商標異議申立
2021-900236
ゼロナイズ
- 審判番号
- 2021-900236
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2020-042350
- 登録番号
- 6386606
- 請求日
- 2021年06月17日
- 審決日
- 2022年06月21日
- 公報発行日
- 2022年09月30日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【権利者】株式会社クレイドル
- 【異議申立人】株式会社 ゼロナイズ
- 【異議申立人代理人】網野 友康
- 【異議申立人代理人】網野 誠彦
- 審判長/審判官
- 審判長 佐藤 松江
- 審判官 大森 友子
- 審判官 鯉沼 里果
- 分類
- T1652.261-Z (W03) / T1652.262-Z (W03) / T1652.263-Z (W03) / T1652.265-Z (W03)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法43条の3第2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
登録第6386606号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6386606号商標の指定商品中、第3類「ヘアーリンス」についての商標登録を取り消す。
理由
理 由
1 本件商標
本件登録第6386606号商標(以下「本件商標」という。)は、「ゼロナイズ」の文字を標準文字で表してなり、令和2年4月15日に登録出願、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,口臭用消臭剤,動物用防臭剤,塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,歯磨き,身体用芳香消臭剤,香水,その他の化粧品,香料,芳香剤(身体用のものを除く。),その他の薫料,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つけづめ,つけまつ毛」並びに第1類、第5類及び第29類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同3年4月21日に登録査定され、同年5月10日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立ての理由として引用する登録第5803676号商標(以下「引用商標」という。)は、「ゼロナイズ」の文字を標準文字で表してなり、平成26年12月3日に登録出願、第35類「生産管理の改善・組織の改善に関する診断又はコンサルティング,経営管理及び経営戦略に関するコンサルティング,企業のリスク管理に関するコンサルティング,生産性の向上の側面からの経営の診断又は生産性の向上に関する経営上の指導及び助言,業務効率の改善に関する助言及び指導,不動産事業の管理及びコンサルティング,学習塾事業の運営,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,広告業,職業のあっせん,輸出入に関する事務の代理又は代行,広告用具の貸与,求人情報の提供,せっけん類の小売及び卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び第41類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、同27年10月30日に設定登録され、現にその商標権は有効に存続しているものである。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、その指定商品中、第3類「ヘアーリンス」について、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきものである、と申立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)本件商標と引用商標の類否について
本件商標と引用商標は、ともに「ゼロナイズ」(標準文字)であり、商標は同一である。
(2)本件商標の指定商品と引用商標の指定役務の類否について
ア 本件商標の指定商品について
本件商標の指定商品中、第3類「その他の化粧品」には、「ヘアーリンス」が含まれる。
イ 引用商標の指定役務について
引用商標の指定役務中、第35類「せっけん類の小売及び卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」には、「シャンプーの小売及び卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」が含まれる。
ウ 本件商標の指定商品中の「ヘアーリンス」と引用商標の指定役務中の「シャンプーの小売及び卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の類否の検討
(ア) 商品の製造・販売と役務の提供が同一事業者によって行われているのが一般的であるかどうかについて
「ヘアーリンス」の製造は、通常、化粧品販売業者などのメーカーが行い、販売はメーカーが直接ネットショップなどで行う場合もあるが、スーパーや薬局などの小売店で販売されることが一般的である。
また、「シャンプーの小売及び卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」はスーパーや薬局などの小売店で提供されるサービスである。
したがって、「ヘアーリンス」の販売と「シャンプーの小売及び卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は同一事業者によって行われているのが一般的であると言える。
(イ) 商品と役務の用途が一致するかどうか
「ヘアーリンス」は頭髪用の浴用化粧品の一種であり、「シャンプーの小売及び卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の取扱商品である「シャンプー」は頭髪及び頭皮を洗浄するための洗剤である。
したがって、両者は美しい頭髪を保つという用途において共通する。
(ウ) 商品の販売場所と役務の提供場所が一致するかどうか
上述したように「ヘアーリンス」の販売も「シャンプーの小売及び卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」も、スーパーや薬局などの小売店で行われることから、商品の販売場所と役務の提供場所は一致する。
(エ) 需要者の範囲が一致するかどうか
「ヘアーリンス」と「シャンプーの小売及び卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の取扱商品である「シャンプー」は、ともに特に需要者が限定されることのない一般消費者が対象であり、商品購入の目的も共通することから、両者は需要者の範囲が一致する。
以上のとおり、「ヘアーリンス」と「シャンプーの小売及び卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、その商品の販売・役務の提供が同一事業者によって行われ、用途も取扱商品において共通し、商品の販売場所と役務の提供場所も一致し、需要者の範囲も一致することから、両者は類似する商品役務といえる。
(3)したがって、本件商標の指定商品中、第3類「ヘアーリンス」については、商標法第4条第1項第11号に該当する。
4 取消理由の通知
当審において、商標権者に対し、本件商標は、その指定商品中、第3類「ヘアーリンス」について、商標法第4条第1項第11号に該当する旨の取消理由を令和4年3月31日付けで通知し、相当の期間を指定して意見を求めた。
5 商標権者の意見
上記4の取消理由に対し、商標権者は、何ら意見を述べるところがない。
6 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 商標の類否について
(ア) 本件商標
本件商標は、上記1のとおり「ゼロナイズ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字より「ゼロナイズ」の称呼を生じ、当該文字は、辞書等に載録されている成語でなく、特定の意味合いを有しない一種の造語として認識し、把握されるものとみるのが相当である。
したがって、本件商標からは、「ゼロナイズ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(イ) 引用商標
引用商標は、上記2のとおり「ゼロナイズ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字より「ゼロナイズ」の称呼を生じ、上記(ア)と同様に一種の造語とみるのが相当である。
したがって、引用商標からは、「ゼロナイズ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(ウ) 本件商標と引用商標との類否
上記(ア)及び(イ)のとおり、本件商標及び引用商標は、いずれも「ゼロナイズ」の文字を標準文字で表してなるものであり、当然に称呼も同一であるから、本件商標は引用商標と同一の商標である。
イ 申立てに係る商品と引用商標の指定役務の類否について
第3類「ヘアーリンス」(以下「申立てに係る商品」という場合がある。)は、第3類「化粧品」の範ちゅうの商品であるから、本件商標の指定商品中の第3類「その他の化粧品」に含まれる商品である。
他方、引用商標の指定役務中の第35類「せっけん類の小売及び卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の小売等役務の取扱商品には、洗髪剤である「シャンプー」が含まれるものである。
ところで、シャンプーとヘアーリンスは、いずれも、主に入浴時に、一般需要者によって、日常的に使用されるヘアケア用品(髪の手入れのための商品)であり、職権による調査によれば、花王株式会社等の多数のトイレタリー用品を取り扱う会社が、シャンプーとヘアーリンスを製造販売していることが認められる。
また、株式会社マツモトキヨシ(https://www.matsukiyo.co.jp/store/online/search?category=003300)や株式会社サンドラッグ(https://cs.sundrug.co.jp/cs/category/5/502/1/#category_502)等のドラッグストアのオンラインショッピングサイトにおいて、シャンプーとヘアーリンス(リンス)が、いずれも、「シャンプー・リンス」等のように、同一のカテゴリー下で販売されていることが認められる。
加えて、商品の販売と、その商品を取り扱う小売等役務の提供とが同一の者によって行われることは、商取引上、しばしば見受けられるものであり、そのような場合、当該商品の販売場所や需要者の範囲が、当該役務の提供場所や需要者の範囲と一致することも少なからずあるとみるのが相当である。
そうすると、申立てに係る商品と引用商標の指定役務中の「シャンプーの小売及び卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」とは、商品の製造者と役務の利用に供する物の製造者及び商品の販売場所と役務の提供の場所が一致し、需要者の範囲及び商品と役務の利用に供する物の用途も一致するものといえる。
かかる事情の下においては、同一又は類似する商標を「ヘアーリンス」及び「シャンプーの小売及び卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、当該商品と役務は、同一の営業主によって製造、販売又は提供されたものであるかのように、その出所について誤認混同するおそれがあるものというべきである。
してみれば、申立てに係る商品と引用商標の指定役務中の「せっけん類の小売及び卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」とは、互いに類似するものといえる。
ウ 小括
上記ア及びイのとおり、本件商標は、引用商標と同一の商標であって、かつ、本件商標の指定商品中、第3類「ヘアーリンス」は、引用商標の指定役務に類似する商品であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)まとめ
以上のとおり、本件商標の指定商品中、本件登録異議の申立てに係る指定商品である、第3類「ヘアーリンス」についての登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、取り消されるべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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