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商標異議申立

2021-900194

オフホワイト、オフ、オオエフエフ

審判番号
2021-900194
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2020-088424
登録番号
6357493
請求日
2021年05月21日
審決日
2021年12月24日
公報発行日
2022年01月28日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】株式会社L&Bホールディングス
  • 【権利者代理人】吉本 力
  • 【異議申立人】オフーホワイト エルエルシー
  • 【異議申立人代理人】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 佐藤 淳
  • 審判官 小田 昌子
  • 審判官 渡邉 潤
分類
T1651.23 -Y (W44) / T1651.271-Y (W44)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項8号商標法43条の3第4項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第8号、商標法第4条第1項第15号、商標法第4条第3項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

登録第6357493号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6357493号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 1 本件商標 本件登録第6357493号商標(以下「本件商標」という。)は、「off-white」の文字を標準文字で表してなり、令和2年7月16日に登録出願、第44類「美容,美容院用又は理髪店用の機械器具の貸与」を指定役務として、同3年2月17日に登録査定、同年3月1日に設定登録されたものである。 2 登録異議申立人が引用する標章 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する標章は、「off-white」及び「オフ-ホワイト」の標章(以下、これらをまとめて「引用標章」という。)であり、同人の略称であり、同人の代表者兼ファッションデザイナーであるヴァージル・アブローが創作した被服、履物、身飾品、かばん類、袋物等の商品(以下「申立人商品」という。)に使用され、日本国内の需要者及び取引者において著名であると主張するものである。 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第8号及び同第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきであるとし、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第20号証(なお、表記にあたっては、「甲○」(「○」部分は数字)のように省略して記載する。)を提出した。 (1)商標法第4条第1項第8号について ア 本件商標は申立人の略称を含むものであるかについて 申立人である「off-white LLC」(オフ-ホワイトエルエルシー)は、アメリカ合衆国イリノイ州の法律に基づいて設立された法人である(甲3)。「LLC(エルエルシー)」の文字は、「Limited Liability Company(リミテッド・ライアビリティ・カンパニー)」の各単語の頭文字のみに省略して表したものであり、「Limited Liability Company(リミテッド・ライアビリティ・カンパニー)」の文字は、アメリカ合衆国の法律に基づいて設立された有限責任会社であることを意味する。そのため、「off-white」及び「オフ-ホワイト」の文字は、組織形態を意味する「LLC(エルエルシー)」の文字を省略した申立人の略称である。 申立人の略称である「off-white」及び「オフ-ホワイト」は、「オフホワイト」の称呼が生じ、色彩としての「オフホワイト色」が「わずかに灰色や黄身を帯びた白色」であるところ、「わずかに灰色や黄身を帯びた白色(オフホワイト色)」程度の観念が生じる。 本件商標と申立人の略称を対比すると、称呼は共に「オフ-ホワイト」であり、観念も共に「わずかに灰色や黄身を帯びた白色(オフホワイト色)」程度であるから、本件商標は申立人の略称を含む商標である。 イ 申立人の略称の著名性について (ア)申立人の代表者兼ファッションデザイナーである、ヴァージル・アブローは、2013年に申立人を設立し、現在に至るまで代表者を務めている(甲3~甲5)。申立人は、ヴァージル・アブローが創作した申立人商品を生産し、これらの商品に「off-White」の商標を付して世界各国において譲渡している。 申立人は、これまでに、リーバイス、ナイキ、リモワ等の著名商標の商標権者とのコラボレーション商品に「off-White」の商標を使用した。ヴァージル・アブローは、ルイ・ヴィトンのディレクターに指名され、日本国のデザイナーやクリエーターとの繋がりも深く、日本国内の需要者及び取引者において著名なファッションデザイナーであり、同人が代表者兼ファッションデザイナーを務める申立人は、同人と共に日本国内の需要者及び取引者において著名である(甲6、甲7)。 (イ)甲8は、申立人の代表者でデザイナーであるヴァージル・アブローのインタビュー記事が記載されている。同号証では、申立人商品が紹介され、申立人商品を著名人が着用したことにより、申立人が需要者及び取引者に広く知られていること、申立人商品が短期間で完売したことが記載されている。同号証は、平成27年12月12日に発行されたため、同日において、「off-White」は申立人の略称として著名である。 (ウ)甲9は、申立人の代表者でデザイナーであるヴァージル・アブローの紹介記事が記載されている。同号証には、同人が2012年に申立人の事業をスタートしたこと、申立人商品が需要者及び取引者に注目されていること、また、申立人は、2016年の春夏向けの被服に関して、リーバイスとのコラボレーション商品を発表したことが記載されており、同号証は平成27年12月26日に発行されているため、同日において、「off-White」は申立人の略称として著名である。 (エ)甲10は、申立人が、2017年の春夏のパリ・コレクションに商品を出展したことが記載されており、同コレクションは、被服等の新作発表会として世界的に著名なファッションショーであるから、これに出展する者は、需要者又は取引者において著名である。申立人が2017年の春夏のパリ・コレクションに商品を出展し、同号証は平成28年10月3日に発行されているため、同日において、「off-White」は申立人の略称として著名である。 (オ)甲11は、申立人商品が記載され、申立人の代表者兼デザイナーであるヴァージル・アブローの紹介記事及び申立人商品が記載されており、同号証は平成29年11月20日に発行されているため、同日において、「off-White」は申立人の略称として著名である。 また、甲12は、申立人商品が記載されており、平成31年1月11日に発行されているため、同日において、「off-White」は申立人の略称として著名である。 (カ)甲13及び甲14は、申立人商品の小売を行う店舗が、東京都南青山5丁目2-13に開店すると記載され、同店舗は平成28年7月9日に開店し、現在も営業を継続している。 甲14には、申立人商品の小売を行う店舗が、東京都南青山5T目2-13に設けられていると記載され、多数の需要者がクチコミ評価や写真を掲載し、店舗が混雑する時間帯も記載されている。 よって、甲13及び甲14を総合的に判断すると、同店が開店した平成28年7月9日から現在まで、「off-White」は、申立人の略称として著名である。 (キ)甲15及び甲16は、申立人商品を販売する店舗が伊勢丹新宿本店メンズ館に開店すると記載されており、同店舗は平成31年3月16日に開店し、現在も営業を継続している。 甲16には、申立人商品を販売する店舗が、伊勢丹新宿店メンズ館に設けられていると記載されており、伊勢丹新宿店は、日本全国の百貨店の中でも売上高が大きい著名百貨店であることから、同百貨店に店舗を設ける申立人についても著名である。 甲15及び甲16を総合的に判断すると、同店が開店した平成31年3月16日から現在まで、「off-White」は、申立人の略称として著名である。 (ク)甲17は、申立人商品の小売を行う店舗が、宮城県、東京都、神奈川県、茨城県、新潟県、長野県、愛知県、滋賀県、大阪府、兵庫県、広島県、福岡県、熊本県の13都府県に所在していると記載され、13都府県で申立人の商品が小売されていることから、申立人は著名である。同号の記事は平成31年2月5日に掲載されているため、同日において、「off-White」は、申立人の略称として著名である。 (ケ)甲18は、申立人が日本国内の需要者に向けて宣伝広告を行うインスタグラムのフォロワーが、約22万人であることが記載されており、約22万人の需要者又は取引者が、申立人商品に関する記事及び写真に関心を有し、日常的に閲覧していることを表し、約22万人の需要者又は取引者が、申立人商品に関する記事及び写真に関心を有していることから、「off-White」は、申立人の略称として著名である。 同号証は令和3年8月16日に印刷されたため、現在、「off-White」は、申立人の略称として著名である。 ウ 商標法第4条第3項について 甲6ないし甲17は、本件商標の出願日より前に発行されたものである。また、本件商標の査定日までに、申立人に著名性を失うような事情は生じていない。したがって、「off-White」は、本件商標の出願時及び査定時において、申立人の略称として著名である。 エ 小括 以上により、本件商標は、申立人の著名な略称を含むものであり、申立人は、本件商標の商標権者が本件商標について商標登録を受けることを承諾していない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当する。 (2)商標法第4条第1項第15号について ア 周知性について 申立人の代表者兼ファッションデザイナーである、ヴァージル・アブローは、2013年に申立人を設立し、現在に至るまで代表者を務めている(甲3~甲5)。申立人は、ヴァージル・アブローが創作した被服、履物、身飾品、かばん類、袋物等の商品を生産し、これらの商品に「off-White」の商標を付して世界各国において譲渡している。 申立人は、これまでに、リーバイス、ナイキ、リモワ等の著名商標の商標権者とのコラボレーション商品に「off-White」の商標を使用した。ヴァージル・アブローは、ルイ・ヴィトンのディレクターに指名され、日本国のデザイナーやクリエーターとの繋がりも深く、日本国内の需要者及び取引者において著名なファッションデザイナーである(甲6、甲7)。そのため、「off-White」は、申立人の商標として需要者及び取引者に広く知られている(甲8~甲18)。 甲19は、申立人が店舗だけでなく、ウェブサイトにおいても商品の小売を行っていることを表す。当該ウェブサイトは、日本国内からの注文を受け付けており、日本国への商品の発送を行っている。 イ 本件商標との類似性について 甲7ないし甲9、甲13、甲15には「オフ-ホワイト」の商標、甲10、甲17には「オフホワイト」の商標、甲12には「オフ・ホワイト」の商標、甲8、甲11には「off-white」の商標、甲16、甲18、甲19には「Off-White」の商標、甲11、甲17には「OFF WHITE」の商標、甲13ないし甲15、甲17には「OFF-WHITE」の商標が記載されている。 甲7ないし甲19に記載された商標から生じる称呼は、「オフホワイト」であり、色彩としての「オフホワイト色」が「わずかに灰色や黄身を帯びた白色」であるところ、甲7ないし甲19の商標から生じる観念は、「わずかに灰色や黄身を帯びた白色(オフホワイト色)」程度の観念が生じる。 これらの商標から生じる称呼及び観念は、本件商標から生じる称呼及び観念と同一である。したがって、本件商標はこれらの商標と同一の称呼と観念が生じる類似商標である。 ウ 商品又は役務の関連性、主たる需要者について 本件商標の指定役務は、第44類「美容,美容院用又は理髪店用の機械器具の貸与」である。甲7ないし甲19には、申立人商品として、第18類「かばん類,袋物」、第25類「被服,履物」が記載されている。特に、申立人商品の小売価格は、日用品等の商品を小売する店舗で譲渡されている商品の小売価格と比較すると、小売価格が非常に高額である。そのため、申立人商品の主たる需要者は、ファッションに高い関心を有する需要者である。そして、ファッションに高い関心を有する需要者は、これらの商品と共に髪型についても高い関心を有しており、髪型もファッションの一部として認識している。したがって、申立人商品の主たる需要者は、本件商標の主たる需要者と共通する。 そうすると、第18類「かばん類,袋物」及び第25類「被服,履物」と、第44類「美容,美容院用又は理髪店用の機械器具の貸与」は、類似商品役務審査基準において、非類似の指定商品と指定役務であるが、申立人商品に関する取引の実情を考慮すると、本件商標の指定役務は申立人の商品と関連性の高い役務である。 エ 商標法第4条第3項について 甲6ないし甲17は、本件商標の出願日より前に発行又は掲載されたものであり、また、本件商標の査定日までに、申立人の商標の周知性が失われるような事情は生じていない。 したがって、「off-White」は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の商標として需要者及び取引者に、広く知られている。 オ その他 甲20は、申立人が、本件商標の出願日までに、「オフホワイト」の称呼を有する13件の商標について商標登録を受けていることを表す。また、申立人の商品及び申立人の代表者兼デザイナーであるヴァージル・アブローが、需要者に広く知られている事実から(甲6~甲19)、本件商標の商標権者が偶然に独自に本件商標を選択したとは考えられない。 カ 小括 以上の事実を総合的に判断すると、本件商標の指定役務への使用は、その需要者及び取引者に対して、申立人の商品を連想させて役務の出所について混同を生じさせるものである。 また、本件商標の指定役務への使用は、申立人及びその代表者兼デザイナーであるヴァージル・アブローの業務に係る役務であると、広義の混同を生じさせるものである。 さらに、本件商標の指定役務への使用は、申立人の顧客吸引力へのただ乗りや、希釈化を招くものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 4 当審の判断 (1)引用標章の周知・著名性について ア 申立人の主張及び提出に係る証拠によれば、以下のとおりである。 (ア)申立人は、アメリカ合衆国イリノイ州の法律に基づいて設置された法人であり、2013年にイタリアのミラノに、申立人の代表者兼ファッションデザイナーであるヴァージル・アブローによって設立された(甲3~甲5)。 (イ)2016年ないし2019年にかけて発行された国内の雑誌(甲6~甲9、甲11)や新聞(甲10、甲12)において、ヴァージル・アブローが、2019年春夏よりルイ・ヴィトンのディレクターに就任したこと(甲6)や同人と日本のデザイナーやクリエーターとのインタビュー記事(甲7)が掲載されている。 また、「off-white c/o virgil abloh」の見出しの下、「2014年のデビューから1年半、この短い期間の間に、世界的なステージに飛び出たブランドは、オフ-ホワイトが初めてかもしれない。・・・スカイフェレイラやバンビ、リタ・オラが着ることの影響力は絶大で、瞬く間にオフ-ホワイトの名を広めることに成功。」、「一目でわかる印象的なグラフィックデザイン・・・デビューシーズンからこのバイアスにしたストライプを買おうと取り扱うお店にファンが殺到。アッという間に完売した。」の記載(甲8)、「Virgil Abloh/ヴァージル・アブロー/オフ・ホワイト c/o ヴァージル アブロー クリエイティブディレクター」の見出しの下、「“ラグジュアリー・ストリートウェア“という新たなカテゴリーで話題のブランド、オフ・ホワイトのクリエイティブディレクター、ヴァージル・アブロー。」などの記載がある(甲9)。 さらに、申立人商品は、2017年の春夏パリ・コレクションに出展されたこと(甲10)、申立人の略称として「オフ-ホワイト」、「オフ・ホワイト」「オフホワイト」、「Off-White」、「OFF-WHITE」「OFF WHITE」、「off-white」の文字が使用されるとともに、申立人商品が紹介されており、申立人が、洋服、バッグ等の商品について、リーバイスやイケア等とコラボレーションしたことが記載されている(甲7~甲12)。 (ウ)第三者のウェブサイト(甲13~甲16)によれば、申立人商品を販売する店舗として、2014年12月に出店した香港の旗艦店に続く世界2店舗目の路面店として、2016年7月9日に国内初の直営店が東京都南青山にオープンし、当該店舗において、申立人商品が販売されていること(甲13)、同店舗に訪れた顧客による「148件のクチコミ」の記載があること(甲14)、申立人商品を販売する店舗が、2019年2月に伊勢丹新宿本店メンズ館内に常設店として初出店し、申立人の略称として「オフ-ホワイト」「オフ ホワイト」「Off-White」の文字が使用されていることが認められる(甲15、甲16)。 (エ)申立人の「2019年最新版『OFF-WHITE(オフホワイト)国内正規取扱店一覧』 #OFF WHITE NEWS」によれば、申立人商品の国内正規取扱店として、上記(ウ)の南青山の直営店及び伊勢丹新宿本店メンズ館のほか、宮城、東京、神奈川、茨城、新潟、長野、愛知、滋賀、大阪、兵庫、広島、福岡、熊本の13都府県に所在していることが記載されている(甲17)。 (オ)申立人のインスタグラム及びウェブサイトによれば、フォロワー22.7万人の記載とともに、洋服、靴、バッグ等の写真が掲載されているが、打ち出し日は、本件商標の登録査定後の2021年8月16日である(甲18、甲19)。 イ 上記アによれば、申立人は、2013年に申立人の代表者兼ファッションデザイナーのヴァージル・アブローによって設立され、同人は、2019年春夏よりルイ・ヴィトンのディレクターに就任し、日本のデザイナーやクリエーターとも親交があったことがうかがえる。 また、2016年から2019年にかけて発行された国内の雑誌や新聞において、申立人商品はヴァージル・アブローに係る商品として紹介されるとともに、申立人商品に「off-white」「オフ-ホワイト」等の文字が使用されたこと、申立人商品は、2017年の春夏パリ・コレクションに出展されたこと、日本における直営店が2016年にオープンしたこと等からすると、申立人商品は、我が国において、遅くとも2016年頃以降、雑誌等において広告宣伝され、13都府県において販売されていたというべきであり、申立人商品に関心のある需要者層においては、ある程度認識されていたといえる。 しかしながら、申立人商品が掲載された雑誌、新聞等の数はさほど多いとはいえず、その内容もヴァージル・アブローの紹介記事とともに使用されている例、「off-white c/o virgil abloh」、「Virgil Abloh/ヴァージル・アブロー/オフ・ホワイト c/o ヴァージル アブロー クリエイティブディレクター」等、ヴァージル・アブローに関連づけた使用例が多く、「off-white」「オフ-ホワイト」等の文字のみが単独で使用され、申立人の略称として一般に認識されていることを認め得る証左は見いだせない。 また、申立人商品の宣伝広告費、規模等の実績に係る証拠や引用標章を表示した申立人商品の売上高、市場シェアなどの販売実績の証拠はない。 なお、申立人は、申立人がリーバイスやナイキ等の企業とコラボレーションを展開したことやヴァージル・アブローがルイ・ヴィトンのディレクターに就任したことをもって使用標章の著名性を主張しているが、当該事業展開やヴァージル・アブローの肩書をもって、引用標章の一般需要者の認識を推し量ることはできない。 その他、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用標章が申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたことを認めるに足る証拠は見いだせない。 そうすると、申立人の提出に係る証拠によっては、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用標章が申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたことを認めることができない。 また、上記のとおり、引用標章は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたことを認めることができないことから、引用標章は、申立人の略称とはいえるものの、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の著名な略称と認めることはできない。 (2)商標法第4条第1項第8号該当性について 本件商標及び引用標章は、上記1及び2のとおり、「off-white」又は「オフ-ホワイト」の文字を表してなるところ、上記(1)のとおり、使用標章は、申立人の略称といえるものの、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の著名な略称と認めることはできないものであるから、本件商標は、他人(申立人)の著名な略称を含む商標ということはできないものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当しない。 (3)商標法第4条第1項第15号該当性について ア 引用標章の周知・著名性について 上記(1)のとおり、引用標章は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたことを認めることができないものである。 イ 本件商標と引用標章の類似性の程度及び独創性の程度について 本件商標は、前記1のとおり「off-white」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字に相応して「オフホワイト」の称呼を生じ、「黄色[灰色]がかった白色(の),オフホワイト(の)」(「ジーニアス英和辞典 第5版」大修館書店発行)の観念を生じる。 また、引用標章は、「off-white」又は「オフ-ホワイト」の文字よりなるところ、上記アと同様に、その構成文字に相応して「オフホワイト」の称呼を生じ、「黄色[灰色]がかった白色(の),オフホワイト(の)」の観念を生じる。 してみれば、本件商標と引用標章の「off-white」の外観、「オフホワイト」の称呼及び「黄色[灰色]がかった白色(の),オフホワイト(の)」の観念において類似の商標であるから、その類似性の程度は高いものといえる。 しかしながら、引用標章の構成文字である「off-white」又は「オフ-ホワイト」の語は、上記のとおり「黄色[灰色]がかった白色(の),オフホワイト(の),オフホワイト(の)」の意味を有する平易な英語であって、一般に認識されている成語であるから、その独創性の程度は高いものではない。 ウ 本件商標の指定役務と申立人商品との関連性及び商品の需要者の共通性について 本件商標の指定役務は、第44類「美容,美容院用又は理髪店用の機械器具の貸与」であるのに対し、申立人商品は、「被服、履物、身飾品、かばん類、袋物等」であるから、産業分野が明らかに異なる上、商品及び役務の内容、用途、目的等も異なり、需要者の範囲も一致するとはいえないものであり、本件商標の指定役務と申立人商品の関連性は極めて低いものである。 なお、申立人は、「申立人商品の主たる需要者は、ファッションに高い関心を有する需要者であり、髪型についても高い関心を有しており、髪型もファッションの一部として認識しているから需要者が共通し関連性の高い役務である。」旨主張する。 しかしながら、当該主張を認めるに足る客観的な証拠は見いだせないから、申立人の主張を採用することはできない。 エ 出所の混同について 上記イのとおり、本件商標と引用標章との類似性の程度は高いものであるとしても、上記(1)イのとおり、引用標章は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の需要者の間に広く認識されていたことが認められないものであり、また、引用標章を構成する「off-white」又は「オフ-ホワイト」の語は、「黄色[灰色]がかった白色(の)」の意味を有する平易な英語であって独創性の程度は高いものではないこと、本件商標の指定役務と申立人商品の関連性も極めて低いこと等を併せ考慮すれば、引用標章の著名性は、申立人商品と異なる本件商標の指定役務を取り扱う分野にまでは及ばないというのが相当である。 してみれば、本件商標をその指定役務について使用しても、これに接する取引者、需要者が引用標章を連想、想起することはなく、当該役務が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように、役務の出所について混同を生ずるおそれがあるものと認めることはできない。 その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (4)まとめ 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同第15号のいずれにも該当するものではなく、その登録は、同条第1項の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。

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