商標異議申立
2021-900348
スリーガン、ガン、ジイユウエヌ
- 審判番号
- 2021-900348
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2020-026054
- 登録番号
- 6425271
- 請求日
- 2021年09月16日
- 審決日
- 2022年04月25日
- 公報発行日
- 2022年05月27日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】上海三槍(集団)有限公司
- 【権利者代理人】特許業務法人三枝国際特許事務所
- 【異議申立人】セラガン,インコーポレイテッド
- 【異議申立人代理人】青木 篤
- 【異議申立人代理人】外川 奈美
- 【異議申立人代理人】齋藤 宗也
- 審判長/審判官
- 審判長 森山 啓
- 審判官 鈴木 雅也
- 審判官 小林 裕子
- 分類
- T1651.261-Y (W10) / T1651.262-Y (W10) / T1651.263-Y (W10)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第43条の2第1号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
登録第6425271号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6425271号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6425271号商標(以下「本件商標」という。)は、「THREEGUN」の欧文字を横書きしてなり、令和2年3月10日に登録出願、第10類「哺乳瓶,医療用身体訓練装置,電気式はり治療器,物理療法用機械器具,医療用機械器具,投薬器,振動マッサージ器,マッサージ機器,医療用の補助器具及び矯正器具(「歩行補助器・松葉づえ」を除く。),美容用マッサージ器,哺乳用具,治療用身体訓練装置,医療用マスク,手術用無菌シーツ,医療用クッション,医療用コルセット,病床用シーツ,医療用電気毛布,整形外科用品,縫合用材料」を指定商品として、同3年7月5日に登録査定され、同年8月5日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において引用する国際登録第1372692号商標(以下「引用商標」という。)は、「THERAGUN」の欧文字を横書きしてなり、2017年(平成29年)9月25日に国際商標登録出願、第10類「Massage apparatus; massage apparatus and instruments; massage apparatus for massaging injured muscles; massaging apparatus for personal use; vibrating apparatus used to stimulate muscles and increase strength and physical performance for health and medical purposes; electric massage appliances, namely, electric vibrating massager; electric massage appliances, namely, electric vibrating massager; foot massage apparatus.」及び第25類「Hats; t-shirts; athletic apparel, namely, shirts, pants, jackets, footwear, hats and caps, athletic uniforms; athletic apparel, namely, shirts, pants, jackets, footwear, hats and caps, athletic uniforms; baseball caps and hats; short-sleeved or long-sleeved t-shirts.」を指定商品として、平成30年8月10日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきものである旨申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第13号証を提出した。
1 本件商標
本件商標は欧文字にて「THREEGUN」と書してなる。その文字構成は1文字目が「T」、2文字目が「H」、3文字目が「R」、4文字目が「E」、5文字目が「E」、6文字目が「G」、7文字目が「U」、8文字目が「N」である。
2 引用商標
引用商標は欧文字にて「THERAGUN」と書してなる。その文字構成は1文字目が「T」、2文字目が「H」、3文字目が「E」、4文字目が「R」、5文字目が「A」、6文字目が「G」、7文字目が「U」、8文字目が「N」である。
3 取引の実情について
商標の類否判断は、商標が使用される商品の主たる需要者層その他商品の取引の実情を考慮し、需要者の通常有する注意力を基準として判断しなければならない。ここでいう「取引の実情」には引用商標の周知・著名性も含まれることは経験則のみならず判決によっても認められるところである(たとえば、東京高等裁判所平成13年(行ケ)第277号 甲3)。そして、引用商標の周知・著名性は、具体的な取引状況の下では、出所の混同のおそれを増幅させるものとなる。
この点、引用商標は、米国生まれの世界60か国以上で販売され人気を博しているマッサージガン(マッサージ器具)の商標として市場において認識されている。「THERAGUN」は振動で筋肉などに働きかけ、人間の自然回復力をサポートするマッサージガン(マッサージ器具)であって、当初はアスリートがウォーミングアップやリカバリーのために取り入れていたのが、一般ユーザーの間でも評判となり、新たなボディケアアイテムとして注目を集めている(甲4)。我が国では申立人の正規輸入代理店により販売され(甲5)、各オンラインサイトでも購入することができる(甲6)。
「THERAGUN」は、マッサージ師が施術するような効果を気軽に自宅で体験できることから、我が国でも永らくその販売開始が待たれており、我が国で販売が開始された際には、インターネット等で大いに話題となり、その後もインターネットに続々と紹介記事が掲載されている(甲7~甲13)。
このように、引用商標は、申立人のマッサージ器に係る商標として我が国において一定程度の周知性を有するに至っている。
4 対比
そこで、本件商標と引用商標を対比すると、本件商標は欧文字で「THREEGUN」と書してなるのに対して、引用商標は「THERAGUN」であって、ともに欧文字8文字、「TH」で始まり「GUN」で終わるという共通点を持つ、極めて外観的に紛らわしい構成となっている。
加えて、引用商標は、前記のとおり、申立人のマッサージ器のブランドに係る商標として我が国において一定程度の周知性を有するに至っている事情もある。そして、こうした取引の実情が、商品出所の混同のおそれを一層増幅させるものであることは、前記判決が判示するとおりである。
そうとすれば、本件商標と引用商標は、その外観によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合し、さらに上記取引の実情を考慮すると、観念において比較できないとしても、外観が類似し、取引上必要な役割を果たす称呼も類似するものであるから、商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
5 むすび
以上述べたように、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するにもかわらず商標登録されたものであるから、その登録は、商標法第43条の2第1号により取り消されるべきである。
第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、上記第1のとおり、「THREEGUN」の欧文字を横書きしてなるところ、該文字は、辞書等に載録されている語ではないことから、特定の観念を有しない一種の造語として認識、把握されるものである。そして、特定の語義を有しない造語にあっては、これを称呼する場合には、我が国において親しまれているローマ字読み又は英語の読みに倣って称呼するのが自然である。
そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して「スリーガン」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標は、上記第2のとおり、「THERAGUN」の欧文字を横書きしてなるところ、該文字は、辞書等に載録されている語ではないことから、特定の観念を有しない一種の造語として認識、把握されるものである。そして、特定の語義を有しない造語にあっては、これを称呼する場合には、我が国において親しまれているローマ字読み又は英語の読みに倣って称呼するのが自然である。
そうすると、引用商標は、その構成文字に相応して「セラガン」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものである。
(3)本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標とを比較すると、両者はともに欧文字8文字を横書きしてなる点で共通するものの、8文字の構成文字中、中間の「REE」と「ERA」の3文字において相違し、これらの差異が外観全体に与える影響は少なくないといえるから、両者は外観において異なる印象を与えるものであり、相紛れるおそれはない。
また、本件商標から生じる「スリーガン」の称呼と、引用商標から生じる「セラガン」の称呼を比較すると、両者は音数及び音構成において明らかに相違し、明確に聴別できる。
さらに、本件商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じない造語であることから、両者は観念において比較することはできない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較することができないとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれのないものであるから、両者の外観、称呼及び観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は非類似の商標というのが相当である。
その他、本件商標と引用商標とが類似するとみるべき特段の理由も見いだせない。
(4)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について
本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品を含むものである。
(5)小括
上記(3)のとおり、本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから、たとえ上記(4)のとおり、本件商標の指定商品が引用商標の指定商品と同一又は類似の商品を含むとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではないから、その登録は、同条第1項の規定に違反してされたものとはいえず、ほかに同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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