商標拒絶査定不服審判
2022-001119
マツオケンハツスタートアップ、マツオケンハツ、マツオケン、スタートアップ
- 審判番号
- 2022-001119
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-135191
- 請求日
- 2022年01月25日
- 審決日
- 2022年11月09日
- 公報発行日
- 2022年12月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社松尾研究所
- 【請求人代理人】特許業務法人Smarca
- 審判長/審判官
- 審判長 岩崎 安子
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 綾 郁奈子
- 分類
- T18 .23 -WY (W354142)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項8号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第8号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-135191拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
理由
理 由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「松尾研発スタートアップ」の文字を標準文字で表してなり、第9類、第16類、第35類、第41類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、令和2年10月30日に登録出願されたものである。
本願は、令和3年4月14日付けで拒絶理由の通知がされ、同年6月30日付けで意見書が提出されたが、同年10月21日付けで拒絶査定がされた。
これに対して令和4年1月25日に拒絶査定不服審判の請求がされたものであり、指定商品及び指定役務については、同日付け手続補正書により、別掲のとおりに補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、他人の氏名と認められる「松尾研」の文字を含んでなるところ、例えば、インターネット情報によれば「松尾研」と称する他人が複数存在する事実が認められる。そして、これらの者の承諾を得ているものとは認められない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第8号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、上記1のとおり、「松尾研発スタートアップ」の文字を標準文字で表してなるものである。
そして、商標法第法4条第1項第8号においては、「他人の肖像又は他人の氏名若しくは名称若しくは著名な雅号、芸名若しくは筆名若しくはこれらの著名な略称を含む商標(その他人の承諾を得ているものを除く。)」は、商標登録を受けることができないと規定されているところ、同号の「含む」は、単に物理的に「包含する」状態をもって足りるとするのは適切でなく、問題とされる商標において、その部分が他人の略称等として客観的に把握され、当該他人を想起、連想させるものであることを必要とすると解するべきである(知的財産高等裁判所 平成21年(行ケ)第10074号)。
そこで、本願商標の構成のうち、「松尾研」の文字部分が他人の氏名として客観的に把握され、当該他人を想起、連想させるものであるか否かを検討する。
まず、当審における職権調査によれば、「発」の文字が「出立すること」(出典:広辞苑第七版)の意味を有すること、また、研究室等の研究機関から、スタートアップやベンチャーが出立することも一般的であり、それらが「○○研発スタートアップ」、「○○研発ベンチャー」と称されている実情が認められる(東京大学大学院加藤研究室発のスタートアップであることを「東大加藤研発スタートアップ」と称する例、https://twitter.com/shinpeikato/status/1400348852071276546、https://synesthesias.jp/about、高西・石井研究室発のスタートアップであることを「高西・石井研発スタートアップ」と称する例、https://weekly.ascii.jp/elem/000/004/004/4004968/、https://www.upto4.com/media/1182、慶應義塾大学先端声明研究所発のスタートアップであることを「慶大先端生命研発スタートアップ」と称する例、https://metagen.co.jp/news/2019/06/00728.html、樋口研究室発のベンチャーであることを「樋口研発ベンチャー」と称する例、https://www.ksp.co.jp/case/interview-3.html)。
次に、「氏+研究室」の構成からなる文字を、「氏+研」のように略すことが慣例的に行われていることが認められる(「鈴木研」https://www.suzlab.mae.nagoya-u.ac.jp/、「田中研」https://planetb.sci.isas.jaxa.jp/luna/info.html)。
そうすると、「松尾研発スタートアップ」と表した場合、「松尾研究室から出立したスタートアップ」を理解させるというのが自然であるから、「松尾研」の文字部分は、「松尾研究室」の略と認識されるというのが相当であり、他人の氏名として客観的に把握され、当該他人を想起、連想させるものであるとはいえない。
以上のとおり、本願商標は、他人の氏名を含む商標ということはできないから、商標法第4条第1項第8号に該当しない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
なお、令和4年10月17日付けで審理再開申立書が提出されたが、審理に影響しない内容であるから、本件審判事件に係る審理の再開は行わないこととした。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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