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商標異議申立

2021-900431

コルテカマーリ、コルテ、カマーリ、カマリ、ビニシチリアーニ

審判番号
2021-900431
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2021-031334
登録番号
6445934
請求日
2021年12月13日
審決日
2023年02月09日
公報発行日
2023年05月26日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】テッレ チェヴィコ ソチエタ コオペラティヴァ アグリコラ
  • 【異議申立人】ダヴィデ カンパリ-ミラノ エン.フェー.
  • 【異議申立人代理人】弁理士法人 津国
  • 【異議申立人代理人】津国 肇
  • 【異議申立人代理人】山村 大介
  • 【異議申立人代理人】岡村 百佳
審判長/審判官
  • 審判長 佐藤 淳
  • 審判官 板谷 玲子
  • 審判官 須田 亮一
分類
T1651.251-Y (W33) / T1651.252-Y (W33) / T1651.253-Y (W33) / T1651.261-Y (W33) / T1651.262-Y (W33) / T1651.263-Y (W33) / T1651.271-Y (W33) / T1651.222-Y (W33)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第10号、商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第19号、商標法第4条第1項第15号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

登録第6445934号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6445934号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6445934号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1に示すとおりの構成からなり、令和3年3月16日に登録出願、第33類「イタリア国シチリア産のぶどう酒」を指定商品として、令和3年9月13日に登録査定され、同年9月22日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において引用する商標は、以下の5件の商標であり、いずれも現に有効に存続しているものである。 1 登録第702484号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の態様 別掲2のとおり 指定商品 第32類及び第33類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品(平成18年6月21日書換登録) 登録出願日 昭和39年11月13日 設定登録日 昭和41年3月25日 2 国際登録第1182921号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の態様 別掲3のとおり 指定商品・役務 第32類、第33類及び第43類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務 国際商標登録出願日 2013年(平成25年)7月19日 優先権主張 EUIPO 2013年(平成25年)3月28日 設定登録日 平成27年1月23日 3 国際登録第1298761号商標(以下「引用商標3」という。) 商標の態様 別掲4のとおり 指定商品・役務 第32類、第33類及び第43類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務 国際商標登録出願日 2016年(平成28年)2月16日 優先権主張 EUIPO 2015年(平成27年)10月30日 設定登録日 平成29年11月24日 4 国際登録第1433643号商標(以下「引用商標4」という。) 商標の態様 別掲5のとおり 指定商品・役務 第33類及び第41類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務 国際商標登録出願日 2018年(平成30年)8月30日 優先権主張 EUIPO 2018年(平成30年)8月2日 設定登録日 令和2年10月9日 5 国際登録第1502711号商標(以下「引用商標5」という。) 商標の態様 別掲6のとおり 指定商品・役務 第6類、第14類、第16類、第21類、第32類、第33類及び第43類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務 国際商標登録出願日 2019年(令和元年)7月24日 優先権主張 EUIPO 2019年2月11日 設定登録日 令和3年11月19日 なお、上記の引用商標1ないし引用商標5をまとめていうときは、以下、「引用商標」という。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第10号、同項第11号、同項第15号及び同項第19号に該当し、同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきものである旨申立て、その理由を以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第12号証を提出した。 1 引用商標の周知・著名性について 日本において引用商標1他を有するカンパリ社を中核とするカンパリグループは、世界190ヶ国で40に及ぶブランドの酒類・清涼飲料類等を販売している(甲9)。2007年度におけるカンパリグループ全体の売上げは957.5百万ユーロ(約1,340億円)、純利益は125.2百万ユーロ(約175億円)である(甲10)。 我が国において、引用商標1は、洋酒等の酒類を指定商品として昭和39年11月13日に出願され、昭和41年3月25日に登録されたが、これについては、昭和56年12月28日に、指定商品を「清涼飲料、果実飲料」として防護標章登録出願され、平成2年5月28日登録されている。 また、申立人が過去に争った異議申立事件においても、引用商標1は日本国内及びイタリアを中心とした外国において周知であると認定されたうえで、取消決定がなされている(甲11)。 以上より、引用商標1「CAMPARI」及びそれを構成要素中に含む引用商標2ないし引用商標5が日本及び世界各国において周知・著名であることは明らかである。 2 本件商標と引用商標との類似性について 本件商標は、最上段に茶色と黒色の小さな図形、2段目に小さな欧文字「CORTE」、3段目に大きな欧文字「CAMARI」、最下段に小さな欧文字「VINI SICILIANI」を書した4段の構成からなるところ、イタリア語で「CORTE」は「裁判所」、また「VINI SICILIANI」は「シチリアのワイン」を意味する一般名称である。これらの構成及び意味を総合的に勘案すると、「CAMARI」の意味は不明ではあるものの、本件商標の構成要素において、その中段に位置し相対的に相当大きく書されて目につく「CAMARI」の部分が本件商標の要部である。 一方、引用商標1は、欧文字「CAMPARI」を横一連に書してなり、また、引用商標2ないし引用商標5も「CAMPARI」の文字を構成要素中に含む。 そうだとすると、本件商標の要部「CAMARI」と引用商標「CAMPARI」との差異は、特に目立つ語頭や語尾におけるものではなく、7文字の引用商標中、真ん中の1文字「P」の有無のみの相違であり、需要者にとって、これを正確に見極めることは困難である場面も十二分に想定できる。したがって、かかる誤認・混同のおそれがある以上、本件商標登録は許されるべきではない。 なお、本件商標からは「カマリ」との称呼が生じ、また特定の観念は生じないといえる一方で、引用商標「CAMPARI」からは「カンパリ」の称呼が生じ、リキュール酒の一種であるカンパリを想起するといえるものの、これらの相違が、上記外観における類似性及びそれから生じる誤認・混同惹起性を凌駕するものとは評価し得ない。これは一般の商標に比し、周知・著名と認定されるまでに至った商標は、その類似範囲ひいては商標権の範囲が広がり、強固なものになるとの観点からも支持できるものである。 以上より、本件商標と引用商標とは、全体として類似するといえるものである。 3 商標法第4条第1項第10号の該当性について 前記のごとく、引用商標は、本件商標の商標権者(以下、「本件商標権者」という。)とは他人であるカンパリ社に係るリキュール酒の一種であるカンパリを表示するものとして周知・著名な商標であるところ、本件商標はそれら引用商標に類似する商標であって、かつそれら引用商標に係る商品である「洋酒(リキュール酒の一種であるカンパリを含む。)、果実酒、ぶどう酒」と同一または類似である「イタリア国シチリア産のぶどう酒」について使用するものである。 したがって、商標法第4条第1項第10号に該当する。 4 商標法第4条第1項第11号の該当性について 前記2及び3のごとく、本件商標は、他人であるカンパリ社の当該商標登録出願前の引用に係る登録商標と類似する商標であって、それらの指定商品「洋酒,果実酒,ぶどう酒」と同一又は類似である「イタリア国シチリア産のぶどう酒」について使用するものである。 したがって、商標法第4条第1項第11号に該当する。 5 商標法第4条第1項第15号の該当性について 前記1及び2よりして、本件商標と引用商標とが類似し、引用商標が周知・著名であることは明らかである。そうだとすると、本件商標権者が、本件商標を指定商品に使用した場合には、当該指定商品の需要者がカンパリ社の業務に係る商品であると誤認し、その出所について混同するおそれが十分あると考えられ、少なくとも、カンパリ社と経済的または組織的に何等かの関係がある者の業務に係る商品であると誤認し、当該需要者が商品の出所について混同するおそれがあることは明らかである。 6 商標法第4条第1項第19号の該当性について 前記1及び2より、引用商標がカンパリ社の業務に係るビター系リキュール酒を表示するものとして日本国内または外国において著名であること、及び本件商標と引用商標とが類似することは明らかである。 そうだとすると、本件商標権者が、本件商標を指定商品に使用する行為は、カクテルのベースとして使われるリキュール酒の一種として世界的な名声を得てきた商標「CAMPARI」の出所表示機能を稀釈化させ、その名声を毀損するものであり、カンパリ社が永年に亘り営々と築き上げ、その著名商標「CAMPARI」に化体した信用や名声にただ乗り(フリーライド)するものである。 よって、本件商標に係る出願は、日本国内または外国において著名な商標の信用や名声にただ乗り(フリーライド)する不正の目的でなされたものといえ、商標法第4条第1項第19号に該当する。 第4 当審の判断 1 本件商標と引用商標の類否について (1)本件商標について 本件商標は、別掲1のとおり、茶色と黒色で表された花形様の図形(以下「花形図形部分」という。)を表し、その下に、「CORTE」の欧文字、他の文字に比して大きく表した「CAMARI」(決定注:5文字目の「R」の文字の一部は上記花形図形の外縁と同じ形状に図案化されており、末尾の「I」の文字の上には、アクサン記号が付されている。以下、同じ。)の欧文字、及び小さく表した「VINI SICILIANI」の欧文字を三段に(以下、これらをまとめて「本件文字部分」という。)配した構成よりなるところ、花形図形部分と本件文字部分は視覚上分離して看取されるものである。 そして、本件文字部分については、その構成中、「CAMARI」の文字部分は、中央の目立つ位置に、読み取りやすい書体で記載されていることに加え、「CAMARI」の文字以外の本件文字部分を構成する各文字の大きさの約9倍ないし16倍という非常に大きな文字で表されているから、「CAMARI」の文字部分は、看者に強い印象を与えるものといえ、「CAMARI」の文字以外の本件文字部分とは視覚上分離して看取されるものである。また、本件商標の構成文字全体を一体のものとして捉えた場合には文字数が多くなり、生じ得る称呼が冗長となる。 そうすると、本件商標に接する取引者、需要者は、「CAMARI」の文字に着目し、これを自他商品の識別標識としての機能を果たし得る要部として捉え、取引に資することも少なくないものとみるのが相当である(以下、当該「CAMARI」の文字を「本件要部」という。)。 そして、「CAMARI」の文字は、辞書に掲載されている語ではなく、特定の意味合いを認識させることのない一種の造語として認識されるものであるところ、特定の意味合い又は特定の読みを有しない欧文字にあっては、これに接する取引者、需要者は、我が国において広く親しまれている英語読み又はローマ字読みにならって称呼されるのが自然である。 したがって、本件商標は、本件要部の構成文字に相応して、「カマリ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 (2)引用商標について ア 引用商標1について 引用商標1は、別掲2のとおり、「CAMPARI」の欧文字を横書きしてなるところ、当該文字は、「《商標》カンパリ:赤い色をしたイタリアの食前酒」の意味を有する語(「ランダムハウス英和大辞典第2版」株式会社小学館)であって、申立人提出の甲各号証及び申立人の主張によれば、「CAMPARI」の文字が申立人の業務に係る商品「リキュール」に使用され、当該商品の需要者の間で広く認識されるに至っていたと認め得るものである一方、「リキュール」以外の商品との関係においては、特定の意味合いを認識させることのない一種の造語として認識されるものである。 したがって、引用商標1は、その構成文字に相応して「カンパリ」の称呼を生じ、引用商標1の指定商品中「リキュール」との関係においては「カンパリ社のリキュール」程の観念を生じ、引用商標1の指定商品中「リキュール」以外の商品との関係においては、特定の観念を生じないものである。 イ 引用商標2について 引用商標2は、別掲3のとおり、「FRATELLI CAMPARI SUCCESSORI」の欧文字(各語の語頭は赤色の文字で、それ以外の文字は黄色の文字で表されている。)や紋章様の図形等が配された薄緑色の長方形の上部に、「CAMPARI」の欧文字が大きく白抜きで表された濃紺色の横長長方形(上辺及び下辺にはそれぞれに沿うように細い白抜きの線が配されている。)を配してなるものである。 そして、引用商標2の構成中、「CAMPARI」の文字は、濃紺色の長方形をもって他の構成部分と隔てて、非常に大きく目立つように表されてなることから、引用商標2の構成中の他の文字及び図形とは視覚上分離して看取され、外観上看者に強い印象を与えるものである。さらに、引用商標2の構成文字全体は文字数が多く、これから生じ得る称呼は音数が多く冗長となる。 そうすると、引用商標2に接する取引者、需要者は、「CAMPARI」の文字に着目し、これを自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を果たし得る要部として捉え、取引に資することも少なくないものとみるのが相当である(以下、当該「CAMPARI」の文字を「引用2要部」という。)。 したがって、引用商標2は、引用2要部の構成文字に相応して、前記アと同様に、「カンパリ」の称呼を生じ、引用商標2の指定商品中「リキュール」との関係においては「カンパリ社のリキュール」程の観念を生じ、引用商標2の指定商品及び指定役務中「リキュール」以外の商品及び役務との関係においては、特定の観念を生じないものである。 ウ 引用商標3について 引用商標3は、別掲4のとおり、「DAVIDE CAMPARI」の欧文字(各語の語頭は若干大きな文字で表されている。)、「Milano」の欧文字や紋章様の図形等が配された薄青色の長方形の上部に、「CAMPARI」の欧文字が大きく白抜きで表された濃紺色の横長長方形(上辺及び下辺にはそれぞれに沿うように細い白抜きの線が配されている。)を配してなるものである。 そして、引用商標3の構成中、「CAMPARI」の文字は、濃紺色の長方形をもって他の構成部分と隔てて、非常に大きく目立つように表されてなることから、引用商標3の構成中の他の文字及び図形とは視覚上分離して看取され、外観上看者に強い印象を与えるものである。さらに、引用商標3の構成文字全体は文字数が多く、これから生じ得る称呼は音数が多く冗長となる。 そうすると、引用商標3に接する取引者、需要者は、「CAMPARI」の文字に着目し、これを自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を果たし得る要部として捉え、取引に資することも少なくないものとみるのが相当である(以下、当該「CAMPARI」の文字を「引用3要部」という。)。 したがって、引用商標3は、引用3要部の構成文字に相応して、前記ア及びイと同様に、「カンパリ」の称呼を生じ、引用商標3の指定商品中「リキュール」との関係においては「カンパリ社のリキュール」程の観念を生じ、引用商標3の指定商品及び指定役務中「リキュール」以外の商品及び役務との関係においては、特定の観念を生じないものである。 エ 引用商標4について 引用商標4は、別掲5のとおり、「CAMPARI」の欧文字と「ACADEMY」の欧文字を上下二段に横書きしてなるところ、その構成文字は、同じ色、同じ書体、同じ大きさであって、視覚上まとまりよく一体的に表されているものであり、その構成全体から生じる「カンパリアカデミー」の称呼も冗長ではなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。 そして、引用商標4の構成中「CAMPARI」の文字は、前記アないしウと同様に、引用商標4の指定商品中「リキュール」との関係においては「カンパリ社のリキュール」程の観念を生じ、引用商標4の指定商品及び指定役務中「リキュール」以外の商品及び役務との関係においては、特定の意味合いを認識させることのない一種の造語として認識されるものであるところ、これと「ACADEMY」の文字を二段に横書きしてなる引用商標4の構成全体としては、特定の意味合いを認識させることのない一種の造語として認識されるものである。 してみれば、引用商標4は、上記構成及び称呼からすれば、これに接する取引者、需要者は、殊更に「CAMPARI」の文字部分にのみ着目することなく、引用商標4の構成全体をもって称呼されるのが一般的といえるから、引用商標4からは「カンパリアカデミー」の称呼を生じるものとみるのが相当である。 そうすると、引用商標4は、その構成文字全体に相応して「カンパリアカデミー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 オ 引用商標5について 引用商標5は、「CAMPARINO」の欧文字よりなるところ、該文字は、辞書に掲載されている語ではなく、特定の意味合いを認識させることのない一種の造語として認識されるものである。 そして、前記(1)のとおり、特定の意味合い又は特定の読みを有しない欧文字にあっては、これに接する取引者、需要者は、我が国において広く親しまれている英語読み又はローマ字読みにならって称呼されるのが自然である。 したがって、引用商標5は、その構成文字に相応して、「カンパリノ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 (3)本件商標と引用商標との類否について ア 本件商標と引用商標1との類否について 本件要部と引用商標1とを比較すると、外観においては、第4文字目における「P」の文字の有無に加え、前者の第5文字目は若干図案化されており、第6文字目はアクサン記号が付されているという差異を有するから、外観上、判然と区別し得るものである。 また、称呼においては、本件商標から生じる「カマリ」の称呼と引用商標1から生じる「カンパリ」の称呼を比較すると、全体の音数が3音と4音とで異なること、語頭及び語尾以外の音において音構成が異なることから、両者は、称呼上、明確に聴別し得るものである。 さらに、本件要部は、特定の観念は生じないものであるのに対し、引用商標1は、その指定商品中、「リキュール」との関係においては「カンパリ社のリキュール」程の観念を生じ、指定商品中「リキュール」以外の商品との関係においては、特定の観念を生じないから、観念においては、「リキュール」との関係においては相紛れるおそれがないものであって、「リキュール」以外の商品との関係においては、比較することができない。 そうすると、本件要部と引用商標1とは、観念において比較することができないか相紛れるおそれがないものであって、外観において判然と区別でき、称呼においても明確に聴別し得るものであるから、外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本件商標と引用商標1は、相紛れるおそれのない非類似の商標というのが相当である。 また、本件商標全体と引用商標1を比較しても、両者は、上記の相違点に加え、花形図形部分並びに「CORTE」及び「VINI SICILIANI」の文字部分の有無において相違するから、なおさら、相紛れることのない非類似の商標というべきである。 イ 本件商標と引用商標2及び引用商標3との類否について 本件要部と引用2要部及び引用3要部とを比較すると、外観においては、第4文字目における「P」の文字の有無に加え、前者の第5文字目は若干図案化されており、第6文字目はアクサン記号が付されているという差異を有するから、外観上、判然と区別し得るものである。 また、称呼においては、本件商標から生じる「カマリ」の称呼と引用2要部及び引用3要部から生じる「カンパリ」の称呼とを比較すると、前記アと同様に、全体の音数が3音と4音とで異なること、語頭及び語尾以外の音において音構成が異なることから、両者は、称呼上、明確に聴別し得るものである。 さらに、本件要部は、特定の観念を生じないものであるのに対し、引用2要部及び引用3要部は、その指定商品中、「リキュール」との関係においては「カンパリ社のリキュール」程の観念を生じ、指定商品中「リキュール」以外の商品との関係においては、特定の観念を生じないから、観念においては、「リキュール」との関係においては相紛れるおそれがないものであって、「リキュール」以外の商品との関係においては、比較することができない。 そうすると、本件要部と引用2要部及び引用3要部とは、観念において比較することができないか相紛れるおそれがないものであって、外観において判然と区別でき、称呼においても明確に聴別し得るものであるから、外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本件商標と引用商標2及び引用商標3は、相紛れるおそれのない非類似の商標というのが相当である。 また、本件商標全体と引用商標2及び引用商標3とを比較しても、両者は、上記の相違点に加え、花形図形部分並びに「CORTE」及び「VINI SICILIANI」の文字部分の有無等において相違するから、なおさら、相紛れることのない非類似の商標というべきである。 ウ 本件商標と引用商標4との類否について 本件要部と引用商標4とを比較すると、外観においては、下段における「ACADEMY」の文字の有無に加え、第4文字目における「P」の文字の有無において差異を有するものであること、前者の第5文字目は若干図案化されており、第6文字目はアクサン記号が付されていることから、外観上、判然と区別し得るものである。 また、称呼においては、本件要部から生じる「カマリ」の称呼と、引用商標4から生じる「カンパリアカデミー」の称呼とを比較すると、後半における「アカデミー」の音の有無という明らかな差異等があるから、両者は、称呼上、明確に聴別し得るものである。 さらに、本件要部と引用商標4は、ともに特定の観念は生じないものであるから、観念において比較することができない。 そうすると、本件要部と引用商標4とは、観念において比較することができないとしても、外観において判然と区別でき、称呼においても明確に聴別し得るものであるから、外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本件商標と引用商標4は、相紛れるおそれのない非類似の商標というのが相当である。 また、本件商標全体と引用商標4とを比較しても、両者は、上記の相違点に加え、花形図形部分並びに「CORTE」及び「VINI SICILIANI」の文字部分の有無において相違するから、なおさら、相紛れることのない非類似の商標というべきである。 エ 本件商標と引用商標5との類否について 本件要部と引用商標5とを比較すると、外観においては、4文字目における「P」の文字及び語尾における「NO」の文字の有無において相違するものであること、前者の第5文字目は若干図案化されており、第6文字目はアクサン記号が付されていることから、外観上、判然と区別し得るものである。 次に、称呼においては、本件要部から生じる「カマリ」の称呼と引用商標5から生じる「カンパリノ」の称呼とを比較すると、全体の音数が3音と5音で異なること、中間音の相違及び語尾における「ノ」の音の有無において差異を有することから、両者は、称呼上、明確に聴別し得るものである。 さらに、本件要部と引用商標5とは、いずれも特定の観念は生じないものであるから、観念において比較することができない。 そうすると、本件要部と引用商標5とは、観念において比較することができないとしても、外観において判然と区別でき、称呼においても明確に聴別し得るものであるから、外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本件商標と引用商標5は相紛れるおそれのない非類似の商標というのが相当である。 また、本件商標全体と引用商標5とを比較しても、両者は、上記の相違点に加え、花形図形部分並びに「CORTE」及び「VINI SICILIANI」の文字部分の有無において相違するから、なおさら、相紛れることのない非類似の商標というべきである。 2 商標法第4条第1項第10号該当性について 前記1(3)のとおり、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。 3 商標法第4条第1項第11号該当性について 前記1(3)のとおり、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であるから、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とが、同一又は類似するものであるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 4 商標法第4条第1項第15号該当性について 前記1(2)アのとおり、申立人提出の甲各号証及び申立人の主張によれば、「CAMPARI」の文字が申立人の業務に係る商品「リキュール」に使用され、当該商品の需要者の間で広く認識されるに至っていたと認め得るとしても、前記1(3)のとおり、本件商標と引用商標は、非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。 そうすると、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく、その商品が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。 その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 5 商標法第4条第1項第19号該当性について 前記4のとおり「CAMPARI」の文字は、申立人の業務に係る商品「リキュール」を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認め得るとしても、前記1(3)のとおり、本件商標と引用商標は非類似の商標である。 また、申立人提出の証拠からは、本件商標権者による本件商標の使用が「CAMPARI」の文字に蓄積された名声や信用にフリーライドし、それらを毀損させるものというべき事実は見いだせないばかりでなく、他に、本件商標が不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的、その他の不正の目的をもって使用をするものであることを具体的に示す証拠もない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。 6 むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号、同項第15号及び同項第19号のいずれにも該当するものとはいえず、他に本件商標の登録が同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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2021-900431

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