商標拒絶査定不服審判
2022-000305
セーゾージャナイソーゾーダ、セーゾージャナイ、ソーゾーダ
- 審判番号
- 2022-000305
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-030934
- 請求日
- 2022年01月07日
- 審決日
- 2022年10月12日
- 公報発行日
- 2022年12月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社三井E&Sマシナリー
- 【請求人代理人】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 小松 里美
- 審判官 鈴木 雅也
- 審判官 渡邉 あおい
- 分類
- T18 .16 -Z (W06070911123742)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-30934拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和2年3月23日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年3月22日付け :拒絶理由通知書
令和3年4月21日 :意見書の提出
令和3年4月22日 :手続補足書の提出
令和3年10月4日付け :拒絶査定
令和4年1月7日 :審判請求書の提出
令和4年1月11日 :手続補足書の提出
令和4年6月27日付け :証拠調べ通知書
第2 本願商標
本願商標は、「「製造」じゃない、「創造」だ。」の文字を標準文字で表してなり、第6類、第7類、第9類、第11類、第12類、第37類及び第42類に属する別掲1のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、登録出願されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定は、「本願商標は、「「製造」じゃない、「創造」だ。」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「品物をつくること。原料を加工して製品とすること。」等の意味を有する「製造」、「新たに造ること。新しいものを造りはじめること。」等の意味を有する「創造」の各文字を、「否定、または問いかけ(質問・反問)の意味で用いられる、くだけた表現。文脈に応じて『ではない』の意味または『ではないか』の意味で用いられる。」等の意味を有する「じゃない」の語、及び「だ」の助詞でつなぎ、句読点を配してなるものである。そして、本願商標は、意味合いの理解が容易な語の組合せであって、構成全体から、「製造ではなく、創造だ。」ほどの意味合いが理解されるものであり、また、句読点が配されていることから、全体として記述的な語句、文章表現との印象を与えるものである。さらに、例えば、「製造ではなく創造を」など、「製造」及び「創造」の語が、企業の経営理念や経営方針等を表示するために採用されている実情や、それらの語を結合して、企業理念や経営方針として表現することが少なからず行われている実情がある。そうすると、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用しても、接する取引者、需要者は、企業理念等を表する記述的な語句として認識するにとどまり、本願商標を自他商品及び自他役務識別標識として認識し得ないというべきである。したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品及び役務であることを認識することができない商標というべきものであり、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第4 当審における証拠調べ通知及びそれに対する請求人の対応
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲2に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、上記第1の証拠調べ通知書によって通知し、期間を指定してこれに対する意見を求めた。
しかしながら、請求人は、上記証拠調べ通知に対し、所定の期間内に何ら意見を述べていない。
第5 当審の判断
1 本願商標について
(1)本願商標は、上記第2のとおり、「本願商標は、「「製造」じゃない、「創造」だ。」の文字を標準文字で表してなるものであるから、その構成文字自体の表示方法に特徴があるものとはいえない。
(2)本願商標は、原審説示のとおり、「品物をつくること。」などの意味を有する「製造」、「新たに造ること。」等の意味を有する「創造」の各文字を、「否定、または問いかけ(質問・反問)の意味で用いられる、くだけた表現。文脈に応じて「ではない」の意味または「ではないか」の意味で用いられる。」などの意味を有する「じゃない」の語、及び「だ」の助詞でつなぎ、句読点を配したものであり、請求人も認めるとおり、その全体から「製造ではなく、創造だ。」程の意味合いを理解させるものである。
2 企業理念や経営方針等を表す語に関する実情について
(1)本願商標から生じる「製造ではなく、創造だ。」の意味合いと同様の文言が、企業理念や経営方針を表す語として用いられている実情
別掲2(1)によれば、製造業の分野において、本願商標から生じる「製造ではなく、創造だ。」の意味合いと同様の文言は、例えば、企業のウェブサイトに「それが私たちの考える、メーカーのあるべき姿だ。/THE VALUE MAKER/製造じゃない、創造するんだ。」(別掲2(1)ア)、「お客様の胸に宿ったアイディアを実現させるモノづくり、それが私たちの仕事です。目指すのは、世界にたった1つしかないオリジナリティーにあふれた機械。その開発工程を、私たちは「製造」ではなく、「創造」と呼んでいます。」(同イ)、「創業当初より「製造から創造へ」をスローガンに・・・」(同オ)のように記載されており、また、求人情報を提供するウェブサイトやテレビ番組のウェブサイトにおいて、企業の紹介として「人生を豊かにするために、常に進化する鞄創造ブランドを目指します。/ただ鞄を製造するのではなく、お客様の人生を豊かにすることをミッションとして、株式会社由利では“製造”ではなく“創造”という言葉を使用しています。」(同ウ)、「・・・「過去を振り返るよりも新規事業のアイデアが優先」という企業文化が根づいているからだ。「製造ではなく創造」という社風は・・・」(同エ)のように記載されており、さらに、企業のウェブサイトのトップページに「製造から創造へ/株式会社フキタ鉄工」(同カ)、「製造から創造へ 村松機工」(同キ)のように記載されているところ、これらは、その文脈やウェブサイトにおける記載方法からすれば、「製造よりも創造を優先する」といった企業理念や経営方針を表す語として用いられているものと認められる。
そうすると、本願商標から生じる「製造ではなく、創造だ。」の意味合いは、製造業の分野において、「製造よりも創造を優先する」といった企業理念や経営方針として一般に理解されているというのが相当である。
(2)本願商標のように「じゃない」、「だ」の各文字を「~じゃない~だ」のように組み合わせた文字構成や、これに「」(かぎ括弧)を組み合わせた文字構成が、企業理念や経営方針等を表す際に用いられている実情
別掲2(2)によれば、各企業が、企業理念、経営方針やキャッチコピーを表す語として、「部品じゃない/作品だ!」、「「コツ」じゃない「学力」だ。」、「鑑賞じゃない、体験だ」の文言を用いていることが認められる。
そうすると、本願商標のような、「じゃない」、「だ」の各文字を「~じゃない~だ」のように組み合わせた文字構成や、これに「」(かぎ括弧)を組み合わせた文字構成は、企業理念、経営方針等の表示としてありふれた構成といえるものであって、需要者に強い印象を与えるものとはいえないというのが相当である。
3 本願商標の商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、上記1のとおり、「「製造」じゃない、「創造」だ。」の文字を特徴のない表示方法で表してなるものであり、その全体から「製造ではなく、創造だ。」程の意味合いを理解させるものであって、上記2のとおり、「製造ではなく、創造だ。」の意味合いは、製造業の分野において、「製造よりも創造を優先する」といった企業理念や経営方針として一般に理解されていること、本願商標のような、「じゃない」、「だ」の各文字を「~じゃない~だ」のように組み合わせた文字構成や、これに「」(かぎ括弧)を組み合わせた文字構成は、企業理念、経営方針等の表示としてありふれた構成といえるものであって、需要者に強い印象を与えるものとはいえないことをも考慮すれば、本願商標は、本願の指定商品及び指定役務の需要者よって、「製造よりも創造を優先する」といった企業理念、経営方針等として一般に認識されるというのが相当であり、商品及び役務の出所識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであるといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、「需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標」として、商標法第3条第1項第6号に該当する。
4 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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