商標異議申立
2021-900359
カナデルビヨーエキ、カナデル
- 審判番号
- 2021-900359
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2019-159164
- 登録番号
- 6417303
- 請求日
- 2021年09月30日
- 審決日
- 2022年04月13日
- 公報発行日
- 2022年05月27日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】ミライラボバイオサイエンス株式会社
- 【権利者代理人】嶋崎 英一郎
- 【異議申立人】プレミアアンチエイジング 株式会社
- 【異議申立人代理人】茅原 裕二
- 審判長/審判官
- 審判長 豊田 純一
- 審判官 杉本 克治
- 審判官 阿曾 裕樹
- 分類
- T1651.261-Y (W03) / T1651.262-Y (W03) / T1651.263-Y (W03)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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登録第6417303号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6417303号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
1 本件商標
本件登録第6417303号商標(以下「本件商標」という。)は、「奏でる美容液」の文字を横書きしてなり、令和元年12月4日に登録出願、第3類「美容液,美容液を含浸させた美容用パック」を指定商品として、同3年6月7日に登録査定、同年7月16日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由に該当するとして引用する登録商標(以下、これらをまとめて「引用商標」という場合がある。)は、以下の(1)ないし(3)のとおりであり、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
(1)登録第6227239号商標(以下「引用商標1」という。)
商標:「CANADEL」及び「カナデル」の文字を2段に横書きした商標
指定商品:第3類「口臭用消臭剤,動物用防臭剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料」
登録出願日:平成31年3月5日
設定登録日:令和2年2月18日
(2)登録第6227240号商標(以下「引用商標2」という。)
商標:「CANADEL」及び「PREMIER WHITE」の文字を2段に横書きした商標
指定商品:第3類「口臭用消臭剤,動物用防臭剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料」
登録出願日:平成31年3月5日
設定登録日:令和2年2月18日
(3)登録第6227241号商標(以下「引用商標3」という。)
商標:「CANADEL」及び「PREMIER LIFT」の文字を2段に横書きした商標
指定商品:第3類「口臭用消臭剤,動物用防臭剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料」
登録出願日:平成31年3月5日
設定登録日:令和2年2月18日
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第20号証を提出した。
(1)本件商標と引用商標との比較
ア 本件商標について
本件商標は、その構成中「美容液」の文字部分は、自他商品の識別標識としての機能を果たさないものであって、その機能を果たすのは、「奏でる」の文字部分である。
そうすると、簡易迅速を旨とする商品取引の場にあっては、取引者、需要者は、その商品に付された商標の識別機能を有する部分を適宜抽出し、その称呼を簡略化して取引に資する場合があるから、本件商標は、「奏でる」の文字部分より、単に「カナデル」と略称して取引される場合も少なくなく、「カナデル」の称呼及び「奏でる(弦楽器などを演奏すること等)」の観念が生ずる。
イ 本件商標と引用商標の対比
(ア)引用商標1は、「CANADEL」の欧文字と「カナデル」の片仮名を2段に横書きしてなるところ、その構成文字に相応して「カナデル」の称呼が生じ、「奏でる(弦楽器などを演奏すること等)」の観念が生じ得る。
よって、本件商標と引用商標1は、称呼及び観念において相紛らわしい関係にあり、外観上の相違点を考慮したとしても、類似する。
(イ)引用商標2は、「CANADEL」の欧文字と「PREMIER WHITE」の欧文字を2段に横書きしてなるところ、「PREMIER WHITE」の語は「最高級の白色」等と認識され、自他商品識別力を有しないと判断され得るものであるから、その結果、「カナデル」の称呼が生じ、「奏でる(弦楽器などを演奏すること等)」の観念が生じ得る。
よって、本件商標と引用商標2は、称呼及び観念において相紛らわしい関係にあり、外観上の相違点を考慮したとしても、類似する。
(ウ)引用商標3は、「CANADEL」の欧文字と「PREMIER LIFT」の欧文字を2段に横書きしてなるところ、「CANADEL」の語は「PREMIER LIFT」の語より大きく中央に表記されているとともに、両者を常に一体として捉えるべき特別な事情もないから、引用商標3は「カナデル」の称呼が生じ、「奏でる(弦楽器などを演奏すること等)」の観念が生じ得る。
よって、本件商標と引用商標3は、称呼及び観念において相紛らわしい関係にあり、外観上の相違点を考慮したとしても、類似する。
(2)「CANADEL」の周知性
ア 引用商標には「CANADEL」が含まれているから、これは「需要者の間に広く認識された商標」に該当する。また、本件商標は、外観上まとまりよく表記されているものの、その構成中「美容液」の文字部分は商品の内容表示等であって自他商品識別力を有さず、「カナデル」の称呼が生じる。さらに、本件商標及び引用商標からは「奏でる」の観念が生じるから、両商標は類似する。
イ 周知性を証明する資料
(ア)商品「CANADEL」の出荷数は、2019年4月の発売開始から2021年5月末までに17,802,973個であり、これまでにWEB広告費として、2,645,535,206円、CM広告費として、654,557,125円と多大な広告宣伝費を支払い広告している(甲18)。
なお、同商品を販売する店舗数は、2019年4月の発売から同年9月時点で162店舗であったが、2021年3月時点で12,009店舗に増大している。
(イ)2019年8月号の「LEE」(甲19)及び同年10月号の「CHANTO」(甲20)に掲載された記事の写しに、商品CANADELが掲載されている。
ウ これら資料は、商品「CANADEL」の周知性を証明するためのほんの一部であり、短い期間内で集められる資料としてはこれが限度であるが、少なくとも、本件商標権者は、その登録出願時において商品「CANADEL」の存在を認識していたと思われ、本件商標の登録出願時において商品「CANADEL」は、ある程度消費者等に知られていたといえる。
このような状況下において、同一の観念が生じ、同一の称呼が生じ得る本件商標を登録出願し、商標登録を得ようとすることは、商品「CANADEL」の周知性や顧客吸引力にあやかる行為であって、「CANADEL」のブランド力の希釈化を引き起こす。
エ 以上より、本件商標から、「カナデル」の称呼が生じることは明らかであり、本件商標と引用商標は類似する。
(2)まとめ
以上によれば、本件商標は、引用商標と類似し、また、その指定商品も同一又は類似するから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標について
本件商標は、「奏でる美容液」の文字を横書きしてなるところ、その構成文字は、同じ大きさ及び書体で、間隔なく、横一列にまとまりよく表してなるから、構成文字全体で一連一体の語を表してなると認識、理解できる。
そして、本件商標の構成中「奏でる」の文字は「楽器、特に管弦楽器を演奏する。舞をまう。」の意味を、「美容液」の文字は「肌の調子を整えるために用いる基礎化粧品の一。」の意味を有する語(「大辞泉 第2版」小学館)であるところ、両語を結合して成語となるものではないが、いずれも意味の理解が容易な語だから、上記のような構成上のまとまりのよさも相まって、各語義を結合したような漠然とした意味合いの造語を表してなると認識できる。
また、本件商標の構成中「美容液」の文字部分は、上記のとおりの意味を有し、その指定商品との関係においては、自他商品の出所識別標識としての機能が乏しい文字部分ではあるものの、本件商標のようなまとまりのよい構成においては、語頭の「奏でる」の文字と結合して一連一体の造語を表してなると認識されるというべきだから、本件商標は、特定の文字部分(奏でる)が出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものでも、その他の文字部分から称呼及び観念が生じないものでもない。
そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して、「カナデルビヨウエキ」の称呼が生じるが、特定の観念は生じない。
イ 引用商標について
(ア)引用商標1は、「CANADEL」の欧文字と「カナデル」の片仮名を2段に横書きしてなるところ、その片仮名部分は欧文字部分の読み仮名に相当すると容易に理解できるものの、当該文字は辞書等に掲載された成語ではない。
したがって、引用商標1は、その構成文字に相応して、「カナデル」の称呼を生じるが、特定の観念は生じない。
(イ)引用商標2は、「CANADEL」の欧文字と「PREMIER WHITE」の欧文字を2段に横書きしてなるところ、その文字部分は段を異にするものの、同種文字(欧文字)が上下に近接して配置されているから、構成上まとまりのよい印象を与えるものである。
また、引用商標2の構成中「CANADEL」の文字部分は、辞書等に掲載された語ではないから、構成文字全体として、具体的な意味合いを認識させるものではない。
そうすると、引用商標2は、その構成文字に相応して、「カナデルプレミアホワイト」の称呼が生じるが、特定の観念は生じない。
(ウ)引用商標3は、「CANADEL」の欧文字と「PREMIER LIFT」の欧文字を2段に横書きしてなるところ、その文字部分は段を異にするものの、同種文字(欧文字)が上下に近接して配置されているから、構成上まとまりのよい印象を与えるものである。
また、引用商標3の構成中「CANADEL」の文字部分は、辞書等に掲載された語ではないから、構成文字全体として、具体的な意味合いを認識させるものではない。
そうすると、引用商標3は、その構成文字に相応して、「カナデルプレミアリフト」の称呼が生じるが、特定の観念は生じない。
ウ 本件商標と引用商標の比較
本件商標と引用商標を比較すると、外観においては、その構成文字が明らかに相違し、互いに異なる語を表してなると容易に理解できるから、判別は容易である。また、称呼においては、語頭の4音(カナデル)を共通にするとしても、語尾の構成音又はその有無において差異があるから、聴別は容易である。さらに、観念においては、いずれも特定の観念は生じないから、比較できない。
したがって、本件商標と引用商標は、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において判別は容易であるから、それらを総合して考察しても、相紛れるおそれはなく、類似する商標とは認められない。
エ まとめ
以上のとおり、本件商標は、引用商標とは類似する商標ではないから、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とを比較するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)申立人の主張について
申立人は、証拠を示しつつ、本件商標の登録出願時点において、商品「CANADEL」はある程度消費者の間に知られていたから、本件商標を登録出願することは、当該商品の周知性や顧客誘引力にあやかる行為であって、「CANADEL」のブランドの希釈化を引き起こす旨を主張する。
しかしながら、申立人提出の証拠によれば、申立人は、高機能エイジングケアのブランド「CANADEL」(カナデル)として、化粧クリームを2019年4月に発売し(甲12、甲14、甲17)、同シリーズ商品は、その後、継続した販売実績や広告宣伝実績があるもので(甲18)、タレントを用いた授章式等の販売促進活動(甲13、甲15、甲16)や、雑誌における商品紹介記事の掲載(甲19、甲20)がされているとしても、本件商標の登録出願時までの販売期間は1年にも満たず、同ブランドの雑誌等での掲載実績も大規模かつ広範囲なものとは評価し難いから、「CANADEL」と称する申立人のブランドが、我が国の需要者の間において広く認識されるに至っていたものとは認められない。
そうすると、申立人主張の上記ブランドに係る取引の実情は、上記(1)における本件商標と引用商標の類似に係る判断に影響しない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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