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商標異議申立

2021-900180

デイケイエル

審判番号
2021-900180
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2020-008279
登録番号
6355796
請求日
2021年05月13日
審決日
2021年12月22日
公報発行日
2022年01月28日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】第一稀元素化学工業株式会社
  • 【権利者代理人】特許業務法人三枝国際特許事務所
  • 【異議申立人】ディーエイチエル インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
  • 【異議申立人代理人】青木 篤
  • 【異議申立人代理人】外川 奈美
  • 【異議申立人代理人】大橋 啓輔
審判長/審判官
  • 審判長 齋藤 貴博
  • 審判官 板谷 玲子
  • 審判官 馬場 秀敏
分類
T1651.25 -Y (W39) / T1651.261-Y (W39) / T1651.262-Y (W39) / T1651.263-Y (W39) / T1651.271-Y (W39)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第10号、商標法第4条第1項第11号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

登録第6355796号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6355796号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 1 本件商標 本件登録第6355796号商標(以下「本件商標」という。)は、「DKL」の欧文字を標準文字で表してなり、令和2年1月24日に登録出願、第39類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、同3年1月20日に登録査定され、同年2月25日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は次のとおりであり(以下、それらをまとめて「引用商標」という。)、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。 (1)登録第3028508号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の態様 別掲1のとおり 指定役務 第39類に属する商標登録原簿に記載の役務 登録出願日 平成4年9月25日 設定登録日 平成7年3月31日 (2)登録第5690619号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の態様 別掲2のとおり 指定役務 第39類に属する商標登録原簿に記載の役務 登録出願日 平成25年10月8日 設定登録日 平成26年8月1日 (3)国際登録第835140号商標(以下「引用商標3」という。) 商標の態様 別掲3のとおり 指定商品及び指定役務 第16類、第20類、第35類、第36類、第38類、第39類及び第42類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品及び役務 国際商標登録出願日 2004年(平成16年)4月29日 優先権主張日 2003年(平成15年)10月30日 Benelux 設定登録日 平成18年1月13日 (4)国際登録第836679号商標(以下「引用商標4」という。) 商標の態様 別掲4のとおり 指定商品及び指定役務 第16類、第35類、第36類及び第39類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品及び役務 国際商標登録出願日 2004年(平成16年)4月29日 優先権主張日 2003年(平成15年)10月30日 Benelux 設定登録日 平成18年2月17日 (5)国際登録第836946号商標(以下「引用商標5」という。) 商標の態様 別掲5のとおり 指定商品及び指定役務 第16類、第35類、第36類及び第39類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品及び役務 国際商標登録出願日 2004年(平成16年)4月29日 優先権主張日 2003年(平成15年)10月30日 Benelux 設定登録日 平成18年1月13日 (6)国際登録第841763号商標(以下「引用商標6」という。) 商標の態様 DHL 指定商品及び指定役務 第16類、第36類及び第39類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品及び役務 国際商標登録出願日 2004年(平成16年)8月31日 優先権主張日 2004年(平成16年)3月3日 Benelux 設定登録日 平成18年12月1日 (7)国際登録第979863号商標(以下「引用商標7」という。) 商標の態様 別掲6のとおり 指定役務 第35類、第36類及び第39類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の役務 国際商標登録出願日 2008年(平成20年)9月9日 優先権主張日 2008年(平成20年)3月17日 Benelux 設定登録日 平成22年6月25日 (8)国際登録第979864号商標(以下「引用商標8」という。) 商標の態様 別掲7のとおり 指定役務 第35類、第36類及び第39類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の役務 国際商標登録出願日 2008年(平成20年)9月9日 優先権主張日 2008年(平成20年)3月17日 Benelux 設定登録日 平成22年10月8日 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第20号証を提出した。 (1)申立人及び引用商標について ア 申立人(以下「DHL」ということがある。)が、国際宅配便、運輸、ロジスティクスサービス等を提供する世界最大の国際輸送物流会社であり、申立の名称の要部である引用商標「DHL」が、国際輸送物流サービスとの関係において、我が国を含め世界的に周知著名であることは、特許庁においても明らかな事実であると思料する。 イ DHLは1969年に設立され、現在、DHLは世界をリードする国際輸送物流企業となった。現在、DHLでは、世界220以上の国・地域で約40万人の従業員が日々国境を越えて多くの顧客に荷物を届け、新規市場への参入やビジネス拡大を支援している。現在、DHLが配送する荷物は、1年間で16億個を超えている。 ウ DHLは、国際輸送物流サービスを傘下にある複数社体制で提供しており、我が国においても、1972年6月にDHLインターナショナル日本支社として創業され、その後1979年8月に法人として設立された「DHLジャパン株式会社」の他、「DHLグローバルフォワーディングジャパン株式会社」及び「DHLサプライチェーン株式会社」の計3社が存在する(甲10、甲11)。 DHLは、現在、以下のような様々な分野における活動を通じて、航空機による国際物流事業に関する我が国最大の市場占有率を保有している(甲12)。 ・関西国際空港、相模原ロジスティックセンター、成田物流センター、大阪物流センター、東京ゲートウェイファシリティー等複数の物流拠点を有している(甲13)。 ・2020年から2022年にかけて、我が国を含むアジア・太平洋地域の事業効率化を図るために、7億5千万ユーロ(約970億円)を掛けてインフラ整備を行っている(甲14)。 ・自然環境の保護を目的として、2013年から電気自動車を利用した宅配サービス(Green-Fleet事業)を行っている(甲15)。 ・我が国の複数の企業と物流サービスに関する包括的なパートナーシップを締結している(甲16)。 ・新型コロナウィルス対策のワクチン輸送をはじめ複数の公共・政策に関する事業を行っている(甲17)。 ・2019年ラグビーワールドカップをはじめ複数の国際的なスポーツイベントや芸術・文化イベントを支援している(甲18)。 ・DHLの企業文化や職場環境は、個人への敬意、正当な評価、均等に与えられる機会によって成立しており、その企業文化や職場環境については様々なアワード(award)を受賞している(甲19)。 ・フェイスブックやインスタグラム等のソーシャルメディアを利用した個人に対する情報発信も継続的に行っている(甲20)。 エ 以上の事実を考慮しても、申立の名称の要部である引用商標「DHL」が、国際輸送物流サービスとの関係において、本件商標出願時から現在まで、我が国を含め世界的に周知著名であることは、明らかな事実であると思料する。 (2)商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号該当性について ア まず、本件商標の指定役務と引用商標の指定商品・役務の関係について検討すると、特許庁の商品・役務に関する審査基準に基づけば、本件商標の指定役務が引用商標の指定商品・役務と相互に同一又は類似であること、あるいは、内容及び用途等において極めて高い関連性を有することはいうまでもない。 イ 次に両商標の標章的側面について検討してみると、本件商標が標準文字の欧文字で「DKL」と構成される一方、引用商標は、図案化が施された「DHL」を商標の要部として構成されるか、又は、ごく普通の活字体の欧文字「DHL」により構成される。 このように、本件商標と引用商標(の要部)は、それぞれを構成する欧文字わずか3文字のうち、語頭の「D」と語尾の「L」の2文字を共通にする。 また、相違する中間の欧文字である「K」と「H」も外観上極めて近似するから、両商標は構成要素全体としても外観上極めて近似すると考えるのが妥当であり、国際的輸送物流サービスとの関連における引用商標の我が国における周知著名性も考慮すると、本件商標「DKL」が「運送,運搬,物品の配達」等をはじめとする指定役務に使用された場合には、本件商標は引用商標との関係において我が国の取引者・需要者に対して役務の出所の混同を生じさせるおそれが極めて高いと考えるのがごく自然である。 すなわち、本件商標と引用商標は、構成要素全体としても外観上相互に類似する商標として把握・認識するのが妥当であり、本件商標は、引用商標との関係において、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであると考えるのが相当である。 ウ また、特許庁の審査基準上、仮に両商標が相互に類似する関係にあるとはいえない場合であっても、上述のとおり、a)本件商標の指定役務が引用商標の指定商品・役務と相互に同一又は類似するか又は内容及び用途等において極めて高い関連性を有すること、b)本件商標と引用商標は構成要素全体としても外観上相互に近似すること、c)引用商標が国際的輸送物流サービスとの関係において本件商標出願時から現在まで我が国において周知著名の状態にあったことは明らかであること等を考慮すれば、本件商標に接する我が国の取引者・需要者は、本件商標の下に提供される役務があたかも申立人が提供する役務であるかのごとく役務の出所について混同するおそれがあるか、あるいは、申立人と経済的又は組織的に何等かの関係にある者の業務に係る役務であると誤認した結果、役務の出所について混同するおそれがあるといわざるをえない。そして、役務の出所について混同を生じさせるおそれがある本件商標の登録を認めることが、商標の使用をする者の業務上の信用を維持し、需要者の利益を保護することを目的とする商標法の趣旨に反することはいうまでもない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に違反して登録されたものである。 (3)まとめ 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号に該当するにもかかわらず登録されたものである。 4 当審の判断 (1)引用商標の周知性について 申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば、申立人は1969年に設立された物流企業であり、現在、世界220以上の国・地域で約40万人の従業員が1年間に16億個を超える荷物を配送していること(甲10)及び申立人は我が国において配送、物流事業について引用商標1、3、4及び6を使用していること(甲10、甲11)などを認め得ることから、それら引用商標は我が国における需要者の間に一定程度知られているということができる。 しかしながら、それら引用商標の使用開始時期は確認できず、また、それら引用商標が使用された役務の我が国における取引額、取引数量など取引の実績も確認できない。さらに、引用商標2、5、7及び8については、それらが我が国において使用されたことも確認できない。 そうすると、引用商標は、本件商標の登録出願の時及び登録査定時において、いずれも申立人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。 (2)商標法第4条第1項第11号について ア 本件商標 本件商標は、上記1のとおり、「DKL」の欧文字を標準文字で表してなり、該文字に相応し「ディーケーエル」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 イ 引用商標 (ア)引用商標1は、別掲1のとおり「DHL」の欧文字を図案化して表してなるものであり(以下、かかる態様の標章を「DHLロゴ」という。)、該文字に相応し「ディーエイチエル」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 (イ)引用商標2は、別掲2のとおり、上段に黄色の横長四角形内にDHLロゴを赤色で表し、下段に黄色の横長四角形内に「SERVICE」の文字を赤色で、「POINT」の文字を黒色で表してなるものであり、その構成文字に相応し「ディーエイチエルサービスポイント」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 そして、引用商標2は、その構成中上段に大きく表されたDHLロゴに相応し、「ディーエイチエル」の称呼も生じるものといえる。 (ウ)引用商標3は、別掲3のとおり、黄色の四角形内にDHLロゴを赤色で表してなり、該DHLロゴに相応し「ディーエイチエル」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 (エ)引用商標4は、別掲4のとおり、黄色の四角形内にDHLロゴを赤色で表し、その下に白抜きの三本線に重ねて「EXPRESS」の文字を赤色で表してなるものであり、その構成文字に相応し「ディーエイチエルエクスプレス」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 そして、引用商標4は、その構成中大きく表されたDHLロゴに相応し、「ディーエイチエル」の称呼も生じるものといえる。 (オ)引用商標5は、別掲5のとおり、黄色の四角形内にDHLロゴを赤色で表し、その下に白抜きの三本線に重ねて「FREIGHT」の文字を赤色で表してなるものであり、その構成文字に相応し「ディーエイチエルフレイト」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 そして、引用商標5は、その構成中大きく表されたDHLロゴに相応し、「ディーエイチエル」の称呼も生じるものといえる。 (カ)引用商標6は、上記2(6)のとおり「DHL」の欧文字を横書きしてなり、該文字に相応し「ディーエイチエル」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 (キ)引用商標7は、別掲6のとおり、下部が右から帯状に欠けた黄色の略四角形の上段にDHLロゴを赤色で表し、帯状に欠けた部分の左端から「SPRINT」の文字を赤色で、「LINE」の文字を黒色で表してなるものであり、その構成文字に相応し「ディーエイチエルスプリントライン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 そして、引用商標7は、その構成中大きく表されたDHLロゴに相応し、「ディーエイチエル」の称呼も生じるものといえる。 (ク)引用商標8は、別掲7のとおり、下部が右から帯状に欠けた黄色の略四角形の上段にDHLロゴを赤色で表し、帯状に欠けた部分の左端から「JET」の文字を赤色で、「LINE」の文字を黒色で表してなるものであり、その構成文字に相応し「ディーエイチエルジェットライン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 そして、引用商標8は、その構成中大きく表されたDHLロゴに相応し、「ディーエイチエル」の称呼も生じるものといえる。 ウ 本件商標と引用商標の類否 (ア)本件商標と引用商標1 本件商標と引用商標1の類否を検討すると、両商標の上記のとおりの外観は、構成態様が明らかに異なり、相紛れるおそれのないものである。 次に、本件商標から生じる「ディーケーエル」と引用商標1から生じる「ディーエイチエル」の称呼を比較すると、両者は中間音において「ケー」と「エイチ」の差異を有し、この差異音が長音を含む6音又は7音という比較的短い音構成からなる両称呼全体の語調語感に及ぼす影響は少なくなく、両者をそれぞれ一連に称呼しても、かれこれ聞き誤るおそれのないものと判断するのが相当である。 さらに、観念においては、両商標は共に特定の観念を生じないものであるから比較することができない。 そうすると、本件商標と引用商標1は、外観、称呼において相紛れるおそれがなく、観念において比較できないものであるから、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。 (イ)本件商標と引用商標6 次に、引用商標の構成態様に鑑み、本件商標と引用商標6の類否を検討することとする。 本件商標と引用商標6とは、外観において、本件商標の構成文字「DKL」と引用商標6の構成文字「DHL」を比較すると、両者は2文字目に「K」と「H」の文字の差異を有し、この差異が共に3文字という少ない文字構成からなる両商標の外観全体の視覚的印象に与える影響は小さいものとはいえず、相紛れるおそれのないものとみるのが相当である。 次に、本件商標から生じる「ディーケーエル」と引用商標6から生じる「ディーエイチエル」の称呼を比較すると、上記(ア)と同様に、かれこれ聞き誤るおそれのないものと判断するのが相当である。 さらに、観念においては、両商標は共に特定の観念を生じないものであるから比較することができない。 そうすると、本件商標と引用商標6は、外観、称呼において相紛れるおそれがなく、観念において比較できないものであるから、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。 (ウ)本件商標と引用商標2ないし5、7及び8 上記(ア)及び(イ)のとおり、本件商標と引用商標1及び6は相紛れるおそれのない非類似の商標であって別異の商標というべきものである。 そうすると、本件商標は、DHLロゴ(引用商標1)のほか黄色の四角形や他の文字を構成中に含む引用商標2ないし5、7及び8と、非類似の商標であって別異の商標というべきものといえる。 (エ)本件商標と引用商標の類否のまとめ 上記のとおり、本件商標は、引用商標のいずれとも非類似の商標であって別異の商標というべきものである。 エ 申立人の主張について 申立人は、本件商標「DKL」と引用商標(の要部)「DHL」は、それぞれを構成する欧文字わずか3文字のうち、語頭の「D」と語尾の「L」の2文字を共通にし、相違する中間の欧文字「K」と「H」も外観上極めて近似するから、両商標は構成要素全体としても外観上極めて近似すると考えるのが妥当であって、引用商標の我が国における周知著名性も考慮すると、本件商標がその指定役務に使用された場合には役務の出所の混同を生じさせるおそれが極めて高いとして、本件商標と引用商標は、構成要素全体としても外観上相互に類似する旨主張している。 しかしながら、一般に欧文字の各文字は、それぞれ明瞭に見分けられるものであるから、本件商標「DKL」と普通に用いられる文字のみから構成される引用商標6「DHL」ですら、上記ウ(イ)のとおり非類似の商標であって別異の商標というべきものと判断するのが相当である。 また、上記(1)のとおり引用商標は、いずれも申立人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできないものである。 さらに、本件商標が引用商標との関係において出所の混同を生じるおそれがあり、本件商標と引用商標とが類似するというべき事情も見いだせない。 したがって、申立人のかかる主張は採用できない。 オ 小括 以上のとおり、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、両商標の指定役務が同一又は類似するとしても、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものといえない。 (3)商標法第4条第1項第10号及び同項第15号について 上記(1)のとおり引用商標は、申立人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものであり、上記(2)のとおり本件商標は、引用商標と相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。 また、そうとすると、本件商標は、商標権者がこれをその指定役務について使用しても、取引者、需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく、その役務が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その役務の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。 その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に該当するものといえない。 (4)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。

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