び0.1~10重量%のアクリルポリマーを含む加工助剤と、
(c)0.1~25重量%のラウリン酸モノエタノールアミド、ココモノエタノールアミド、又はそれらの混合物と、
を含み、
前記組成物は、ポリエチレングリコールおよび尿素増粘剤を含まない、固体ブロック洗剤組成物。」
(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、令和2年3月11日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「固体ブロック洗剤組成物であって、
(a)1~95重量%の中和されたアニオン性スルホン化界面活性剤と、
(b)0.1~10重量%の無機塩、1~50重量%のアルカリ性源、及び0.1~10重量%のアクリルポリマーを含む加工助剤と、
(c)0.1~25重量%の脂肪酸アミドと、
を含み、
前記組成物は、ポリエチレングリコールおよび尿素増粘剤を有しない、固体ブロック洗剤組成物。」
2 補正の適否
(1)補正の目的
本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「無機塩」、「アルカリ性源」及び「脂肪酸アミド」について、それぞれ「マグネシウム塩」、「炭酸塩」及び「ラウリン酸モノエタノールアミド、ココモノエタノールアミド、又はそれらの混合物」に限定するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。
(2)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。
(3)本願明細書の発明の詳細な説明の記載
本願明細書には、以下の事項が記載されている。
「【0001】
本出願は、固体洗剤材料に関する。本発明は、マトリックス中に分散された洗剤製剤を含有する固体洗剤組成物に関する。成分の組み合わせは、固体から作製された水性洗剤組成物において優れた汚れ除去、油脂の分解、及び制御された発泡を提供する。」
「【0004】
固体ブロック洗浄及び殺菌組成物及び洗剤は、従来の液体、顆粒、及びペレット化洗浄組成物を超える顕著な改善を提供する。溶融プロセスは、固体ブロック組成物を調製するために有用であるが、組成物の加熱及び冷却が最小化または排除され得る、ならびにより高い粘性が使用され得る場合、時間及び費用が節約されるであろう。また、より低いプロセス温度は、洗浄組成物中の感熱成分の使用をより良好に促進するであろう。さらに、加工された混合物がより低い温度でパッケージ化され得る場合、それほど頑丈ではないパッケージが必要とされるであろう。さらに、融解温度を排除することにより、固体生成物の膨張及び変形が避けられるであろう。
【0005】
様々な試みが、洗浄組成物を製造するために押出プロセスによってなされている。Brueggeらの米国特許第5,061,392号は、例えば、トリポリリン酸カリウムを含有する第1の水性溶液と、水溶性ナトリウム系洗剤ビルダ、すなわち、水酸化ナトリウムを含有する第2の水性溶液とを組み合わせることによって、ペースト様の稠度を有する洗剤組成物を形成する方法を開示する。混合した後、混合物の粘性は、急速に増加し、非常に粘稠なペーストを形成する。別の押出方法では、Ramachandranの米国特許第4,933,100号に開示される通り、微粒子または円盤形態の有機洗剤は、合成有機洗剤、トリポリリン酸ナトリウム等の水和可能なビルダ塩、及び水を一緒に練ることによって形成される。混合物は、押出機に通され、室温または室温よりわずかに高い温度、及び低圧力で開口部を通って押し進められ、棒状の押出物を形成する。これらのプロセスの欠点は、押出後に加工された組成物の硬化を促進するために、苛性の水和可能なアルカリ源が必要とされることである。
【0006】
圧縮による等の関与がより少ないプロセスによって固体に形成され得る洗浄組成物の開発の必要性が、当技術分野において存在する。水性洗浄組成物は、病院、家庭、組織的及び産業的業務、ハンド及びボディーソープ、洗濯洗剤、食器洗い、ならびにハウスキーピング表面を含む用途において一般的に使用されている。典型的に、これらの洗浄材料は、使用溶液を形成するために、液体またはゲル化材料を希釈することによって作製される。多くのこのような溶液は、過去にいくつかの成功例を有しているが、しかしながら、最小限の水及び高い活性物質濃度、優れた汚れ、例えば、油脂除去特性、ならびに制御された発泡を有する、容易に使用される濃縮物を製造する大きな必要性が、当技術分野に存在する。濃縮物形態の多くの先行技術の材料でさえも、相当量の水を含有し、それは、製造、輸送、及び販売が困難である。材料はまた、いくつかの汚れ除去特性を有し得るが、油脂除去及び硬表面洗浄剤を改善することは、継続的な必要性または要件である。さらに、大量の油汚れの存在下で有用な泡沫を生成する材料の製造は、この市場にとって継続的な課題である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第00/58436号パンフレット
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
出願者は、好ましくは、圧縮することによって調製され得る、固体洗剤製剤を開発した。本発明の材料は、独特の固体特徴を有し、測定可能な針入度値を有するという点で、固体である。固体ブロック材料は、水が固体材料と結合するゲル化機序に依存せず、注型または押出等による加熱を必要としない。実際には、好ましい実施形態では、組成物は、尿素またはPEG等の伝統的な硬化剤を有しない。
【0009】
本発明の固体圧縮組成物は、伝統的な固体洗剤と比較して、泡高及び油脂/汚れ除去によって実証される通り同様またはより良好な性能を有し、固体単位に形成される。本発明によると、多量のアニオン性界面活性剤は、油脂/汚れ除去の効果を引き伸ばすが、多量の活性物質はまた、固体洗剤の調製の圧縮プロセスを妨げる。製剤は、可用性圧縮固体形成を維持すると同時に、伝統的な押出成形固体洗剤と同様またはより良好な性能を得るために最適化された。」
「【0023】
本発明の組成物
本発明の固体ブロック洗剤は、中和されたスルホン化アニオン性界面活性剤を含む界面活性剤、及び加工助剤のパッケージを含有する。固体ブロック洗剤は、油脂を分解及び除去し、汚れを除去及び懸濁し、容易に濯いで、食器を洗浄するための水性洗剤を形成するために、水と共に分注され得る。水性洗剤濃縮物は、安定した泡沫特性を有する、例外的汚れ、具体的には、油脂の除去特性を有する洗浄液体中で使用され得る。洗剤製剤は、製造効率性のために容易に圧縮される。
【0024】
アニオン性界面活性剤
本洗浄組成物において有用なアニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルアリールスルホネート、スルホン化脂肪酸エステル等のスルホネート;硫酸化アルコール、硫酸化アルコールエトキシレート、硫酸化アルキルフェノール、アルキルサルフェート、スルホサクシネート、アルキルエーテルサルフェート等のサルフェートが挙げられる。好ましい陰イオンとしては、有機スルホネート界面活性剤または有機サルフェート界面活性剤が挙げられる。より好ましい陰イオンとしては、アルキルスルホネート、アルキルアリールスルホネート、スルホン化脂肪酸エステル、硫酸化アルコール、硫酸化アルコールエトキシレート、硫酸化アルキルフェノール、アルキルサルフェート、ジアルキルスルホサクシネート、アルキルエーテルサルフェート、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0025】
本発明では、アニオン性界面活性剤(複数可)は、アルカリ金属塩及び/もしくはアルカリ土類金属塩、またはそれらの混合物で中和され得る。他のアルカリ性の選択肢としては、アミンが挙げられる。好ましくは、塩の混合物が使用され、アルカリ金属は、ナトリウムであり、アルカリ土類金属は、マグネシウムである。好ましくは、ナトリウム対マグネシウムのモル比は、約3:1~1:1であり、最も好ましくは、ナトリウム対マグネシウムのモル比は、約2:1である。理論によって制限されることを望むものではないが、ナトリウム陽イオンは、水中での界面活性剤の溶解性を向上させるように役立つ一方、マグネシウム陽イオンは、油中での溶解性を向上させると考えられる。アニオン性界面活性剤構成成分は、0.01重量%~97重量%と同程度である組成物の大部分を構成する。好ましくは1~99重量%、より好ましくは約10~80重量%である。
【0026】
加工助剤
組成物の残余は、1つ以上の加工助剤を含むことができる。加工助剤としては、様々なアルカリ性の供給源、無機塩、有機塩、共界面活性剤、ケイ酸塩、またはアクリルポリマーを挙げることができる。
【0027】
無機塩
加工助剤としては、サルフェート、アセテート、炭酸塩、及び重炭酸塩等の水和可能な無機塩が挙げられる。無機塩は約0~50重量%、好ましくは約5~25重量%、より好ましくは約5~15重量%の濃度で存在する。
【0028】
アクリルポリマー
洗浄剤としての使用に好適なポリアクリレートとしては、例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸-メタクリル酸コポリマー、加水分解ポリアクリルアミド、加水分解ポリメタクリルアミド、加水分解ポリアミド-メタクリルアミドコポリマー、加水分解ポリアクリロニトリル、加水分解ポリメタクリロニトリル、加水分解アクリロニトリル-メタクリロニトリルコポリマー等が挙げられる。キレート剤/金属イオン封鎖剤のさらなる考察については、開示が、参照により本明細書に組み込まれる、Kirk-Othmer,Encyclopedia of Chemical Technology第3版、第5巻、ページ339~366及び第23巻、ページ319~320を参照されたい。アクリルポリマーは、約0~50重量%、好ましくは約5~25重量%、より好ましくは約5~15重量%の濃度で存在する。
【0029】
好ましい非イオン性共界面活性剤
本洗剤組成物において有用な非イオン性界面活性剤としては、界面活性剤分子の一部分としてポリアルキレンオキシドポリマーを有するものを挙げることができる。そのような非イオン性界面活性剤としては、例えば、アルコールアルコキシレート、例えばアルコールエトキシレートプロポキシレート、アルコールプロポキシレート、アルコールプロポキシレートエチオキシレート(ethyoxylate)プロポキシレート、アルコールエトキシレートブトキシレート等、及びアルキルキャッピングされたアルコールアルコキシレート;脂肪アルコールのポリオキシエチレングリコールエーテル、例えばCETEARETH(登録商標)-27またはPARETH(登録商標)25-7等;カルボン酸エステル、例えばグリセロールエステル、ポリオキシエチレンエステル、脂肪酸のエトキシル化エステル及びグリコールエステル等;カルボン酸アミド、例えばジエタノールアミン縮合物、モノアルカノールアミン縮合物、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド等;及びPLURONIC(登録商標)(BASF-Wyandotte)の商標で市販されているもの等のエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマーを含むポリアルキレンオキシドブロックコポリマー;ならびに他の同様の非イオン性化合物が挙げられる。
【0030】
好ましくは、使用される非イオン性界面活性剤は、脂肪酸アミドである。より好ましくは、使用される非イオン性界面活性剤は、ラウリン酸モンエタノールアミド(lauric monethanol amide)、ココモンエタノールアミド(cocomonethanol amide)、またはそれらの混合物であり得る。存在する場合、非イオン性界面活性剤は、約0.1重量%~約25重量%、好ましくは約1重量%~約20重量%、より好ましくは約2重量%~約15重量%であり得る。
【0031】
アルカリ源
本発明に従って製造された洗浄組成物は、アニオン性界面活性剤を中和させ、組成物の汚れ除去性能を改善するための、少ないが有効な量の1つ以上のアルカリ源を含み得る。その結果、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属水酸化物または他の水和可能なアルカリ源は、好ましくは、アニオン性界面活性剤を中和させるために有効な量で洗浄組成物中に含まれる。しかしながら、アルカリ金属水酸化物または他のアルカリ源は、限られた程度で、組成物の固化に役立ち得ることが認められ得る。上述の通り、アニオン性界面活性剤を中和させるためのアルカリ金属及びアルカリ土類金属水酸化物の量が必要とされるが、追加的なアルカリ源は、水性溶液のpHが11.5を越えない、より好ましくは10を越えないところまで存在し得る。
【0032】
好適なアルカリ金属水酸化物としては、例えば、水酸化ナトリウムまたはカリウムが挙げられる。好適なアルカリ土類金属水酸化物としては、例えば、水酸化マグネシウムが挙げられる。アルカリ性またはアルカリ土類金属水酸化物は、水性溶液に溶解された形態、またはそれらの組み合わせで組成物に添加され得る。アルカリ性及びアルカリ土類金属水酸化物は約12~100のUSメッシュの範囲の複数の粒子サイズを有する小球化されたビーズの形態の固体として、または水性溶液、例えば、50重量%及び73重量%の溶液として市販されている。アルカリ性またはアルカリ土類金属水酸化物は、固体アルカリ性材料の水和に起因する組成物中で生成される熱の量を低減させるために、水性溶液、好ましくは50重量%水酸化物溶液の形態で添加されることが好ましい。
【0033】
洗浄組成物は、アルカリ金属水酸化物の他に第2のアルカリ源を含み得る。第2のアルカリ源の例としては、ケイ酸またはメタケイ酸ナトリウムまたはカリウム等の金属ケイ酸塩、炭酸、重炭酸またはセスキ炭酸ナトリウムまたはカリウム等の金属炭酸塩、ホウ酸ナトリウムまたはカリウム等の金属ホウ酸塩、エタノールアミン及びアミン、ならびに他の同様のアルカリ源が挙げられる。第2のアルカリ剤は、水性または粉末のいずれかの形態で一般に入手可能であり、いずれも、本洗浄組成物を製剤化する際に有用である。アルカリ源は約0~50重量%、好ましくは約5~25重量%、より好ましくは約5~15重量%の濃度で存在する。
【0034】
水媒体
組成物の成分は、混合物を加工するプロセスのための有効なレベルの粘性を提供し、固体ブロック形成の間及び硬化後に所望の量の硬度及び凝集性を有する加工された組成物を提供するために、少ないが有効な量の水等の水媒体において加工され得る。混合物は、好ましくは、水を含有しない。加工中の混合物は、水媒体の約0.00~5重量%、好ましくは約0.1~2重量%を含み得る。
【00035】
任意の硬化剤
本方法及び本組成物で使用される硬化剤は、本組成物の均一な固化に著しく寄与する有機または無機の化合物または化合物系である。好ましくは、硬化剤は、本組成物の界面活性剤及び他の活性成分と適合性があり、本組成物に有効量の硬度及び/または水溶解度を提供する能力がある。硬化剤はまた、使用中に固体組成物から洗浄剤が均一に溶解するように、混合及び固化されると、洗浄剤及び他の成分と均質なマトリックスを形成することができる必要がある。本発明は、具体的に、圧縮固体形成のために製剤化され、好ましい実施形態では、硬化剤を含む必要がない。
【0036】
洗浄組成物中に含まれる任意選択の硬化剤の量は、調製される洗浄組成物の種類、組成物の成分、組成物の使用目的、使用中に経時的に固体組成物に適用される分注溶液の量、分注溶液の温度、分注溶液の硬度、固体組成物の物理的サイズ、他の成分の濃度、組成物中の洗浄剤の濃度等の要因によって異なる。硬化剤の量は、連続混合条件下及び硬化剤の溶融温度以下の温度において、洗浄剤及び本組成物の他の成分と合わさり均質な混合物を形成するのに効果的であることが好ましい。
【0037】
有機硬化剤の一例としては、上記の洗浄組成物で使用するためのポリエチレングリコール(PEG)化合物が挙げられる。本発明により作製されたポリエチレングリコール硬化剤を含む洗浄組成物の固化速度は、少なくとも部分的に、本組成物に付加されるポリエチレングリコールの量及び分子量によって異なる。
【0038】
本発明によって有用なポリエチレングリコール化合物は、例えば、一般式H(OCH2-CH2)nOHの固体ポリエチレングリコールを含み、式中、nは、15より大きく、より好ましくは約30~1700である。有用な固体ポリエチレングリコールは、CARBOWAXの名称でUnion Carbideから市販されている。典型的に、ポリエチレングリコールは約1000~100.000の分子量を有する、好ましくは少なくとも約1450~20,000、より好ましくは約1450~約8000の分子量を有する自由流動性粉末またはフレークの形態の固体である。本発明によって有用な好適なポリエチレングリコール化合物としては、とりわけ、例えば、PEG1450及びPEG8000が挙げられる。尿素は、別の有用な硬化剤である。」
「【0107】
組成物の加工
本固体組成物は、固体組成物を圧縮する有利な方法によって作製され得る。具体的には、形成プロセスにおいて、液体構成成分及び固体構成成分は、最終混合システムに導入され、構成成分が全体に分布した実質的に均質な半固体混合物を構成成分が形成するまで連続的に混合される。例示的な実施形態では、構成成分は、混合システム内で最低5秒間混合される。この混合物は次に、混合システムからダイ、プレス、または他の成形手段の中へ、またはそれを通して排出される。生成物は次に、梱包される。例示的な実施形態では、固体形成組成物は、直ぐに硬化し始めることができるが、およそ1分~およそ3時間で硬化し始め得る。より具体的には、形成された組成物は、およそ1分間~およそ2時間で硬化し始める。より具体的には、形成された組成物は、およそ1分間~およそ20分間で硬化し始める。
【0108】
圧縮は、錠剤または他の従来の固体洗剤組成物を形成するために使用される従来の圧力と比較して低い圧力を用いることができる。例えば、実施形態では、本方法は、1000psi以下の圧力を固体上に用いる。ある実施形態では、本方法は約900psi以下、約800psi以下、または約700psi以下の圧力を用いる。ある実施形態では、本方法は、最低でも約500psi以上の圧力を用いることができる。特定の実施形態において、本方法は約500~約3000psiの圧力を用いることができる。本発明の方法は、従来的な注型におけるように溶融物及び溶融物の固化を用いることなく、安定した固体を生成することができる。溶融物の形成は、組成物を加熱して、それを溶融することを必要とする。熱は、外部から適用され得るか、または化学的発熱(例えば、焼灼剤(水酸化ナトリウム)及び水の混合に由来する)によって生成され得る。組成物の加熱は、エネルギーを消費する。高温の溶融物の取り扱いは、安全な予防措置及び設備を必要とする。さらに、溶融物の固化は、溶融物を容器内で冷却して、溶融物を固化し、注型固体を形成することを必要とする。冷却は、時間及び/またはエネルギーを必要とする。本発明の固体は、溶融物からの固化によってではなく、圧縮と、混和された粒子中で生成され安定した固体を生成するのに効果的である結合剤(複数可)との組み合わせによってまとまっている。
【0109】
本発明の方法は、ダイを通して混合物を圧縮するための押出を行うことなく、安定した固体を生成し得る。ダイを通して混合物を押出して固体組成物を生成するための従来的なプロセスは、高圧を固体またはペーストに加えて押出成形固体を生成する。対照的に、本方法は、約3000psi以下、またさらにはわずか500psiの圧力を固体上に用いる。」
「【0116】
本発明の組成物
本発明の試料製剤は、重量(%)で以下に記載される。
[図:0001407041000001.jpg]
【0117】
本発明は、制限する目的ではないが、以下の実施例によってさらに説明される。
【実施例】
【0118】
シリンダ泡沫試験条件:
機械:シリンダ回転装置
回転速度:約300rpm
水の硬度:5gpg
温度:室温
試験方法:修正されたMKS-SOP-001
シリンダ泡沫試験汚れ
45重量%のCriscoショートニング
30重量%の中力粉
15重量%の粉末全卵
10重量%のオレイン酸
ステンレス鋼切り取り試片での試験方法試験条件:
機械:磁気撹拌プレート及び撹拌棒
回転速度:300rpm
水の硬度:5gpg
温度:室温
試験方法:ステンレス鋼切り取り試片試験方法
ステンレス鋼切り取り試片試験汚れ:
50%のCriscoショートニング
40%の粉末全卵
10%の植物油
【0119】
対照製剤:本発明の組成物を、アルキルポリグルコシド、PEGまたは尿素増粘剤を含有するが、アルカリ源または本明細書に定義されるような他の加工助剤を含有しない商業用の押出成形固体鍋及びフライパン洗剤に関して試験した。
[図:0001407041000002.jpg]
【0120】
シリンダ泡沫試験
目的:
この試験方法を使用して、泡高及び安定性に関して手動食器洗浄洗剤を検査する。この方法は、いかなる手動食器洗浄洗剤にも適用できるが、任意の洗剤または洗浄剤の泡高及び安定性を測定するために潜在的に使用され得る。
【0121】
試験洗剤:
固体洗剤を、室温で5穀水と共に0.2oz/gal(1.5g/L)で試験する。
【0122】
液体洗剤を、室温で5穀水と共に0.4oz/gal(3g/L)で試験する。
【0123】
実験手順:
40mLの試験洗剤を250mLの目盛り付きシリンダに添加する。試験される各洗剤に対して繰り返す。
【0124】
全てのシリンダ及び試験溶液を、室温になるまで放置する。より暖かい溶液は、より高い泡高を得るため、それらをこの温度にすることは重要である。
【0125】
汚れを、200°Fの加熱板に配置することによって液化する。汚れは、熱くなっている必要はなく、単に均質な液体にする。滴をシリンダに添加する前に、汚れが毎回均一であることを確認する。
【0126】
全てのシリンダに栓をし、泡沫シリンダ装置に配置し、しっかりと締める。
【0127】
シリンダを、30rpmで4分間回転させる(30rpmは、機械上の黒線に相当する)。4分後、最初の泡高(泡沫のmL)を記録する。泡高は、液体及び泡沫の全容積であり、泡沫試験テンプレートでの計算は、液体の高さを減算して、総泡沫のみを得る。
【0128】
使い捨てピペットを使用して、2滴の試験汚れをシリンダの中央に添加する。汚れがシリンダの側面にたれないようにする。
【0129】
シリンダを30rpmで2分間回転させる。泡高を記録し、使い捨てピペットを使用してさらに2滴の試験汚れを添加する。
【0130】
泡高(液体及び泡高)が45mL未満になるまで、ステップ7を繰り返す。
【0131】
各洗剤に対して、3~5回反復する。
【0132】
ステンレス鋼切り取り試片試験方法
目的:
この試験方法を使用して、洗剤溶液に浸漬した後のステンレス鋼表面から除去された汚れに基づいて、手動食器洗浄洗剤を検査する。
【0133】
試験洗剤及び対照:
全ての洗剤、固体、及び液体を、室温で5穀水と共に5g/Lで試験する(活性物質を使用せず)。
【0134】
実験手順:
使用される切り取り試片の数を数え、それに2を乗じる。混合され、加熱される汚れのこの量を、高い稠度が見られるまで測定する(数的稠度は、測定しなかったが(粘性)、流れに基づいて判断され得、汚れが垂直位置でステンレス鋼切り取り試片を流れ落ちる場合、汚れの流動性は高過ぎであり、汚れが垂直位置で切り取り試片の表面に留まる場合、稠度は正確である)。
【0135】
1.4~1.5gの加熱された汚れを、ステンレス鋼切り取り試片上に、上部及び下部の2分の1インチを汚さずに適用する。各切り取り試片上に適用された汚れの重量を記録する(WT)。汚れた切り取り試片を、ベンチ上に置き、2~3時間乾燥/硬化させる。
【0136】
12.5gの洗剤を600mlのビーカーに添加し、500gまで5穀水を注ぐ。全てが溶解するまで、磁気撹拌棒で混合する。
【0137】
このステップを全ての洗剤(陽性及び陰性対照、ならびに試験洗剤)に対して繰り返す。これが洗剤のストック濃縮物である。
【0138】
140gのストック濃縮物を測定し、1リットルのビーカーに入れる。各1リットルのビーカーに560gの5穀水を注ぐ。300rpmで、磁気撹拌棒で混合する。これが汚れた切り取り試片浸漬液である。全て3重で行うため、3つの浸漬液ビーカーを、各洗剤溶液に対して作製する。
【0139】
風袋を量る。ステンレス鋼切り取り試片を量り、記録する(この重量は、浸漬の前であり、それは、汚れの量も含有する、Wb)。
【0140】
タイマーを20分に設定し、切り取り試片を、磁気撹拌棒を有する各浸漬液ビーカーに配置する。汚れた切り取り試片を20分間浸漬する。
【0141】
20分後、汚れた切り取り試片を浸漬液から取り出し、前面及び後面がDI水で濯がれているアルミニウム皿に配置する。その後、浸漬された切り取り試片を、後の総重量(WA)が測定され、記録されるラック上で一晩、垂直に乾燥させる。
【0142】
各洗剤に対してステップ6及び7を繰り返す。
【0143】
データを本明細書に添付される図に示す。」
「
[図:0001407041000003.jpg]
[図:0001407041000004.jpg]
」
(4)独立特許要件(特許法第36条第6項第1号(サポート要件))について
ア 判断手法
特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第1号の要件(以下「サポート要件」という。)に適合するか否かについては、特許請求の範囲と本願明細書の発明の詳細な説明を対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載又はその示唆により、当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものである。
そこで、上記判断基準に基づいて、本件補正後発明が、サポート要件に適合するか、以下、検討する。
イ 本件補正発明の課題
本件補正発明の課題は、明細書の【0006】、【0008】、【0009】から、圧縮することによって調製され得る、泡高及び油脂/汚れ除去について良好な性能を有する、固体洗剤製剤を提供することと認められる。
ウ サポート要件適合性
本願明細書の発明の詳細な説明には、【0119】の【表2】に、試作品22、24、39、40が記載され、試作品の原材料として、「アニオン性界面活性剤、塩」、「無機塩」、「非イオン性界面活性剤」、「アルカリ源」の4つの原材料が記載されており、これらの試作品は、同【0117】によれば、本発明の実施例であるとされている。そして、図1A~3Bには、試作品22、24、39についての泡高に関する試験の結果が記載され、図4、5には、試作品36~38、6、24についての汚れ除去に関する試験の結果が記載されており、少なくとも試作品24については、「泡高及び油脂/汚れ除去について良好な性能を有する」という課題を解決するものと解することができる。
しかしながら、前記試作品の4つの原材料の詳細についての記載はなく、具体的な成分名は不明である。そして、前記【表2】には、前記試作品の4つの原材料について、各原材料の重量%が表示されているものの、各原材料の分子量が不明であるから、各原材料のモル比も不明であり、また、例えば、界面活性剤であれば、その種類によって、HLB値や鹸化価が大きく異なり、また、アルカリ源であれば、その種類によってアルカリ価やpHが異なるから、各原材料の重量%が特定されていても、物性等の詳細は不明である。
そうすると、本件補正発明に係る固体ブロック洗剤組成物が、本願明細書の発明の詳細な説明に記載された実施例に含まれるものか否かも明らかでなく、また、固体洗剤の起泡性能及び汚れ除去性能は、固体洗剤を構成する成分の種類及び配合割合によって大きく異なることが技術常識であることも考慮すれば、本件補正発明に係る固体ブロック洗剤組成物が、実施例等の具体的な説明の記載が無い本願明細書の発明の詳細な説明の記載、及び本願出願時の技術常識に照らして、前記イに記載した「泡高及び油脂/汚れ除去について良好な性能を有する」という本件補正発明の課題を解決できる範囲のものと認識することはできない。
また、本件補正発明に係る固体ブロック洗剤組成物が「圧縮することによって調製され得る」点について、試作品の製造方法について何ら記載がなく、また洗剤の固体化の可否は洗剤を構成する成分の種類及び配合割合によって大きく異なり、公知な硬化剤や融解物の冷却を用いることなく、圧縮することによって調製され得る組成物が固体化することが技術常識であるとはいえないことを考慮すると、本件補正発明が、前記イに記載した「圧縮することによって調製され得る」「固体化洗剤製剤を提供する」という本件補正発明の課題を解決できる範囲のものと認識することはできない。
そうすると、本件補正発明は、本願明細書の発明の詳細な説明の記載及び本願出願時の技術常識に照らして、上記した課題を解決できると認識できる範囲のものということはできない。
したがって、本件補正発明の記載は、明細書の発明の詳細な説明に記載したものではなく、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たすものではない。
(5)独立特許要件(特許法第36条第4項第1号(実施可能要件))について
ア 判断手法
特許法36条4項1号は、明細書の発明の詳細な説明の記載は、「その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したもの」でなければならないと定める。そして、物の発明における発明の実施とは、その物の生産、使用等をする行為をいうから(特許法2条3項1号)、同法36条4項1号の「その実施をすることができる」とは、その物を作ることができ、かつ、その物を使用できることであり、物の発明については、明細書にその物を生産する方法及び使用する方法についての具体的な記載が必要であるが、そのような記載がなくても、明細書及び図面の記載並びに出願当時の技術常識に基づき、当業者がその物を作ることができ、かつ、その物を使用できるのであれば、上記の実施可能要件を満たすということができる。
そこで、上記判断基準に基づいて、本願明細書が、実施可能要件に適合するか、以下、検討する。
イ 実施可能要件適合性
本願明細書の発明の詳細な説明には、【0119】の【表2】に、実施例として試作品22、24、39、40が記載され、試作品の原材料として、「アニオン性界面活性剤、塩」、「無機塩」、「非イオン性界面活性剤」、「アルカリ源」の4つの原材料が記載されているが、前記4つの原材料の具体的成分の記載はないから、前記(4)ウで検討したように、いずれの試作品も、本件補正発明に係る固体ブロック洗剤組成物の実施例に該当するものであるのか否かが明らかでない。また、試作品の製造方法については何ら記載されていない。そうすると、明細書の発明の詳細な説明には、本件補正発明に係る固体ブロック洗剤組成物を製造する方法について具体的に記載されているとはいえない。
特に、公知な固体ブロック洗剤組成物の製造方法として、硬化剤の使用、融解物の冷却といった方法があるとされているが(本願明細書【0003】~【0006】)、公知な硬化剤や融解物の冷却を用いず、圧縮することによって調製され得る組成物が技術常識であるとはいえない。そうすると、本件補正発明のように、「中和されたアニオン性スルホン化界面活性剤」、「マグネシウム塩」、「炭酸塩」、「アクリルポリマー」、「ラウリン酸モノエタノールアミド、ココモノエタノールアミド、又はそれらの混合物」を含み、しかも、「ポリエチレングリーコールおよび尿素増粘剤」を含まない組成物について、本件特許明細書を参照し、追試しようとしたとしても、過度の試行錯誤を要することなく、それぞれの具体的物質及びその組み合わせを検討し、硬化剤や融解物の冷却を用いず、圧縮することによって調製・固化され得る組成物を見出し、固体ブロック洗剤組成物を製造することができるとはいえない。
したがって、本願明細書の発明の詳細な説明は、当業者が本件補正発明の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載しているものであるとはいえない。
(6)審判請求人の主張について
審判請求人は、令和4年8月24日提出の上申書において、「当業者であれば、本願発明の組成物が、本願明細書を通じて提供される成分のいずれかの組合せから製造され得るものであって、本願明細書に記載された方法により、プレスすることによって固体状に形成されることも理解するはずです。」と主張している。しかしながら、「中和されたアニオン性スルホン化界面活性剤」、「マグネシウム塩」、「炭酸塩」、「アクリルポリマー」、「ラウリン酸モノエタノールアミド、ココモノエタノールアミド、又はそれらの混合物」を含む組成物が、プレスすることによって固形状に形成できるものであることについて、本願明細書には実施例はなく、具体的に説明がされているとはいえず、また硬化剤の使用や融解物の冷却を行うことなく、プレスすることによって固形状に形成できる組成物であることが技術常識ともいえないことから、当業者であっても、請求項1に記載の組成物を、プレスすることによって固体状に形成することができるとはいえない。
また、審判請求人は、前記上申書において、「実施例に記載した実験が組成物の有効性を実証していますので、そのような組成物は、加工性、グリース除去性能、および発泡特性という望ましい特徴のすべてを有することも理解できるはずです。」と主張している。しかしながら、実施例に記載した実験に用いられた試作品は、「中和されたアニオン性スルホン化界面活性剤」、「マグネシウム塩」、「炭酸塩」、「アクリルポリマー」、「ラウリン酸モノエタノールアミド、ココモノエタノールアミド、又はそれらの混合物」を含む組成物であるとは認められないため、当該試作品の実験結果をもって、請求項1記載の組成物が、伝統的な固体洗剤と比較して、泡高及び油脂/汚れ除去について、同様またはより良好な性能を有するとは認められない。
よって、前記請求人の主張は採用できない。
なお、前記上申書において、審判請求人は、補正の機会を頂ければ補正を行う用意があるとして、「1~95重量%の中和されたアニオン性スルホン化界面活性剤」を「50~95重量%の1種以上の中和されたアニオン性スルホン化界面活性剤」と補正し、「前記組成物は、ポリエチレングリコールおよび尿素増粘剤を含まない」を「前記組成物は、固体状に圧縮され、ポリエチレングリコールおよび尿素増粘剤を含まない」と補正する案を記載しているが、当該補正がされたとしても、前記独立特許要件を満たさないという理由が解消されるものではない。
(7)本件補正についてのむすび
よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、前記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
令和4年2月8日にされた手続補正は、前記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和2年3月11日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし30に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、本願発明は発明の詳細な説明に記載したものでないから、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしておらず、また本願の発明の詳細な説明は当業者が本願発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されたものでないから、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない、という理由を含むものである。
3 当審の判断
(1)特許法第36条第6項第1号について
前記第2(4)と同様に、本願発明は、明細書の発明の詳細な説明に記載したものではない。
(2)特許法第36条第4項第1号について
前記第2(5)と同様に、本願明細書の発明の詳細な説明は、当業者が本願発明の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載しているものであるとはいえない。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、発明の詳細な説明に記載したものでないから、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしておらず、また本願の発明の詳細な説明は、当業者が本願発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されたものでないから、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。
したがって、本願は、その他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、特許法第49条第1項第4号の規定に該当し、拒絶されるものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2022-001869