商標異議申立
2021-900334
ソローネ、ソロネ
- 審判番号
- 2021-900334
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2020-068593
- 登録番号
- 6401866
- 請求日
- 2021年09月06日
- 審決日
- 2022年10月24日
- 公報発行日
- 2022年11月25日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】株式会社リュミエリーナインターナショナル
- 【権利者代理人】弁理士法人YKI国際特許事務所
- 【異議申立人】ホアン,チン-ユン
- 【異議申立人代理人】山川 茂樹
- 審判長/審判官
- 審判長 佐藤 淳
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 石塚 利恵
- 分類
- T1651.22 -Y (W03) / T1651.222-Y (W03)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項7号商標法4条1項19号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第7号、商標法第4条第1項第19号、商標法第4条第1項、商標法第43条の3第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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登録第6401866号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6401866号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
1 本件商標
本件登録第6401866号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、令和2年6月3日に登録出願、第3類「ヘアカラー剤,トリートメント,スカルプケア用の頭髪用化粧品,頭髪用化粧品,スキンオイル,ボディオイル,化粧品,シャンプー,化粧石けん,香料,歯磨き」を指定商品として、同3年5月7日に登録査定され、同年6月14日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標は商標法第4条第1項7号及び同項第19号に該当するとして引用する商標は、「Solone」の欧文字からなり(大文字と小文字が異なるものを含む。以下「引用商標」という。)、同人が「化粧品」について使用し、少なくとも台湾における需要者の間に広く認識されているとするものである。
なお、申立人の主張によっては、同人が引用する商標の特定が困難なところがあるが、当審は、同人の主張の全趣旨及び提出された甲各号証から、同人は上記商標を引用しているものと認めた。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第7号及び同項第19号に違反して登録されたものであるから、その登録は商標法第43条の3第2項の規定により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第54号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第7号又は同項第19号違反について、
本件商標と称呼同一の類似商標の関係にあって、指定商品も同一又は類似の関係にあり、本件商標の登録出願日以前から海外において登録された他人の登録商標が、台湾、中国、香港、マレーシア、シンガポール、タイ、インドネシア、ミャンマー、オーストラリア、ニュージーランド、ハンガリー、ミャンマー及びアメリカ合衆国の14か国(異議決定注:「ミャンマー」は重複しており、その一つはフィリピンの誤記と思われ、また、14か国は13か国の誤記と思われる。)に存在する(甲2~甲16)。
(2)姿華企業有限公司の製造販売に係る商標「SOLONE」が、指定商品「化粧品,香水」に関して台湾国内で周知であることについて
姿華企業有限公司の代表者は申立人である(甲17)。
ア 台湾において商標「SOLONE」を付した化粧品は、次の実店舗で販売されている(甲19)。
(ア)屈臣氏-門市(ワトソンズ):380店舗以上で販売(甲20)。
(イ)康是美-門市(カンシメイ):380店舗以上で販売(甲21)。
(ウ)寶雅-門市(バオヤ):280店舗以上で販売(甲22)。
(エ)日藥本舖-門市:140店舗以上で販売し、併せてインターネッ卜で通信販売も行っている(甲23)。
(オ)松本清‐門市(マツモトキヨシ):14店舗で販売(甲24)。
(カ)J-Mart 佳瑪(ジアマ):11店舗で販売(甲25)。
(キ)金興發生活百貨(Jinshingfa ライフスタイルデパート):10店舗で販売(甲26)。
(ク)INDEX:インドネシア系の小売店で、台湾国内店で販売している(甲27)。
(ケ)光南大批發(エバーブライト卸売):27店舗で販売(甲28)。
(コ)塾●5(異議決定注:「●」は「月(つきへん)」と「卩(ふしづくり)」の間に「谷」の文字):11店舗で販売し、併せてインターネット通信販売も行っている。(甲29)
(サ)SEASONS 四季百貨:6店舗で販売(甲30)。
イ 商標「SOLONE」を付した化粧品などは、次のオンラインショップでも通信販売されている(甲19)。
(ア)momo購物網:91品目を通信販売(甲31)。
(イ)蝦皮商城(Shopee モール):化粧品を通信販売(甲32)。
(ウ)博客來:化粧品を通信販売(甲33)。
(エ)yahoo!購物中心:化粧品を通信販売(甲34)。
(オ)PChome24h購物:化粧品を通信販売(甲35)。
(カ)小三美日:化粧品を通信販売(甲36)。
台湾における有名な通信販売サイトは、上述した「PChome24h購物」、「Yahoo!奇摩」、「momo購物網」及び「博客來」がベスト4に位置づけされている(甲37)。
ウ 台湾における周知性のまとめ
以上の事実から、台湾における実店舗における販売及び台湾におけるベスト4に入る通信販売サイトでの「solone」の化粧品の販売行為により台湾国内において指定商品「化粧品」に関して商標「solone」は2020年6月以前に台湾国内において広く知られていたといえる。
(3)日本のウェブサイトにおいて台湾の化粧品ブランド「solone」が多数紹介されていた事実
台湾の化粧品ブランド「SOLONE」に関してインターネットのブログの書き込みが、遅くとも2016年3月頃から現在に至るまでに多数存在する(甲38~甲40)。
これらのブログ記事により2019年12月以前には国内の女性に商標「solone」は台湾の化粧品ブランドと認識される状況にあった。
(4)台湾以外の国で展示会に出品され、かつ当該国において実店舗で商標「solone」を付した化粧品が販売されていた事実
ア 2016年に香港で開催された「COSMOPROF ASIA-HK」(化粧品・美容関連製品などを対象とするアジア最大のBtoB専門見本市)
この見本市は、「2,698社(49か国・地域)、日本企業出展企業数92社」及び「来場者数:7万6,818人(129か国・地域)」であった(甲41、甲42)。
イ 2017年10月にジャカルタで開催された「COSMOBEATE Indonesia」(香水、化粧品、個人の衛生、ナチュラルヘルス製品など世界的見本市)
この見本市は、「2019年実績 来場者数:15000人、出展社数:300社」である(甲43、甲44)。
ウ 2017年5月にフィリピンのマニラで開催された「PHILBEAUTY-Philippines」(フィリピン国際美容展)(甲45)
エ 2017年8月にベトナムのサイゴンで開催された「VIETBEAUTY-Vietnam」(ベトナム美容展示会)
この見本市は、「来場者数:8000人、出展社数:150社」であった(甲46、甲47)。
オ 2017年4月にタイ国バンコクで開催された「ASEANbeauty」
この見本市は、「来場者数:6100人、出展社数:181社」であった(甲48、甲49)。
これらの見本市では「Solone Make Up & Beauty」の看板を掲げて出店しており(甲41、甲43、甲45、甲46、甲48)、化粧品関係の日本企業であれば2016年当時から「SOLONE」は台湾のコスメブランドとして認識され得る状況にあった。
(5)日本の企業から化粧品「solone」の日本での販売を複数の会社から打診されていた事実
2020年9月及び11月並びに2021年1月、2月及び3月に、それぞれ異なる日本企業から、「SOLONE」ブランドの日本での販売について打診などがあった(甲50~甲54)。
(6)まとめ
以上述べたように、申立人の商標「solone」は、本件商標の登録出願日以前から台湾、中国、香港、マレーシアなど14か国(異議決定注:13か国の誤記と思われる。)で登録されており、欧文字「Solone」の部分が共通し、かつ称呼も同一である。
また、台湾登録商標の指定商品(化粧品など)と本件商標の指定商品中「ヘアカラー剤,トリートメント,スカルプケア用の頭髪用化粧品,頭髪用化粧品,スキンオイル,ボディオイル,化粧品」とは同一又は類似関係にある。
14か国(異議決定注:13か国の誤記と思われる。)で登録された商標のうち、少なくとも台湾において周知な商標であるとともに日本国内で化粧品ブランドとして知られている商標と極めて類似する関係にある。
申立人が所有する商標の欧文字表記「solone」は、英語、仏語、スペイン語、ドイツ語及びイタリア語のいずれにも該当しない特段の意味を有しない単語である。
申立人に係るコスメブランド「solone」は、「COSMOPROF ASIA-HK」及び「COSMOBEATE Indonesia」などの世界的な化粧品の展示会又は見本市に「Solone Make Up & Beauty」の看板の下で2016年ないし2017年に出店していたことから、出展日本企業は見本市で市場調査する中で、商標「SOLONE」は台湾のコスメブランドとして認識され得る状況にあった。
また、台湾で販売されている商標「SOLONE」のコスメブランドは、ブログなどにより2016年頃から日本の女性向けに情報発信されていた事実も存在する。
この結果、商標権者が本件商標を登録出願及び登録した行為は、台湾における周知商標の所有者である申立人の日本への進出を阻止する行為に該当するものであり、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反するものである。
さらに、アジアを主とする環太平洋地域である台湾、中国、香港、マレーシア、シンガポール、タイ、インドネシア、ミャンマー、オーストラリア、ニュージーランド、ミャンマー及びアメリカ合衆国の13か国(異議決定注:「ミャンマー」は重複しており、また、その一つはフィリピンの誤記と思われる。また、ハンガリーを含むものと思われる。)で登録された商標と極めて類似する商標を同じ指定商品に出願し、登録する行為は剽窃的な出願であり、社会的相当性を欠くものがあるなど、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものにも該当するものであり、商標法第4条第1項第7号に違反するものである。
4 当審の判断
(1)引用商標の周知性について
ア 申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば、申立人及び同人が代表者を務める「姿華企業有限公司」(以下、両者をあわせて「申立人」ということがある。)は、台湾において、引用商標を使用した化粧品(以下「申立人商品」という。)を、380以上の店舗を有する小売店など複数の小売店や台湾で人気の通信販売サイトを通じて販売していること(甲17、甲20~甲24、甲29、甲31~甲37)、2016年3月以降、我が国において申立人商品を紹介したブログが複数あること(甲38~甲40)、2016年及び2017年に、香港、ジャカルタ、マニラ、サイゴン及びバンコクで開催された「化粧品」などの国際的な展示会などにおいて「SOLONE MAKE UP & BEAUTY」(大文字と小文字の異なるものを含む。)の看板を掲げたブースがあったこと(甲41、甲43、甲45、甲46、甲48)及び2020年9月及び11月並びに2021年1月、2月及び3月に、それぞれ異なる日本企業から申立人商品の日本での販売について打診などがあったこと(甲50~甲54)がうかがえる。
しかしながら、申立人商品の台湾における販売数量、売上高など販売実績を示す主張はなく、その証左は見いだせない。また、申立人商品が我が国で販売されている事実も確認できない。
イ 上記アからすれば、申立人商品が遅くとも2016年頃から台湾において販売されていることをうかがい知ることができるものの、申立人商品の台湾における販売実績を示す証左は見いだせず、また、申立人商品が我が国で販売されている事実も確認できないから、申立人商品に使用されている引用商標「Solone」は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品「化粧品」を表示するものとして我が国又は台湾における需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
(2)商標法第4条第1項第19号該当性について
申立人は、本件商標と引用商標は類似する、本件商標の指定商品と申立人商品「化粧品」は同一又は類似し、引用商標は台湾で周知である、また、商標権者が本件商標を登録出願及び登録した行為は引用商標の所有者である申立人の日本への進出を阻止する行為(不正の目的)に該当するなどとして、本件商標は商標法第4条第1項第19号に該当する旨主張している。
しかしながら、上記(1)のとおり、引用商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして我が国又は台湾における需要者の間に広く認識されているものと認められないものであり、また、提出された証拠によっては、本件商標は商標権者が申立人の日本への進出を阻止するなど不正の目的をもって使用するものというべき事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、引用商標と類似するものであって、その指定商品と申立人商品が同一又は類似するとしても、商標法第4条第1項第19号に該当するものといえない。
(3)商標法第4条第1項第7号該当性について
申立人は、台湾、中国、香港、マレーシア、シンガポール、タイなどアジアを主とする環太平洋地域など13か国で登録された商標と極めて類似する商標を同じ指定商品に登録出願し、登録する行為は剽窃的な登録出願であり、社会的相当性を欠くものがあるなど登録を認めることが商標法の予定する秩序にも反するとして、本件商標は商標法第4条第1項第7号に該当する旨主張している。
しかしながら、複数の国で登録されている商標と類似する商標を同じ指定商品について登録出願し登録することのみをもって、それが剽窃的な登録出願であり社会的相当性を欠くものと認めることは困難であり、また、他に、本件商標がその登録出願及び登録の経緯に社会的相当性を欠くなど、公序良俗に反するものというべき事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当するものといえない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号及び同項第19号のいずれにも違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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2021-900334