商標拒絶査定不服審判
2022-001385
イエカフェ、イエ
- 審判番号
- 2022-001385
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2019-149540
- 請求日
- 2022年01月31日
- 審決日
- 2023年05月09日
- 公報発行日
- 2023年08月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】サントリーホールディングス株式会社
- 【請求人代理人】中田 和博
- 【請求人代理人】青木 博通
- 【請求人代理人】片山 礼介
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 須田 亮一
- 分類
- T18 .16 -Z (W3032)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2019-149540拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は,成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は,令和元年11月27日の出願であって,その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年3月26日付け :拒絶理由通知書
令和3年5月10日 :意見書の提出
令和3年10月25日付け:拒絶査定
令和4年1月31日 :審判請求書の提出
第2 本願商標
本願商標は,「イエカフェ」の文字を標準文字で表してなり,第30類「茶,コーヒー,ココア,氷,菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,コーヒー豆,穀物の加工品,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ」及び第32類「ビール,ビール風味の麦芽発泡酒,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,アルコールを含有しないビール風味の清涼飲料,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料,アルコールを含有しない飲料」を指定商品として,登録出願されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由(要点)
本願商標は,「イエカフェ」の文字を標準文字で表してなるところ,近年,自宅にいながら,カフェにいるかのように飲食を楽しむことが,「家カフェ」や「おうちカフェ」のように表示され,紹介されている実情がある。
そうすると,本願商標に接する取引者,需要者は,本願商標を,「自分の住んでいる建物。うち。自宅。」の意味を有する「家」の語を片仮名表記した「イエ」の文字に,「カフェ」の語を結合したものと理解し,これをその指定商品に使用しても,その商品が「自宅にいながらカフェにいるかのように楽しむための商品」であるという商品の特徴を簡潔に表したものと認識するにとどまり,自他商品の識別標識としての機能を果たすものとは認識しないというのが相当である。
したがって,本願商標は,需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というべきであるから,商標法第3条第1項第6号に該当する。
第4 当審の判断
1 商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は,「イエカフェ」の文字からなるところ,「イエ」の文字と「カフェ」の文字との間に空白なく一連で表されているとしても,本願の指定商品及び以下に詳述する業界の実情を踏まえると,本願商標は,「居住用の建物。」等の意味を有する語である「家」(「広辞苑第7版」株式会社岩波書店)を片仮名表記した「イエ」の文字と,「主としてコーヒーなどの飲み物を供する店。」等の意味を有する「カフェ」の文字(語)(前掲書)とを組み合わせてなるものと容易に理解,認識できるものである。
当審における職権調査によれば,本願の指定商品を取り扱う業界やこれと関連する業界においては,コーヒー,紅茶,菓子等を販売する際に,「家カフェ」の文字及びそれに通じる「イエカフェ」の文字が,「自宅にいながら,カフェにいるかのように飲食を楽しむこと」程の意味合いを示す宣伝文句として使用されている例があり(別掲1),また,「イエ」の文字が,「家」の語の片仮名表記として使用されている例も存在している(別掲2)。
そうすると,本願商標をその指定商品に使用しても,これに接する取引者,需要者は,「自宅にいながら,カフェにいるかのように飲食を楽しむ」という商品の特徴を表した宣伝文句の一種と理解するにとどまり,何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標と判断するのが相当である。
したがって,本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は,本願商標の構成中の「イエ」の文字部分について,「当該部分は感嘆詞の「いえ」,あるいは英単語の「yeah」にも通ずる表記である」とした上で,「本願商標は片仮名のみで表することで,外国語を彷彿させるような,全体で特定の意味を有しない一種の造語と認識されることを意図したのである。「家カフェ」のように表記したのであれば,原審において指摘されるような意味合いに認識し得るかもしれないが,片仮名のみで「イエカフェ」と表記した場合,そのような意味合いを直ちに認識させるものではない。」旨を主張している。
しかしながら,前記1のとおり,本願の指定商品を取り扱う業界やこれと関連する業界において,コーヒー,紅茶,菓子等を販売する際に,「家カフェ」の文字及びそれに通じる「イエカフェ」の文字が,「自宅にいながら,カフェにいるかのように飲食を楽しむこと」程の意味合いを示す宣伝文句として使用されている例があること,また,「イエ」の文字が,「家」の語の片仮名表記として使用されている例も存在することからすれば,本願商標に接する取引者,需要者は,その構成中の「イエ」の文字が,「居住用の建物。」等の意味を有する語である「家」を片仮名表記したものであると容易に理解,認識できるといえる。
そうすると,本願商標が片仮名のみで表記されているとしても,本願の指定商品との関係において,本願商標の構成全体から,「自宅にいながら,カフェにいるかのように飲食を楽しむこと」程の意味合いを認識させるものと判断するのが相当である。
(2)請求人は「「家カフェ」という言葉はそもそも,インテリアや食器など,飲み方にこだわるスタイルのことを指し示す言葉であり,「家カフェ」という表現から直ちに「自宅にいながらカフェにいるかのように楽しむための商品」であるという商品の特徴を簡潔に表したものと認識するのか疑問である」旨を主張している。
しかしながら,前記1のとおり,本願の指定商品を取り扱う業界やこれと関連する業界において,コーヒー,紅茶,菓子等を販売する際に,「家カフェ」の文字及びそれに通じる「イエカフェ」の文字が,「自宅にいながら,カフェにいるかのように飲食を楽しむこと」程の意味合いを示す宣伝文句として使用されている例があることからすれば,「家カフェ」あるいは「イエカフェ」の文字に接する取引者,需要者は,「自宅にいながら,カフェにいるかのように飲食を楽しむ」という商品の特徴を表した宣伝文句の一種と理解するにとどまり,何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標と判断するのが相当である。
(3)請求人は,過去における登録例(第1号証)を挙げて,本願商標も登録されるべき旨主張している。
しかしながら,登録出願に係る商標がその指定商品との関係において,自他商品の識別標識として機能し得るか否かは,当該商標登録出願の査定時又は審決時において,当該商標の構成態様と指定商品との関係や取引の実情をも踏まえて個別具体的に判断されるべきものであるところ,請求人の示す登録例(第1号証)と本願商標とは,構成文字が異なり,事案を異にするものであるし,本願商標が自他商品の識別力を欠くものであることは,前記1のとおりであるから,登録例があるからといってその判断が左右されることはない。
(4)したがって,請求人の主張はいずれも採用できない。
3 まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
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