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商標異議申立

2021-900409

レレックス、レルエックス、アアルイイエルエックス

審判番号
2021-900409
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2021-016497
登録番号
6435819
請求日
2021年11月18日
審決日
2022年12月20日
公報発行日
2023年05月26日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】深▲せん▼市悦刻霧芯科技有限公司
  • 【異議申立人】センゼン レルクス テクノロジー カンパニー,リミテッド
  • 【異議申立人代理人】岡村 太一
  • 【異議申立人代理人】幸谷 泰造
審判長/審判官
  • 審判長 小松 里美
  • 審判官 森山 啓
  • 審判官 小林 裕子
分類
T1651.22 -Y (W111821) / T1651.222-Y (W111821) / T1651.271-Y (W111821)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第7号、商標法第4条第1項第19号、商標法第4条第1項第15号、商標法第4条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

登録第6435819号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6435819号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 1 本件商標 本件登録第6435819号商標(以下「本件商標」という。)は、「RELX」の欧文字を標準文字で表してなり、令和3年2月12日に登録出願、第11類「LED照明用器具,冷蔵庫,ヘアドライヤー,空気清浄装置,水道管用混合栓,洗面所用手乾燥装置,電気式ラジエーター」、第18類「擬革,傘,つえ,ペット用被服,旅行用トランク,リュックサック,札入れ,車付き買物袋,スポーツバッグ,キーケース」及び第21類「カップ,ティーポット,紙タオル取出し用箱,くし,電気式歯ブラシ,歯ブラシ,ようじ入れ,携帯用化粧道具入れ(化粧用具の入ったもの),魔法瓶,手動清掃用具」を指定商品として、同年8月5日に登録査定、同月30日に設定登録されたものである。 2 登録異議申立人が引用する商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する商標は、以下のとおりである(なお、これらを合わせて「引用商標」という。)。 (1)申立人がその業務に係る「電子たばこ」(以下「申立人商品」という。)について使用する別掲1のとおり「RELX」の欧文字よりなる標章(以下「引用商標1」という。)。 (2)申立人が申立人商品について使用する別掲2のとおり「RELX」の欧文字を装飾したロゴよりなる標章(以下「引用商標2」という。)。 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第15号及び同項第19号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第49号証を提出した。 (1)本件商標と引用商標の類似性 ア 引用商標1は、申立人が製造及び販売する申立人商品について使用されており、当該商品に関して報じるメディアにおいても当該商品の名称として使用されている(甲1~甲11、甲14~甲30、甲32~甲34)。引用商標2も、申立人商品について使用されている(甲1、甲3、甲7~甲9、甲11、甲13~甲17、甲19、甲21~甲23、甲25、甲28~甲34)。なお、申立人、販売店及びメディアは「RELX」の中国漢字表記である「悦刻」を申立人商品との関連で使用している。 さらに、上記メディアの記事の中には、申立人を社名の中国語表記「深▲せん▼霧芯科技有限公司」(決定注:「▲せん▼」は「土」偏に「川」のつくりからなる漢字を表す。以下同じ。)の略称「霧芯科技」と表現するものもあれば、「RELX」や「RELX悦刻」、「RLX」等と表現するものもある。 イ 類似性 本件商標と引用商標1とは、つづり及び大文字であり書体に特徴もないため、称呼が同一であり外観上もほぼ共通している。また、両商標は文字列のみから特定の観念は生じない又は周知な申立人商品のブランドという観念が生じる。したがって、観念上比較できない又は同一である。本件商標と引用商標1とは、厳密にいえば書体において異なるものの、社会通念上同一と認められる商標である。仮に、社会通念上同一でないという解釈がされたとしても類似であり類似の度合いは極めて高い。 引用商標2は、装飾化しているとしても「RELX」と理解できるものであり、本件商標と引用商標2とは、称呼が同一であり外観上も近似している。また、上記と同様に観念上は比較できない又は同一である。したがって、本件商標と引用商標2とは類似であるといえる。 (2)周知性 ア 引用商標の周知性 (ア)当該商品等の種類・市場の広狭等により異なる相対的な経済的事実評価 現在の電子たばこの原型となる製品は2003年に世に登場し、その後、様々な形態の製品が開発されるようになった(甲37)。電子たばこは2000年頃に登場し、米国では過去10年で(2021年時点から見て)使用者が急増し、FDAの管轄となるまでは電子たばこを対象とした規制がなかった(甲35、甲38)。中国では2010年代半ばからブランドが乱立し普及が進んだが、税率が最大で約5倍になる可能性があり、今後はブレーキがかかりそうである(甲32)。2014年時点で電子たばこの世界の市場規模は10億ドルから30億ドル超という見方が多く、急成長中の市場である(甲36、甲38)。さらに、2019年には、世界の電子たばこ製品の90%以上が中国で製造されていた(甲42)。 以上から、電子たばこ市場は、始まって間もなく、この10年程度で急成長してきた市場であり、中国では電子たばこのブランドが乱立し、2019年に世界の電子たばこの90%が中国で製造されていたことがうかがえる。 (イ)商標の識別力の強さ、特別顕著性、特異性の有無とその程度 引用商標は、「RELX」という英文字からなり、辞書に掲載されていない造語である。また、語尾が「LX」のつづりで終了する英単語はありふれておらず、特に日本人にとっては馴染みがないといえるため(甲39)、特異性が高く、識別力が高いというべきである。 (ウ)商品の性質、取引の種類(取引者・需要者) 電子たばこは、カートリッジに封入された液体を噴霧器で霧状にして吸引する、紙巻きたばこの代用品である(甲40)。また、日本ではニコチンを含有する電子たばこ用の液体は、薬事法にて「医薬品」とされるため(甲41)、日本国内では市販されていないが、国外からの個人輸入は可能である。なお、日本ではたばこ葉の成分を摂取するプルームや、iQOS(アイコス)といった製品が販売され、「電子たばこ」として取り上げられているが、こちらは世界的に見ると「電子たばこ」ではなく「加熱式たばこ」である。また、日本ではニコチンを合有する電子たばこ用の液体は薬事法などで「医薬品」の扱いであり、広く販売するには厚生労働省の承認が必要であるため、参入のハードルが高い。なおニコチンの個人輸入は未承認医薬品として可能であるため、ニコチンの入った液体式の電子たばこも個人的な使用に限っては使用でき、一度に1か月分120mlまでといった限度がある。 このように、日本において、正確な意味での「電子たばこ」を需要者が購入しようとすると、個人輸入する必要があり、外国市場に目を向ける必要がある。 (エ)商標の使用期間・使用方法 申立人商品は、2018年1月から販売開始されている。したがって、引用商標の使用期間は、本件商標の出願時点で約3年間、登録査定時点で約3年半である。この使用は一般的な業界では長いといえないものの、電子たばこの市場自体が若いことからすると、電子たばこの業界で短いということはできない。 (オ)シェア・売上高 申立人商品は、2019年に、中国の電子たばこ分野において44%の市場シェアを占めて、2位から10位の合計をはるかに上回っており(甲8~甲10、甲42)、2020年には、中国の電子たばこ市場の60%以上の市場シェアを占めている(甲28、甲30、甲42)。 また、2019年時点で、申立人商品は、電子たばこ市場において、売上が中国及び東南アジアで第1位、世界第2位であり(甲20)、3年足らずで38.82億元の売上高を生み出しており(甲30)、中国国内の電子たばこブランドの総生産量の半分を占めている(甲22)。 (カ)売上高(合計) 2018年は、約24億円(約1.3億人民元)、2019年は、約280億円(約15億人民元)、2020年(9月30日までの9ヶ月間)は、約399億円(約22億人民元)である。 (キ)出荷量 2018年は、デバイス約50万個/カートリッジ約590万個、2019年(年間合計)は、デバイス約430万個/カートリッジ約7,380万個、2020年(1月~9月末時点の合計)は、デバイス約560万個/カートリッジ約1.2億個である。 (ク)宣伝広告の方法・費用、雑誌・マスメディアヘの取り上げられ方・回数 a 広告費 2018年1月2日(開始日)から同年12月31日及び2019年12月31日に終了した事業年度までの広告費は、それぞれ約2.7億円(約1,500万人民元)及び約42億円(約2.3億人民元)、2019年及び2020年9月30日時点での9か月間の広告費は、それぞれ約29億円(約1.6億人民元)及び約11億円(約5800万人民元)である(甲42)。 b 申立人は、申立人商品を少なくとも世界43の国と地域に輸出し(甲1、甲20)、及び3カ月で東南アジア市場売上第一位を獲得した(甲20)。なお、申立人は中国及び日本を含む全世界で合計43の国と地域で「RELX」のつづりを含む商標を出願している(甲45、甲46)。 c 国際的なたばこ博覧会に繰り返し参加している(甲1~甲3)。 d 中国をリードする電子たばこ研究メディアとブランド口コミデータ研究機関の発表した中国電子たばこブランドにおけるSNSのランキングにおいて、月別及び日別のいずれも消費者好み占有率が50%を超えている(甲12)。 e 申立人は、「IF賞」、「IDEA賞」とともに世界三大デザイン賞と呼ばれている「reddot」で2020年に申立人商品が受賞したほか(甲13)、電子たばこ業界で初めて企業信用評価証明書を取得し(甲8)、「2018年最も社会責任のある企業家賞」及び2018新時代創新ブランド賞を受賞し(甲8、甲17、甲43、甲44)、製薬、食品業界に適用する国際認証を取得した(甲26)。 f 申立人は電子たばこに関する複数国の法改正を審議する場に招待された(甲27)。 g 2020年時点で、深▲せん▼の申立人商品専門店は100に達しており(甲28)、中国全国に3,000以上の専門店と、100,000以上の小売店を設立した(甲29、甲42)。 h 2021年の大消費(食品、服装、医薬、文房具、家電製品、自動車、その他の日用品などの様々な消費属性を持つ分野)企業百強ランキングにおいて、申立人は1,600億人民元の価値で有名なブランド「lenovo」等よりも上位の16位に位置している(甲31)。 i 2021年1月22日にニューヨーク証券取引所に上場し、14億ドル近くを調達した(甲30)。 j 数々の芸能人が愛用しSNS等で紹介するだけでなく、コラボ商品を発売している(甲4~甲7、甲11、甲21)。 k 民泊施設との禁煙に関する提唱、大規模な研究施設や工場の建設、ファンフェスティバルの開催、中国の電子たばこブランドで最大の特許出願数、未成年の電子たばこ購入防止のためのシステム導入等、様々な話題性のある活動をしている(甲14~甲16、甲18、甲19、甲22~甲25、甲29)。 イ 小括 以上の各要素を総合考慮すると、本件商標の出願時及び登録査定時において、引用商標は申立人商品の商標として少なくとも中国において周知であったというべきである。 また、日本の需要者が正確な意味での「電子たばこ」を購入しようとすると、外国市場に目を向ける必要がある。さらに、電子たばこ市場は世界的にこの10年程度で急成長してきた市場であり、中国では電子たばこのブランドが乱立し世界の電子たばこの90%が中国で製造されていたことからすると、電子たばこの取引者は中国に目を向けるのが自然である。 そうすると、引用商標は中国において周知である以上、日本の需要者及び取引者も一定以上認識しているといえる。 (3)商標法第4条第1項第19号該当性 ア 不正の目的について (ア)引用商標「RELX」は特徴的な造語であり、本件商標は同一のつづりから構成される。 (イ)申立人が「RELX」の中国語表記「悦刻」について第11類及び第21類の商品を中国で指定して出願した日(2020年6月3日)の後に、商標権者は本件商標を上記中国出願の指定商品の一部と同一の商品を指定して出願(2021年2月12日)した(甲47、甲48)。 (ウ)商標権者の名称は中国語表記において申立人の名称と「市」及び「悦刻」の有無が相違するのみであり、相違文字の「市」は「深▲せん▼市」の「市」を意味し「悦刻」は「RELX」の中国語表記である。 (エ)商標権者は申立人と同じ深▲せん▼にある会社である。 (オ)引用商標は周知である。 イ このような事実から、本件商標は引用商標と偶然に一致したものではないというべきである。それどころか、商標権者は、申立人及び引用商標と紛らわしい商号をわざわざ採用し、申立人の信用にフリーライドする意図がうかがえる。このような意図に基づく出願は信義則に反するといわざるを得ない。また、商標権者の中国で出願された区分について日本で出願及び登録されていないことを奇貨として高額で買取らせたり、申立人の国内参入を阻止する等の目的で本件出願をしたものと推認できる。 よって、本件商標は、他人の業務に係る商品を表示するものとして外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であって、不正の目的をもって使用をするものといえ、商標法第4条第1項第19号に該当する。 (4)商標法第4条第1項第15号該当性 本件商標と引用商標1とは、社会通念上同一といえる程に類似性が極めて高い。引用商標は少なくとも中国において、本件商標の出願時及び登録査定時に周知であり日本においても一定以上知られている。また、引用商標は特徴的な造語であるため、独創性の程度は高い。本件商標の指定商品の大半と申立人商品とは、共に一般消費者によって用いられる商品であり、需要者の共通性という関連性がある。需要者及び取引者が商品を購入する際にその製造者や製造国を確認することがあり、特に周知な商標について、商品の出所に疑義がある場合、上記確認により出所が同一か否かを推測する場合があると考えられる。本件で、申立人と商標権者は商号及び所在地において紛らわしいため、需要者等が商標権者の商品を購入する際に製造者や製造国を確認すると出所の混同が生じやすくなるといえる。両者の指定商品は、共に一般消費者が購入する商品であり高額なものでもないため、需要者において普通に払われる注意力が高いものとはいえない。 以上を総合考慮すると、本件商標が指定商品に使用された場合、申立人商品と出所の混同を生ずるおそれがあるというべきである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 (5)商標法第4条第1項第7号該当性 本件商標の出願は、中国における特定分野のシェア1位の会社の造語商標と同一又は極めて類似する商標について独占権を得ようとする行為である。このような行為に基づく本件商標の登録を維持することは、日本と中国との友好関係にも好ましくない影響を及ぼしかねないから、本件商標登録は、国際信義に反するといえる。 また、本件商標の出願は、申立人が商標登録出願していないことを奇貨として商標登録をした上で申立人の営業を妨害する行為であると評価し得る。そうすると、本件商標登録は出願の経緯に社会的相当性を欠くというべきであるし、このような行為を商標法が予定しているとは到底考えられない。 したがって、本作商標は、国際信義に反し、また、当該商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合に該当するというべきである。 よって、本件商標は、商標法第4条第1頂第7号に該当する。 4 当審の判断 (1)引用商標の周知性について 申立人の提出に係る証拠及び主張によれば、中国の企業である「RELX悦刻」(「悦刻RELX」又は「悦刻」と称される場合もある。)は、「電子たばこ」を製造、販売し、当該電子たばこ又はその包装や店舗の看板に引用商標2を使用していたこと、2019年には、中国の電子たばこ市場において44%のシェアを占め、2020年には60%以上のシェアを占めていること、2019年時点の電子たばこ市場において、売上が中国及び東南アジアで第1位であり、中国国内の電子たばこブランドの総生産量の半分を占めていることなどがうかがえるものの(甲5~10、甲12、甲16、甲17、甲20、甲22、甲25、甲28、甲30、甲32、甲42等)、提出された証拠は中国語や英語で記載されており、その詳細は不明である。また職権調査によれば、アメリカ上場企業であるRELX社の電子タバコ「RELX」について、2022年7月頃から日本国内での先行予約販売が開始されたことがうかがえる。そうすると、引用商標2は、中国国内における電子たばこの需要者(嗜好家、愛好家)の間に相当程度認識されているものということができるが、これが申立人の業務に係る商品であることを示す証拠は見いだせない。 その他、申立人の提出に係る甲各号証を総合してみても、引用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国又は中国の需要者の間で、申立人の業務に係る商品を表示するものとして広く認識されていたと認めるに足りる事実は見いだせない。 したがって、提出された証拠によっては、引用商標が、我が国又は外国において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者の間に広く認識され、本件商標の登録出願時及び登録査定時に周知性を獲得していたものと認めることはできない。 (2)商標法第4条第1項第15号該当性について ア 引用商標の周知性 引用商標は、上記(1)のとおり、申立人の業務に係る商品を表すものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないものである。 イ 本件商標と引用商標との類似性 本件商標は、「RELX」の文字を標準文字で表してなるところ、特定の意味を有しない造語と認められるものである。 そして、一般的に、特定の意味を有しない欧文字からなる造語にあっては、我が国において親しまれた外国語である英語読み又はローマ字読みをもって称呼されるとみるのが自然であるから、本件商標は、その構成文字に相応して「レルクス」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものとみるのが相当である。 これに対し、引用商標1は、「RELX」の殴文字よりなり、引用商標2は、ややデザイン化した「RELX」の欧文字よりなるものと容易に把握、理解できるものであり、本件商標と同様に、特定の意味を有しない造語と認められるものであるから、その構成文字に相応して「レルクス」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものとみるのが相当である。 そこで、本件商標と引用商標の類否についてみるに、外観においては、それぞれの構成に照らし、本件商標と引用商標1とは外観において酷似する商標といわなければならない。また、引用商標2は、ややデザイン化しているとしても「RELX」の文字からなるものであるから、その相違の程度は大きいものとはいえず、本件商標と引用商標2も、外観において酷似する商標といわなければならない。 次に、本件商標と引用商標との称呼についてみるに、共に「レルクス」の称呼を生じ、また、観念については、本件商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じないものであるから、比較し得ないものである。 そうとすれば、本件商標と引用商標とは、観念において比較することができないとしても、称呼及び外観において類似するものであって、これらを総合的に判断すれば、類似の商標といえるから、両商標の類似性の程度は高いものである。 ウ 本件商標の指定商品と引用商標の使用に係る「電子たばこ」の関連性について 本件商標の指定商品である家庭用電熱用品類や家庭用小物類と引用商標が使用される電子たばこは、異なる産業分野に属するものであって、商品の用途・目的において大きく異なるばかりか、取引の対象、形態、流通経路、販売又は提供場所等においても何ら共通性が見いだせない。 そして、本件商標の指定商品と引用商標が使用される電子たばことは、同一の事業者によって製造・販売される蓋然性が極めて低く、社会通念に照らしても、およそ同一の事業者係る商品であるとは考え難いというべきであるから、相互の関連性は極めて低いものである。 エ 引用商標の独創性について 引用商標を構成する「RELX」の文字は、辞書等に掲載はなく、特定の意味合いを想起、理解させるとはいい難い一種の造語である点において、独創性が高いといえるものである。 オ 出所の混同のおそれについて 以上のとおり、本件商標と引用商標は類似性の程度が高く、引用商標は独創性があるとしても、引用商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において需要者の間に広く知られているとはいえないものであり、また、引用商標が使用される「電子たばこ」と本件商標の指定商品の関連性は極めて低いといえるものである。 そうすると、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく、その商品が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。 その他、本件商標について、引用商標と出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (3)商標法第4条第1項第19号該当性について 本件商標と引用商標とは、類似の商標であるとしても、引用商標は、前記(1)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして我が国又は外国における需要者の間に広く認識されていたということはできないものである。 また、申立人が提出した証拠からは、本件商標権者が、不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的、その他の不正の目的をもって本件商標を出願し、登録を受けたと認めるに足る具体的事実を見いだすことはできない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。 (4)商標法第4条第1項第7号該当性について 引用商標は、上述のとおり、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたものということができない。また、申立人が提出した全証拠を勘案しても、本件商標権者がアマゾンにおいて出店していることはうかがえるものの、本件商標が剽窃的に出願されたものであるとすべき具体的事情を証明するところはなく不正の目的をもって使用するものであると認めることもできないものである。 そして、申立人が提出した証拠からは、本件商標が国際信義に反し、その出願の経緯に著しく社会的妥当性を欠く等の事実は見当たらず、本件商標をその指定商品について使用することが、社会の一般道徳観念に反し、商取引の秩序を乱すものともいえず、その他、本件商標が公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある商標であると認めるに足りる証拠の提出はない。 さらに、本件商標は、その構成自体が、非道徳的、きょう激、卑わい、差別的又は他人に不快な印象を与えるようなものではなく、その構成自体がそのようなものではなくとも、それを指定商品に使用することが社会公共の利益に反し社会の一般的道徳観念に反するものともいえない。 してみると、本件商標は、その登録を維持することが商標法の予定する秩序に反し、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある商標に該当するとまではいえないものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当するものとはいえない。 (5)まとめ 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第15号及び同項第19号のいずれにも違反して登録されたものではなく、他にその登録が同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。

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2021-900409

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