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商標異議申立

2021-900416

シークレットプールビラセジ、シークレットプール、ビラセジ、ビラ、ビッラ、セジ

審判番号
2021-900416
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2021-034257
登録番号
6441586
請求日
2021年11月24日
審決日
2022年05月12日
公報発行日
2022年06月24日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】有限会社タイド
  • 【権利者代理人】久野 恭兵
  • 【異議申立人】株式会社 セレンディピティ
審判長/審判官
  • 審判長 岩崎 安子
  • 審判官 大森 友子
  • 審判官 清川 恵子
分類
T1651.261-Y (W43) / T1651.262-Y (W43) / T1651.263-Y (W43)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項11号商標法43条の2商標法43条の3第4項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号、商標法第27条
データ出所
審決公報(XML)

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登録第6441586号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6441586号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 1 本件商標 本件登録第6441586号商標(以下「本件商標」という。)は,令和3年3月8日登録出願され,「SECRET POOL Villa Seji」の文字を標準文字で表してなり,第43類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,会議室の貸与,展示施設の貸与」を指定役務として,同年8月10日に登録査定,同年9月10日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第6292267号商標(以下「引用商標」という。)は,「SECRET POOL Villa」の文字を標準文字で表してなり,令和元年6月14日に登録出願,第43類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,動物の宿泊施設の提供,会議室の貸与,展示施設の貸与,業務用調理台の貸与,業務用流し台の貸与,食器の貸与,家具の貸与,敷物の貸与,おしぼりの貸与,タオルの貸与」を指定役務として,同2年9月15日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。 3 登録異議の申立ての理由 申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから,その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証(枝番号を含む。)を提出した。 (1)本件商標は,引用商標と「書体」,「大文字と小文字の違い」,「文字の大きさ」,「文字の間隔」までもが,全く同一に表されている。 これは,本件商標の出願人が,本件商標の出願前に,引用商標の商標権者から,「SECRET POOL Villa」の名称の使用の中止を求められたからであり,そのために,引用商標である「SECRET POOL Villa」の文字に,自身が運営する宿泊施設の名称である「Seji」の文字を付け加えたものである。 (2)本件商標の出願人は,自身が運営する宿泊施設のウェブページにおいて,「SECRET POOL」と「Villa Seji」の各文字を左右もしくは上下に併記し,または,「SECRET POOL Villa」と「Seji」の間に「・」の記号を使用している(甲3)。 つまり,同宿泊施設の名称は,もともと「Seji」であり,「SECRET POOL Villa Seji」ではない。 (3)宿泊施設の予約などを仲介する各ポータルサイトでは,「SECRET POOL Villa・Seji」などのように,「SECRET POOL Villa」と「Seji」の間に「・」の記号を使用したり,同施設の名称が「Seji」であることを表すように「セジ」と使用している(甲4)。このことは,各ポータルサイトを運営する第三者でさえも,本件商標の出願人が運営する宿泊施設の名称が「Seji」であると認識している証左である。 そして,これらの事実から,本件商標が,一連一体のものとして使用されていない取引の実情が存在することを認めることができる。 (4)本件商標の出願人が運営する宿泊施設の名称に使用されている「Seji」の文字で表される「セジ」の言葉は,本件商標の出願人が運営する宿泊施設がある沖縄では,「霊力」を意味する言葉として知られている(甲5,甲6)。しかし,「セジ」の言葉は,「SECRET POOL Villa」の文字に結合させることによって一体的な観念を生じさせるような言葉ではない。 (5)以上の事実から明らかなとおり,本件商標は,「SECRET POOL Villa Seji」を,一連一体の商標として評価すべき理由はなく,むしろ,「Seji」の文字部分は,本件商標の出願人が運営する宿泊施設の名称として使用されている。さらに,大文字と小文字が不自然に混在した表記からなる引用商標と全く同じ外観(書体,文字の大きさ,文字間隔)の文字を含んで構成されている事実に照らせば,本件商標は,引用商標「SECRET POOL Villa」の文字部分と,宿泊施設の名称「Seji」の文字部分とを,分離して観察すべきである。 (6)本件商標の出願人が審査で提出した意見書において主張するように,引用商標の識別力が弱いのであれば,宿泊施設の提供の役務において,「SECRET POOL Villa」の商標が役務の質等を表示するものとして,本件商標の出願人以外の第三者によって使用されている事実が見つかって然るべきであるが,そのような事実は一切見つからないばかりか,「SECRET POOL Villa」の商標は,申立人である引用商標の商標権者を除けば,本件商標の出願人以外に使用する者は誰もいない。 そのため,申立人は,本件商標の出願人に引用商標の使用の中止を求めたことがあるが,使用の中止を求められた本件商標の出願人以外,日本国内においては誰も使用する者はいないのであれば,引用商標は,自他役務の識別標識としての機能を十分に果たしていると認めることができる。 (7)このように,引用商標は,自他役務の識別標識としての機能を十分に果たしており,「Seji」という言葉が,本件商標の出願人が運営する宿泊施設の名称として使用されている取引の実情が存在することに照らせば,本件商標の取引者及び需要者は,「Seji」の文字部分を,その他の文字部分と,称呼及び観念の点で独立した文字であると認識すると考えるのが妥当であり,本件商標は,「SECRET POOL Villa」と「Seji」を分けて,類否判断を行うべきである。 (8)本件商標は,本件商標の出願人が運営する宿泊施設の名称である「Seji」の文字を除けば,「書体」,「文字の大きさ」,「文字の間隔」,「大文字と小文字が不自然に混在した表記」の全てが引用商標と同一であるという点も考慮すると,本件商標の取引者及び需要者は,本件商標は,引用商標「SECRET POOL Villa」の商標を含む「Seji」という名称の宿泊施設であると評価することが,前述の取引の実情に即して妥当である。 (9)以上のとおり,本件商標は,全体を一連一体の商標として認識すべき理由はなく,「シークレットプールビラ・セジ」または「シークレットプールヴィラ」と「セジ」の称呼と,「セジ」という施設名の「SECRET POOL Villa」という観念を有する(なお,引用商標「SECRET POOL Villa」と同じ文字部分は特定の観念を生じさせない造語である。)。 そして,引用商標と同一の称呼及び観念が含まれており,これに宿泊施設の名称である「Seji」の文字を結合させても,全体として一体的な観念を生じさせる事情は存在しない。 よって,本件商標は,引用商標と同一の外観,称呼,観念を有する類似商標というべきである。 また,本件商標と指定役務は,引用商標と同一である。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号の該当性について ア 本件商標 本件商標は,「SECRET POOL Villa Seji」の文字を標準文字で表してなるところ,当該文字は,大文字や小文字を含む構成であるが,全体として欧文字で一体的に表されているものであって,いずれかの文字部分が看者の注意をひく態様ではなく,また,構成全体から生ずる「シークレットプールビラセジ」の称呼はやや冗長ではあるが,よどみなく一連に称呼し得るものである。 そして,本件商標を構成する「SECRET」「POOL」「Villa」の各文字は,それぞれ「秘密の,人目につかない」,「プール」,「別荘,別邸」(いずれも「ジーニアス英和大辞典」株式会社大修館書店発行)の意味を理解させる英語であるが,これらの文字を組み合わせた「SECRET POOL Villa」は特定の意味を表すものとは認められない。また,「Seji」の文字は,申立人によれば,「沖縄では「霊力」を意味する言葉として知られている」(甲5,甲6)とのことであるが,一般的にその意味を理解させる語として親しまれているとはいい難いものである。 そうすると,本件商標を構成する「SECRET POOL Villa」の文字部分とそれ以外の文字部分とは,指定役務との関係で,特に,軽重の差を見出すことはできないものであり,本件商標の構成全体からも特定の意味合いを認識させないものである。 そうとすれば,本件商標は,商標全体から「シークレットプールビラセジ」の称呼が生じ,特定の観念は生じないものである。 イ 引用商標 引用商標は,「SECRET POOL Villa」の文字を標準文字で表してなり,大文字や小文字が混在するが,全体として欧文字で一体的に表されているものである。 そして,その構成文字全体から生じる「シークレットプールビラ」の称呼は無理なく一連に称呼し得るものである。 また,「SECRET」「POOL」「Villa」の各文字は,上記アに記載のとおりの意味合いを想起させるものの,全体として特定の意味合いを理解させるものとはいえない。 そうすると,引用商標からは,商標全体として「シークレットプールビラ」の称呼が生じ,特定の観念は生じないものである。 ウ 本件商標と引用商標の類否 本件商標と引用商標を比較するに,両者は上記ア,イのとおりの構成からなるものであるから,外観において,相紛れるおそれはない。 次に,称呼においては,本件商標からは「シークレットプールビラセジ」,引用商標からは「シークレットプールビラ」の称呼がそれぞれ生ずるところ,両者は音数の相違により称呼において明瞭に聴別できるものである。 そして,観念については,両者ともに特定の観念は生じないものであるから,比較することはできない。 そうすると,本件商標と引用商標は,観念において比較できないとしても,外観において相紛れるおそれはなく,称呼において明瞭に聴別できるものであるから,両者は相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 したがって,本件商標と引用商標の指定役務が同一又は類似であるとしても,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。 エ 申立人の主張について 申立人は,本件商標は取引の実情から「SECRET POOL Villa」と「Seji」と分離して評価すべきであり,そうすると,「SECRET POOL Villa」の部分において本件商標と引用商標は類似する旨主張している。 しかしながら,本件商標は,上記アに記載のとおり,まとまりよく一体的な構成で表されているもので,該文字部分について外観上分離して判断する理由はなく,称呼においても一連に称呼し得るものである。 また,指定役務との関係で「SECRET POOL Villa」の文字部分又はそれ以外の文字部分が,役務の質等を表す等,自他役務の識別標識としての機能を果たさないとみるべき事情はなく,さらに,いずれかの文字部分が,取引者,需要者に対して役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものでもない。 そうすると,本件商標は,その構成部分の一部を抽出し,その部分だけを他人の商標と比較して類否を判断することは許されないというべきである。 また,申立人は,上記主張の根拠として「SECRET POOL」と「Villa Seji」の各文字を左右もしくは上下に併記して使用している証拠及び「SECRET POOL Villa」と「Seji」の間に「・」の記号を使用している証拠を提出している(甲3,甲4)。 しかしながら,登録商標の範囲及び指定商品等の範囲は,いずれも願書の記載に基づいて定めなければならない(商標法第27条)ものであるから,本件商標と引用商標との類否の判断に当たっては,それぞれ,願書に記載した商標に基づいてなされなければならないというべきである。 そして,本件商標は,その構成全体が一体不可分のものとして認識されるものであって,「シークレットプールビラセジ」の一連の称呼のみを生じるものであることは,上記(1)アのとおりである。 したがって,申立人の主張を採用することはできない。 (2)まとめ 以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当するものではなく,その登録は,同条第1項の規定に違反してされたものとはいえず,他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから,同法第43条の3第4項の規定により,その登録を維持すべきである。 よって,結論のとおり決定する。

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