商標異議申立
2021-900419
アマラン
- 審判番号
- 2021-900419
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2020-137812
- 登録番号
- 6440860
- 請求日
- 2021年11月26日
- 審決日
- 2022年09月01日
- 公報発行日
- 2022年10月28日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】株式会社deartech
- 【権利者代理人】中道 佳博
- 【異議申立人】ネイチャーズ サンシャイン プロダクツ、 インコーポレイテッド
- 【異議申立人代理人】SK弁理士法人
- 【異議申立人代理人】奥野 彰彦
- 【異議申立人代理人】伊藤 寛之
- 審判長/審判官
- 審判長 佐藤 淳
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 須田 亮一
- 分類
- T1651.4 -Y (W03)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法8条1項商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第8条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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登録第6440860号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6440860号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
1 本件商標
本件登録第6440860号商標(以下「本件商標」という。)は「アマラン」の文字を標準文字で表してなり、令和2年11月6日に登録出願、第3類「ヘアカラー及び染毛剤,ヘアートリートメント,ヘアシャンプー,ヘアスタイリング剤,頭髪用化粧品及び洗髪剤,化粧品,せっけん類,歯磨き」を指定商品として、同3年8月17日に登録査定、同年9月9日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録6455903号商標(以下「引用商標」という。)は、「L’AMARA」の欧文字を標準文字で表してなり、第3類「せっけん類,化粧品,皮膚の手入れ用せっけん類及び化粧品(医療用のものを除く。)、すなわちクリーム・ローション・ゲル・収斂化粧水・洗浄剤及び保湿化粧品,身体用せっけん類及び化粧品(医療用のものを除く。)、すなわちハンドソープ・ボディケア用せっけん・ハンドクリーム・ボディクリーム・ハンドローション及びボディーローション,せっけん(医療用のものを除く。),ヘアケア用せっけん類及び化粧品、すなわちシャンプー・コンディショナー及び育毛料,肌の軟化又は保湿用精油,マッサージ用オイル及びローション,練り歯磨き,老化防止用のクリーム及び美容液(医療用のものを除く。),口臭消臭用錠剤,口臭消臭用オイル,アロマテラピー用精油」及び第5類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、令和2年8月11日に登録出願し、同3年10月14日に設定登録され、現に有効に存続している。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第8条第1項に違反して登録されたものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
(1)本件商標について
本件商標の外観は、片仮名書きの「アマラン」であり、その称呼は、「アマラン」と認識され得るものである。また、本件商標の観念は、広く日本において知られている言葉としての観念を想起し得るものではなく、本件商標は、これに接する取引者、需要者、消費者に、その構成全体をもって一種の造語を表わしたものとして把握、理解されるべきものである。
(2)引用商標について
ア 引用商標の外観は、フランス語の冠詞である「L’」と「AMARA」からなるものであり、「L」と「AMARA」との間にアポストロフィ「’」が存在することで、視覚上分離して把握されるものである。
イ 引用商標の称呼に関して、引用商標中の「L’」(ル)は、フランス語の定冠詞を表したものと認識されるとみるのが相当であり、そのため、出所識別としての意味はなく、引用商標に接する需要者は、その構成文字中の「AMARA」の文字部分を引用商標における要部であると認識し、「ル アマラ」の称呼のみならず、当該文字部分から生ずる「アマラ」の称呼をもって、商品の取引に当たる場合が多いとみるべきである。
ウ 引用商標の観念は、広く日本において知られている言葉としての観念を想起し得るものではなく、引用商標の「L’AMARA」の文字及びその要部である「AMARA」は、これに接する取引者、需要者、消費者に、その構成全体及びその要部をもって一種の造語を表わしたものとして把握、理解されるべきものである。
(3)両商標の比較
ア 外観について
両商標の外観についてみると、本件商標は4文字の片仮名「ア」、「マ」、「ラ」及び「ン」から構成されており、引用商標の要部は5文字のアルファベット文字「A」、「M」、「A」、「R」及び「A」から構成されている。
イ 称呼について
上述のとおり、本件商標は、「アマラン」と称呼し、引用商標の要部は、「アマラ」と称呼し得るものである。両商標の冒頭から3音目までは、「ア」、「マ」及び「ラ」の音として音順が同じであり、その差異点は本件商標の末尾の音「ン」でしかない。音声学的見地に基づいて考察すると、鼻音である「ン」は、唇の開きの最も大きい比較的安定した「a」を母音とする「ア」、「マ」及び「ラ」の各構成音の響きと比較すれば弱音に該当するものであり、さらに本件商標の「ン」は、末尾に位置することから、明瞭に聴取することは困難である。
したがって、本件商標と引用商標の要部をそれぞれ一連に称呼した場合、全体の語調語感が紛らわしく互いに聞き誤るおそれがあるものである。
ウ 観念について
両商標の観念についてみると、両語は一種の造語として認識及び把握されるとみるのが至当であることから、特段考慮すべき余地はない。
エ 本件商標と引用商標の指定商品における取引の事情
本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似である。
そして、本件商標及び引用商標にかかる商品は、一般消費者向けの店頭やウェブサイトで一般の消費者が購入し使用する生活用品である。この種の商品の購入及び選択にあたっては、商標やブランドに頼るところが大きいものであることから、取引者、需要者及び消費者は、店頭やウェブサイト、広告において最初に認識した際に商標やブランドを大雑把に把握した上で、その外観や称呼から容易に記憶に残る印象に基づいて商品を選択し、購入する。
そのため、本件商標及び引用商標にかかる商品の分野においては、両商標を対比した場合に個々の構成において軽微な差異点があったとしても、その外観や称呼、印象が共通している場合には、時と処を異ならしめれば、それぞれの出所を混同するおそれは多分にあるといえる。
よって、本件商標及び引用商標にかかる商品の分野における上記取引の実情を考慮すると、本件商標が引用商標と同一又は類似の商品について使用された場合、本件商標と引用商標は、それぞれの出所を混同するおそれがあることは明白であるといえる。
(4)結論
上述のとおり、外観、称呼及び観念並びに取引の実情を総合的に考慮すると、本件商標は、引用商標とその出所について誤認混同を生ずるおそれのある類似の商標というべきであり、また、それぞれが指定する第3類の指定商品は、同一又は類似の商品であることも明らかである。
したがって、本件商標の登録は商標法第8条第1項に違反してされたものといわざるを得ない。
4 当審の判断
(1)商標法第8条第1項該当性について
本件商標は、前記1のとおり、「アマラン」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、辞書等に載録されている既成の語ではなく、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として理解されるものである。したがって、本件商標は、その構成文字に相応して、「アマラン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
また、引用商標は、前記2のとおり、「L’AMARA」の欧文字及び記号を同書、同大、等間隔でまとまりよく一体的に表してなるところ、当該文字及び記号は、辞書等に載録されている既成の語ではなく、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として理解されるものである。したがって、引用商標は、その構成文字に相応して、「ラマラ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
そこで、本件商標と引用商標とを比較するに、外観においては、両者は、片仮名と欧文字とで文字種が異なることに加え、文字数も異なることから外観上判然と区別できるものである。
また、称呼においては、本件商標から生じる「アマラン」の称呼と、引用商標から生じる「ラマラ」の称呼とを比較すると、これらは、音数において4音と3音という差異を有することに加え、語頭における「ア」の音と「ラ」の音の差異及び、語尾における「ン」の音の有無の差異を有するから、それぞれを一連に称呼するときは、明瞭に聴別し得るものである。
また、観念においては、両商標は、ともに特定の観念が生じないから、これを比較することができない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、観念において比較することができないとしても、その外観において判然と区別できるものであって、称呼においては明瞭に聴別できるものであるから、これらが需要者に与える印象、記憶、連想等を総合してみれば、両商標は、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
したがって、本件商標は、引用商標とは非類似の商標であるから、両商標の指定商品の類否について判断するまでもなく、その登録は、商標法第8条第1項に違反してされたものということはできない。
(2)申立人の主張について
申立人は、「引用商標の「L’」がフランス語の定冠詞であるため、出所識別としての意味はなく、引用商標に接する需要者は、「AMARA」の文字部分を要部であると認識し、「ル アマラ」の称呼のみならず、当該文字部分から生ずる「アマラ」の称呼をもって、商品の取引に当たる場合が多い」旨主張している。
しかしながら、本件商標の指定商品を取り扱う業界においては、フランス語がよく使用されているところ、フランス語の定冠詞は、次につながる単語の先頭が母音や無音の「h」前においては、「L’」と表され、当該文字に続く母音「A」と結合して「ラ」と読まれるものというべきであって、省略されるとはいい難いから、申立人の主張は採用することができない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第8条第1項に違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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