商標異議申立
2021-900247
スイゴー、スイゴ
- 審判番号
- 2021-900247
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2020-093015
- 登録番号
- 6372577
- 請求日
- 2021年06月21日
- 審決日
- 2022年04月15日
- 公報発行日
- 2022年06月24日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】林 松飛
- 【権利者代理人】岡田 陽之介
- 【異議申立人】スゴイ グローバル インコーポレイテッド
- 【異議申立人代理人】田中 伸一郎
- 【異議申立人代理人】中村 稔
- 【異議申立人代理人】松尾 和子
- 【異議申立人代理人】井滝 裕敬
- 【異議申立人代理人】▲吉▼田 和彦
- 【異議申立人代理人】藤倉 大作
- 【異議申立人代理人】相良 由里子
- 【異議申立人代理人】松下 友哉
- 審判長/審判官
- 審判長 矢澤 一幸
- 審判官 杉本 克治
- 審判官 小田 昌子
- 分類
- T1651.261-Y (W25) / T1651.262-Y (W25) / T1651.263-Y (W25)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
登録第6372577号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6372577号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
1 本件商標
本件登録第6372577号商標(以下「本件商標」という。)は、「Suigo」の文字を標準文字で表してなり、令和2年7月29日に登録出願、第25類「被服,新生児用被服,ティーシャツ,フード付きトップス,下着,乳幼児用パンツ(下着),水泳着,水泳パンツ,水泳帽,水泳用トランクス,靴下,スカーフ,ヘッドスカーフ,手袋,帽子,ベール,マンティラ,バンド,ベルト,履物,サンダル靴及びサンダルげた,運動靴及び運動用特殊靴,ブーツ及び運動用特殊ブーツ」を指定商品として、同3年3月15日に登録査定、同年4月2日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する登録第6206984号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成30年8月31日に登録出願、第25類「自転車競技用運動用特殊衣服及び自転車競技用運動用特殊靴」を指定商品として、令和元年12月13日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により、取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第9号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)需要者の認定
本件商標の指定商品中「運動用特殊靴,運動用特殊ブーツ」と引用商標の指定商品「自転車競技用運動用特殊衣服及び自転車競技用運動用特殊靴」は、専ら運動・スポーツ用に設計・制作された商品であるところ、これら商品の主な需要者は、スポーツ選手やスポーツ・運動を愛好する一般消費者である。
ところで、需要者である「スポーツ・運動を愛好する一般消費者」が、自己使用のための商品「運動用特殊衣服」や「運動用特殊靴」等の購入動機のひとつとして、一流のアスリートやプロ選手が使用するモデルと同じモデルを欲することが少なからず存在する。
そして、このような消費者が、一流のアスリートやプロ選手が使用するモデルを知る機会としては、競技や試合のテレビ放送や会場における観戦が挙げられる。
そうすると、試合や競技の中の極めて短い時間に、視界に入った一流のアスリートやプロ選手が使用するモデルに関心を持ち、自己の使用のために購入を考えることが少なくないことは容易に想像できる。
よって、本件商標と引用商標との類似の判断においては、前記したような需要者の購買行動も考慮に入れてなされるべきである。
(2)商品の類似性
引用商標の指定商品「自転車競技用運動用特殊衣服及び自転車競技用運動用特殊靴」と、本件商標の指定商品中「運動用特殊靴,運動用特殊ブーツ」とは類似関係にある。
また、本件商標の指定商品のうち、「被服」には「運動着、運動用衣服」が、「靴下」には「運動用靴下」が、「履物」には「運動靴」がそれぞれ含まれると解釈できるところ、スポーツ用品製造業界の業界慣行、例えば、業界をリードする世界的に知られているブランドの展開商品からも明確なとおり、運動や競技専用の特殊被服や特殊靴を製造・販売する一方、このような専用商品の機能や特性の一部を有する被服製品も製造・販売することが一般に行われており、これら商品が、前記ブランドが運営するオンラインストアやスポーツ用品店にて共に販売されている実態がある。
さらに、引用商標の指定商品「自転車競技用運動用特殊衣服及び自転車競技用運動用特殊靴」は、競技中に使用されるものであるが、競技前のウォーミングアップの際や競技後のクールダウンの際には、「運動用衣服」や「運動靴」が使用されることもある。
このことからすれば、本件商標の指定商品のうち「被服,ティーシャツ,フード付きトップス,下着,靴下,手袋,帽子,履物,運動靴」は、引用商標の指定商品と同一の者により製造され、各ブランドのオンラインストアやスポーツ用品店など同一の場所で販売され、かつ、同一の場所で使用される商品を含んでいるというべきであって、類似する商品である。
(3)本件商標と引用商標の類似性
本件商標と引用商標を比較すると、そのつづりが酷似しており、紛らわしいものである。
すなわち、両商標を構成する欧文字の種別及び文字数は同一であり、唯一の相違は、「i」の位置のみである。
需要者、特に一般消費者は、極めて短い時間で商標を視認した際の印象・記憶を頼りに商品選択を行うことがあるところ、このような短い時間では商標の正確なつづりなどの構成を記憶することが容易ではないことは想像に難くない。
そして、試合・競技会場やテレビ放送では、このような需要者がスポーツ選手やアスリートが着用しているウェアや靴に付されている商標の「正しい」称呼(商標権者が用いる称呼)に触れる機会は通常ない。
つまり、需要者に含まれる一般消費者は、商標をぱっと見ただけで得た曖昧な印象・記憶を基に取引に接することがあることを意味する。
そうすると、本件商標のつづりと引用商標のつづりが酷似していることをもって、引用商標を付した商品と本件商標を付した商品とを取り違えるおそれがあることは明らかである。
このような外観上の紛らわしさは、本件商標と引用商標とが類似することを如実に示す事実である。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標及び引用商標とは、需要者(特に一般消費者)にとっては外観上非常に紛らわしいことから、本件商標を付した商品と、引用商標を付した商品とが、同一の者の出所に係る商品であると認識されたり、また、何らかの関連を有する商品であると認識されたりされることは、実際に起こり得ることである。
よって、本件商標と引用商標の指定商品とは相互に類似しており、かつ、本件商標と引用商標とは、外観において明らかに類似するから、両者は類似する商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標について
本件商標は、「Suigo」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、一般的な辞書等に掲載されている成語ではないから、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として理解されるものである。
そして、本件商標からは、その構成文字に相応して「スイゴ」の称呼を生じるものある。
そうすると、本件商標は、「スイゴ」の称呼を生じ、特定の観念は生じない。
イ 引用商標
引用商標は、別掲のとおり、「SUGOi」の欧文字を横書きしてなるところ、当該文字は、一般的な辞書等に掲載されている成語ではないから、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として理解されるものである。
そして、引用商標からは、その構成文字に相応して、「スゴイ」の称呼を生じるものである。
そうすると、引用商標は、「スゴイ」の称呼を生じ、特定の観念は生じない。
ウ 本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標を比較すると、外観については、本件商標は、語頭の「S」を大文字で、それに続く「uigo」を小文字で表しているのに対し、引用商標は、語頭から4文字までの「SUGO」を大文字で表し、語尾の「i」のみを小文字で表したゴシック体で「SUGOi」の欧文字を表してなるところ、両者は、構成文字の態様及びそのつづりを異にするものであるから、外観において明確に区別できるものである。
また、称呼については、本件商標の称呼「スイゴ」と引用商標より生じる称呼「スゴイ」とは、いずれも3音と短い構成において、「イゴ」と「ゴイ」の音の差異を有するから、互いに聴別できるものである。
さらに、観念については、本件商標及び引用商標は、共に特定の観念が生じないから、比較できない。
そうすると、本件商標と引用商標は、観念において比較することができないとしても、外観及び称呼において判別は容易であるから、それぞれが与える印象、記憶等を総合してみれば、誤認混同を生じるおそれはなく、類似する商標とは認められない。
エ まとめ
以上のとおり、本件商標は、引用商標と類似する商標ではないから、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とを比較するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではなく、その登録は同条第1項の規定に違反してなされたものとはいえないものであり、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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