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商標異議申立

2021-900297

ブフ、ブーフー、ブフー、ブーフ

審判番号
2021-900297
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2020-035278
登録番号
6387092
請求日
2021年08月02日
審決日
2022年04月07日
公報発行日
2022年05月27日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】小林 大剛
  • 【異議申立人】オリジナル バフ エス. エー.
  • 【異議申立人代理人】特許業務法人三枝国際特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 齋藤 貴博
  • 審判官 森山 啓
  • 審判官 板谷 玲子
分類
T1651.25 -Y (W2535) / T1651.255-Y (W2535) / T1651.26 -Y (W2535) / T1651.261-Y (W2535) / T1651.262-Y (W2535) / T1651.271-Y (W2535)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第10号、商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号
データ出所
審決公報(XML)

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登録第6387092号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6387092号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 1 本件商標 本件登録第6387092号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、令和2年3月17日に登録出願、第25類「被服,履物,運動用特殊靴,帽子」及び第35類「広告業,一般事務処理,織物・寝具類・タオル・被服・履物・帽子・かばん類・袋物・財布及び身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,ファッションショーの企画・運営(販売促進のためのもの),商品及び役務の広告及び販売促進のための展示会・商品見本市の企画・運営,輸出入に関する事務の代理又は代行,販売促進のための企画及び実行の代理」を指定商品及び指定役務として、同3年2月8日に登録査定され、同年5月11日に設定登録されたものである。 2 登録異議申立人が引用する商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において、本件商標が商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号に該当するとして引用する国際登録第1370544号商標は、別掲2のとおりの構成よりなり、2017年8月11日国際商標登録出願、第25類「Ready-made clothing for external and internal use [not of leather]; handkerchiefs (not included in other classes), caps [not of leather], footwear (except orthopedic footwear) [not of leather] and headgear [not of leather].」を指定商品として、平成31年1月18日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第21号証(枝番号を含む。)を提出した。 (1)本件商標と引用商標について ア 引用商標「BUFF」は、申立人が展開する多機能ヘッドウェアブランドの名称であって、その構成文字に相応して「バフ」との称呼が生じる(実際、我が国における取引者・需要者間でも「バフ」と称呼されている)。「BUFF」は、オートバイレースに出場していた申立人の創設者が、1992年にスペインで創業したブランドであって、ホイールに巻き込まれる可能性があるマフラーに替わる新たな防寒アクセサリーを求め、改良を重ねた結果完成された多機能ヘッドウェアのブランドである。ブランド名の「BUFF」は、「スカーフ」を意味するスペイン語の「bufanda」を語源として申立人の創業者が考案した造語である(甲1)。「BUFF」の多機能ヘッドウェアは、「ネックウェア」と「ヘッドバンド」のいずれの商品としても使用することができ(甲2の1)、これら両商品に属する二面性を有する。また、多機能ヘッドウェアに加え、帽子も定番商品となっており(甲2の3)、ヘッドウェア以外の被服(ティーシャツ)及び運動用特殊衣服(運動競技用タイツ)も展開されている(甲2の2)。「BUFF」は、その製造を全て申立人の自社工場で行い、品質管理を徹底することで、ユーザーから高い支持を得ており、現在、1995年に海外進出して以降、スポーツサイクルをはじめ、モーターサイクルやランニング、登山など様々な分野で多くのユーザーに愛されており、世界70ヶ国、2万店を超える店舗で展開される人気ブランドとなっている(甲9)。我が国においても「BUFF」の多機能ヘッドウェアは非常に注目されており、アウトドア雑誌、スポーツ雑誌、ファッション雑誌など、数々の雑誌で紹介されているほか(甲3~甲7)、ウェブサイトにおいても話題の多機能ヘッドウェアブランドとして取り上げられている(甲8~甲12)。 さらに、「BUFF」は、他のブランドとのコラボレーションも積極的に行っており、従来「BUFF」に馴染みの無かった需要者に対しても、コラボレーションしたブランドを介して、「BUFF」を認知させている(甲13、甲14)。とくに、バイクアパレル・ファッションブランドの「56design」とのコラボレーション(甲15)や、過去には本田技研工業株式会社やロードレース世界選手権(MotoGP)、プロオートバイレーサーの「マルク・マルケス」氏とのコラボレーションも実現しており、日本のモーターサイクル業界でも広く知られたブランドとなっている。 実際、申立人は、我が国における「BUFF」の普及活動に積極的に取り組んでおり、日本のブルータグ株式会社と協力して、数々の展示会や国内スポーツイベントなどにこれまで出店してきた(甲16の1~甲16の6)。さらに、プロトレイルランナーの宮地藤雄氏やプロスカイランナーの松本大氏など、数々の日本人アスリートのスポンサーを務めることで(甲17、甲18)、そのアスリートの活躍によって、「BUFF」の認知度は更に向上しており、前記松本大氏とはコラボレーション商品も展開するなど(甲19)、人気アスリートとのタイアップも注目を集めている。加えて、現在は山岳ランナーであり、スカイランニング世界選手権日本代表の星野由香理氏が「BUFF」のアンバサダーを務めており(甲20)、アウトドアスポーツを好む女性の需要者層に対しても積極的にブランドを訴求している。 さらに、今日では、「BUFF」の商品は、消防現場、除雪現場、石油化学工場の作業現場等でも役立てられており、作業着の一種としても認知されている(甲21)。 イ 本件商標について 本件商標「BUFU」は、やや装飾化した欧文字「BUFU」を斜字体に書してなるものである。「BUFU」の文字は一般的な英語の辞書には掲載されておらず我が国の需要者には特定の意味合いを生じない造語と認識されると考えられ、このような特定の意味合いを認識させない欧文字からなる文字は、我が国で広く親しまれているローマ字風又は英語風の発音をもって称呼されるのが一般的といえる。この点、本件商標は、その構成文字に応じ、ローマ字風に読む場合には「ブフ」と称呼されうると考えられる一方、英語風に読む場合には「but」「bus」「butter」といった平易な英単語に通じ「バフ」と称呼される場合も少なくないと考えられる。 ウ 本件商標と引用商標の類否 上述のとおり、本件商標からは「ブフ」のみならず「バフ」の称呼を生じると考えられるところ、引用商標と「バフ」の称呼において共通することから、両商標は称呼上同一又は類似するものである。また、両商標は構成文字の最初の三文字「BUF」において共通するところ、外観上も一定の共通性を有するものであって、両商標は高い類似性を有するといえる。 (2)商標法第4条第1項第11号について 本件商標「BUFU」及び引用商標「BUFF」からは、共に「バフ」との共通の称呼が生じ、外観においても一定の共通性を有することにも鑑みれば、両商標の類似性は非常に高いものといえ、両者は互いに相紛らわしい商標であるといえる。また、本件商標に係る第25類の指定商品「被服,履物,運動用特殊靴,帽子」及び第35類の指定役務「織物・寝具類・タオル・被服・履物・帽子・かばん類・袋物・財布及び身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標に係る指定商品中「屋外用及び室内用の既成服(革製のものを除く。)」、「ハンカチーフ(他の類に属するものを除く。)」、「帽子(革製のものを除く。)」、又は「履物及び運動用特殊靴(整形外科用履物を除く。)(革製のものを除く。)並びに帽子(革製のものを除く。)」のいずれかと同一又は類似である。 したがって、本件商標は、その登録出願前の登録出願に係る他人の登録商標に類似する商標であって、その登録商標に係る指定商品又はこれらに類似する商品・役務について使用するものであるため、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (3)商標法第4条第1項第10号について 引用商標「BUFF」は、本件商標の出願時において、我が国における取引需要者の間で、少なくとも「ネックウェア,ヘッドバンド」についての申立人の商標として広く知られていたと推認され、また、本件商標「BUFU」と引用商標は、互いに相紛らわしい類似商標である。そして、本件商標の指定商品・役務中、第25類「被服」「運動用特殊靴」及び第35類「織物・寝具類・タオル・被服・履物・帽子・かばん類・袋物・財布及び身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、申立人の使用に係る商品「ネックウェア,ヘッドバンド」と類似群コード(17A04又は24C01)が共通し、同一又は類似である。 したがって、本件商標は、その出願時において、我が国で周知の引用商標と同一又は類似する商標であって、上記指定商品・役務について申立人の業務に係る商品と同一又は類似するものであるため、商標法第4条第1項第10号に該当する。 (4)商標法第4条第1項第15号について 客観的事情に基づき同号該当性を判断する特許庁商標審査基準の趣旨は本件において妥当するため、同審査基準に照らして同号該当性を考えるに、本件では、引用商標「BUFF」は、本件商標の出願時において、我が国における取引需要者の間で、少なくとも「ネックウェア,ヘッドバンド」についての申立人の商標として広く知られていたと推認される。 また、本件商標「BUFU」と引用商標は称呼が共通し、外観においても一定の共通性を有することに鑑みれば、両商標の共通性は非常に高いといえる。さらに、本件商標の第25類における指定商品はいずれも被服等のファッション関連商品であり、第35類における指定役務中、特に「織物・寝具類・タオル・被服・履物・帽子・かばん類・袋物・財布及び身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」「ファッションショーの企画・運営(販売促進のためのもの)」「商品及び役務の広告及び販売促進のための展示会・商品見本市の企画・運営,輸出入に関する事務の代理又は代行」等はファッション関連商品との関連性が高いといえる。 そうすると、本件商標が使用された場合には、その商品・役務に接する取引需要者は、取引上要求される一般的な注意をもってしても、その商品・役務が申立人の商品・役務であるとか、申立人と経済的又は組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品・役務であると誤認し、商品・役務の出所について混同を生ずる可能性は十分に予想されるところである。 したがって、本件商標は、本件商標の出願時において、申立人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがあり、商標法第4条第1項第15号に該当する。 4 当審の判断 (1)引用商標の周知性について 申立人の甲各号証及び同人の主張によれば、「BUFF」の欧文字からなる引用商標、「Buff」の欧文字及び「バフ」の片仮名からなる標章、並びに円形内にやや傾けたBuffの文字を表示した標章(以下、円形内に表された標章を「使用標章」という。)が、「ネックウェア」、「ヘッドバンド」等として使用することができる多機能ヘッドウェア(以下「申立人商品」という。)等に使用されていることは認められる。 しかしながら、当該申立人商品の我が国における売上高、販売量等の販売実績や広告宣伝の回数や広告宣伝費等の広告実績など、周知性を数量的に判断し得る客観的かつ具体的事実に関する証拠は提出されていない。 また、申立人商品が販売されているとする雑誌、インターネット、展示会において申立人商品とともに引用商標の使用もわずかに確認できる(甲5、甲6等)ものの、そのほとんどは使用標章の使用であって、引用商標の周知性を基礎づけるものとは直ちにいえない。 その他、本件商標の登録出願日において、引用商標が広く知られていることを認めるに足る証拠の提出はなく、引用商標の周知性を認め得る事情は見いだせない。 してみると、提出された証拠をもってしては、引用商標の周知性を認めるには不十分といわざるを得ないものであり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用商標が申立人商品を表示するものとして、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものとまでは認めることができない。 (2)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本件商標について 本件商標は、別掲1のとおり、赤色でややデザイン化した「BUFU」の欧文字を容易に看取し得るものであるところ、当該文字は辞書類に記載された成語とは認められないものであり、かつ、特定の意味を有する語として一般に知られているとも認められないものであるから、特定の観念を生ずることのない一種の造語として認識されるものというのが相当である。 そうすると、欧文字からなる造語については、我が国において親しまれているローマ字読み又は英語読みに倣って称呼されるのが一般的といえるところ、「BUFU」の文字は、その子音と母音の規則的な並び方からローマ字表記を容易に想起させるため、当該文字からは、構成文字に相応して、ローマ字読みに倣った「ブフ」の称呼を生ずるというのが自然である。 したがって、本件商標は、「ブフ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 なお、申立人は、本件商標から「バフ」の称呼も生ずる旨主張するが、「BUFU」の文字構成からは、前記のとおり、ローマ字読みに倣った「ブフ」という自然な称呼のみが生ずるというべきであるから、申立人の上記主張は採用できない。 イ 引用商標について 引用商標は、別掲2のとおり「BUFF」の欧文字を横書きしてなるところ、辞書類に記載された成語とは認められず、かつ、特定の意味を有する語として一般に知られているとも認められないものであるから、特定の観念を生ずることのない一種の造語として認識されるものというのが相当である。そして、「BUFF」の文字は、子音で終わるためにローマ字表記を想起させないので、当該文字からは、その構成文字に相応して、英語読みに倣った「バフ」の称呼を生ずるというのが自然であり、現に申立人の提出に係る証拠によれば、引用商標は、「バフ」と称呼され申立人商品について販売されていることが認められる。 そうすると、引用商標は、「バフ」の称呼を生ずるものであり、特定の観念を生じないものである。 ウ 本件商標と引用商標の類否について そこで、本件商標と引用商標との類否について検討するに、本件商標は、別掲1のとおり、「BUFU」の欧文字を赤色でややデザインした書体により表してなるのに対し、引用商標は、別掲2のとおり、「BUFF」の欧文字を横書きしてなるものであるから、その構成文字及び態様において差異を有し、外観上、明確に区別できるものである。 そして、本件商標から生ずる「ブフ」の称呼と、引用商標から生ずる「バフ」の称呼とは、称呼における識別上重要な位置を占める語頭において「ブ」と「バ」の音の相違の差異を有するものであるから、両者の2音という短い称呼におけるその差異が称呼全体に与える影響は決して小さいものとはいえず、互いに聞き誤るおそれはないものと認められる。 さらに、本件商標と引用商標は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念上、比較することができないものである。 そうとすれば、本件商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において明確に区別できるものであるから、外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 その他、本件商標と引用商標とが類似するというべき事情は見いだせない。 したがって、本件商標は、引用商標に類似しない商標であるから、両商標の指定商品又は指定役務の類否について判断するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (3)商標法第4条第1項第10号該当性について 上記(1)のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表すものとして我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないものであり、また、上記(2)のとおり、本件商標と引用商標とは非類似の商標である。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号を適用するための要件を欠くものであるから、同号に該当しない。 (4)商標法第4条第1項第15号該当性について 上記(1)のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないものであり、また、上記(2)のとおり、本件商標と引用商標とは、相紛れるおそれのない非類似の商標であって別異の商標というべきである。 そうすると、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者が申立人の業務に係る引用商標を連想、想起するものとはいえず、その商品が他人(申立人)又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものと認めることはできない。 その他、本件商標が引用商標と出所の混同を生ずるおそれがあるというべき事情は見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (5)まとめ 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号のいずれにも該当するものではなく、その登録は、同法第4条第1項の規定に違反してされたものとはいえないものであり、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。

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