商標異議申立
2021-900178
- 審判番号
- 2021-900178
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2020-096653
- 登録番号
- 6356046
- 請求日
- 2021年05月12日
- 審決日
- 2022年08月10日
- 公報発行日
- 2022年09月30日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】西田通商株式会社
- 【権利者代理人】瀧野 文雄
- 【権利者代理人】今井 貴子
- 【権利者代理人】江成 文恵
- 【異議申立人】株式会社 コマリヨー
- 【異議申立人代理人】齋藤 晴男
- 【異議申立人代理人】齋藤 貴広
- 審判長/審判官
- 審判長 岩崎 安子
- 審判官 齋藤 貴博
- 審判官 馬場 秀敏
- 分類
- T1651.261-Y (W25) / T1651.262-Y (W25) / T1651.263-Y (W25)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第27条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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登録第6356046号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6356046号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6356046号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、令和2年8月5日に登録出願、第25類「スニーカー,履物,運動用特殊靴」を指定商品として、同3年2月10日に登録査定され、同月25日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は、以下のとおりである。
1 登録第4616840号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:平成14年1月22日
設定登録日:平成14年11月1日
指定商品 :第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊靴,運動用特殊衣服」
2 登録第5348806号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:別掲3のとおり
登録出願日:平成22年4月15日
設定登録日:平成22年8月27日
指定商品 :第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」
そして、引用商標1及び引用商標2は、いずれも現に有効に存続しているものである(以下、引用商標1及び引用商標2を一括して、単に「引用商標」ということがある。)。
第3 登録異議の申立の理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。以下、証拠については、「甲1」のように記載する。
1 申立の根拠
(1)本件商標について
本件商標は、英文字の「X」型十字が左側(反時計回り方向)に傾いた形で組み合わされた2本の帯からなり、帯状線の輪郭は鋸歯状であり、右上から左下に伸びる帯が左上から右下の伸びる帯の上に重なっており、各帯の輪郭線に沿って、その内側にステッチが施されているという外観に特徴を有する商標である。
(2)引用商標
引用商標は、それぞれ、いずれも英文字「X」型十字を左側(反時計回り方向)に傾いた形で組み合わされた白抜きの2本の帯からなり、帯の輪郭が鋸歯状であり、引用商標1は、「X」型十字の中央から右下に伸びる部分が、中央から左下に伸びる部分よりも長く、引用商標2は、当該部分が、やや長いが、概ね同じ長さという外観に特徴を有する商標である。
(3)本件商標が取消されるべき理由
本件商標と引用商標が類似することは、以下の2つの判決において認定されており、類似性について判示している。
ア 東京地裁平成29年(ワ)第11462号判決
(ア)外観の比較
それぞれ、英文字「X」型十字が左側(反時計回り方向)に傾いた形で組み合わされた2本の帯からなり、帯の輪郭が鋸歯状であり、その外観は、識別力の強い部分において共通する特徴を有している。
他方で、本件商標は、右上から左下に伸びる帯が左上から右下の伸びる帯の上に重なっており、各帯の輪郭線に沿って、その内側にステッチがそれぞれ2本施されている点において異なる特徴を有しているが、同色の帯の重なりであり、ステッチも輪郭線の近くに施されているものであるから、いずれも一見して目立つ特徴であるとまではいえない。
さらに中央点から右下及び左下に伸びている部分の長さの比、2つの帯のなす角度、帯の端部の形状、帯の太さ等において相違点があるというが、いずれも、共通点を前提にすると、需要者に対して異なる印象を与えるようなものであるとまではいえない。
また、靴という商品の性質や商品の価格帯、販売場所を考慮しても、外観において類似する。
(イ)称呼及び観念
いずれも特定の称呼・観念が生じるものではなく、これらが著しく相違するものとは認められない。
(ウ)小括
外観上の類似性による商品の出所を誤認混同するおそれがないとするような取引の実情等があるとも認められず、商品の性質や商品の価格帯、販売場所を考慮しても類似についての判断を左右するものとはいえない。
イ 知的財産高等裁判所令和2年(ネ)第10055号判決
上記アの判決内容に加え、以下を判示している。
(ア)ファッションアイテムである商品は、デザインの良し悪しが購入するか否かを左右するから、デザインの重要性を考慮すると、デザインの細部まで観察するのが通常であり、両者の相違点は需要者に対し異なる印象を与えるから、外観において類似しないと主張するが、共通する部分が認識力の強い特徴部分であるのに対し、相違点は一見して目立つ特徴であるとまではいえず、需要者に対して商品の出所識別標識として強い印象を与えるものとはいえないから、相違点を勘案しても、外観上類似するというべきである。
(イ)いずれの商標も特定の称呼及び観念は生じず、英文字の「X」型十字が左側(反時計回り方向)に傾いた形で組み合わされた2本の帯状線からなり、帯状線の輪郭が鋸歯状であるという特徴的部分が共通し、外観において類似することを鑑みると、商品の出所について、誤認混同を生ずるおそれがあるものと認められるから、類似する商標であると認められる。
ウ まとめ
以上の点から、本件商標に接した需要者は、引用商標と出所につき混同することは必死であり、類似する商標と認められる。そして、本件商標の指定商品「スニーカー,履物,運動用特殊靴」は引用商標の指定商品に含まれるものであるから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するので、同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきものである。
第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号の該当性について
(1)本件商標
本件商標は、別掲1のとおり、欧文字の「X」型十字が左側(反時計回り方向)に傾いた形で組み合わされた2本の帯状の図形からなり、その2本の帯状の図形は、長辺が鋸歯状に、短辺が直線によってそれぞれ表され、長辺の内側には破線が付されて重ねたように表されてなるものである。
そして、本件商標は、その構成態様から、何らかの事物を表したものと直ちに特定することはできないものであるから、これより特定の称呼及び観念を生じるものではない。
(2)引用商標
引用商標は、それぞれ、別掲2及び別掲3のとおりの構成からなり、いずれも欧文字の「X」型十字を、左側(反時計回り方向)に傾けて、かご字風に表した図形からなり、該図形の4つの短辺を直線で、それ以外の辺(長辺)を鋸歯状に表されてなるものである。
そして、引用商標1は、「X」型十字の中央から右下に伸びる部分が中央から左下に伸びる部分よりも長くなっており、また、引用商標2は、「X」型十字の中央から右下に伸びる部分と中央から左下に伸びる部分は、ほぼ同じ長さである。
また、引用商標は、いずれもその構成態様から、何らかの事物を表したものと直ちに特定することはできないものであるから、これより特定の称呼及び観念を生じるものではない。
(3)本件商標と引用商標の類否
ア 本件商標と引用商標1との類否
本件商標と引用商標1は、欧文字の「X」型十字を、左側(反時計回り方向)に傾けた形状である点は共通にする。
しかしながら、本件商標が2本の帯状の図形を重ねたように表されているのに対し、引用商標1は図形の輪郭を太字の線でかご字風に表されている点、本件商標が帯状の図形内に破線を有するのに対し、引用商標1は図形内を空白で表している点、本件商標を構成する帯状の図形(前面)の下端部が角を有するのに対し、引用商標1の中央から左下に伸びた下端部の短辺は直線である点、本件商標を構成する帯状の図形(背面)の下端部の短辺と、引用商標の中央から右下に伸びた下端部の短辺の、傾斜の向きが異なる点といった、両商標を構成する図形の特徴が大きく相違するものである。
そうすると、これらの相違点が、外観上の顕著な差異として看者に強い印象を与えるというべきであるから、両商標は外観において、判然と区別することができ、相紛れるおそれはない。
また、本件商標と引用商標1は、ともに称呼及び観念を生じないものであるから、称呼及び観念において比較することはできない。
してみれば、本件商標と引用商標1は、外観において、相紛れるおそれはなく、称呼及び観念において比較することができないものであるから、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標であるというのが相当である。
イ 本件商標と引用商標2との類否
本件商標と引用商標2は、欧文字の「X」型十字を、左側(反時計回り方向)に傾けた形状である点は共通にする。
しかしながら、本件商標と引用商標2は、上記アのとおり、本件商標と引用商標1の場合と同じ相違点を有するほかにも、本件商標を構成する帯状の図形(背面)の交差する箇所から下端部に伸びる長さと、引用商標2の中央から右下に伸びる長さが異なる点といった、両商標を構成する図形の特徴が大きく相違するものである。
そうすると、これらの相違点が、外観上の顕著な差異として看者に強い印象を与えるというべきであるから、両商標は外観において、判然と区別することができ、相紛れるおそれはない。
また、本件商標と引用商標2は、ともに称呼及び観念を生じないものであるから、称呼及び観念において比較することはできない。
してみれば、本件商標と引用商標2は、外観において、相紛れるおそれはなく、称呼及び観念において比較することができないものであるから、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標であるというのが相当である。
ウ 本件商標と引用商標の類否
上記ア及びイからすれば、本件商標と引用商標は、非類似の商標であると認められる。
エ 小括
上記からすれば、本件商標は、引用商標と非類似の商標であるから、両商標の指定商品の類否について検討するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 申立人の主張について
申立人は、本件商標と引用商標の類否について争われた判決を挙げ、本件商標と引用商標が類似する旨を主張する。
しかしながら、商標の類否の判断にあたっては、指定商品における一般的・恒常的な取引の実情を考慮するが、商標が現在使用されている商品についてのみの特殊的・限定的な取引の実情は考慮しないものとされているところ、請求人が挙げる判決は、本件商標がその指定商品の一である「スニーカー」の側面に付された状態の商標と、引用商標との類否を判断した、いわば、本件商標が実際に使用されている商品「スニーカー」についてのみの特殊的・限定的な取引の実情を考慮したものといわざるを得ず、指定商品における一般的・恒常的な取引の実情とはいい難い。
そして、「登録商標の範囲は、願書に記載した商標に基づいて定めなければならない。」(商標法第27条第1項)と規定されていることからすると、商標の類否については、願書に記載されたそれぞれの商標に基づいて判断すべきと解するのが相当であって、これを踏まえた、本件商標と引用商標との類否判断については、上記1(3)のとおり、非類似であると認められる。
したがって、申立人の主張は採用することができない。
3 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではなく、他にその登録が同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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