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商標拒絶査定不服審判

2022-000671

スマートパンツ、スマート

審判番号
2022-000671
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2020-019032
請求日
2022年01月17日
審決日
2023年03月14日
公報発行日
2023年06月30日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社ファーストリテイリング
  • 【請求人代理人】窪田 英一郎
審判長/審判官
  • 審判長 豊田 純一
  • 審判官 杉本 克治
  • 審判官 小田 昌子
分類
T18 .16 -Z (W25)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項6号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第6号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2020-19032拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 本願商標及び手続の経緯 本願商標は、「Smart Pants」の文字を標準文字で表してなり、第25類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、令和2年2月21日に登録出願されたものである。 本願は、令和2年11月25日付けで拒絶理由の通知がされ、同年12月28日に意見書(以下「意見書1」という。)が提出され、本願の指定商品は、同日受付の手続補正書により、第25類「ズボン,パンツ」(以下「原審補正商品」という。)に補正されたところ、同3年3月24日付けで拒絶理由の通知がされ、同年8月10日に意見書(以下「意見書2」という。)が提出されたが、同年10月6日付けで拒絶査定がされ、これに対し、同4年1月17日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。 第2 原査定の拒絶の理由の要旨 原査定は、本願商標は「Smart Pants」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字及びその読みを片仮名で表した「スマートパンツ」の文字は、「同種の商品よりも優れた機能やデザインを有するズボン」であることを表現する語として広く採択、使用されている実情があることから、本願商標を原審補正商品中「ズボン」に使用しても、これに接する需要者は、「同種の商品よりも優れた機能やデザインを有するズボン」であることを表したものとしか認識、理解できず、何人かの業務に係る商品であることを認識することができないため、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する旨認定、判断し本願を拒絶したものである。 第3 当審における審尋 当審において、令和4年10月20日付け審尋(以下「審尋」という。)により、請求人(出願人)(以下「請求人」という。)に対し、別掲のとおりの事実を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めた。 第4 審尋に対する請求人の意見 請求人は、上記第3の審尋に対し、令和4年12月7日受付の回答書(以下「回答書」という。)において、要旨、以下の1及び2のとおりの意見を述べた。 1 宣伝広告であれば、キャッチコピーのように商品名とは別に使用されるはずであり、商品名の一部として使用されているということは、それが宣伝広告の一類型ではないと理解され、また、「スマートパンツ」や「Smart Pants」の語は、請求人が作成した造語であり、このような語が一般に使用されることはなかったことからも、本願商標は「同種の商品よりも優れた機能やデザインを有するズボン」であるとの認織しか需要者に生じないというのは当たらず、取引の実情を勘案しても、本願商標は識別力を欠いているものに当たらない。 2 「スマートパンツ」ないし「Smart Pants」の語は、請求人が運営する店舗において女性用の「スマートアンクルパンツ」や、男性用の「スマートスリムフィットパンツ」などを総称する語として使用されており、使用実績やテレビコマーシャルなどから、「スマートパンツ」及び「Smart Pants」といえば請求人のものであると需要者は認識する。 第5 当審の判断 1 商標法第3条第1項第6号該当性について (1)商標法は、「商標を保護することにより、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、もつて産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を保護することを目的とする」ものであるところ(同法第1条)、商標の本質は、自己の業務に係る商品又は役務と識別するための標識として機能することにあり、この自他商品の識別標識としての機能から、出所表示機能、品質保証機能及び広告宣伝機能等が生じるものである。同法第3条第1項第6号が、「需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標」を商標登録の要件を欠くと規定するのは、同項第1号ないし第5号に例示されるような、識別力のない商標は、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、自他商品の識別力を欠くために、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解すべきである(知財高裁平成21年(行ケ)第10270号、知財高裁平成24年(行ケ)第10323号判決参照)。 (2)本願商標は、上記第1のとおり、「Smart Pants」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「Smart」の文字は「頭の良い、洗練された」等を、「Pants」の文字は「ズボン,スラックス」(「ジーニアス英和辞典 第5版」 大修館書店発行)を意味する、いずれもよく知られた英語であり、「Smart」の文字と「Pants」の文字を結合した「Smart Pants」の文字は、各構成文字の意味合いから構成全体として「洗練されたズボン」及び「洗練されたスラックス」のような意味合いを容易に理解させるものである。 そして、「Smart Pants」の文字及び当該文字を片仮名で表記したものと容易に認識し得る「スマートパンツ」の片仮名は、別掲に示すとおり、原審補正商品を取り扱う業界において、「同種の商品よりも優れた機能やデザインを有するズボン」を表現する宣伝文句、すなわち、当該商品が良質の商品であることを唱える広告の一類型として、請求人以外の者が使用していることが認められる。 そうすると、「洗練されたズボン」及び「洗練されたスラックス」のような意味合いを理解させる本願商標「Smart Pants」を原審補正商品に使用しても、本願商標に接する取引者、需要者は、当該商品が「同種の商品よりも優れた機能やデザインを有するズボン」を表現する宣伝文句、すなわち、原審補正商品に関心を持たせるため、当該商品が良質の商品であることを唱える広告の一類型を表示したものと認識するにとどまるから、本願商標は、原審補正商品について、何人もその使用を欲するといい得るものであり、特定人による独占使用を認めることを公益上適当としないものであるとともに、自他商品の識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであるため、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というのが相当である。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。 2 請求人の主張について (1)請求人は、宣伝広告であれば、キャッチコピーのように商品名とは別に使用されるはずであり、商品名の一部として使用されているということは、それが宣伝広告の一類型ではないと理解され、また、「スマートパンツ」や「Smart Pants」の語は、請求人が作成した造語であり、このような語が一般に使用されることはなかったことからも、本願商標は「同種の商品よりも優れた機能やデザインを有するズボン」であるとの認織しか需要者に生じないというのは当たらず、取引の実情を勘案しても、本願商標は識別力を欠いているものに当たらない旨を主張する。 しかしながら、上記1(2)のとおり、「Smart Pants」の文字は、構成全体として「洗練されたズボン」及び「洗練されたスラックス」のような意味合いを容易に理解させ、「Smart Pants」の文字及びこれを片仮名で表した「スマートパンツ」の文字は、別掲に示すとおり、原審補正商品を取り扱う業界において、「同種の商品よりも優れた機能やデザインを有するズボン」を表現する宣伝文句、すなわち、当該商品が良質の商品であることを唱える広告の一類型として、請求人以外の者が使用していることが認められることからすると、仮に、請求人が主張するように「スマートパンツ」や「Smart Pants」の語が、請求人が作成した語であるとしても、本願商標は、自他商品の識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであるから、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というのが相当である。 (2)請求人は、回答書において、「スマートパンツ」ないし「Smart Pants」の語は、請求人が運営する店舗において女性用の「スマートアンクルパンツ」や、男性用の「スマートスリムフィットパンツ」などを総称する語として使用されており、使用実績やテレビコマーシャルなどから、「スマートパンツ」及び「Smart Pants」といえば請求人のものであると需要者は認識する旨を主張し、当該主張の証明として、意見書2、審判請求書の請求理由を補正するための令和4年2月28日及び同年3月1日提出の手続補正書、並びに回答書にて、証拠を提出している。 そこで、請求人の主張及び同人の提出に係る証拠を参照すると、請求人は、請求人の取扱いに係る商品(ズボン)について2018年12月から2021年12月までに約1400万点の売上実績があり、売上高は、約349億円にのぼること、2020年にテレビコマーシャルにより、同年12月から翌年8月に雑誌により、「スマートパンツ」と称する請求人の商品が宣伝広告されたことはうかがえる。 しかしながら、請求人の商品の販売期間は、約4年ほどであり、永年にわたり販売された商品とはいえず、テレビコマーシャルや雑誌による宣伝広告も2年ほどの期間にすぎない。 また、「スマートパンツ」の語は、請求人が運営する店舗の名称である「ユニクロ」や「UNIQLO」の語とともに使用されている事例が散見されている。 さらに、2018年12月から2021年12月までの約1400万点の売上実績や約349億円の売上高については、原審補正商品の市場規模や同業他社の売上実績や売上高がどの程度であるのかが明らかではないため、当該売上実績や売上高の多寡は判断することができない。 そして、別掲に示すとおり、原審補正商品を取り扱う業界において、「同種の商品よりも優れた機能やデザインを有するズボン」を表現する宣伝文句、すなわち、当該商品が良質の商品であることを唱える広告の一類型として、請求人以外の者が「スマートパンツ」及び「Smart Pants」の文字を使用していることが認められることからすると、本願商標が、請求人の商品を表示するものとして、原審補正商品の分野における取引者、需要者の間に広く認識されていると客観的に判断することはできない。 (3)請求人は、意見書1にて、過去の登録例を挙げて、本願商標も同様に取り扱われるべきである旨主張する。 しかしながら、請求人の挙げる登録例は、本願商標とは、構成文字や構成態様が異なるものであって、かつ、具体的事案の判断においては、過去の登録例に拘束されることなく、当該商標の登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と取引の実情に応じて個別的に判断されるべきであるから、請求人の挙げる登録例の存在によって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するという判断に影響を与えるものではない。 (4)請求人の上記(1)ないし(3)の主張は、いずれも採用できず、その他、請求人の主張は、採用するべき事情はない。 3 まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-000671

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