商標拒絶査定不服審判
2022-000197
スマイルリフト
- 審判番号
- 2022-000197
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-067255
- 請求日
- 2022年01月06日
- 審決日
- 2022年09月27日
- 公報発行日
- 2022年12月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】医療法人社団永
- 【請求人代理人】小野寺 隆
- 【請求人代理人】関口 正夫
- 審判長/審判官
- 審判長 佐藤 松江
- 審判官 豊瀬 京太郎
- 審判官 小俣 克巳
- 分類
- T18 .13 -Z (W44) / T18 .272-Z (W44)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、特許法第150条第5項、商標法第3条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-67255拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和2年6月1日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年 5月11日付け :拒絶理由通知書
令和3年 6月25日 :意見書の提出
令和3年10月14日付け :拒絶査定
令和4年 1月 6日 :審判請求書の提出
令和4年 6月27日付け :証拠調べ通知書
令和4年 8月 8日 :意見書の提出
2 本願商標
本願商標は、「スマイルリフト」の文字を標準文字で表してなり、第44類「美容外科,美容外科に関する医療情報の提供,美容に関する情報の提供,美容,あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,整体,はり治療,医業,医療情報の提供,健康診断,歯科医業,調剤,栄養の指導,医療用機械器具の貸与,美容院用又は理髪店用の機械器具の貸与」を指定役務として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、「スマイルリフト」の文字を標準文字で表してなるところ、「スマイルリフト」の文字は「口の中からレーザーを照射して、引き締め、顔のリフトアップをする施術」程の意味合いで使用されている。そうすると、これを本願の指定役務中、口の中からレーザーを照射して、引き締め、顔のリフトアップをする施術に関する役務に使用しても、前記意味合いを認識させるにとどまり、単に役務の質を表示するにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記意味合いの役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて職権に基づく証拠調べをした結果、別掲に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、令和4年6月27日付け証拠調べ通知書によってこれを開示し、相当の期間を指定してこれに対する意見を述べる機会を与えた。
5 証拠調べ通知に対する意見
請求人は、前記4の証拠調べ通知に対して、要旨以下のように述べた。
(1)提示された資料をみるに、例えば、別掲(9)や別掲(10)のウェブサイトには、「Copyright 2022」との記載がある等、明らかに出願人の後にこれに便乗してサービスを行い、出願人商標を使用してウェブサイトに掲載されていることが明らかであり、審査及び審判期間の長期化によって、出願人商標に対するアウトサイダーが多く表れていることの証左である。このようなアウトサイダー等による役務の質の毀損を防止し、商標における保証機能を実現するとの商標法本来の趣旨を実現する目的に合致させるためには、本願商標が商標法第3条第1項3号等に該当するものとして登録を認めないとする合理的な理由はない。
(2)本願商標は、役務の質を表示するものではないから、商標法第3条第1項第3号に該当しない。また、役務の質を表示するものではない以上、同法第4条第1項第16号に該当しない。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「スマイルリフト」の文字を標準文字で表してなるものである。
そして、原審及び前記4の証拠調べ通知で示したとおり、「スマイルリフト」の文字は、本願の指定役務に係る美容・医療業界において、「口の中からレーザーを照射して、引き締め、顔のリフトアップをする施術」を表す語として、取引上一般に使用されているものである。
そうすると、本願商標は全体として「口の中からレーザーを照射して、引き締め、顔のリフトアップをする施術」の意味合いを容易に理解させるものというべきである。
してみれば、本願商標をその指定役務中「美容外科,美容,医業,歯科医業」に使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、当該役務が、例えば「口の中からレーザーを照射して、引き締め、顔のリフトアップをする施術による美容外科」のように、「口の中からレーザーを照射して、引き締め、顔のリフトアップをする施術を用いた役務」であることを認識するにとどまり、また、本願商標をその指定役務中「美容外科に関する医療情報の提供,美容に関する情報の提供,医療情報の提供」に使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、当該役務が、例えば「口の中からレーザーを照射して、引き締め、顔のリフトアップをする施術による美容外科に関する医療情報の提供」のように、「口の中からレーザーを照射して、引き締め、顔のリフトアップをする施術に関連する情報の提供」であることを認識するにとどまり、さらに、本願商標をその指定役務中「医療用機械器具の貸与」に使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、当該役務が「口の中からレーザーを照射して、引き締め、顔のリフトアップをする施術に用いる医療用機械器具の貸与」であることを認識するにとどまるものであって、いずれの場合も、自他役務の識別標識として認識し得ないものであるから、本願商標は、その役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「スマイルリフト」は各種国語辞書に掲載はなく、「スマイル」と「リフト」の各語の意味からしても「微笑、昇降機」程度であり、具体的な意味合いを表示するものではない。ましてや「口の中からレーザーを照射して、引き締め、顔のリフトアップをする施術」を意味するとの認定は恣意的かつ飛躍に過ぎる。また、「スマイルリフト」を「口の中からレーザーを照射して、引き締め、顔のリフトアップをする施術」の表示として使用している例がわずかにあるからといって役務の質を表示するものと認定することも飛躍に過ぎる。原査定提示のインターネットの情報についていえば、「スマイルリフト」の表示は役務の商標として使用されると評価されるべきものであり、もし「スマイルリフト」が役務の質を表示するものとして機能しているのであれば、別途「口の中からレーザーを照射して、引き締め、顔のリフトアップをする施術」等の役務内容説明は不要のはずである旨主張する。
しかしながら、たとえ、「スマイルリフト」の語が各種辞書等に掲載されていないとしても、上記(1)で述べたとおり、本願の指定役務に係る美容・医療業界において、「スマイルリフト」の文字が「口の中からレーザーを照射して、引き締め、顔のリフトアップをする施術」を表すものとして広く使用されている実情があることからすれば、本願商標に接する需要者が、当該文字を「口の中からレーザーを照射して、引き締め、顔のリフトアップをする施術」を表すものとして認識するというべきである。
イ 請求人は、当審における証拠調べ通知で提示した証拠について、例えば「木下皮フ科クリニック」(別掲(9))や「新橋歯科医科診療所」(別掲(10))のウェブサイトでは、ウェブサイトの記載において「Copyright 2022」との記載がある等、出願人の後にこれに便乗してサービスを行い、出願人商標を使用してウェブサイトに掲載されていることが明らかであり、審査及び審判期間の長期化によって、出願人商標に対するアウトサイダーが多く表れていることの証左である旨主張する。
しかしながら、当該主張は請求人独自の主張であり、その内容を裏付ける客観的証拠もなく、また、請求人が例示する「新橋歯科医科診療所」のウェブサイト(別掲(10))には、「2017.08.11/症例写真から見るスマイルリフトの驚きの効果」と記載されていることから、当該ウェブサイトの記載は本願商標の出願日前である2017年8月11日にされたことは明らかである。
さらに、商標法第3条第1項第3号の該当性の判断は、査定時又は審決時において、本願商標が同号に該当するか否かにより判断するところ、上記(1)で述べたとおり、「スマイルリフト」の文字は、本願の指定役務に係る美容・医療業界において、「口の中からレーザーを照射して、引き締め、顔のリフトアップをする施術」を表すものとして広く使用されていることからすると、本願商標は、その査定時又は審決時に同号に該当する商標と判断できるものである。
ウ したがって、請求人の上記の主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2022-000197