商標異議申立
2021-900436
ピイエイチコントロール、ピイエッチコントロール、ペーハーコントロール、コントロール
- 審判番号
- 2021-900436
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2021-039236
- 登録番号
- 6448064
- 請求日
- 2021年12月16日
- 審決日
- 2022年09月07日
- 公報発行日
- 2022年10月28日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】株式会社ジャパンペットコミュニケーションズ
- 【異議申立人】井出 和子
- 【異議申立人】井出 和子
- 審判長/審判官
- 審判長 小松 里美
- 審判官 鈴木 雅也
- 審判官 小林 裕子
- 分類
- T1651.261-Y (W19) / T1651.262-Y (W19) / T1651.263-Y (W19) / T1651.16 -Y (W19) / T1651.272-Y (W19)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号商標法4条1項11号商標法4条1項16号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号、商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第16号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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登録第6448064号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6448064号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
1 本件商標
本件登録第6448064号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、令和3年4月1日に登録出願、第19類「水生動植物飼育鑑賞用水槽用の砂利及び小石」を指定商品として、同年9月3日に登録査定され、同月27日に設定登録されたものである。
2 引用商標
令和3年12月16日付け商標登録異議申立書(以下「申立1」という。)における商標登録異議申立人「井出和子」(以下「申立人1」という。)が引用する商標は、次のとおりであり(以下、それらをまとめて「引用商標」という。)、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4797341号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成 別掲2のとおり
指定商品 第14類、第18類及び第25類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日 平成15年12月26日
設定登録日 平成16年8月27日
(2)登録第5418779号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成 別掲3のとおり
指定商品 第1類、第19類及び第21類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日 平成22年9月15日
設定登録日 平成23年6月17日
(3)登録第6120699号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成 別掲4のとおり
指定役務 第35類ないし第37類及び第42類に属する商標登録原簿に記載の役務
登録出願日 平成30年4月16日
設定登録日 平成31年2月8日
3 登録異議の申立ての理由
(1)申立1に係る登録異議の申立ての理由
申立人1は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証(以下「申立1甲1」のようにいう。)及び参考資料1ないし3を提出した。
ア 本件商標について
本件商標は、上段に大きく「PH」の欧文字を、下段にペーハー値を表す際普通に使用される四角形と「CONTROL」を極めて小さく記載してなるものである(申立1甲1)。
イ 引用商標について
(ア)引用商標1は、最上段に多少デザイン化され、大きく太字で書された「PH」の文字を各別に大きく書し、2段目に片仮名「プレイホテル」、3段目に欧文字筆記体「Pray Hotel」を書してなるものである(申立1甲2)。
(イ)引用商標2は、太線で少しデザイン化された「PH」の文字を書してなるものである(申立1甲3)。
(ウ)引用商標3は、屋根と思しき三角形の下に「PH」の大きな文字、その文字の下を繋げるような長方形に白抜きの「PLAIN HOME」を小さく書してなるものである(申立1甲4)。
ウ 商標法第4条第1項第11号について
(ア)本件商標と引用商標1との対比
本件商標は、「PH」の太めの欧文字を各段に大きく書し、その下右側に図形と左側に「CONTROL」の欧文字を小さく書してなるものであるから、「ピイエイチ」の称呼をも生ずること明らかである。
他方、引用商標1は、最上段「PH」、二段目「プレイホテル」、三段目「Pray Hotel」三段併記よりなる商標であるため、最上段より「ピイエイチ」の称呼をも生ずるものである。
してみれば、本件商標と引用商標1は、共に「ピイエイチ」の称呼を生ずること明らかであるから、その称呼において類似の商標である。そして、本件商標と引用商標1の指定商品は同一又は類似のものである。
(イ)本件商標と引用商標2との対比
本件商標は、上記(ア)のとおり「ピイエイチ」の称呼をも生ずること明らかである。
他方、引用商標2は、多少デザイン化されているが、太線で「PH」と書された商標であるため、「ピイエイチ」の称呼を生ずるものである。
してみれば、本件商標と引用商標2は、共に「ピイエイチ」の称呼を生ずること明らかであるから、その称呼において類似の商標である。そして、本件商標と引用商標2の指定商品は同一又は類似のものである。
(ウ)本件商標と引用商標3との対比
本件商標は、上述のとおり「ピイエイチ」の称呼をも生ずること明らかである。
他方、引用商標3は、屋根と思しき図形の下に多少図形化された「PH」の大きい欧文字と、その文字に繋がる長方形内に「PLAIN HOME」の欧文字を白抜きで書してなる商標であるため、より目立つ文字の部分から「ピイエイチ」の称呼をも生ずるものである。
してみれば、本件商標と引用商標3は、共に「ピイエイチ」の称呼を生ずること明らかであるから、その称呼において類似の商標である。そして、本件商標と引用商標3の指定商品、指定役務は同一又は類似のものである。
エ 小括
上記のとおり、本件商標は、引用商標と類似のものであり、また、その指定商品(指定役務)も同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(2)令和3年12月17日付け商標登録異議申立書(以下「申立2」という。)における登録異議申立人「井出和子」(以下「申立人2」という。なお、申立人1及び申立人2は同一人と認められる。)の登録異議の申立ての理由
申立人2は、本件商標は商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当し商標登録を受けることができないものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第27号証(以下「申立2甲1」のようにいう。)及び参考資料1ないし6を提出した。
ア 本件商標について
本件商標は、欧文字「PH」を上段に大きく書し、その下段左側に検査紙と思しき四角を2つ並べ、下段右側に欧文字「CONTROL」を小さく書してなるものである。
イ 登録商標について
「水生動植物飼育観賞用水槽用の砂利及び小石」等を取り扱う業界において、「PH」、「Control」の語及び黄色と山吹色の四角形は、水槽内のPHのコントロールをする商品等に普通に使用されている事実がある(申立2甲1~申立2甲27)。
ウ 商標法第3条第1項第6号、同法第4条第1項第16号について
本件商標を、その指定商品「水生動植物飼育観賞用水槽用の砂利及び小石」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に商品の内容、品質を表示した語・図形と認識するにとどまるから、該文字及び図形は、自他商品識別標識としての機能を果たし得ないものというべきであり、かつ、上記以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当し商標登録を受けることができないものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は、別掲1のとおり、上段にややデザイン化した「pH」の欧文字を大きく表し(以下「上段部分」という。)、下段には、左から順に、黄色とオレンジ色でそれぞれ表された2つの長方形及び「CONTROL」の欧文字を小さく一連に表してなるところ(以下「下段部分」という。)、上段部分と下段部分の大きさは異なるものの、各文字はやや横長で角に丸みのある書体で統一され、下段部分の長方形も、いずれも角に丸みがある同一の形状である。
してみれば、本件商標は、まとまりよく一体的に表されていることから、その構成文字に相応し「ピーエイチコントロール」「ペーハーコントロール」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。
イ 引用商標
(ア)引用商標1は、別掲2のとおり、上段にデザイン化した「ph」の欧文字をモノグラムのような態様で大きく表し、中段に「プレイホテル」の片仮名、下段に筆記体で「Pray Hotel」の欧文字を表してなるものであり、その構成中の「プレイホテル」及び「Pray Hotel」の文字に相応して「プレイホテル」の称呼を生じるものの、当該文字は全体として我が国において親しまれた意味を表すものとはいえないから、特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。
(イ)引用商標2は、別掲3のとおりの構成からなり、「PH」の欧文字をデザイン化してなるものと認識させるものであるが、その構成態様からすれば、看者をして一種の図形を表したものと認識させるものであって、出所識別標識としての称呼及び観念を生じないものと判断するのが相当である。
(ウ)引用商標3は、別掲4のとおり、茶色の「PH」の欧文字の上部を三角形で、下部を横長長方形で繋いで全体を五角形とする一種の図形を表し、下部の横長長方形内に「PLAIN HOME」の欧文字を白抜きして表してなるものであって、その構成中の「PLAIN HOME」の文字に相応して「プレインホーム」の称呼を生じ、当該文字は我が国において親しまれた意味を認識させるのとはいえないから、特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。
ウ 本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標の類否を検討すると、両者は、それぞれ上記ア及びイのとおり、商標の外観の構成態様が明らかに異なり、外観において明確に区別でき、相紛れるおそれのないものである。
次に、本件商標から生じる「ピーエイチコントロール」の称呼と、引用商標1及び3から生じる「プレイホテル」及び「プレインホーム」の称呼とは、構成音及び語調語感が明らかに異なり、相紛れるおそれのないものである。
また、本件商標の称呼と引用商標2の称呼とは、前者が「ピーエイチコントロール」の称呼を生じるのに対し、後者は特定の称呼を生じないものであるから相紛れるおそれのないものである。
したがって、本件商標は、引用商標のいずれとも称呼において相紛れるおそれのないものである。
さらに、観念においては、本件商標と引用商標は、いずれも特定の観念を生じないものであるから観念において両商標を比較することはできない。
そうすると、本件商標と引用商標は、外観及び称呼において、いずれも相紛れるおそれがなく、観念において比較できないものであるから、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。
その他、本件商標と引用商標が類似するというべき事情は見いだせない。
エ 申立人1の主張について
申立人1は、本件商標と引用商標はそれらの構成中「PH」の欧文字部分から、いずれも「ピイエイチ」の称呼を生じるとして、両商標は「ピイエイチ」の称呼を共通にする、称呼において類似の商標である旨主張している。
しかしながら、欧文字2字からなる標章は、各種商品の品番、型番などを表す記号、符号として一般に用いられるものであって、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章というべきものであるから、当該標章単独では出所識別標識としての称呼及び観念を生じないものと判断するのが相当である。
そうすると、本件商標及び引用商標は、それらの構成中にデザイン化された「PH」(大文字と小文字の異なるものを含む。)の欧文字を有するものの、該「PH」は、欧文字2字の一類型といえるから、単独では出所識別標識としての称呼及び観念を生じないものというべきである。
加えて、引用商標1については、その構成中「ph」の欧文字部分は、その構成態様からすれば、看者をして特定の称呼を生じない一種の図形を表したものと認識させるものとみるのが相当であり、また、引用商標3については、その構成中、茶色で表された「PH」の欧文字、上部の三角形及び下部の長方形は、まとまりよく一体的に表され、看者をして一種の図形を表したものと認識させるものとみるのが相当であるから、いずれも出所識別標識としての称呼を生じないものというべきである。
したがって、申立人のかかる主張は採用できない。
オ 小括
以上のとおり、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、両商標の指定商品又は指定役務が同一又は類似するとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものとはいえない。
(2)商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号該当性について
ア 「pH(PH) Control」などの文字及び黄色、オレンジ色の小さな四角形について
申立人2提出の甲各号証、同人の主張及び職権調査によれば、「pH」の文字が「水素イオン指数のこと。ペーハー。」の意味を有し、「control」の文字が「制御すること。うまく調節すること。」等の意味を有する語であり(いずれも「広辞苑第七版」株式会社岩波書店。職権調査)、また、「pH(PH) Control」「pH(PH)コントロール」の文字(語)が「pH調整剤」「pHコントローラー(機器)」などの商品や水槽管理の説明で用いられていること(申立2甲3~申立2甲21)及び黄色、オレンジ色、青色、赤色などの小さな四角形がpH試験紙などの商品に用いられていること(申立2甲22、申立2甲24~申立2甲27)がうかがえる。
しかしながら、提出された証左は、本件商標の登録査定日前のインターネット情報であることをうかがわせるものがいくつか見受けられるものの(申立2甲7、申立2甲8。申立2甲10等)、本件商標の登録査定日前の取引の実情を具体的かつ客観的に確認できる証左は見いだせない。
また、当審において職権をもって調査するも、本件商標の登録査定日前において、別掲1のような態様で表された「pH(PH) Control」などの文字及び黄色、オレンジ色の小さな四角形の組合せが、本件商標の指定商品を取り扱う業界において、その指定商品の品質を表示するものなど、自他商品識別標識としての機能がないといえる程に、取引上一般的に使用されている事実を発見することはできなかった。
イ 商標法第3条第1項第6号該当性について
本件商標は、別掲1のとおり、上段にややデザイン化した「pH」の欧文字を大きく表し、下段に黄色とオレンジ色の四角形と「CONTROL」の欧文字を小さく表してなるものであり、各構成要素がまとまりよく一体的に表されているものである。
そして、上記アのとおり、申立人2提出の証拠等によっては、本件商標の登録査定日前において、別掲1のような態様で表された「pH(PH) Control」などの文字及び黄色、オレンジ色の小さな四角形の組合せが「pH調整剤」などの商品に用いられていることが確認できる証左は見いだせず、他に本件商標がその指定商品の品質を表示するものなど、自他商品識別標識としての機能を有しないものというべき事情も見いだせなかった。
そうすると、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者をして商品の品質を表示したものと認識させることのないものであって、自他商品識別標識としての機能を果たし得るものといわなければならず、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第6号に該当しない。
ウ 商標法第4条第1項第16号該当性について
本件商標は、上記イのとおり、需要者をして商品の品質を表示したものと認識させることのないものであるから、これをその指定商品に使用しても、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものとはいえない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当しない。
(3)まとめ
以上のとおりであるから、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号並びに同法第4条第1項第11号のいずれにも違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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