商標異議申立
2021-900279
グリーンパーク、パーク
- 審判番号
- 2021-900279
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2019-161865
- 登録番号
- 6383067
- 請求日
- 2021年07月20日
- 審決日
- 2022年03月29日
- 公報発行日
- 2022年09月30日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【権利者】グリーンパーク スポーツ,インク.
- 【権利者代理人】樺澤 聡
- 【権利者代理人】山田 哲也
- 【異議申立人】株式会社 ストライプインターナショナル
- 【異議申立人代理人】平井 正司
- 審判長/審判官
- 審判長 矢澤 一幸
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 山田 啓之
- 分類
- T1652.261-Z (W25) / T1652.262-Z (W25) / T1652.263-Z (W25)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法4条1項15号商標法43条の3第2項商標法43条の21号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号、商標法第9条の2、商標法第4条第1項、商標法第43条の2第1号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
登録第6383067号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6383067号商標の指定商品及び指定役務中、第25類「全指定商品」についての商標登録を取り消す。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6383067号商標(以下「本件商標」という。)は、「GREENPARK」の欧文字を標準文字で表してなり、2019年(令和元年)6月25日に米国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条及び商標法第9条の2よる優先権を主張して、令和元年12月20日に登録出願、第25類「被服,ティーシャツ,スウェットシャツ,シャツ,タンクトップ,ブラウス,ドレス,ジャケット,ショーツ,パンツ,スカート,キャップ,帽子,スカーフ,履物」並びに第9類、第28類、第38類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同3年4月20日に登録査定、同月27日に設定登録されたものである。
第2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議の申立ての理由において引用する登録商標は、次の1及び2のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
1 引用商標1
登録第5405648号商標(以下「引用商標1」という。)は、「Green Parks」の欧文字を表してなり、平成22年11月19日に登録出願、第25類「被服,履物」を含む第14類、第18類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同23年4月8日に設定登録されたものである。
2 引用商標2
登録第5466012号商標(以下「引用商標2」という。)は、「Green Parks」の欧文字を表してなり、平成23年1月29日に登録出願、「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同24年1月27日に設定登録されたものである。
以下、引用商標1及び2を合わせて「引用商標」という。
第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第25類「全指定商品」について、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第76号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号
(1)本件商標及び引用商標の類似性
ア 本件商標
本件商標は、「GREENPARK」の欧文字を同書同大で一連に横書きした構成からなるところ、構成前半の「GREEN」の欧文字は「緑、緑色、草地、芝生」等を意味する英単語として、構成後半の「PARK」の欧文字は「公園、遊園地、駐車場」等を意味する英単語として、それぞれ広く一般に親しまれた平易な語であることから、一般的な需要者は本件商標がこれらの各英単語を結合してなるものと容易に認識し得るものである。かかる構成より本件商標から「グリーンパーク」の称呼が生じるであろうことは疑いのないところであり、構成する「GREEN」と「PARK」の英単語の有する意味に従って「緑の公園」程の観念が生ずるものである。
イ 引用商標
引用商標は、「Green Parks」の欧文字を同じ書体で一連に横書きした構成からなり、「Green」の欧文字は上述したとおり「緑、緑色、草地、芝生」等を意味する英単語として、「Parks」の欧文字は「公園、遊園地、駐車場」等を意味する英単語の「Park」の複数形として認識されるものである。かかる構成より引用商標からは「グリーンパークス」の称呼が生じ、本件商標と同一の「緑の公園」程の観念が生じる。
ウ 本件商標と引用商標の類否について
(ア)外観について
本件商標と引用商標の外観を対比すると、大文字と小文字の差異、「n」と「P」の文字の間のスペース及び語尾の「s」の有無の差異を有するとしても、両者は同じ英単語又はその複数形の単語からなるので、両者における外観上の相違は、看者に対し、出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるものではない。
(イ)称呼について
本件商標から生じる「グリーンパーク」の称呼と引用商標から生じる「グリーンパークス」の称呼を対比すると、語頭音から第7音までの「グリーンパーク」の音を同じくし、異なるところは語尾における「ス」の音の有無のみである。そして、「ス」の音の有無は、同じ英単語の単数形か複数形かの相違によるものであるので、その差異が聴者に対し、強い印象を与えるものではない。
(ウ)観念について
本件商標と引用商標は、「PARK(Parks)」の文字における単数形と複数形の相違があるものの、いずれも「緑の公園」程度の意味合いを理解させるものであって、当該相違を明確に区別して理解されているものではないから、両者は、同一の観念を生じさせるものである。
(エ)以上から、本件商標と引用商標は、「緑の公園」程の観念を共通にし、称呼においては語頭音から第7音までの「グリーンパーク」の音を同じくし、語尾における「ス」の音の有無は聴者に対し強い印象を与えるものとはいえず、また、両者の外観上の相違は、看者に対し、出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとはいえないことから、これらの外観、称呼及び観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合的に勘案すれば、両者は、相紛らわしい商標であって、互いに類似する商標といえる。
(2)指定商品及び指定役務の同一又は類似性
本件商標の指定商品のうち「被服,ティーシャツ,スウェットシャツ,シャツ,タンクトップ,ブラウス,ドレス,ジャケット,ショーツ,パンツ,スカート,キャップ,帽子,スカーフ,履物」は、引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似するものである。
(3)小括
以上(1)と(2)をそれぞれ総合して考慮すると、本件商標は、引用商標と類似の商標であって、引用商標の指定商品又は指定役務と同一又は類似の商品又は役務について使用するものであるため、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 商標法第4条第1項第15号
(1)本件商標と引用商標の類似性
本件商標が引用商標と類似することは、前記1(1)のとおりである。
(2)引用商標の周知著名性
ア 申立人について
申立人は、婦人服等の繊維製品の企画、製造及び販売(アパレル関連事業)を主な事業内容とし、さらに飲食関連事業及びホテル事業等を行っている多角経営企業であり、2018年2月1日から2019年1月31日までの決算公告によれば当該期間の売上高は914億円である(甲4、甲5)。
イ 引用商標の使用状況・販売規模・売上げ・広告宣伝費について
(ア)申立人は2005年10月から今日に至るまで、長期間にわたり、引用商標をその販売するアパレル商品のブランドを示す商標として、またそれらの商品を含むファッション関連商品を販売する小売店の屋号を示す商標として使用している(甲7の1、甲7の2、甲8)。
(イ)引用商標に関する商品の小売店は、日本の広域型ショッピングセンターや総合スーパーなどで展開されており、2018年5月末時点の日本国内の店舗数は365店であり、2021年1月末時点の店舗数は342店である(甲9、甲4)。
被服、バッグ、シューズ、アクセサリー等に関する広告宣伝用のカタログには、引用商標が付されており、申立人は、当該カタログをWebカタログとして需要者に提供している(甲10、甲11)。
被服、バッグ、シューズ、アクセサリー等を販売しているECサイトには、引用商標が付されており、申立人は、引用商標を使用して、被服、バッグ、シューズ、アクセサリー等を販売し、販売のために掲載している(甲12)。
申立人は、引用商標に関する広告宣伝活動として、SNSによる宣伝広告手段も積極的に活用している(甲13~甲16)。
(ウ)引用商標は、2005年から今日に至るまで長期間にわたり盛大に継続的な使用がなされている商標であって、使用地域は、日本全国に及ぶところ、引用商標を付した被服、バッグ、シューズ、アクセサリー等の売上げは、直近6年(2015年~2020年)に限ってみても、1,612億5,800万円である(甲17、甲18)。また、引用商標に関する直近2年(2019年~2020年)の広告宜伝費は9,969万円である(甲19、甲20)。
ウ 新聞及びウェブサイトの紹介記事
引用商標は、繊研新聞、「WWD JAPAN」及び「FASHIONSNAP.COM」等のウェブサイトにおいて、申立人らの業務に係る商品又は役務を表示するブランドとして繰り返し紹介されている(甲21~甲75)。
エ ブランドに関する出版物への掲載例
ファッション業界において広く知られている繊研新聞社発行「ファッション企業・ブランドガイド(2013/2014年版)」(甲76)に引用商標は掲載されている。
オ 周知著名性の高さ
以上よりすれば、引用商標は、2005年から今日に至るまで長期間にわたり盛大に継続的な使用がなされている商標であって、また、申立人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして認識されるに十分な販売実績や、宣伝広告の規模を有する商標であるといえる。さらに、長期間にわたり新聞記事及びWebサイト等で申立人のブランドが繰り返し紹介されている。
(3)申立人の商品又は役務との混同を生ずるおそれ
前記(2)のとおり、引用商標は日本全国で使用され、本件商標の出願日である令和元年12月20日には、申立人を示すものとして周知・著名となっていた。
そのため、本件商標がその指定商品に使用された場合、かかる商品が申立人の商品であるか、又は申立人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係若しくは同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品等であると誤信されるおそれがある。
(4)小括
よって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。
第4 当審における取消理由
当審において、商標権者に対して、「本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第25類「全指定商品」について、商標法第4条第1項第11号に該当し、その登録は、同項の規定に違反してされたものであるから、同法第43条の2第1号に該当する。」旨の取消理由を令和3年10月27日付けで通知した。
第5 商標権者の意見
前記第4の取消理由の通知に対し、商標権者は、何ら意見を述べていない。
第6 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、前記第1のとおり、「GREENPARK」の欧文字を標準文字で表してなるものであり、その構成文字及び意味合いから、「緑」等を意味する「GREEN」の文字(語)と「公園」等を意味する「PARK」の文字(語)とを結合させたものと容易に認識されるものである。
そうすると、本件商標は、その構成文字から「グリーンパーク」の称呼を生じ、「緑の公園」といった観念を生じるものである。
(2)引用商標について
引用商標は、前記第2のとおり、「Green Parks」の欧文字を表してなるものであり、その構成文字から「グリーンパークス」の称呼を生じ、「緑の公園」といった観念を生じるものである。
(3)本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標とを比較すると、外観においては、大文字と小文字との違いはあるものの、「GREEN(Green)」及び「PARK(Park)」の構成文字を共通にし、異なるところは中間におけるスペース及び末尾における「s」の文字の有無のみであるから、両商標は、外観において近似した印象を与えるものである。
次に、本件商標から生じる「グリーンパーク」の称呼と引用商標から生じる「グリーンパークス」の称呼とを比較すると、両称呼は、語頭を含めた「グリーンパーク」の音を共通にし、異なるところは末尾における「ス」の音の有無のみである。しかも、当該「ス」の音は、比較的弱く発音される音であることからすると、当該差異音が両称呼全体に及ぼす影響は極めて小さく、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときには、音調、音感が近似したものとなり、互いに相紛れるおそれがあるものというのが相当である。
さらに、観念においては、両商標は、いずれも「緑の公園」といった観念を生じるものであるから、観念を共通にするものである。
加えて、外観における末尾の「s」の文字の有無及び称呼における末尾の「ス」の音の有無は、いずれも、「PARK(Park)」という同じ語における単数形か複数形かの違いによるものであるから、その差異が、本件商標及び引用商標に接する取引者、需要者に対し、強い印象を与えるものではなく、記憶に残るものでもない。
そうすると、本件商標と引用商標との外観、称呼及び観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、外観において近似し、称呼において相紛らわしく、観念を共通にする両商標は、商品及び役務の出所について誤認混同を生じるおそれのある類似する商標と判断するのが相当である。
(4)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品及び指定役務との類否について
本件商標の指定商品及び指定役務中、第25類「被服,ティーシャツ,スウェットシャツ,シャツ,タンクトップ,ブラウス,ドレス,ジャケット,ショーツ,パンツ,スカート,キャップ,帽子,スカーフ,履物」は、引用商標1の指定商品中、第25類「被服,履物」に含まれるものである。
また、本件商標の指定商品及び指定役務中、前記商品は、引用商標2の指定役務中「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」とは、商品の製造・販売と役務の提供が同一の事業者によって行われているのが一般的であり、商品の販売場所と役務の提供場所が一致し、かつ、需要者の範囲も一致することから、類似するというのが相当である。
(5)小括
以上のとおり、本件商標は、引用商標と類似する商標であって、かつ、その指定商品及び指定役務中、第25類「全指定商品」は、引用商標の指定商品又は指定役務と同一又は類似する商品である。
したがって、本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第25類「全指定商品」について、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 まとめ
以上により、本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第25類「全指定商品」について、商標法第4条第1項第11号に該当するから、同項第15号該当性について判断するまでもなく、その登録は、商標法第4条第1項の規定に違反してされたものである。
したがって、本件商標の第25類「全指定商品」についての登録は、商標法第43条の2第1号に該当するものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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