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商標異議申立

2021-900350

ニーフェア

審判番号
2021-900350
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2020-081787
登録番号
6408285
請求日
2021年09月21日
審決日
2022年08月02日
公報発行日
2022年09月30日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】シンセン ブイ・ケー・ケー テクノロジー カンパニー リミテッド
  • 【権利者代理人】特許業務法人R&C
  • 【異議申立人】バイエルスドルフ・アクチエンゲゼルシヤフト
  • 【異議申立人代理人】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
  • 【異議申立人代理人】森田 拓
  • 【異議申立人代理人】松永 章吾
  • 【異議申立人代理人】前川 純一
  • 【異議申立人代理人】山崎 和香子
  • 【異議申立人代理人】前川 砂織
審判長/審判官
  • 審判長 森山 啓
  • 審判官 鈴木 雅也
  • 審判官 小林 裕子
分類
T1652.261-Y (W03) / T1652.262-Y (W03) / T1652.263-Y (W03) / T1652.271-Y (W03)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号
データ出所
審決公報(XML)

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登録第6408285号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6408285号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 1 本件商標 本件登録第6408285号商標(以下「本件商標」という。)は、「NYFEA」の欧文字を別掲のとおりの態様で表してなり、令和2年7月2日に登録出願、第3類、第8類ないし第11類、第16類、第21類及び第35類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同3年6月9日に登録査定され、同月28日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は次のとおりであり(以下、それらをまとめて「引用商標」という。)、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。 (1)登録第4103943号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の構成 NIVEA 指定商品 第3類に属する商標登録原簿に記載の商品 登録出願日 平成5年12月27日 設定登録日 平成10年1月16日 (2)登録第519657号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の構成 Nivea 指定商品 第3類に属する商標登録原簿に記載の商品(平成21年10月14日書換登録) 登録出願日 昭和30年4月30日 設定登録日 昭和33年5月2日 (3)登録第4103944号商標(以下「引用商標3」という。) 商標の構成 ニベア 指定商品 第3類に属する商標登録原簿に記載の商品 登録出願日 平成5年12月27日 設定登録日 平成10年1月16日 (4)登録第731188号商標(以下「引用商標4」という。) 商標の構成 ニベア 指定商品 第3類に属する商標登録原簿に記載の商品(平成20年3月5日書換登録) 登録出願日 昭和40年11月13日 設定登録日 昭和42年1月26日 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標はその指定商品及び指定役務中、第3類「全指定商品」について、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第10号証を提出した。 (1)商標法第4条第1項第11号 ア 本件商標と引用商標の構成 (ア)本件商標の構成 本件商標は、「NYFEA」の文字をデザイン化した書体で横書きしてなる。 (イ)引用商標の構成 引用商標1は「NIVEA」、引用商標2は「Nivea」の欧文字を横書きしてなる。 引用商標3及び4は、「ニベア」の片仮名を横書きしてなる。 イ 本件商標と引用商標の類否 (ア)本件商標と引用商標1及び2の外観 本件商標と引用商標1及び2の外観を対比すると、両者は共に欧文字を横書きしてなり、商標を構成する5文字のうち、看者の印象に残りやすい最初の「N」と最後の「EA」を共通にすることから、本件商標を一見したとき、引用商標1及び2と共通する欧文字の数が多いために引用商標1及び2と同じつづりの文字列であると錯覚して、両者を混同して認識するおそれがある。 つまり、本件商標と引用商標1及び2とは、看者の印象に残りやすい最初の「N」と最後の「EA」が共通しており、文字部分において視覚的に近似しているので、外観上相紛らわしい類似の商標である。 (イ)本件商標と引用商標の称呼 本件商標からは、その文字に呼応して「ニフェア」の称呼が生じ、引用商標からは「ニベア」の称呼が生じる。 本件商標から生ずる称呼「ニフェア」と引用商標から生じる称呼「ニベア」は、母音eを共通にし、極めて近似する音である「フェ」と「ベ」の相違にすぎないから互いに聞き誤るおそれのある称呼上類似の商標である。 (ウ)本件商標と引用商標の観念 本件商標及び引用商標共に造語であることから、両者は、観念において比較することのできない商標である。 (エ)商標の類否のまとめ 上記より、本件商標と引用商標1及び2は、外観及び称呼が類似する商標であり、本件商標と引用商標3及び4は称呼が類似する商標であるから、本件商標と引用商標は、互いに相紛れるおそれのある類似の商標と言わざるを得ない。 ウ 商品の抵触 本件商標の指定商品及び指定役務並びに引用商標の指定商品は、それぞれ上記1及び2のとおりであるところ、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品が類似することは明らかである。 エ 小括 上記述べたとおり、本件商標は、引用商標と類似であって、その商標登録に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (2)商標法第4条第1項第15号 ア 商標「NIVEA/ニベア」の著名性 (ア)「NIVEA」の歴史 ドイツ・ハンブルグに本社を置く申立人は、世界的に有名な化粧品メーカーであり、「NIVEA」の他、高級化粧品ブランドである「La Prairie」等のブランドを有している(甲6)。 「NIVEA」 は、1900年に申立人の2代目オーナーであったオスカー・トロプロヴィッツが、新しく開発された乳化剤であるオイセリットを使用したクリームを「Eucerin」の名前で販売したことに始まる。 1911年には「NIVEA」の商品名が採用されることになったが、これは「Eucerin」は白いクリームであったことから、ラテン語で雪を意味する「nix」、「雪の」を意味する「nivis」から「NIVEA」と名付けられたものである(甲7、甲8)。 (イ)我が国における「NIVEA/ニベア」の著名性 日本においては「NIVEA」製品は、申立人と花王株式会社の合弁企業であるニベア花王株式会社を通じて1968年から販売されている。 そして、有名タレントを起用したテレビCM等を通じて積極的に宣伝活動を行った結果(甲9)、日本においても「NIVEA/ニベア」は需要者間に広く知られることとなった。 このことは、引用商標4「ニベア」が周知・著名商標に含まれていることからも明らかである(甲10)。 つまり、商標「NIVEA/ニベア」は我が国において申立人の業務に係る商品等を表示するものとして広く著名性を獲得しているといえる。 イ 本件商標が本号に該当すること (ア)「NIVEA/ニベア」商標の著名性 商標「NIVEA/ニベア」が申立人の商品を表示するものとして化粧品の需要者以外にも極めてよく知られており、我が国で著名となっていることは、上述のとおりである。 (イ)混同のおそれの有無の判断基準 「混同を生ずるおそれ」の有無の判断基準として、最高裁判決「平成10年(行ヒ)第85号」がある。 (ウ)本件商標と引用商標の混同のおそれ 本件商標と引用商標が称呼及び外観において類似する商標であることは、先に述べたとおりである。 加えて、「NIVEA/ニベア」は、特定の観念を生じさせない造語であり、極めて独創性の高い商標である。このように、造語より構成される創造商標については、一般に強い識別力が認められ、他人がその商標と類似するような商標を使用した場合には、既成語から構成される商標よりも、需要者に対する印象等から、出所の混同を生ずる幅は広いというべきである。 このことは、実際の裁判例(東京高裁平成17年2月24日判決、同平成16年11月25日判決、同2005年2月24日判決)においても、商標法第4条第1項第15号の適用における商標の類似性の認定にあっては、通常の同項第11号の適用における類似性に比して、対比する商標間における共通する部分の記憶や印象を重視した認定がなされていることからも明らかである。 よって、本件商標と引用商標1及び2は、仮に類似する商標ではないとしても、出所の混同を生じる程度には類似性の高い商標であると判断されてしかるべきである。 (エ)小括 以上のとおり、本件商標は、申立人の著名商標「NIVEA」との間で出所の混同を生じるおそれのある商標であるから、商標法第4条第1項第15号に該当する。 4 当審の判断 (1)引用商標の周知性について ア 申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば、申立人は、ドイツの化粧品メーカーであり、商標「NIVEA」(書体の異なるものを含む。)を使用した商品を1911年から製造販売等していること(甲6~甲9)、申立人は、我が国において、同人と株式会社花王との合弁企業「ニベア花王株式会社」(以下、各社をあわせて「申立人等」という。)を通じ、商標「NIVEA」及び「ニベア」を使用した商品(スキンケアクリームなど。以下「申立人等商品」という。)を、1968年から現在まで継続して販売していること(甲7~甲9)がうかがえる。 しかしながら、申立人等商品の我が国における売上高、シェアなど販売実績や具体的な広告宣伝の状況を示す主張はなく、また、申立人等商品の周知著名性を認めるに足る客観的な証拠もない。 イ してみれば、上記アのとおり、申立人等商品は、我が国において、1968年から現在まで50年以上継続して販売されていることがうかがえることから、需要者の間にある程度知られているといい得るとしても、申立人等商品の我が国における販売実績などを示す証左は見いだせないから、申立人等商品及びそれに使用されている商標「NIVEA」及び「ニベア」は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人又は申立人等の業務に係る商品として及び同商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。 そうすると、「NIVEA」又は「ニベア」の文字からなる引用商標1、3及び4は、「J-PlatPat(特許情報プラットフォーム)」の「日本国周知・著名商標検索」において引用商標4がヒットすること(甲10)を考慮しても、申立人又は申立人等の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。また、引用商標2は、それが我が国において使用されていることも確認できないから、申立人又は申立人等の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。 したがって、引用商標はいずれも、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人又は申立人等の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものということはできない。 (2)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本件商標 本件商標は、上記1のとおり「NYFEA」の欧文字を別掲のとおり、各文字はやや右に傾ける等してデザインされた態様で表されてなるところ、該文字は一般的な辞書等に掲載のない造語であって、我が国で親しまれた意味を生じるものともいえないから、該文字に相応し「ニフェア」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 イ 引用商標 引用商標1及び2は、上記2(1)及び(2)のとおり、普通に用いられる書体で表された「NIVEA」及び「Nivea」の欧文字からなるところ、該文字は一般的な辞書等に掲載のない造語であって、我が国で親しまれた意味を生じるものともいえないから、いずれも各文字に相応し「ニベア」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。 引用商標3及び4は、上記2(3)及び(4)のとおり、いずれも普通に用いられる書体で表された「ニベア」の片仮名からなるところ、該文字は一般的な辞書等に掲載のない造語であって、我が国で親しまれた意味を生じるものともいえないから、該文字に相応し「ニベア」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。 ウ 本件商標と引用商標の類否 本件商標と引用商標の類否を検討すると、両者はそれぞれ上記ア及びイのとおりの構成からなるところ、本件商標と引用商標1及び2の比較においては、語頭の「N」の文字や語尾の「EA」ないし「ea」の文字が共通するとしても、文字のデザイン化の有無に明確に差異がある上、2文字目及び3文字目に「YF」と「IV(iv)」の文字の差異を有し、この差異が共に5文字という比較的少ない文字構成からなる両者の外観全体の視覚的印象に与える影響は大きいとみるのが相当であること、また、引用商標3及び4との比較においても、両者の構成文字の種類、構成文字数、構成態様が明らかに異なることからすれば、本件商標と引用商標は、外観上、いずれも判然と区別できるものである。 次に、本件商標から生じる「ニフェア」の称呼と引用商標から生じる「ニベア」の称呼を比較すると、両者は第2音において「フェ」と「ベ」の音の差異を有し、この差異音は、母音を共通にするものの、共に3音という短い音構成からなる両称呼全体の語調語感に及ぼす影響は少なくなく、両者をそれぞれ一連に称呼しても、かれこれ聞き誤るおそれのないものと判断するのが相当である。 さらに、観念においては、両商標は共に特定の観念を生じないものであるから比較することができない。 そうすると、本件商標と引用商標は、いずれも、外観において判然と区別でき、称呼において聞き誤るおそれがなく、観念において比較できないものであるから、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。 その他、本件商標と引用商標が類似するというべき事情は見いだせない。 エ 小括 以上のとおり、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、本件商標の指定商品及び指定役務中、登録異議の申立てに係る指定商品と引用商標の指定商品が同一又は類似するとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものといえない。 (3)商標法第4条第1項第15号該当性について 引用商標は、上記(1)のとおり、申立人又は申立人等の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものであり、かつ、上記(2)のとおり、本件商標は引用商標と相紛れるおそれのない非類似の商標であって別異の商標というべきものである。 そうすると、本件商標は、商標権者がこれを登録異議の申立てに係る指定商品について使用しても、取引者、需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく、その商品が他人(申立人又は申立人等)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。 その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものといえない。 (4)むすび 以上のとおり、本件商標の指定商品及び指定役務中、登録異議の申立てに係る指定商品についての登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。

審決本文(J-PlatPat)

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