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商標異議申立

2021-900304

フォートナイト

審判番号
2021-900304
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2018-079647
登録番号
6389929
請求日
2021年08月10日
審決日
2022年09月14日
公報発行日
2022年12月28日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【権利者】知財防衛株式会社
  • 【権利者代理人】林 栄二
  • 【異議申立人】エピック・ゲームズ・インコーポレーテッド
  • 【異議申立人代理人】田中 克郎
  • 【異議申立人代理人】稲葉 良幸
  • 【異議申立人代理人】長島 匡克
  • 【異議申立人代理人】橋 沙耶香
  • 【異議申立人代理人】廣中 健
  • 【異議申立人代理人】小林 奈央
審判長/審判官
  • 審判長 佐藤 淳
  • 審判官 小俣 克巳
  • 審判官 石塚 利恵
分類
T1651.271-ZC (W091628354143) / T1651.222-ZC (W091628354143)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条商標法43条の3第2項商標法43条の3第4項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第15号、商標法第4条第1項第19号、商標法第4条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

登録第6389929号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6389929号商標の指定商品及び指定役務中、第9類「録音済みのコンパクトディスク,その他のレコード,インターネットを利用して受信し及び保存することができる音楽ファイル,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」、第16類「写真,写真立て,文房具類」、第28類「遊戯用器具,カードゲーム用具及びその附属品,歌がるた,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,ビリヤード用具,運動用具,室内ゲーム,室内ゲーム用具」、第35類「文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,運動具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,レコードの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,店舗における愛玩動物用被服類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,店舗における額縁の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,店舗におけるダウンロード可能な音楽・音声・画像・映像の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」、第41類「映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,娯楽用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),放送番組の制作における演出,映像機器・音声機器等の機器であって放送番組の制作のために使用されるものの操作,映画・演芸・演劇・音楽のための施設の提供,興行場の座席の手配,映画機械器具の貸与,映写フィルムの貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与,おもちゃの貸与,仮装用衣服の貸与,遊戯用器具の貸与」及び第43類「宿泊施設の提供,飲食物の提供,展示施設の貸与」についての商標登録を取り消す。 本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品及び指定役務についての商標登録を維持する。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6389929号商標(以下「本件商標」という。)は、「FORTNIGHT」の文字を標準文字で表してなり、平成30年6月4日に登録出願、第9類「録音済みのコンパクトディスク,その他のレコード,インターネットを利用して受信し及び保存することができる音楽ファイル,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」、第16類「写真,写真立て,文房具類」、第28類「遊戯用器具,カードゲーム用具及びその附属品,歌がるた,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,ビリヤード用具,運動用具,室内ゲーム,室内ゲーム用具」、第35類「文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,運動具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,レコードの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,店舗における愛玩動物用被服類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,店舗における額縁の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,店舗におけるダウンロード可能な音楽・音声・画像・映像の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」、第41類「映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,娯楽用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),放送番組の制作における演出,映像機器・音声機器等の機器であって放送番組の制作のために使用されるものの操作,映画・演芸・演劇・音楽のための施設の提供,興行場の座席の手配,映画機械器具の貸与,映写フィルムの貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与,おもちゃの貸与,仮装用衣服の貸与,遊戯用器具の貸与」及び第43類「宿泊施設の提供,飲食物の提供,展示施設の貸与」(以下、これらをまとめて「取消対象商品及び役務」という。)を含む第9類、第16類、第28類、第35類、第41類及び第43類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、令和3年3月17日に登録審決、同年5月17日に設定登録されたものである。 第2 登録異議申立人が引用する商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議の申立ての理由において引用する商標は、次の1ないし3のとおりであり、これらをまとめて「引用商標」という。 1 別掲1のとおり、「FORTNITE」の欧文字を表してなる商標(以下「引用商標1」という。)。 2 別掲2のとおり、黒塗りの長方形内に、デザイン化した「FORTNITE」の欧文字を表してなる商標(以下「引用商標2」という。)。 3 別掲3のとおり、「フォートナイト」の片仮名を表してなる商標(以下「引用商標3」という。)。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第15号又は同項第19号に該当するものであるから、その登録は、同法第43条の2第1号により取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第15号証(枝番号を含む。)を提出した。 1 引用商標の周知著名性について (1)申立人のオンラインゲーム「FORTNITE(フォートナイト)」について 引用商標は、2017年7月から現在に至るまで、申立人が世界中で販売・配信するオンラインゲームの名称として、また申立人の業務に係るオンラインゲームに関連した各種の商品について、我が国を含む世界中で継続して使用された結果、申立人の業務に係る商品及び役務を表す商標として、我が国及び世界中の需要者、取引者の間に広く認識されている周知著名な商標である。 申立人は、アメリカ合衆国ノースカロライナ州ケーリーに本社を置く、コンピュータゲーム用ソフトウェアの開発及び販売並びにオンラインによるコンピュータゲームの提供等を手がける企業である(甲2、甲10の1、甲10の2)。 申立人のオンラインゲーム「FORTNITE(フォートナイト)」(以下「申立人ゲーム」という。)は、世界中から参加する他のプレイヤーとチームを組んで相手チームを攻撃する「バトルロイヤル」モード、プレイヤーが自分の島やゲームを構築して他のプレイヤーに公開する「クリエイティブ」モード、最大4人のプレイヤーがチームを組んでモンスターを撃退する「世界を救え」モードの3つの異なるモードから構成される(甲2、甲3、甲4の9)。「バトルロイヤル」及び「クリエイティブ」の各モードは基本的なー通りのプレイを無料で行うことができ、パソコンやゲーム機を通じて、又はスマートフォンにアプリをダウンロードして行う。「世界を救え」モードはパソコンやゲーム機にて有料でプレイすることができる(甲3)。 申立人は、2011年12月10日に米国のテレビネットワーク「スパイク」が主催したその年の最高のコンピュータゲーム及びビデオゲームを表彰する「Spike TV Video Game Awards 2011」において、申立人ゲームの制作を発表し、その公式サイト及びムービーを公開した(甲4の1)。その後、2017年7月25日に「世界を救え」モードの有料早期アクセスを開始し(甲2、甲4の2、甲6の1)、同年9月20日には「バトルロイヤル」モードの無料早期アクセスを開始した(甲2)。 申立人ゲームの登録プレイヤー数は、「バトルロイヤル」モードのリリースからわずか2週間あまり後の2017年10月には既に1000万人に達しており(甲2)、リリース当初から米国を中心にゲームファンの熱狂的な支持を集めていた。「バトルロイヤル」モードは基本的に無料でプレイできるが、「スキン」と呼ばれるプレイヤーの外見を変更することのできるアイテム等が有料で販売されている(甲2、甲4の10)。それらを収入源とする申立人ゲームの2018年2月の月間売上は1億2600万ドル(約133億円)にのぼり、米国ではプロゲーマーが人気アーティストとともに申立人ゲームをプレイする様子がストリーミング配信され、その同時視聴者数が63万人に達するなど、欧米のマスメディアで「社会現象になっているゲーム」として取り上げられ、配信開始から1年足らずで早くも人気の絶頂期を迎えたゲームとして我が国でも報道された(甲2、甲4の3、甲6の6、甲6の20)。 2018年3月8日には「バトルロイヤル」モードの日本語版(PlayStation4及びPC版)の配信が(甲2、甲4の4~甲4の6、甲6の2、甲6の3)、同年6月13日にはNintendo Switch版の配信(日本語版あり)が(甲2、甲4の7)、そして同年8月23日には「世界を救え」モードの日本語版の配信がそれぞれ開始された(甲2)。2018年5月には、申立人が2018~19年シーズンの申立人ゲームのeスポーツ大会に賞金総額1億ドル(約110億円)を提供すると発表し、従来のeスポーツ大会としては破格の賞金設定であることが我が国を含む世界中で話題となった(甲2、甲4の8、甲6の15~甲6の17)。 申立人ゲームの「バトルロイヤル」モードは、最大100人のプレイヤーがひとつの巨大な島に降下し、武器やアイテムを収集しながら他のプレイヤーと対戦して最後まで生き残ったプレイヤーが勝利するというゲームである(甲2、甲4の9、甲4の10)。縮小していくプレイゾーンの中で最後の1人になるまで倒し合うという、いわゆるバトルロイヤルゲームのジャンルに属するものでありながら、木やレンガ、鉄などの資材を集めて壁や階段、床、屋根などを作る「クラフト」(建築)の要素や、ボイスチャット(音声通話)機能により他のプレイヤーと会話ができるというコミュニケーションツールも備えている点(甲4の10)が、他のバトルロイヤルゲームにはない魅力として広く一般の需要者に支持された結果、2017年9月のリリースから1年足らずの2018年6月の時点で世界の登録プレイヤー数が1億2500万人に達した(甲2、甲4の11、甲10の1、甲10の2)。 申立人ゲームの日本語版がリリースされたのは2018年3月であるが、その時点で既に米国を中心とする海外では同時接続数(同じタイミングに一つのオンラインゲームにアクセスしているプレイヤー数)が340万人を記録するほどの高い人気を誇るゲームであった(甲4の6)。 また、2018年6月には、同年4月の申立人ゲームの世界における月間売上が2億9600万ドル(約325億円)に達したことが報じられた(甲2、甲4の14)。単純に比較することはできないものの、例えば2020年にApp Store及びGoogle Playを通じて日本で最も売り上げたモバイルゲームアプリである「モンスターストライク」の推定年間売上が約872億円であったことを考慮すると(甲4の15)、ひと月の売上約325億円を配信開始からわずか9カ月で達成した申立人ゲームが、短期間で世界中の需要者からの爆発的な人気を集め、揺るぎない知名度を獲得したことがわかる(なお申立人ゲームはApp Store及びGoogle Playで配信されていない(甲4の16、甲4の17))。 日本においても、申立人ゲームは2018年3月の日本語版リリースよりも前から既に多くのゲームファンがプレイする人気ゲームとして業界の注目を集めていたが(甲4の1、甲4の2、甲4の4、甲6の1、甲6の2)、2018年3月8日の「バトルロイヤル」モードの日本語版や、同年6月13日のNintendo Switch版の配信(日本語版あり)をきっかけとして、我が国における申立人ゲームのプレイヤー層は一気に拡大し、現在では我が国の小学生の間にまで申立人ゲームの人気が浸透している(甲4の10)。また、我が国の芸能人やスポーツ選手らの間にも申立人ゲームのファンであることを公言する者が多く、彼らのSNS等での投稿をきっかけにこれまで申立人ゲームを知らなかった者の間にも申立人ゲームが広く知られるようになっている(甲4の9、甲4の10)。 2018年9月には、一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会主催(後援:経済産業省)の「日本ゲーム大賞2018」の年間作品部門において、申立人ゲームが優秀賞を受賞した(甲4の18、甲4の19)。同賞は、2017年4月1日から2018年3月31日までの間に日本国内でリリースされたゲーム作品のうち、2017年度を代表するにふさわしい優れたコンピュータエンターテインメントソフトウェア作品を選考・表彰するものである(甲4の20)。一般ユーザーによる投票の後、選考委員会による審査を経て2018年9月20日に受賞が発表された(甲4の19、甲4の20)。一般投票の受付期間は2018年4月9日から同年7月20日であり(甲4の20)、本件商標の登録出願日(2018年6月4日)もこの期間に含まれる。受賞のプレスリリースには、選考委員会による申立人ゲームの選考理由として「爽快感バツグンの銃撃戦と、状況に応じた準備と対応が求められる戦略性の高さ、更には戦いで得られる限定スキンやアイテムなどの豊富なギミックでもユーザーからの人気を博し、多くの支持が寄せられての受賞となりました。」と記載されており(甲4の18、甲4の19)、本件商標の登録出願日を含む一般投票期間中に、多くの一般需要者が申立人ゲームに票を投じたことがうかがえる。 我が国を含む世界における申立人ゲームの爆発的な人気の広がりはとどまるところを知らず、2020年5月には全世界プレイヤー数が3億5000万人を突破し(甲4の9)、2020年12月には同時接続数が過去最高の1530万人に達するなど(甲4の21、甲10の1、甲10の2)、その後も世界中で飛躍的にプレイヤーの数を伸ばしている。 (2)申立人ゲームに関連する各種ライセンス商品の販売 申立人ゲームは、その人気の高さにより、登場するキャラクターや引用商標2のロゴをあしらった文房具、被服、かばん類、袋物、寝具、マグカップ、人形、おもちゃ等の多種多様なライセンス商品が販売されている(甲5の1~甲5の7)。 (3)我が国及び外国における申立人ゲームに関する報道 申立人ゲームについては、本件商標が登録出願された2018年6月4日より前から、我が国及び外国の新聞、雑誌、インターネットにおいて頻繁に報道されていた(甲4の1~甲4の6、甲4の8、甲6の1~甲6の21)。なお、これらの資料(甲6の1~甲6の21)にみられるとおり、我が国の報道における申立人ゲームの表記は、アルファベットの「FORTNITE」だけでなく、片仮名音訳の「フォートナイト」との併記ないし「フォートナイト」の片仮名のみで表記されることも多い点に留意すべきである(甲6の2~甲6の4、甲6の7~甲6の12、甲6の14、甲6の16~甲6の21)。 本件商標の登録出願時である2018年6月4日以前から、我が国及び外国において申立人ゲームに関する報道が頻繁になされていたとの事実は、申立人ゲームがそのリリース以来世界的な人気を得て知名度を高めていたことを示すものであり、本件商標の登録出願時である2018年6月4日までに、「FORTNITE」及びその片仮名音訳である「フォートナイト」が、申立人のオンラインゲームを示す商標として、我が国及び世界中の需要者、取引者の間で広く知られるに至っていた周知著名な商標であったことは明らかである。 (4)小括 以上のとおり、引用商標は、コンピュータゲーム用ソフトウェアの開発・販売及びオンラインによるコンピュータゲームの提供等に使用された結果、本件商標の登録出願時である2018年6月4日には、申立人の業務に係る商品及び役務を表す商標として、我が国を始め世界中の需要者、取引者間において広く認識されていたものであって、かつ本件商標の登録審決時にもその周知著名性は継続していたものであり、加えて、その周知著名性の程度は極めて高いものであることは明らかである。 2 商標法第4条第1項第15号該当性について (1)引用商標の周知著名性及び独創性 既述したとおり、引用商標は、2017年7月から現在に至るまで申立人が世界中で販売・配信するオンラインゲームの名称として、また申立人の業務に係るオンラインゲームに関連した各種の商品について、我が国を含む世界中で継続して使用された結果、申立人の業務に係る商品及び役務を表す商標として、本件商標の登録出願時及び登録審決時において、我が国を含む世界中の需要者、取引者の間において広く知られるに至っている周知著名な商標である。 また、「FORTNITE」という語は既成語ではなく、一般の辞書にも載録のない語であって、申立人のオリジナルであり、その独創性の程度は高い。 (2)本件商標と引用商標との類似性の程度 本件商標は、「FORTNIGHT」の欧文字を標準文字で表してなる商標であり、その構成文字に照応して「フォートナイト」の称呼が生じる。「FORTNIGHT」は「2週間」の意味を有する語として主にイギリス英語で使用されるが、アメリカ英語ではほぼ使用されない語であって(甲8)、平均的な英語力をもつ日本人にはまず馴染みのない英単語であるから、そこから「2週間」との観念が自然に生じるとはいい難い。むしろ、本件商標の称呼「フォートナイト」は、既述のとおり、2017年7月から申立人が世界中で販売・配信するオンラインゲームの名称として我が国を含む世界中で継続して使用された結果、申立人の業務に係る商品及び役務を表す商標として、本件商標の登録出願時である2018年6月4日において、我が国を含む世界中の需要者、取引者の間において広く知られるに至っていた周知著名な商標である。 したがって、本件商標に接した需要者、取引者は、本件商標の称呼「フォートナイト」から申立人の業務に係るオンラインゲームを想起するものと考える。 とりわけ、申立人のオンラインゲームは子供たちの間で大人気となっている(甲4の10、甲6の8)。株式会社ゲムトレが2020年5月に実施したアンケートの結果によると、小学生が一番遊んでいるゲームタイトルは「マリオシリーズ」(6.4%)でもなく、「ポケモンシリーズ」(6.9%)でもなく、申立人のオンラインゲーム「フォートナイト」(22.1%)であった(甲4の22)。この点に着目すると、そのような年少の需要者において、英文字の「FORTNITE」と「FORTNIGHT」が識別される可能性は低い。例えば、子供用衣服やおもちゃ、文房具等がオンラインストアで販売されている(甲5の1~甲5の7)が、これらの商品説明には「フォートナイトグッズ」のように片仮名でのみ表示されているか、片仮名を併記しているものがほとんどである。このような取引の実情に照らせば、本件商標がその指定商品及び指定役務について使用された場合には「フォートナイト」の称呼が共通することをもって出所の混同を生じる危険は極めて高いといわなければならない。 一方、引用商標は、いずれも「フォートナイト」の称呼を生じ、既述のとおり、2017年7月から現在に至るまで申立人が世界中で販売・配信するオンラインゲームを指称するものとして理解し認識されていることから、引用商標から申立人の業務に係るオンラインゲームとしての観念が生じる。 本件商標と引用商標1及び引用商標2は外観において、商標の識別上、最も重要な部分である語頭を含め「FORTNI」の6文字を共通にするものであって、語尾の「GHT」及び「TE」の文字においてのみ異なり、しかも異なる文字の中にも「T」の文字を共通に含むことから、これらは外観上極めて相紛らわしい商標である。 したがって、本件商標と引用商標は、称呼を同一にし、観念において共通する場合があり、外観において極めて相紛らわしい商標であることから、両商標が類似することは明らかであり、その類似性の程度は極めて高いというべきである。 (3)本件商標の指定商品及び指定役務と引用商標の使用商品及び使用役務との関連性並びに商品及び役務の取引者及び需要者の共通性 申立人ゲームが我が国の一般の需要者の間で広く支持されていることから、申立人ゲームに関連する各種ライセンス商品が販売されていることは、既述のとおりである。これらのライセンス商品には、本件商標の指定商品及び指定役務のうち、例えば第16類「文房具類」や第28類「運動用具」などに該当するものも含まれる(甲5の3、甲5の5~甲5の7)。これらは本件商標の指定商品又は指定役務と用途・目的・販売場所等を同じくし、商品及び役務の関連性は極めて高いものであり、またその取引者及び需要者層も共通するものである。 また、本件商標の指定商品及び指定役務中、第9類「録音済みのコンパクトディスク,その他のレコード,インターネットを利用して受信し及び保存することができる音楽ファイル」については、人気オンラインゲームに基づいた音楽コンテンツが市場で流通し、商業的のみならず、文化的にも莫大な人気と注目を集めている実情(甲9の1、甲9の2)があることからすれば、引用商標が周知著名性を確立したオンラインゲームに係る商品及び役務と密接な関連性を有するのであって、その取引者及び需要者が共通するものである。 また、いわゆる「ファミコン」が市民権を獲褥した1980年代より、「スーパーマリオ」(甲9の3)、「ストリートファイター」(甲9の4)、「トゥームレイダー」(甲9の5)、「バイオハザード」(甲9の6)をはじめ、近年人気を博している「モンスターハンター」(甲9の7)に至るまで、人気ゲームシリーズを原作とした映画が多数制作・公開され、話題作となってきた事実がある(甲9の8)。したがって、本件商標の指定商品及び指定役務中、第9類「映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」や、第41類「映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),放送番組の制作における演出,映像機器・音声機器等の機器であって放送番組の制作のために使用されるものの操作,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,興行場の座席の手配,映画機械器具の貸与,映写フィルムの貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与」といった映像・音楽作品に関連する指定商品及び指定役務は、引用商標が周知著名性を確立したオンラインゲームに係る商品及び役務と密接な関連性を有し、オンラインゲームの需要者と上記した第9類及び第41類の商品及び役務とは取引者・需要者が共通する。 本件商標の指定商品及び指定役務中、第28類「遊戯用器具,囲碁用具,将棋用具,カードゲーム用具及びその附属品,歌がるた,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,ビリヤード用具,室内ゲーム,室内ゲーム用具」についても、引用商標が周知著名性を確立した「オンラインゲーム」の提供と「娯楽」という目的において共通するから、その関連性は高いというべきである。 本件商標の指定商品及び指定役務中、第41類「おもちゃの貸与,仮装用衣服の貸与,遊園地用機械器具の貸与,遊戯用器具の貸与」についても、オンラインゲームの用途が広く娯楽を目的としたものであることからすれば、「おもちゃ」との関連性は密接であり、オンラインゲームと遊園地などで提供される業務用テレビゲームの親和性はいうに及ばず、例えば、テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」において任天堂株式会社の人気ゲームの世界を体感できる「スーパー・ニンテンドー・ワールド」とのアトラクションエリアが設けられ人気を博していることや(甲9の14)、人気ゲームシリーズ「ドラゴンクエスト」をテーマにしたテーマパーク「ドラゴンクエスト アイランド」が兵庫県淡路島に開設されている(甲9の15)といった事実からもうかがえるように、「遊園地用機械器具の貸与,遊戯用器具の貸与」とオンラインゲームの関係も密接である。「仮装用衣服の貸与」についても、人気ゲームシリーズ「スーパーマリオブラザーズ」の登場人物の衣装を着て公道でカートを走らせるサービスが問題となったように(甲9の16)、オンラインゲームに係る商品及び役務との密接な関連性及び需要者・取引者の共通性は明らかである。 本件商標の指定商品及び指定役務中、第43類「宿泊施設の提供,飲食物の提供,会議室の貸与」といった役務についても、「スーパーマリオブラザーズ」や「ドラゴンクエスト」といった人気ゲームコンテンツが、単にゲームやおもちゃの分野にとどまらず、宿泊・旅行・飲食まで含めた総合娯楽産業全体に波及する強力な顧客吸引力を有するとの事実(甲9の14、甲9の15)から、引用商標のように世界的に周知著名なオンラインゲームの名称が、例えばホテルの名称として、あるいはレストランの名称として使用されれば、これがあの周知著名なオンラインゲームの許諾を受けた者の取り扱いに係るものであるなど、何らかの関係を有するものではないかとその出所について広義の混同を生じることは明らかである。 以上のとおり、本件商標の指定商品及び指定役務と引用商標の使用商品及び使用役務とは一定の関連性があり、またその取引者及び需要者は、いずれも一般の消費者であるといえ、需要者は共通している。そして、需要者が一般の消費者であること、とりわけ申立人ゲームの需要者には上記のとおり小学生などの年少者も含まれることからすれば、取引の際に払われる注意力はさほど高いとはいえない。 (4)本件商標の審査における拒絶理由通知 申立人による上記主張は、本件商標に対する平成31年(2019年)3月22日付けの拒絶理由通知書(甲11)における、「本願商標は、アメリカ合衆国ノースカロライナ州に所在のエピック・ゲームズ・インコーポレーテッドが、本願商標の登録出願前から商品「グローバルコンピュータネットワークからダウンロード可能なコンピュータゲーム用ソフトウエア」や役務「オンラインによるコンピュータゲームの提供」等に使用して著名な商標「FORTNITE」(「フォートナイト」)と類似するものであるから、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用するときは、その商品及び役務があたかも前記会社又は同会社と組織的又は経済的に何らかの関係がある者の業務に係る役務であるかのように、役務の出所について混同を生ずるおそれがあり、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」とする指摘に照らしてみても十分に首肯できる。 (5)出所の混同を生ずるおそれ 既述のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録審決時において、申立人の商品及び役務を表示するものとして、取引者、需要者の間に広く認識されていたものであり、その周知著名性の程度は極めて高いものである。また、本件商標と引用商標とは、称呼を同一にし、観念を共通にする場合があり、外観において極めて相紛らわしい商標であることから、類似性の程度は極めて高いものである。そして、本件商標の指定商品及び指定役務には、引用商標が使用されている商品及び「オンラインゲーム」と密接な関連性を有する商品及び役務が含まれており、また、現に取引市場においては引用商標のように周知著名なゲームタイトルが宿泊・旅行・飲食まで含めた総合娯楽産業全体に波及する強力な顧客吸引力を発揮し、利・活用されていることから、本件商標の指定商品及び指定役務と引用商標の使用商品及び使用役務とは一定の関連性があり、またその取引者及び需要者は、いずれも一般の消費者であるといえ、需要者は共通している。そして、需要者が一般の消費者であること、とりわけ申立人ゲームの需要者には小学生などの年少者も含まれることからすれば、取引の際に払われる注意力はさほど高いとはいえない。 これらのことを併せ考慮すれば、本件商標をその指定商品及び指定役務について使用する場合、これに接する取引者、需要者は、申立人のオンラインゲームについて周知著名性を獲得した申立人の引用商標を連想、想起し、本件商標を使用した商品及び役務が申立人又は申立人と経済的もしくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品及び役務であるかのように誤認し、その出所について混同を生ずるおそれがあるといえる。 (6)小括 以上の事実に基づき総合的に勘案すれば、本件商標をその指定商品及び指定役務について使用する場合、その商品及び役務の出所について混同を生ずるおそれがあるといわざるを得ない。そして、本件商標の登録を認めた場合には、申立人の引用商標が持つ顧客吸引力ヘのただ乗り(いわゆるフリーライド)やその希釈化(いわゆるダイリューション)を招くという結果を免れない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 3 商標法第4条第1項第19号該当性について (1)引用商標の周知性 既述したとおり、引用商標は、申立人がコンピュータゲーム用ソフトウェアの開発・販売及びオンラインによるコンピュータゲームの提供等に使用した結果、申立人の業務に係る商品及び役務を表す商標として、世界中、とりわけ米国で高い周知性を獲得するに至った商標であることは明らかである。 したがって、引用商標は、商標法第4条第1項第19号に規定される、他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録審決時において、日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標に該当するものである。 (2)本件商標と引用商標の類似性 既述したとおり、本件商標と引用商標とは、類似性の程度は極めて高いものである。 したがって、両商標が需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本件商標と引用商標が類似することは明らかであり、その類似性の程度は極めて高いというべきである。 (3)本件商標権者の「不正の目的」 商標法第4条第1項第19号の趣旨に加えて、東京高判平成14年10月8日(平成14年(行ケ)第97号)で説示しているとおり、同号における「不正の目的をもって使用するもの」とは、具体的には「日本国内で全国的に著名な商標と同一又は類似の商標について、出所混同のおそれまではなくとも出所表示機能を稀釈化させ、その名声を毀損させる目的をもって商標出願する場合」や、「その他日本国内又は外国で周知な商標について信義則に反する不正の目的で出願する場合」等が該当する。 しかるところ、引用商標は、本件商標の登録出願時において、既に申立人のオンラインゲームについて世界的な周知著名性を獲得していたことを考慮すると、本件商標権者が引用商標の存在を知らなかったものとは考え難い。よって、本件商標権者が、世界的に周知著名であった引用商標と同一の称呼を生じ、外観においても相紛らわしい「FORTNIGHT」の文字からなる本件商標を意図的に採択・出願し登録したことは明白であり、引用商標の有する高い名声・信用・評判にただ乗り(フリーライド)する目的、すなわち不正の目的をもって、本件商標の登録出願をしたものと優に認められる。 さらに、申立人において調査したところ、本件商標権者は、2016年7月以降、160件の商標登録出願を行っており、このうち設定登録されたものは34件にすぎず、残りの126件の内訳は、拒絶査定が60件、手続補正指令(方式)に応答しないことによる出願却下処分が48件、出願取下が4件、登録料不納による出願却下処分が2件、査定不服審判中の審判拒絶が1件である(甲12)。 登録に至らなかった商標には、「PokeGo」(甲13の1)、「MariCAR TOUR」(甲13の2)、「TOUR MariCAR」(甲13の3)、「桃鉄」(甲13の4、甲13の5)、「MOMOTETSU」(甲13の6、甲13の7)など、本件商標権者の事業と無関係とみられるゲーム会社の人気ゲームタイトルの名称及びその略称に類似する商標を剽窃的に登録出願したと思われるものが含まれる。 また、本件商標権者は、任天堂株式会社のゲーム「スーパーマリオゲームブラザーズ」に登場するキャラクター「マリオ」が着用している赤いキャップの前面部に顕著に表示されている「下方部分が緩やかな弧により切り取られた横長円とその内側中央に配されたデザイン化した欧文字「M」からなる標章」と酷似する図形についての登録出願(甲13の8)や、同ゲームに登場するキャラクター「ルイージ」が着用している緑色のキャップの前面部に顕著に表示されている「下方部分が緩やかな弧により切り取られ楕円形状の図形とその内側中央に配されたデザイン化した欧文字「L」からなる標章」と酷似する図形についての登録出願(甲13の9)なども行っており、いずれも商標法第4項第1項第15号に該当するとして登録出願が拒絶されている(甲13の10、甲13の11) さらに、本件商標権者は、「任天堂は無関係」(甲13の12)、「任○堂は無関係」(甲13の13)、「Unrelated to Nintendo」(甲13の14)など、他人の著名商標と同一あるいはそれを構成中に含む商標を登録出願しており、いずれも商標法第4条第1項第15号及び/又は同第19号等に該当するとして登録出願が拒絶されている(甲13の15~甲13の17)。 本件商標権者のこれらの出願行動からすると、本件商標権者が、とりわけゲームの分野に強い関心を有しており、自らの事業に関わらず、人気ゲームに関連する商標を取得しようとしている者であることは明らかである。そのような者が、本件商標の登録出願時には既に米国をはじめとして世界的な人気ゲームタイトルとなっていた申立人の「FORTNITE(フォートナイト)」を全く認識することなく、たまたま偶然申立人の周知著名な人気オンラインゲーム「FORTNITE(フォートナイト)」の名称に極めて類似する本件商標を登録出願したとは到底考えられない。 また、本件商標はその登録出願当時においては、最終的に登録が認められた本件商標の指定商品及び指定役務のみならず、第9類「家庭用テレビゲームおもちゃ,家庭用テレビゲームおもちゃ用プログラム,家庭用テレビゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・光ディスク・光磁気ディスク・磁気テープ・ROMカード・ROMカートリッジ・CD-ROM・DVD-RM及びその他の記憶媒体,家庭用テレビゲームおもちゃ用コントローラ・ジョイスティック及びメモリーカード,その他の家庭用テレビゲームおもちゃの部品及び附属品,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用プログラム,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・光ディスク・光磁気ディスク・磁気テープ・ROMカード・ROMカートリッジ・CD-ROM・DVD-ROM及びその他の記憶媒体,業務用テレビゲーム機,業務用テレビゲーム機用プログラム,業務用テレビゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・光ディスク・光磁気ディスク・磁気テープ・ROMカード・ROMカートリッジ・CD-ROM・DVD-ROM及びその他の記憶媒体,その他の業務用テレビゲーム機の部品及び附属品,ダウンロード可能な電子計算機用プログラム,携帯電話機用ゲームプログラム」を指定したものであった点を看過してはならない(甲14)。すなわち、このような登録出願当時の事情は、本件商標権者が、申立人の世界的に周知著名なオンラインゲームのタイトル「FORTNITE(フォートナイト)」と極めて類似する本件商標「FORTNIGHT」を、家庭用テレビゲームおもちゃ用プログラム、業務用テレビゲーム機用プログラム、携帯電話機用ゲームプログラム等のゲームに関連する商品について使用する意思があったことを示しているのであって、引用商標が有する高い信用や名声等にただ乗り(フリーライド)しようとする、本件商標権者の不正の目的を裏付けるものである。その後の審査の過程においてこれらの指定商品を削除したとしても、本件商標の登録出願時において、本件商標権者が、当該不正の目的を有していたことが否定されるものではない。 (4)小括 以上のとおり、本件商標は、その登録出願時において、米国をはじめとして世界的な人気ゲームタイトルとして話題となり、少なくとも米国において周知商標となっていた申立人の「FORTNITE(フォートナイト)」に係る引用商標と同一の称呼を有し、観念上も、外観上も極めて相紛らわしい構成であった。そして、本件商標権者の特性からすると、引用商標が世界的に周知著名であるにもかかわらず、我が国において登録されていないことを奇貨として、不正の利益を得る目的で、又はコンピュータゲームソフトウェアをはじめとする様々な商品及び役務に使用することで申立人の周知著名な引用商標が有する高い信用や名声等にただ乗り(フリーライド)する目的で、本件商標を登録出願したものであることは明白である。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。 第4 当審における取消理由 当審において、令和4年6月27日付けで、商標権者に対して、「本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第9類「録音済みのコンパクトディスク,その他のレコード,インターネットを利用して受信し及び保存することができる音楽ファイル,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」、第16類「書画,写真,写真立て,文房具類」、第28類「遊戯用器具,囲碁用具,将棋用具,カードゲーム用具及びその附属品,歌がるた,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,ビリヤード用具,愛玩動物用おもちゃ,運動用具,室内ゲーム,室内ゲーム用具」、第35類「紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,運動具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,楽器及びレコードの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,店舗における愛玩動物用被服類・愛玩動物用ベッド・犬小屋・小鳥用巣箱・愛玩動物用食器・愛玩動物用ブラシ・愛玩動物用おもちゃ・愛玩動物用ケージ・愛玩動物用トイレ・愛玩動物の給水給餌器・愛玩動物用の首輪及び引きひもの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,店舗における書画・絵画・版画・額縁の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,店舗におけるダウンロード可能な音楽・音声・画像・映像の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」、第41類「映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),放送番組の制作における演出,映像機器・音声機器等の機器であって放送番組の制作のために使用されるものの操作,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,興行場の座席の手配,映画機械器具の貸与,映写フィルムの貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与,おもちゃの貸与,仮装用衣服の貸与,遊園地用機械器具の貸与,遊戯用器具の貸与」及び第43類「宿泊施設の提供,飲食物の提供,会議室の貸与,展示施設の貸与」について、商標法第4条第1項第15号に該当し、その登録は、同項の規定に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定に基づいて、取り消すべきものである。」旨の取消理由を通知した。 第5 商標権者の意見 前記第4の取消理由の通知に対し、商標権者は、要旨以下のとおり、意見を述べた。 1 「FORTNIGHT」の語が「2週間」の意味を有する語と認知する知識を有さない者であっても、「FORT」と「NIGHT」の語より構成されている語において、「NIGHT」の語が認識できない者は想定し難く、引用商標における「FORT」「NITE」より構成される語とは「NIGHT」と「NITE」の差異を有する明らかに異なる語であると認識し得るものであって、具体的に出所の混同が生じるおそれは生じない。「FORTNITE」が申立人のオンラインゲームのブランドの観念が生じるとするのであれば、その語とは異なる語であると容易に認識し得る「FORTNIGHT」の語が「申立人のオンラインゲームのブランド」と認識される余地はなく、本件商標と引用商標とは観念においても類似するとはいえない。 また、外親においても、本件商標の構成中の「NIGHT」のような英語に触れたことがある者であれば、誰でも認識し得るような単語を認識できないと認定することは、論理的に無理があり、時間と場所を異にして離隔的に観察したとしても、本件商標と引用商標が外観上近似する余地はない。 本件商標と引用商標とは、その観念及び外観において顕著に相違する商標であって、その称呼においても観念を無視して認識・把握するものではないといえることから、両商標は具体的に出所の混同が生じるおそれはない。 2 引用商標は「オンラインゲームの提供」として認知されているものであり、甲号証その他で示されているのは、いわゆる家庭用テレビゲーム又は業務用テレビゲームを基とするゲームであって、オンラインゲームとして広く知られるに至ったものではない。オンラインゲームの提供については、通常の家庭用ゲーム(テレビゲーム)とは異なり、インターネット等の通信環境が必要であり、需要者としても制限されるものである。その上で、引用商標を原作とした映画が制作、公開された事実もなく、またCDやDVD等が多数販売されている事実すら提示されておらず、そのような取引の実情において、関連する分野ともなるオンラインゲームを発祥としないゲームを根拠に関連性があると認定することは、取引の実情を無視した傍論である。 さらに、少なくとも、「書画」(第16類)や「囲碁用具,将棋用具,手品用具,愛玩動物用おもちゃ」(第28類)、「紙類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,楽器の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,店舗における書画・絵画・版画の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,店舗における愛玩動物用ベッド・犬小屋・小鳥用巣箱・愛玩動物用食器・愛玩動物用ブラシ・愛玩動物用おもちゃ・愛玩動物用ケージ・愛玩動物用トイレ・愛玩動物の給水給餌器・愛玩動物用の首輪及び引きひもの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(第35類)、「教育・文化・スポーツ用ビデオの制作,教育研修のための施設の提供,遊園地用機械器具の貸与」(第41類)、「会議室の貸与」(第43類)の商品及び役務に関しては、引用商標はもちろんのこと、一般的なゲームのキャラクターやロゴなどを使用したライセンス商品が販売されている事実もなく、またそのような具体的なサービスも行われていないのが実情である点を鑑みれば、上記に示すような商品又は役務は、一定程度の関連性はない。 3 したがって、本件商標は少なくとも上記2に示すような指定商品及び指定役務に関しては、他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標ということはなく、商標法第4条第1項第15号には該当しない。 第6 当審の判断 1 引用商標の周知著名性について 申立人の提出に係る証拠及び同人の主張並びに職権による調査(別掲4)によれば、以下のとおりである。 (1)申立人は、米国ノースカロライナ州ケーリーに本社を置く、コンピュータゲーム用ソフトウェアの開発及び販売並びにオンラインによるコンピュータゲームの提供等を業務内容とする企業である(甲2、甲10の1、甲10の2)。 (2)申立人は、2011年12月10日に、申立人ゲームの制作を発表し、その公式サイト及びムービーを公開した(甲4の1)。 申立人ゲームは、世界中から参加する他のプレイヤーとチームを組んで相手チームを攻撃する「バトルロイヤル」モード、プレイヤーが自分の島やゲームを構築する「クリエイティブ」モード、プレイヤーがチームを組んでモンスターを撃退する「世界を救え」モードから構成されており、「バトルロイヤル」及び「クリエイティブ」モードは、パソコン、ゲーム機及びスマートフォンにおいて無料でプレイすることができ(プレイヤーの外見を変更するアイテム等は有料で販売されている。)、また、「世界を救え」モードは、パソコン及びゲーム機において有料でプレイすることができる(甲2、甲3、甲4の9、甲4の10)。 申立人ゲームは、複数のプレーヤーが同時に戦い、最後まで残った1人が勝ちという、いわゆるバトルロイヤルゲームのジャンルに属するものの、「クラフト」(建築)の要素や、ボイスチャット(音声通話)機能により他のプレイヤーと会話ができるというコミュニケーションツールも備えている(甲2、甲4の9、甲4の10)。 (3)申立人は、2017年7月25日に「世界を救え」モード(英語)の有料早期アクセスを開始し、同年9月20日には「バトルロイヤル」モード(英語)の無料早期アクセスを開始した(甲2、甲4の2、甲6の1)。 そして、申立人は、2018年3月8日に、「バトルロイヤル」モードの日本語版の配信をPlayStation4及びPCにおいて、同年6月13日にはNintendo Switchにおいて、それぞれ開始し、同年8月23日には「世界を救え」モードの日本語版の配信を開始した(甲2、甲4の4~甲4の7、甲6の2、甲6の3)。 (4)申立人ゲームの登録プレイヤー数は、2017年9月の無料早期アクセス開始から2週間で1000万人に達し、2018年2月には、同時接続数(同じタイミングに一つのオンラインゲームにアクセスしているプレイヤー数)が340万人を記録した。また、2018年6月には登録プレイヤー数が1億2500万人を突破、2020年5月には登録プレイヤー数が3億5000万人を突破し、同年12月には同時接続数が過去最高の1530万人に達した(甲2、甲4の6、甲4の9、甲4の21、甲10の1、甲10の2)。 (5)申立人ゲームの世界における2018年2月の月間売上は1億2600万ドル(約133億円)、同年4月の月間売上は2億9600万ドル(約325億円)、2019年の年間売上は18億ドル(約1900億円)であった(甲2、甲4の3、甲4の14、別掲4(14))。 (6)申立人ゲームは、早期アクセス開始当初からゲームファンに人気を博しており、欧米のマスメディアにおいて「社会現象になっているゲーム」と称され、我が国においても2018年3月には「今年に入り人気の絶頂期を迎えている」等として紹介されたていたところ(甲4の1~甲4の3、甲6の1、別掲4(1))、同月に日本語版の配信が開始された際には、「欧米で大人気のバトルロイヤルゲームが日本上陸!「フォートナイト」へようこそ!」等として報道され(甲4の4、甲4の5、甲6の2、甲6の3)、その後も我が国において、申立人ゲームに関する多数の報道がなされた。なお、これらの報道においては、「FORTNITE」の欧文字(引用商標2の態様のものを含む。)のみならず、「フォートナイト」の片仮名を併記したもの、あるいは、「フォートナイト」の片仮名のみを表記している場合も多い(甲4の6、甲4の8~甲4の11、甲4の14、甲4の18~甲4の22、甲6の4~甲6の12、甲6の15~甲6の20、別掲4(1)ないし(24))。 また、我が国において、申立人ゲームに係るテレビCMが制作され、申立人ゲームを扱った番組が放送された(甲6の7、甲6の19、別掲4(5))。 (7)申立人ゲームは、2018年3月の日本語版配信以前から、我が国においても、既にゲームファンがプレイしていたが、日本語版配信以降は、例えば、小学生やその親世代(「小学生が一番遊んでいるゲームタイトル」の1位という調査結果もある。甲4の22)、著名人等もプレイしていると報道され、申立人ゲームのプレイヤー層が拡大した(甲4の9、甲4の10、別掲4(2)、別掲4(8)、別掲4(10)、別掲4(20)) また、「eスポーツの甲子園」と称される、国内最大級の高校生対抗eスポーツ大会「STAGE:0(ステージゼロ)」(後援:文部科学省)において、申立人ゲームは競技種目として採用されており、2020年の大会では、申立人ゲーム部門に全国1141校がエントリーした(別掲4(12)、別掲4(15)、別掲4(24))。 さらに、高校でのeスポーツ教育において、申立人ゲームが採用されている例もある(別掲4(7)、別掲4(13))。 (8)申立人ゲームは、2018年9月に、一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会主催の「日本ゲーム大賞2018」(後援:経済産業省)の年間作品部門において、優秀賞を受賞した。同賞は、2017年4月1日ないし2018年3月31日の期間に、国内でリリースされたゲーム作品のうち、2017年度を代表する作品を選考・表彰するものであり、一般ユーザーの投票及び選考委員会による審査を経て決定された(甲4の18~甲4の20)。 また、申立人ゲームは、2019年6月に、日経MJ(流通新聞)の「2019年上期ヒット商品番付」において、「世界2億5000万人が熱中、日本でもブーム」として、前頭に選出された(別掲4(9))。 (9)申立人ゲームは、ゲームの枠を超え仮想空間としても活用されており、ダンス大会やライブが行われる(2020年8月には、米津玄師氏が日本人として初めて、申立人ゲームの仮想空間でライブを行った。)など、ゲーム以外のプラットフォームとしても、コンテンツ業界から注目されている(別掲4(16)~別掲4(18)、別掲4(21)、別掲4(22))。 (10)我が国においても、申立人ゲームのキャラクターやロゴ(引用商標2の態様のものを含む。)を用いたライセンス商品、例えば、被服(子供用のものも含む。)、寝具、カーテンやクッション等のインテリア用品、かばん類、財布、マグカップ等の食器、ぬいぐるみ、フィギュア人形、おもちゃ、ボードゲーム、シールやペンケース等の文房具、スケートボードなどが販売されており、これらを販売するウェブサイトにおいて、各種商品を表記する際には、「FORTNITE」の欧文字に「フォートナイト」の片仮名を併記したものも見受けられるが、「フォートナイト」の片仮名のみを表記している場合も多い(甲5の1~甲5の7、別掲4(23)、別掲4(26))。 (11)上記(1)ないし(10)によれば、米国ノースカロライナ州ケーリーに本社を置く、コンピュータゲーム用ソフトウェアの開発及び販売並びにオンラインによるコンピュータゲームの提供等を業務内容とする企業である申立人は、2017年7月から、「FORTNITE」の欧文字(引用商標2の態様のものを含む。)を、オンラインゲームの提供に使用開始したこと、申立人ゲームの登録プレイヤー数は、早期アクセス開始以降増え続け、2020年5月には3億5000万人を突破したこと、申立人ゲームの同時接続数は、同年12月に1530万人に達したこと、申立人ゲームの2019年の世界年間売上は18億ドル(約1900億円)であったこと、我が国においては、2018年3月に日本語版が配信されて以降、小学生から著名人まで、申立人ゲームのプレイヤー層が拡大し、高校生対抗のeスポーツ大会においては競技種目として採用されていること、申立人ゲームは早期アクセス開始当初から我が国においても多数の報道がなされており、2018年には日本ゲーム大賞優秀賞を受賞し、2019年には日経MJ(流通新聞)のヒット商品番付に選出されていること、申立人ゲームのキャラクターやロゴ(引用商標2の態様のものを含む。)を用いたライセンス商品、例えば、被服(子供用のものも含む。)、寝具、カーテンやクッション等のインテリア用品、かばん類、財布、マグカップ等の食器、ぬいぐるみ、フィギュア人形、おもちゃ、ボードゲーム、シールやペンケース等の文房具、スケートボードなどが販売されており、その際には、「FORTNITE」の欧文字(引用商標2の態様のものを含む。)のみならず、「フォートナイト」の片仮名を併記したもの、あるいは、「フォートナイト」の片仮名のみを表記している場合も多いこと等が認められる。 そうすると、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録審決時において、申立人の業務に係るオンラインゲームの提供を表示する商標として、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたというのが相当である。 2 商標法第4条第1項第15号該当性について (1)本件商標と引用商標との類似性の程度について ア 本件商標について 本件商標は、前記第1のとおり、「FORTNIGHT」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「2週間」の意味を有する語として辞書類に載録されているものの、中学学習語及び高校学習語ではなく、比較的難しい英単語であることに加え、主に英国で用いられるものであることから、米語を英語教育の基礎とする我が国において馴染みの薄い語であり、特定の意味合いを直ちに想起させるものではないといえる(甲8、別掲4(25))。 そして、欧文字で構成される馴染みのない語を発音する場合、英語の発音に従った称呼が生じることも多いところ、本件商標の構成中の「FORT」及び「NIGHT」の語は、構成上平易な英語であって、それぞれ「フォート」及び「ナイト」と発音されるとみるのが自然であり、本件商標は、「フォートナイト」と称呼されるものである。 また、「フォートナイト」の称呼は、上記1(11)のとおり、申立人の業務に係る「オンラインゲームの提供」を表示するものとして、取引者、需要者の間に広く認識されている「フォートナイト」に通じるものであるから、当該称呼から、「申立人のオンラインゲームのブランド」としての観念を想起させる場合もあるといえるものである。 そうすると、本件商標は、その構成文字に相応し「フォートナイト」の称呼を生じ、特定の観念を生じない、又は、「申立人のオンラインゲームのブランド」としての観念を生じるものである。 イ 引用商標について 引用商標は、前記第2のとおり、「FORTNITE」の欧文字又は「フォートナイト」の片仮名を表してなるものであるから、それぞれの構成文字に相応して、「フォートナイト」の称呼を生じるものである。 また、上記1(11)のとおり、「FORTNITE」又は「フォートナイト」の文字は、申立人の業務に係る「オンラインゲームの提供」を表示するものとして、取引者、需要者の間に広く認識されているから、引用商標からは、「申立人のオンラインゲームのブランド」としての観念を生じるものである。 ウ 本件商標と引用商標との類似性の程度について (ア)本件商標と引用商標1及び引用商標2とを比較すると、いずれも大文字の欧文字から構成される点において共通し、需要者に強い印象を与える語頭から6文字目(構成文字中3分の2以上である。)まで、「F」、「O」、「R」、「T」、「N」及び「I」の文字が同じ順序で配され、また語尾付近に「T」の文字を含む点においても共通することから、両商標を、時間と場所を異にして離隔的に観察した場合、外観において近似した印象を与えるものである。 また、称呼及び観念においては、両商標は、いずれも「フォートナイト」の称呼を共通にし、「申立人のオンラインゲームのブランド」としての観念を共通にする場合がある。 そうすると、本件商標と引用商標1及び引用商標2との外観、称呼、観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合し全体的に考察すれば、外観において近似した印象を与え、称呼を共通にし、観念を共通にする場合があることからすると、本件商標と引用商標とは高い類似性を有するというべきである。 (イ)本件商標と引用商標3とを比較すると、両商標の構成文字が異なるため、外観においては区別できるものである。 また、称呼及び観念においては、両商標は、いずれも「フォートナイト」の称呼を共通にし、「申立人のオンラインゲームのブランド」としての観念を共通にする場合がある。 そうすると、本件商標と引用商標3との外観、称呼、観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合し全体的に考察すれば、たとえ、外観において区別できるとしても、称呼を共通にし、観念を共通にする場合があることからすると、本件商標と引用商標とは、比較的高い類似性を有するというべきである。 (ウ)してみれば、本件商標と引用商標との類似性の程度は高いといえる。 (2)引用商標の周知著名性及び独創性の程度について 上記1(11)のとおり、引用商標は、申立人の業務に係る「オンラインゲームの提供」を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものである。 したがって、引用商標の周知著名性の程度は高いといえる。 また、引用商標を構成する「FORTNITE」の文字は、一般の辞書に載録がなく、全体として造語といえるものであるから、引用商標の独創性の程度は高いといえる。 (3)本件商標の指定商品及び指定役務と申立人の業務に係る商品及び役務との関連性の程度並びに取引者及び需要者の共通性について ア 本件商標の指定商品及び指定役務は、前記第1のとおり、第9類、第16類、第28類、第35類、第41類及び第43類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務であるところ、以下においては、本件商標の指定商品及び指定役務中、取消対象商品及び役務について検討する。 イ 申立人の業務に係る役務は「オンラインゲームの提供」を中心とするものである。 ウ ところで、ゲーム業界及び関連業界においては、一般に、ゲームのキャラクターやロゴ等を用いた各種のライセンス商品が販売されており、申立人ゲームについても、上記1(10)のとおり、多数のライセンス商品が販売されていることが認められる。また、申立人の提出に係る証拠及び同人の主張並びに職権による調査によれば、ゲームを基にしたライセンス商品のみならず、人気ゲームを原作とした映画が数多く制作、公開され、映画公開後はDVD等で発売されていること、数多くのゲーム音楽が音楽作品として鑑賞されていること、人気ゲームを題材としたテーマパークやカフェ、ホテル等が展開されていることが認められる(甲9の1~甲9の8、甲9の14、甲9の15、別掲4(27)、別掲4(28))。 そうすると、本件商標の指定商品及び指定役務中、取消対象商品及び役務と申立人の業務に係る「オンラインゲームの提供」とは、ゲームを基にしたライセンス商品が販売され、ゲームを基にした映画や音楽等の作品が制作され、ゲームを題材としたテーマパーク等が展開されているなどの実情があることからすると、一定程度の関連性があるものといえる。 また、本件商標の指定商品及び指定役務の需要者と申立人の業務に係る役務の需要者とは、いずれも一般の消費者であるといえるため、需要者は共通している。 そして、需要者が一般の消費者であり、特に子供も主たる需要者であることからすれば、取引の際に払われる注意力はさほど高いとはいえない。 (4)混同を生ずるおそれについて 上記(1)ないし(3)によれば、本件商標と引用商標との類似性の程度は高く、引用商標の周知著名性及び独創性の程度は高いといえ、また、本件商標の指定商品及び指定役務と申立人の業務に係る商品及び役務とは、一定程度の関連性があり、その需要者を共通にすること、取引の際に払われる需要者の注意力はさほど高いとはいえないことからすると、本件商標は、これをその指定商品及び指定役務中、取消対象商品及び役務に使用した場合には、これに接する需要者は、引用商標を連想、想起し、当該商品及び役務が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品及び役務であるかのように、商品及び役務の出所について混同を生ずるおそれがある商標というべきである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 3 商標法第4条第1項第19号該当性について 上記1のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録審決時において、申立人の業務に係るオンラインゲームの提供を表示する商標として、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものである。 また、上記2(1)のとおり、本件商標と引用商標との外観、称呼、観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合し全体的に考察すれば、(a)本件商標と引用商標1及び引用商標2との場合においては、外観において近似した印象を与え、称呼を共通にし、観念を共通にする場合があり、(b)本件商標と引用商標3との場合においては、たとえ、外観において区別できるとしても、称呼を共通にし、観念を共通にする場合があることからすると、本件商標は、引用商標と類似する商標というべきである。 しかしながら、提出された証拠からは、本件商標権者が、本件商標を高価で買い取らせることを行っているとか、申立人の国内参入を阻止しようとしている等、不正の目的を持って本件商標を登録出願し、登録を受けたと認めるに足る具体的事実を見いだすことはできない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。 4 商標権者の主張について 商標権者は、オンラインゲームの提供は、通常の家庭用ゲーム(テレビゲーム)とは異なり、インターネット等の通信環境が必要であり、需要者も制限されるものであるから、オンラインゲームを発祥としないゲームを根拠に関連性があると認定することは、取引の実情を無視した傍論である旨主張する。 しかしながら、オンラインゲーム及び家庭用ゲーム(テレビゲーム)は、いずれも一般の消費者(子供も含む。)を対象とするものであって、その需要者を共通にし、関連性を有するものであるから、本件商標を取消対象商品及び役務に使用した場合における需要者の認識を推し量るに当たり、オンラインゲームや、それと需要者を共通にする家庭用ゲーム(テレビゲーム)に係る取引の実情を勘案することは、合理的であるというべきである。 したがって、商標権者による主張は、採用することができない。 5 むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品及び指定役務中、取消対象商品及び役務について、商標法第4条1項15号に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものとし、その余の指定商品及び指定役務については、取り消すべき理由がないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものとする。 よって、結論のとおり決定する。

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2021-900304

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