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商標拒絶査定不服審判

2022-001276

マルデオニク、マルデ

審判番号
2022-001276
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2019-145528
請求日
2022年01月27日
審決日
2023年02月17日
公報発行日
2023年05月26日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】伊藤ハム株式会社
  • 【請求人代理人】弁理士法人有古特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 豊田 純一
  • 審判官 小田 昌子
  • 審判官 岩谷 禎枝
分類
T18 .16 -Z (W2930)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項6号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第6号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2019-145528拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 本願商標及び手続の経緯 本願商標は、「まるでお肉!」の文字を標準文字で表してなり、第29類「乳製品,食肉,肉製品,加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり」を除く。),加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,カレー・シチュー又はスープのもと,肉又は肉製品を主材とする惣菜,野菜又は野菜の加工品を主材とする惣菜」及び第30類「菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,調味料,香辛料,穀物の加工品,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ,即席菓子のもと」を指定商品として、令和元年11月18日に登録出願されたものである。 本願は、令和3年2月8日付けで拒絶理由の通知がされ、同年3月12日に意見書(以下「意見書1」という。)が提出されたが、同年10月25日付けで拒絶査定がされ、これに対して同4年1月27日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。 第2 原査定の拒絶の理由の要旨 原査定は、本願商標は「まるでお肉!」の文字を標準文字で表してなるところ、本願の指定商品中、第29類の指定商品の関係において、大豆やえんどう豆等から作られた植物性ミート(代用肉)やこの植物性ミート(代用肉)を使用した商品が販売されている実情にあり、本願商標は、人の注意をひくように工夫した宣伝文句といえるものであって、格別要部として把握し得る部分があるとも認め難いことから、その意味合いを看取した需要者は、これをその取り扱いに係る特定の商品について使用する商品識別の標識と認識するというよりは、むしろ、出願人の取り扱っている商品に関し、「肉の代用となる商品又はまるでお肉のような商品」であることを端的に表現した宣伝広告の一種と認識し理解するとみるのが相当であって、これをその指定商品に使用しても、需要者・取引者は、顧客の吸引、販売促進等のための宣伝広告の一類型を表示したものと理解するにとどまり、何人かの業務に係る商品であることを認識できないものといわざるを得ないから、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 第3 当審における審尋 当審において、令和4年9月16日付け審尋により、請求人(出願人)(以下「請求人」という。)に対し、別掲1ないし別掲3のとおりの事実を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めた。 第4 審尋に対する請求人の回答(要旨) 請求人は、上記第3の審尋に対し、令和4年11月9日受付の意見書(以下「意見書2」という。)を提出し、要旨、以下、1及び2のとおりの意見を述べた。 1 本願商標と同様に「まるで」に食材や食品の普通名称を結合した構成の登録商標が多数存在し、これらの登録商標の指定商品との関係において、自他商品識別力を発揮し、また、商品の品質について誤認を生じるおそれはないと判断され、商標登録が認められており、これらの登録商標はいずれも食品の範ちゅうに属する商品を指定商品とするが、飲食料品が取り扱われる業界の需要者又は取引者は「まるで○○○」の構成の商標から「○○○の代用品」という意味合いを把握したとしても、その商標を宣伝広告の一類型と認識することはない。 2 請求人は、本願商標を現に使用しているが、本願商標を使用する商品(以下「請求人商品」という。)は各種のメディアで広く紹介され、近時においても食品業界の新聞や雑誌、テレビ番組、インターネット記事や各種のSNSなどで紹介されていることから、本願商標は請求人商品を表示する自他商品識別標識として業界において広く認知されている。 第5 当審の判断 1 商標法第3条第1項第6号該当性について 本願商標は、上記第1のとおり、「まるでお肉!」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「まるで」の文字は、「ちょうど。あたかも。さながら。」の意味を有し、「!」は、「感嘆符(「感嘆や強調を表す符号。エクスクラメーションーマーク。「!」)。」(いずれも「広辞苑 第7版」株式会社岩波書店)であるから、本願商標は、「あたかもお肉」ほどの意味合いを感嘆符で強調したものであると認識させる。 そして、別掲1のとおり、昨今、温室効果ガスの削減効果や、人々の健康志向の高まり等を背景に、植物性原料から作られた「肉のような食べ物」である代替肉が注目され、その開発が進められていることがうかがえるところ、別掲2のとおり、本願の指定商品を取り扱う業界において、代替肉を使用した商品が販売されている実情が確認でき、また、別掲3のとおり、請求人以外の者が、代替肉を使った商品を、「まるでお肉」の文字を使用して販売している実情が確認できる。 そうすると、本願商標を、その指定商品中の「大豆やえんどう豆等から作られた植物性ミート(代替肉)やこの植物性ミート(代替肉)を使用した商品」に使用しても、これに接する取引者、需要者に、当該商品が、「代替肉を使用した商品」であることを理解させるにとどまり、その商品に関心を持たせるための手法、すなわち、その商品が環境や健康に配慮したものであることを、感嘆符を用いて強調して表現する宣伝広告の一類型であると認識されるものといえる。 したがって、本願商標は、その指定商品中「代替肉を使用した商品」について、何人もその使用を欲するといい得るものであり、特定人による独占使用を認めることを公益上適当としないものであるとともに、自他商品の識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであるため、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であるかを認識することができない商標というのが相当である。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。 2 請求人の主張について (1)請求人は、本願商標と同様に「まるで」に食材や食品の普通名称を結合した構成の登録商標が多数存在し、これらの登録商標の指定商品との関係において、自他商品識別力を発揮し、また、商品の品質について誤認を生じるおそれはないと判断され、商標登録が認められており、これらの登録商標はいずれも食品の範ちゅうに属する商品を指定商品とするが、飲食料品が取り扱われる業界の需要者又は取引者は「まるで○○○」の構成の商標から「○○○の代用品」という意味合いを把握したとしても、その商標を宣伝広告の一類型と認識することはない旨を主張する。 しかしながら、登録出願された商標が自他商品の識別機能を有するか否かは、当該登録出願の査定時又は審決時において、これに接する取引者、需要者の認識を基準として判断されるべきであり、当該商標の構成態様と指定商品との関係や商品の取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるものであって、他の登録例の存在によって、上記判断が左右されるものではない。 また、別掲1のとおり、昨今、温室効果ガスの削減効果や、人々の健康志向の高まり等を背景に、植物性原料から作られた「肉のような食べ物」である代替肉が注目され、その開発が進められていること、別掲2のとおり、本願の指定商品を取り扱う業界において、代替肉を使用した商品が販売されている実情が確認できること、別掲3のとおり、請求人以外の者が、代替肉を使った商品を、「まるでお肉」の文字を使用して販売している実情が確認できることからすると、本願商標に接する取引者、需要者に、当該商品が、「代替肉を使用した商品」であることを理解させるにとどまることから、本願商標は、その商品に関心を持たせるための手法、すなわち、その商品が環境や健康に配慮したものであることを、感嘆符を用いて強調して表現する宣伝広告の一類型であると認識されるものと判断するのが相当である。 (2)請求人は、意見書1にて、本願商標「まるでお肉!」を大豆ミートのシリーズ商品の冠商標として大々的に使用している旨を、また、審判請求書にて、請求人商品が、時代にマッチした新たな食品として2020年3月の発売当初から大変な話題を呼び、「まるでお肉!」という商品名で様々なメディアで広く紹介されてきた事実より、本願商標は、第29類の本願の指定商品が取引される業界の需要者及び取引者間において一定の認知も獲得している旨を、さらに、意見書2にて、請求人は本願商標を現に使用しているが、請求人商品は各種のメディアで広く紹介され、近時においても食品業界の新聞や雑誌、テレビ番組、インターネット記事や各種のSNSなどで紹介されていることから、本願商標は請求人商品を表示する自他商品識別標識として業界において広く認知されている旨を主張し、その証明として、意見書1にて、甲第1号証を、審判請求書にて、甲第3号証ないし甲第11号証(枝番号を含む。)を、意見書2にて、甲第16号証ないし甲第18号証(枝番号を含む。)を提出している。 請求人の主張及び請求人が提出した証拠によると、請求人は、請求人商品を2020年3月から発売し、食品業界の新聞や雑誌、テレビ番組、インターネット記事や各種のSNSなどで紹介されていることは確認できる。 しかしながら、請求人商品の販売期間は、3年弱であり、長期間にわたり販売された商品とはいえず、また、請求人が提出した証拠を確認しても、本願商標とともに、請求人の略称である「伊藤ハム」の語が使用されている例が散見されること、請求人商品の売上高や市場占有率を明らかにする証拠が提出されていないことに加え、別掲3のとおり、請求人以外の者が、代替肉を使った商品を、「まるでお肉」の文字を使用して販売している実情が確認できることからすると、本願商標が、請求人商品を表示する自他商品識別標識として、取引者、需要者の間に広く認識されていると客観的に判断することはできない。 (3)請求人の上記主張は、いずれも採用することができず、その他の請求人の主張は、採用するべき事情はない。 3 まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-001276

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