商標異議申立
2021-900458
エクスペディオ
- 審判番号
- 2021-900458
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2020-128108
- 登録番号
- 6450991
- 請求日
- 2021年12月27日
- 審決日
- 2023年02月01日
- 公報発行日
- 2023年03月31日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】バイオメディカ・ヘルスケア株式会社
- 【権利者代理人】林 裕己
- 【異議申立人】デピューシンセス インコーポレーテッド
- 【異議申立人代理人】岡村 信一
- 審判長/審判官
- 審判長 矢澤 一幸
- 審判官 豊田 純一
- 審判官 杉本 克治
- 分類
- T1651.261-Y (W10) / T1651.262-Y (W10) / T1651.263-Y (W10)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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登録第6450991号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6450991号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6450991号商標(以下「本件商標」という。)は、「Expedio」の文字を標準文字で表してなり、令和2年10月15日に登録出願、第10類「整形外科及び脊髄手術で使用する外科用器具,カテーテル,医療用機械器具」を指定商品として、同3年8月23日に登録査定、同年10月4日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において、引用する登録第4849893号商標(以下「引用商標」という。)は、「EXPEDIUM」の文字を標準文字で表してなり、平成16年6月23日に登録出願、第10類「脊椎インプラント(人工材料),脊椎インプラントに使用される手術用機械器具」を指定商品として、同17年3月25日に設定登録されたものであり、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第7号証を提出した。
なお、以下、証拠の表記にあたっては、甲第1号証を「甲1」のように省略して表示する場合がある。
1 本件商標について
本件商標は、「Expedio」の文字を標準文字で書してなるものである。
そして、本件商標は、需要者に馴染みのない文字列よりなるものと思われるが、当該「expedio」の文字列を、利用者の多いインターネット自動翻訳サービス「Google翻訳」に入力して英語としての意味を日本語に翻訳させると「遠征」と表示される(甲4)。
また、本件商標は、その構成文字に相応して「エクスペディオ」の称呼が生じる。
そうすると、本件商標は、「遠征」という意味を有する英単語と認識され、「エクスペディオ」の称呼を生じるものと認められる。
2 引用商標について
引用商標は、「EXPEDIUM」の文字を標準文字で書してなるものである。
そして、引用商標は、本件商標と同様に需要者に馴染みのない文字列よりなるものと思われるが、当該「EXPEDIUM」の文字列を、「Google翻訳」に入力して英語としての意味を日本語に翻訳させると「遠征」と表示される(甲5)。
また、引用商標は、その構成文字に相応して、「エクスペディウム」の称呼が生じる。
そうすると、引用商標は、「遠征」という意味を有する英単語と認識され、「エクスペディウム」の称呼を生じるものと認められる。
3 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)商標の類似
本件商標「Expedio」と引用商標「EXPEDIUM」は、ともに欧文字で構成され、語頭から続く「E」、「X(x)」、「P(p)」、「E(e)」、「D(d)」及び「I(i)」の6文字を同じくするものであるから、外観上相応の類似性が認められる。
また、外国語に関して文法上の語尾変化があることは、需要者の間でよく知られているから、両商標における語尾の「o」と「UM」の相違は、必ずしも需要者の印象・記憶に大きく影響するものではなく、外観の類似性判断に際して重視されるべきではない。
次に、両商標がともに「遠征」という意味を有する英単語であることは上記のとおりであるから、観念上の同一性が認められ、需要者が両商標の意味合いを認識できないとしても、両商標は観念上非類似と評価すべき理由はない。
そして、本件商標より生じる「エクスペディオ」の称呼と引用商標より生じる「エクスペディウム」の称呼を比較すると、両者は語頭から続く「エクスペディ」の5音を同じくし、わずかに語尾の「オ」と「ウム」のみが相違するものと認められ、引用商標の語尾音「ウム」は、「ム」が両唇鼻音であいまいに響く聴き取り難い音であり、かつ、前音「ウ」と一音的に発音され易いことから、「オ」との語尾音の相違が全体の語調語感に大きく影響すると評価すべきではない。
したがって、本件商標と引用商標とは、観念において同一あるいは比較不能であり、「expedi」の文字列の外観と「エクスペディ」の称呼部分を共通にすることから、需要者の印象・記憶・連想において相紛れるおそれの高い類似する商標とみるべきである。
(2)商品の類似
引用商標の指定商品は、「脊椎インプラント(人工材料),脊椎インプラントに使用される手術用機械器具」であるところ、本件商標の指定商品はこれらを含む「整形外科及び脊髄手術で使用する外科用器具,カテーテル,医療用機械器具」であるから、指定商品が同一・類似関係にあることは疑う余地がない。
特に、「脊椎インプラント(人工材料),脊椎インプラントに使用される手術用機械器具」は、「脊髄手術で使用する外科用器具」であるから、両商標の使用対象商品は同一商品を含むものである。
(3)混同のおそれ
引用商標の指定商品である「脊椎インプラント(人工材料),脊椎インプラントに使用される手術用機械器具」は、脊椎の変形疾患(すべり症、脊柱管狭窄症等)、外傷、腫瘍等による不安定性を有する患者に対して行う脊椎固定術に使用する機械器具である。
当該手術は、整形外科分野の中でも高度な技術と専門性を求められる脊椎脊髄外科の専門医が執刀するものであるが、脊椎脊髄外科は「脊椎」の変形による「脊髄」の圧迫といった症状を治療する医療分野であるから、本件商標の指定商品中「脊髄手術で使用する外科用器具」は、引用商標の指定商品そのものである。
引用商標は、脊椎内固定器具、脊椎手術用機械として国内販売されている指定商品に使用されているが、実際には「Expedium」と頭文字のみが大文字でその他の構成文字は小文字で使用されているから(甲6、甲7)、一見しただけでは「Expedio」との外観上の異同は分かりづらく、まして、印象・記憶において両商標が相紛れやすいことは明らかである。
脊椎固定術は、脊髄損傷のリスクを伴うもので、手術の準備の過程において商標を混同した結果、誤って材質の異なるインプラントが使用されるようなことがあれば、患者に重篤な障害や生命の危険を及ぼすおそれがあるから、医療過誤防止の観点からも「脊椎インプラント(人工材料),脊椎インプラントに使用される手術用機械器具」について、先行使用商標に紛らわしい他人の商標使用は認められるべきではない。
現時点において、書証を提出することができないが、引用商標を使用した脊椎内固定器具、脊椎手術用機械は我が国において2006年2月から販売されており、胸腰部脊椎手術用の脊椎内固定器具、脊椎手術用機械における最近の国内製品販売シェアは約18%ということである。
(4)結語
上述のとおり、本件商標と引用商標とは互いに類似し、また、それらの指定商品も同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。
第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標
本件商標は、上記第1のとおり、「Expedio」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字に相応して「エクスペディオ」の称呼が生じるものである。
また、「expedio」の文字が、インターネット自動翻訳サービス「Google翻訳」において、「遠征」の意味を有するとする語と表示される(甲4)としても、当該文字は我が国で親しまれた語とはいえず、さらに、当該文字が我が国において、需要者の間に広く知られている等の事情は認められないため、本件商標は、特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。
(2)引用商標
引用商標は、上記第2のとおり「EXPEDIUM」の文字を標準文字で表してなしてなるところ、当該文字に相応して「エクスペディウム」の称呼が生じるものである。
また、「EXPEDIUM」の文字が、インターネット自動翻訳サービス「Google翻訳」において、「遠征」の意味を有するとする語と表示される(甲5)としても、当該文字は我が国で親しまれた語とはいえず、さらに、当該文字が我が国において、需要者の間に広く知られている等の事情は認められないため、引用商標は、特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。
(3)本件商標と引用商標の比較
ア 外観について
本件商標は、語頭の「E」のみを大文字で表し、その他の文字を小文字で表しているのに対し、引用商標は、全ての文字を大文字で表しているという差異を有するものである。
また、両商標は、語頭から6文字目の「E」、「X(x)」、「P(p)」、「E(e)」、「D(d)」及び「I(i)」のつづりを共通にするものの本件商標の語尾の「o」の文字と、引用商標の7文字目及び語尾の「UM」の文字との差異を有するものである。
そうすると、これらの差異が、7文字及び8文字という文字構成からなる両商標の外観全体の視覚的印象に与える影響は小さいものとはいえず、これらを離隔的に観察しても、外観上、相紛れるおそれのないものと判断するのが相当である。
イ 称呼について
本件商標の構成文字より生じる「エクスペディオ」の称呼と、引用商標の構成文字より生じる「エクスペディウム」の称呼とは、「エクスペディ」の称呼は共通にするものの、本件商標の語尾「o」より生じる「オ」の称呼と引用商標の7文字目及び語尾「UM」より生じる「ウム」の称呼を相違するものである。
そうすると、6音及び7音という比較的短い音構成においては、この差異が、称呼全体に与える影響は少なくなく、これらをそれぞれ一連に称呼しても語調語感が相違し、称呼上、相紛れるおそれのないものと判断するのが相当である。
ウ 観念について
本件商標及び引用商標は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念について比較することができない。
エ 小括
以上から、本件商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において、相紛れるおそれのないものであるから、両商標の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、これらは相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは同一又は類似する商品であるとしても、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録は維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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