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商標異議申立

2021-900241

トライリス、トリリス

審判番号
2021-900241
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2021-000745
登録番号
6371496
請求日
2021年06月18日
審決日
2022年03月31日
公報発行日
2022年04月28日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】株式会社GAIAMOND
  • 【異議申立人】トライリス アイピー ホールディングス, リミテッド ライアビリティー カンパニー
  • 【異議申立人代理人】三上 真毅
審判長/審判官
  • 審判長 豊田 純一
  • 審判官 杉本 克治
  • 審判官 小田 昌子
分類
T1652.4 -Y (W28)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法8条1項商標法43条の2商標法43条の3第4項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第8条第1項、商標法第4条第1項第11号
データ出所
審決公報(XML)

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登録第6371496号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6371496号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 1 本件商標 本件登録第6371496号商標(以下「本件商標」という。)は、「TRILITH」の文字を標準文字で表してなり、令和3年1月5日に登録出願、第28類「ゲーム用トレーディングカード,おもちゃ,囲碁用具,将棋用具,歌がるた,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具」を指定商品として、同年3月5日に登録査定、同月31日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立ての理由において引用する国際登録第1534597号商標(以下「引用商標」という。)は、「TRILITH STUDIOS」の欧文字を横書きしてなり、2020年2月10日にUnited States of Americaにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、同月28日に国際商標登録出願、「downloadable video game software; recorded video game software」を含む第9類、第41類及び第42類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、令和4年1月21日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、その指定商品中、第28類「ゲーム用トレーディングカード,おもちゃ」(以下「申立に係る指定商品」という。)について、商標法第8条第1項に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第42号証(なお、表記にあたっては、「甲○」(「○」部分は数字)のように省略して記載する。)を提出した。 (1)本件商標 本件商標は、標準文字により書された、「TRILITH」の欧文字からなり(甲1、甲2)、当該欧文字は、三省堂発行「デイリーコンサイス英和・和英辞典」(甲6)、東京書籍発行「フェイバリット英和辞典」(甲7)、自由国民社発行「現代用語の基礎知識2019」(甲8)、オンライン英和辞典・和英辞典「weblio」(甲9)、オンライン英和・和英辞書「goo」(甲10)といった我が国を代表する辞書・辞典等に掲載されている語ではない。 インターネット検索エンジンGoogleを用いて「TRILITH」をキーワード検索したところ、本件商標がアクリルフレームに使用されている事情は確認されたものの(甲11)、日本語のサイトはごく僅かしかなく、申立に係る指定商品を取り扱う分野において、特定の意味合いを表す語として使用されている実情は見受けられない(甲12)。 したがって、本件商標は、特定の意味合いを有しない造語を表したものといえる。 そうすると、一般的に、特定の意味又は特定の読みを有しない欧文字にあっては、これに接する取引者、需要者は、我が国において親しまれた外国語である英語読み又はローマ字読みをもって称呼するとみられるところ(甲13)、本件商標からは、英語読み風の「トライリス」の称呼又はローマ字の読み方で「トリリス」の称呼を生じ、また、直ちに特定の観念が生じるものではない。 (2)引用商標及びその要部 引用商標は、「TRILITH STUDIOS」の欧文字からなるところ、その構成中の「TRILITH」の欧文字は、辞書及び辞典等に掲載された語ではなく、特定の意味合いを有しない造語といえる(甲6~甲10)。 また、インターネット検索エンジンGoogleを用いて「TRILITH」をキーワード検索したところ、日本語のサイトはごく僅かしかなく、むしろ、申立人らが米国アトランタに建設した巨大レクリエーション施設や撮影スタジオ、又はそのエリア(甲42)に関するサイトの方が圧倒的に多かった(甲12)。 一方、引用商標の構成中、「STUDIOS」の欧文字は、我が国の需要者、取引者に馴染み深い、「(画家・カメラマンなどの)仕事場、アトリエ、スタジオ。(ラジオ・テレビの)放送室、録音室。(音楽の)録音室、レコーディングスタジオ。映画撮影所。」等を意味する基本的な英単語「STUDIO」の複数形であり(甲6、甲7)、今や、スタジオといえば、写真やテレビ、映画の撮影スタジオや音楽スタジオに限らず、アニメスタジオ、ゲームスタジオのように、コンテンツの制作に関わる仕事場(場所)を表す語として、業界内で広く使用されている。現に、引用商標は、「STUDIOS」の文字部分について、保護の放棄を宣言している(甲3)。 引用商標の指定商品及び指定役務中、「downloadable video game software; recorded video game software;」(以下「引用商品」という。)は、いわゆる、家庭用テレビゲーム機用のゲームソフトと呼ばれる商品である。 近年、漫画、ゲーム、アニメといったコンテンツは、我が国のブランド力を高める「クールジャパン戦略」の一翼を担うものとして、特に注目されており、国内ゲームソフト市場は、1兆6,006億円(2019年)にも達する(甲14)。ゲーム産業及びアニメーション産業に関連する国内上場株式を構成銘柄とする「グローバルXゲーム&アニメ-日本株式ETF」(上場投資信託)が上場(甲15)され、また、アニメ、漫画、ライトノベルが原作の人気の高さからゲーム化された「アニメゲーム」が多数存在する等(甲16)、ゲームとアニメは、コンテンツという属性上、その制作過程だけでなく、ビジネス展開や需要者において、互いに緊密に関連している。 我が国のサブカルチャーの代名詞とも称される漫画やアニメ(アニメーション)を制作する作業場やその事業者は、「アニメスタジオ」と称されており(甲17、甲32)、同様に、ゲームソフトを制作する作業場やその事業者も、「ゲームスタジオ」と称されている実情が存在する。例えば、ゲームソフトを開発しながらスタジオを経営するシミュレーションゲームのタイトルに「ゲームスタジオを作ろう!」が(甲18)、ゲームメーカー「グランゼーラ」の旗艦制作スタジオ・ゲーム工房の名称に「グランゼーラ・ゲームスタジオ」が(甲19)、ゲーム制作会社がその社名に「ゲームスタジオ」が(甲20~甲24)、それぞれ使用されている。さらに、申立に係る指定商品及び引用商品と同一又は類似する商品において、「GameStudio」又は「ゲームスタジオ」の文字を有する商標が、複数の事業者によって登録されている(甲25~甲31)。 そうすると、ゲームソフトを取り扱う業界においては、映画や音楽、漫画、アニメといったその他のコンテンツと同じく、「スタジオ」又は「STUDIO(S)」の文字は、コンテンツの制作会社や作業場を表すものとして一般的に使用されており、これらのコンテンツに馴染みのある我が国の需要者、取引者であれば、「TRILITH STUDIO」の文字をみて、「TRILITHという名称のゲームスタジオ。TRILITHというゲームソフト会社。」といった意味合いを認識するものと容易に推測される。現に、映画(ハリーポッター、スパイダーマン)に限らず、アニメ(スヌーピー、進撃の巨人、ワンピース)、ゲーム(スーパーマリオ)等の様々な人気コンテンツをアトラクションに取り入れた著名な「ユニバーサルスタジオジャパン」が、「米国映画配給会社ユニバーサルが提供するテーマパーク」として、我が国において広く認識されていることは顕著な事実である。「UNIVERSAL」と異なり、「TRILITH」の語は、辞書及び辞典等に掲載されていない造語であることから、ゲームソフトに使用された引用商標を見た需要者、取引者であれば、「TRILITHという名称のゲームスタジオ。TRILITHというゲームソフト会社。」といった意味合いを認識することは極めて自然といえる。 また、「TRILITH STUDIOS」の欧文字は、特定の意味合いを有する語として辞書及び辞典等に掲載されていないことから、「TRILITH」と「STUDIOS」の語には観念上のつながりも認められず、両語の結合の程度は弱いものといえ、商品「ゲーム,おもちゃ」において、欧文字「STUDIO」に、他の識別力のある欧文字を結合した態様からなる商標について、当該他の欧文字からなる先行登録商標と類似するとして、商標法第4条第1項第11号により登録が拒絶されており(甲33~甲36)、これらの拒絶例は、「STUDIO」の欧文字は、商品「ゲーム,おもちゃ」の取引の実情、需要者の認識を考慮すると、出所標識としての称呼、観念が生じないものと判断されていることの証左に他ならない。 また、本件とは事案がやや異なるものの、「STUDIOS」と同様に、指定商品・指定役務との関係において、自他識別力が弱い語の有無による商標の類否が争われた審判、裁判において、両商標は類似すると判断されている(甲37~甲41)。 このように、一般の国民には余り馴染みのない外国語であって、その意味合いをもって広く一般に知られている語とはいい難いため、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として理解される文字に、我が国において指定商品・指定役務の内容等を表す語として認識されている自他識別力の弱い文字を結合した態様からなる文字商標について、造語として理解される文字部分が、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えること、すなわち、要部に該当することを認めている。 これを本件に翻ってみるに、「TRILITH」の欧文字は、辞書及び辞典等に掲載された語ではなく(甲6~甲12)、特定の意味合いを有しない造語であるのに対し、「STUDIOS」の欧文字は、「(画家・カメラマンなどの)仕事場、アトリエ、スタジオ。(ラジオ・テレビの)放送室、録音室。(音楽の)録音室、レコーディングスタジオ。映画撮影所。」等を意味する基本的な英単語「STUDIO」の複数形として、一般の国民に非常に馴染み深く(甲6、甲7)、さらに、写真やテレビ、映画の撮影スタジオや音楽スタジオに限らず、アニメスタジオ、ゲームスタジオといったように、コンテンツの制作に関わる仕事場(場所)を表す語として、申立に係る指定商品及び引用商品に係る業界内で広く使用されている(甲17~甲32)。 以上により、引用商標「TRILITH STUDIOS」は、申立に係る指定商品及び引用商品との関係において、前半の「TRILITH」の欧文字と、後半の「STUDIOS」の欧文字が、それを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど強く結合しているものと認められず、後半の「STUDIOS」の欧文字部分は、引用商品との関係において、出所識別標識としての称呼及び観念が生じ得ず、さらに、造語である「TRILITH」の欧文字が出所識別標識として強く支配的な印象を与えるもの、すなわち、引用商標の要部、と判断されるべきである。 したがって、引用商標は、その要部である「TRILITH」の欧文字に相応して、英語読み風で「トライリス」又はローマ字の読み方で「トリリス」の称呼を生じ、また、明確な観念が生じるものではない。 (3)商標の同一又は類似 本件商標「TRILITH」と引用商標の要部である「TRILITH」とを対比すると、両者は、外観が一致し、称呼も「トライリス」又は「トリリス」で同一である。さらに、いずれも特定の観念を生じるものではないところ、本件商標と引用商標との類似を妨げるような取引の実情も認められない。 したがって、これらの事情を総合して全体的に考察すれば、両商標は互いに類似する商標といえる。 (4)商品の同一又は類似 申立に係る指定商品と引用商品とは類似する。 (5)小括 引用商標の構成中、「STUDIOS」の欧文字は、申立に係る指定商品及び引用商品との関係において、出所識別標識としての称呼及び観念が生じ得ないことから、その構成中の造語である「TRILITH」の欧文字が出所識別標識として強く支配的な印象を与える部分(引用商標の要部)といえる。 本件商標と引用商標の要部である「TRILITH」の欧文字とは外観及び称呼において同一であり、このため、両商標は全体として類似する。 また、申立に係る指定商品は、引用商品と類似する。 したがって、本件商標は、申立に係る指定商品において、商標法第8条第1項に該当する。 4 当審の判断 (1)商標法第8条第1項該当性について ア 本件商標について 本件商標は、「TRILITH」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は既成の語として一般的な辞書等に載録されていないものであり、特定の意味合いを有するものとして一般に親しまれた語でもないから、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として理解されるものである。 そして、本件商標のような特定の語義を有しない欧文字からなる商標にあっては、通常、我が国において広く親しまれている英語読み風又はローマ字読み風に称呼されることが一般的である。 したがって、本件商標は、「トライリス」又は「トリリス」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 イ 引用商標について 引用商標は、「TRILITH STUDIOS」の欧文字を横書きしてなるところ、その構成中の「TRILITH」と「STUDIOS」の文字の間に半文字程度の空白を有するものの、その構成文字は、同じ書体、同じ大きさでまとまりよく一体的に表されているものである。 そして、引用商標の構成中の「TRILITH」の文字は、上記アのとおり、特定の意味を有しない一種の造語として理解されるものである。 また、引用商標の構成中の「STUDIOS」の語が「アトリエ、仕事場」等の意味(甲7、甲8)を有し、アニメやゲーム関連のウェブサイトにおいて「アニメスタジオ」、「ゲームスタジオ」等の使用例が見受けられ(甲17~甲24)、「GameStudio」等の文字を有する商標登録例がある(甲25~甲31)としても、当該文字が、直ちに、引用商品との関係において、自他商品の識別標識として機能し得ないとはいい難いものである。 そして、引用商標の構成中「TRILITH」の文字は、上記アのとおり、「トライリス」又は「トリリス」の称呼を生じるものであるから、引用商標は、その構成文字に相応して、「トライリススタジオズ」又は「トリリススタジオズ」の称呼を生じ、当該称呼は、格別冗長ではなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。 したがって、引用商標は、その構成文字全体に相応して、「トライリススタジオス」又は「トリリススタジオ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 ウ 本件商標と引用商標との類否 本件商標と引用商標とを比較すると、それぞれ上記ア及びイのとおりの構成からなるところ、両商標は、その全体の構成において、構成文字数及び「STUDIOS」の文字の有無の差異により、外観上、明確に区別し得るものである。 次に、本件商標から生じる「トライリス」又は「トリリス」の称呼と引用商標から生じる「トライリススタジオズ」又は「トリリススタジオズ」の称呼とは、「トライリス」又は「トリリス」の音を共通にするとしても、その構成音数及び後半部における「スタジオズ」の音の有無という明らかな差異を有するものであるから、両称呼は、称呼上、明瞭に聴別し得るものである。 さらに、両商標からは、いずれも特定の観念は生じないものであるから、観念において比較することはできない。 以上よりすれば、本件商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、外観において、明確に区別し得るものであり、称呼において明瞭に聴別し得るものであるから、両商標の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合してみれば、両商標は、相紛れるおそれのない非類似の商標というのが相当である。 エ 小括 以上のとおり、申立に係る商品と引用商品が同一又は類似のものであるとしても、本件商標と引用商標とは、非類似の商標である。 したがって、本件商標は、商標法第8条第1項に該当しない。 (2)まとめ 以上のとおり、本件商標は、商標法第8条第1項に該当するものではなく、ほかに同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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