審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
商標異議申立

2021-900281

審判番号
2021-900281
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2020-039721
登録番号
6385226
請求日
2021年07月21日
審決日
2022年04月07日
公報発行日
2022年07月29日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】株式会社ジラフ
  • 【異議申立人】ドロップボックス,インコーポレイテッド
  • 【異議申立人代理人】中村 知公
  • 【異議申立人代理人】前田 大輔
  • 【異議申立人代理人】伊藤 孝太郎
  • 【異議申立人代理人】朝倉 美知
審判長/審判官
  • 審判長 森山 啓
  • 審判官 齋藤 貴博
  • 審判官 板谷 玲子
分類
T1652.222-Y (W0942) / T1652.25 -Y (W0942) / T1652.261-Y (W0942)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第10号、商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第19号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

登録第6385226号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6385226号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 1 本件商標 本件登録第6385226号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、令和2年4月8日に登録出願、第9類、第35類及び第42類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同3年4月5日に登録査定、同年5月6日に設定登録されたものである。 2 登録異議申立人が引用する商標 (1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する商標は、以下の2件であり(以下、これらをまとめていうときは「11号引用商標」という。)、現に有効に存続しているものである。 ア 登録第5687456号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の態様:別掲2のとおり 登録出願日:平成25年2月19日 設定登録日:平成26年7月18日 指定商品及び指定役務:第9類、第39類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務 イ 登録第5687457号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の態様:別掲3のとおり 登録出願日:平成25年2月19日 設定登録日:平成26年7月18日 指定商品及び指定役務:第9類、第39類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務 (2)申立人が登録異議の申立ての理由において、本件商標が商標法第4条第1項第10号に該当するとして引用する商標は、申立人が日本を始め全世界で、別記のとおりの第9類及び第42類の商品及び役務に使用していると主張する、別掲4のとおりの構成よりなる標章(以下「引用商標3」という。)である。なお、申立人は、引用商標3について異なる構成の商標(別掲4の構成における白抜き部分の形状を、青色で表した図形のみからなる商標。以下、特に必要なときは、便宜上「青色図形商標」という。)を示しているところがあるが、申立ての理由における引用商標3の構成に係る記載内容を踏まえ、引用商標3を別掲4のとおりの商標と認定した。 (3)申立人が登録異議の申立ての理由において、本件商標が商標法第4条第1項第19号に該当するとして引用する商標は、引用商標1及び引用商標3である。 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第9類の全指定商品である「コンピュータアプリケーションソフトウェア,電子出版物,電子計算機用プログラム,電子応用機械器具及びその部品,通信ネットワークを通じてダウンロード可能なコンピュータプログラム,通信ネットワークを通じてダウンロード可能な静止画又は動画,インターネットを利用して受信及び保存することができる画像ファイル」及び第42類の全指定役務である「電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守,電子計算機用プログラムの提供,インターネットにおいて利用者が交流するためのソーシャルネットワーキング用サーバーの記憶領域の貸与」(以下「申立商品・役務」という。)について、商標法第4条第1項第10号、同項第11号、同項第19号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。 (1)商標法第4条第1項第11号 ア 本件商標と11号引用商標の外観について 本件商標の外観において、需要者・取引者が最も注意を惹く商標の構成要素は、平面(上面)及び底面が略正方形である黄土色の段ボール箱を基本となる図形要素において、平面(上面)部を構成する四枚からなる蓋部をすべて開口した状態の箱形図形である。また、かかる箱形図形は、略正方形の図形からなる枠体部の内側に設けられた正円の内側の中央に、配置されている。 一方、引用商標1の外観において、需要者・取引者が最も注意を惹く商標の構成要素は、平面(上面)及び底面が略正方形である黒色の段ボール箱を基本とする図形要素において、平面(上面)部を構成する四枚からなる蓋部をすべて開口した状態の箱形図形である。 また、引用商標2の外観において、需要者・取引者が最も注意を惹く商標の構成要素は、平面(上面)及び底面が略正方形である半透明の水色の段ボール箱を基本となる図形要素において、平面(上面)部を構成する四枚からなる蓋部をすべて開口した状態の箱形図形である。 イ 図形要素の比較考察 上記の分析から、本件商標の図形要素である「平面(上面)及び底面が略正方形である段ボール箱を基本となる図形要素において、平面(上面)部を構成する四枚からなる蓋部をすべて開口した状態の箱形図形」は、11号引用商標と共通する。 一方、本件商標は、商標を構成する箱形図形が、略正方形の図形からなる枠体部の内側に設けられた正円の内側の中央に配置されている形態の存在が、11号引用商標と異なる。 しかしながら、かかる枠体は枠体内部に存在する略正方形図形と比較した場合、外観上支配的な印象を与えず、需要者・取引者がかかる枠体により、本件商標と11号引用商標を非類似と認識する程度の独自性はない。むしろ、ありふれた枠体の形状である。 また、本件商標の略正方形の箱形形状は黄土色であり、引用商標1の略箱形形状は黒色、引用商標2は半透明の水色である。しかしながら、かかる色彩の相違は、自他商品・役務の識別標識である商標の識別力に差異を生じさせることはない。本件商標の黄土色、引用商標1の黒色、引用商標2の半透明水色は、公知のありふれた色彩であり独自性の無い色彩であるためである。 ウ よって、本件商標における「平面(上面)及び底面が略正方形である段ボール箱を基本となる図形要素において、平面(上面)部を構成する四枚からなる蓋部をすべて開口した状態の箱形図形」の要素は、11号引用商標の図形の構成要素と共通し、需要者・取引者が混同する程度に類似する商標である。 エ そして、本件商標はその図形構成から、「平面(上面)が開口した箱」の観念が生じる。一方、11号引用商標についても、その図形構成から「平面(上面)が開口した箱」の観念が生じる。よって、本件商標は、観念においても11号引用商標と同一である。 オ また、申立商品・役務は、11号引用商標の指定役務に同一若しくは類似である。 カ よって、本件商標は、同商標の出願前に出願された11号引用商標に類似し、かつ、申立商品・役務も11号引用商標の指定商品・役務に類似する商標であるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (2)商標法第4条第1項第10号 ア 引用商標3は、申立人が、現在、日本を始め全世界で使用している商標である(甲3)。 イ 本件商標と引用商標3の外観について検討すると、本件商標の外観において、需要者・取引者が最も注意を惹く商標の構成要素は、平面(上面)及び底面が略正方形である黄土色の段ボール箱を基本となる図形要素において、平面(上面)部を構成する四枚からなる蓋部をすべて開口した状態の箱形図形である。また、かかる箱形図形は、略正方形の図形からなる枠体部の内側に設けられた正円の内側の中央に、配置されている。 一方、引用商標3の外観において、需要者・取引者が最も注意を惹く商標の構成要素は、段ボール箱を基本とする図形要素において、平面(上面)部を構成する四枚からなる蓋部をすべて開口した状態の箱形図形である。 ウ 図形要素の比較考察 上記の分析から、本件商標の図形要素である「平面(上面)及び底面が略正方形である段ボール箱を基本となる図形要素において、平面(上面)部を構成する四枚からなる蓋部をすべて開口した状態の箱形図形」は、引用商標3と共通する。 一方、本件商標は、商標を構成する箱形図形が、略正方形の図形からなる枠体部の内側に設けられた正円の内側の中央に配置されている形態の存在が、引用商標3と異なる。 しかしながら、かかる枠体は枠体内部に存在する略正方形図形と比較した場合、外観上支配的な印象を与えず、需要者・取引者がかかる枠体により、本件商標と引用商標3を非類似と認識することはない。 また、本件商標の略正方形の箱形形状は黄土色であり、引用商標3の略箱形形状は青地に白色である。しかしながら、かかる色彩の相違は、自他商品・役務の識別標識である商標の識別力に差異を生じさせることはない。本件商標の黄土色及び引用商標3の白色は、公知のありふれた色彩であり独自性の無い色彩であるためである。 エ そして、本件商標はその図形構成から、「平面(上面)が開口した箱」の観念が生じる。一方、引用商標3についても、その図形構成から「平面(上面)が開口した箱」の観念が生じる。よって、本件商標は、観念においても引用商標3と同一であるから、引用商標3に類似する商標である。 (3)商標法第4条第1項第19号 ア 申立人は、引用商標1と同一の商標を、本件商標の出願前から日本を始め、全世界において商標を登録し使用していた。また、引用商標3についても同様である。 かかる海外における商標の出願及び登録状況を示すために、引用商標1及び3の出願及び登録状況並びに使用実績を提出する(甲4)。当該証拠が示す商標は、本件商標の出願日より以前に出願された商標であり、同出願日の以前から指定商品・役務について実際に使用されており、登録国において広く認識された商標である(甲4)。 これらの事実から、本件商標は、海外において広く認識されている登録異議申立根拠商標に類似する商標に対し、不正な目的で商標を登録しようとするものであることは明らかである。 イ 本件商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして日本国内及び外国における需要者の間に広く認識されている商標と類似の商標であって、不正の目的をもって登録するものであるから、商標法第4条第1項第19号に該当する。 4 当審の判断 (1)引用商標1及び引用商標3の周知性について 申立人は、引用商標1及び引用商標3と同一の商標を、本件商標の出願前から日本を始め、全世界において商標を登録し使用しており、登録国において広く認識された商標である旨主張しているが、仮に各国で商標登録しているとしても、そのことは我が国又は各国における周知性を直接裏付けるものではなく、商標登録の事実のみによって当該引用商標の周知性を認めることはできない。 また、引用商標1及び引用商標3を使用する商品及び役務の我が国及び外国における使用期間、売上高、販売量などの販売又は提供の実績及び広告宣伝の回数や広告宣伝費の額など、その周知性を数量的に判断し得る証拠は提出されていない。さらに、引用商標1及び引用商標3の使用状況を確認するに足る具体的な証拠も提出されていない。 その他、引用商標1及び引用商標3が本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国又は外国の需要者の間で、申立人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして、広く認識されていたものと認めるに足る事実は見いだせない。 したがって、申立人が提出した証拠からは、本件商標の登録出願時及び登録査定時に、我が国又は外国において、引用商標1及び引用商標3が他人(申立人)の業務に係る商品又は役務を表示するものとして、需要者の間に広く認識されていたということはできない。 なお、青色図形商標について検討しても上記と同様であり、引用商標2の周知性に関する主張及び証拠の提出はない。 (2)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本件商標 本件商標は、別掲1のとおり、薄い青色の隅丸四角形内に設けられた白抜きの円形内に、中心部に白抜きで横長の菱形を設けるように配された4つの平行四辺形(2つは小さく、他の2つはその2倍程度の大きさである。)と左右の上部に突出部を有する略菱形を組み合わせ、あたかも上蓋が4方向に開いた箱のように看取される黄土色の図形を配した構成よりなるものである。 そして、本件商標は、これを構成する上記各図形がバランスよく結合しており、その構成全体がまとまりのある一体のものとして、需要者に印象付けられるものというのが相当である。 また、上記構成からなる本件商標は、特定の事物等を表すものとして認識されるというべき事情は見いだせないから、これより特定の称呼及び観念は生じないものである。 イ 11号引用商標 引用商標1は、別掲2のとおり、中心部に白抜きで菱形を設けるように配された4つの平行四辺形(4つは同程度の大きさである。)と左右の上部に突出部を有する略菱形を組み合わせた構成からなり、単一の黒色で表してなるものである。 また、引用商標2は、別掲3のとおり、中心部の淡い青色の菱形を囲むように配された4つの平行四辺形(4つは同程度の大きさである。)と左右の上部に突出部を有する略菱形(左側が右側に比して淡い青色である。)を組み合わせたような構成からなり、青色の濃淡で表現することにより、上蓋が4方向に開いた箱を想起させる図形よりなるものである。 そして、上記構成からなる11号引用商標は、いずれも特定の事物等を表すものとして認識されるとまではいえないから、これより特定の称呼及び観念は生じないものである。 ウ 本件商標と11号引用商標の類否について 本件商標と11号引用商標について比較すると、外観については、隅丸四角形及び円形の有無や色彩の相違があり、構成態様において顕著な差異があるため、それぞれ全体から受け取る印象は異なるものとなり、両商標を対比観察した場合はもとより、時と処を異にして接した場合でも外観上相紛れるおそれはないものとみるのが相当である。 また、両商標は、いずれも特定の称呼及び観念を生じないものであるから、称呼及び観念において比較することはできない。 してみれば、本件商標と11号引用商標とは、両者の外観、称呼及び観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、相紛れるおそれのない非類似の商標と判断するのが相当である。 その他、本件商標と11号引用商標が類似するというべき事情は見いだせない。 なお、申立人は、本件商標を構成する枠体は、外観上支配的な印象を与えず、ありふれた枠体の形状であるなどと主張し、本件商標の枠体内部の形状と11号引用商標とを比較して両者が類似する旨主張する。 しかしながら、本件商標は、上記アのとおり、これを構成する各図形がバランスよく結合しており、その構成全体がまとまりのある一体のものとして、需要者に印象付けられるものというのが相当であって、その構成全体で一体の商標を表したものというべきであるから、本件商標を構成する図形の一部を抽出して、11号引用商標と比較するのは相当でない。 以上のとおり、本件商標は、11号引用商標とは非類似の商標であるから、申立商品・役務と11号引用商標の指定商品及び指定役務との類否について判断するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (3)商標法第4条第1項第10号該当性について ア 本件商標と引用商標3との類否 本件商標は、上記(2)アの認定のとおりであり、特定の称呼及び観念は生じないものである。 また、引用商標3は、別掲4のとおり、青色四角形内に白抜きで5つの菱形を組み合わせ、中心部に青色の菱形を設けるように配した図形よりなるものである。 そして、上記構成からなる引用商標3は、特定の事物等を表すものとして認識されるというべき事情は見いだせないから、これより特定の称呼及び観念は生じないものである。 そうすると、本件商標と引用商標3とは、11号引用商標と同様の理由により、外観において顕著な差異があるものであるから、相紛れるおそれはなく、また、両商標はいずれも特定の称呼及び観念を生じないものであるから、称呼及び観念において比較することはできない。 してみれば、本件商標と引用商標3とは、両者の外観、称呼及び観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、相紛れるおそれのない非類似の商標と判断するのが相当である。 その他、本件商標と引用商標3が類似するというべき事情は見いだせない。 イ 引用商標3は、上記(1)のとおり、申立人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないものである。 ウ なお、青色図形商標について検討しても、上記と同様に需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないものであり、本件商標とは外観において顕著な差異がある非類似の商標である。 エ したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。 (4)商標法第4条第1項第19号該当性について 上記(1)のとおり、引用商標1及び引用商標3は、他人(申立人)の業務に係る商品又は役務を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国又は外国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないものである。 また、本件商標と引用商標1及び引用商標3とは上記(2)ウ及び(3)アのとおり、非類似の商標である。 なお、青色図形商標について検討しても、上記と同様に我が国又は外国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないものであり、本件商標とは外観において顕著な差異がある非類似の商標である。 その他、申立人は、同人に係る海外における商標の出願及び登録状況を示すとする証拠(甲4)を提出するのみであって、本件商標が、不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的、その他の不正の目的をもって使用をするものであると認めるに足る具体的事実を見いだすこともできないから、本件商標は、不正の目的をもって使用するものと認めることはできない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。 (5)まとめ 以上のとおり、本件商標は、本件登録異議の申立てに係る指定商品及び指定役務について、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第19号のいずれにも該当するものではなく、その登録は、同法第4条第1項の規定に違反してされたものとはいえないものであり、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2021-900281

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存