商標異議申立
2021-900166
ラメデューズ、メデューズ
- 審判番号
- 2021-900166
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2020-107605
- 登録番号
- 6354015
- 請求日
- 2021年04月28日
- 審決日
- 2022年11月11日
- 公報発行日
- 2024年02月22日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【権利者】リー,ユク フォン ジェイ
- 【異議申立人】ユモー ボープレオ
- 【異議申立人代理人】飯塚 道夫
- 審判長/審判官
- 審判長 豊田 純一
- 審判官 杉本 克治
- 審判官 小田 昌子
- 分類
- T1652.261-ZC (W25) / T1652.262-ZC (W25) / T1652.263-ZC (W25) / T1652.271-ZC (W25)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法4条1項15号商標法43条の2商標法43条の3第2項商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
登録第6354015号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6354015号商標の指定商品及び指定役務中、第25類「被服,履物,靴,運動靴,帽子,メリヤス下着,メリヤス靴下,手袋(被服),ペルリーヌ,ベルト,下着,ジャージー製運動用衣服,スカート,ズボン」についての商標登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6354015号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、令和2年8月31日に登録出願、第25類「被服,履物及び運動用特殊靴,靴及び運動用特殊靴,運動靴及び運動用特殊靴,フットボール靴,帽子,メリヤス下着、メリヤス靴下,手袋(被服),ペルリーヌ,ベルト,下着,ジャージー製運動用衣服及びジャージー製運動用特殊衣服,スカート,ズボン」、及び、第10類、第16類、第26類並びに第35類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同3年2月9日に登録査定、同月18日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由に該当するとして引用する登録商標は、以下の1及び2であり、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
1 国際登録第1036900号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、2012年(平成24年)7月5日に国際商標登録出願(事後指定)、第25類「Footwear [other than special footwear for sports]; bath slippers; boots; beach shoes; esparto shoes or sandals; wooden shoes; sandals; clothing; raincoats; belts.」を指定商品として、平成25年10月18日に設定登録されたものである。
2 国際登録第1115451号商標(以下「引用商標2」という。)は、「MEDUSE」の欧文字を横書きしてなり、2012年(平成24年)3月19日に国際商標登録出願、第25類「Footwear not for sports; bath sandals and shoes; boots; half-boots; belts; socks; footwear not for sports; footwear for the beach; esparto shoes or sandals; leggings [leg warmers]; slippers; wooden shoes; sandals; soles for footwear not for sports; headgear.」を指定商品として、平成26年7月25日に設定登録されたものである。
なお、引用商標1及び引用商標2をまとめていう場合は、「引用商標」という。
第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標はその指定商品及び指定役務中、第25類「全指定商品」(以下「申立商品」という。)について、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により、取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第10号証を提出した。
以下、証拠の表記にあたっては、「甲第○号証」を「甲○」のように省略して記載する。
1 本件商標について
本件商標は、「La Meduse」(「Meduse」の2文字目の「e」の文字には、アクサン・テギュ記号が付されている。以下同じ。)の欧文字を斜体で横書きしたもので、「La」及び「Meduse」のいずれも最初の文字は大文字であり、その他の文字は小文字とされ、「La」と「Meduse」との間に1文字のスペースを配してなる外観を有するほか、「Meduse」の2文字目は通常の欧文字と異なる「e」の上部にはアクサン・テギュ記号が付されている。つまり、本件商標の構成中の「Meduse」の欧文字の2文字目に、フランス語、イタリア語、オランダ語、スペイン語等のヨーロッパ言語で用いられるアクサン・テギュ記号が付されている。
「La Meduse」は、「ラメデュース」、「ラメデューズ」等の称呼を生ずるが、「La」は、ヨーロッパ言語のうちのスペイン語やイタリア語などだけでなく、フランス語においても定冠詞の一つとして用いられている。この定冠詞「La」の我が国における認知度は、英語の「the」に比べれば低いものの、昨今では「La(ラ)」から始まる言葉が商品名、店舗名等に頻繁に使用されている。
これらの言語を大学の外国語科目や趣味等で学ぶ人も増えていることからすると、「La(ラ)」が英語の「the」に相当する定冠詞であること、あるいは少なくとも「La(ラ)」自体に特別意味はないということは、我が国においても広く認知されている。
そうすると、本件商標は、「Meduse」の語に定冠詞「La」が付されたものと見ることができ、これにより、本件商標は定冠詞「La」を捨象した「Meduse」の文字が、その要部と把握され、当該文字に相応して「メデュース」、「メデューズ」等の称呼も生ずる。
定冠詞「La」を除く「Meduse」の語は、我が国においては馴染みのない語であるため、我が国において特定の観念を生じない一種の造語とみることもできるが、この「Meduse」の語をインターネットにて翻訳してみると、「水母(くらげ)」又は「どっきり」を意味するフランス語とされることが分かる。このことから、本件商標の構成中「Meduse」の語からは、「水母(くらげ)」や「どっきり」との観念が生じる。
2 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標と引用商標1との対比
ア 外観について
本件商標が「La Meduse」の欧文字を斜体で横書きしたものであるのに対し、引用商標1は、七叉からなる花びら状の幾何図形(以下「幾何図形」という。)の中央に、「meduse」(「meduse」の2文字目の「e」の文字上部には、アクサン・テギュ記号が付されている。以下、引用商標1について、同じ。)とする全て小文字の欧文字を白抜きの斜体で配したものである。
また、本件商標は「Meduse」の前に「La」の文字を伴うものの、これらはスペースで分かれており、かつ「La」は定冠詞であって捨象されるといえる。
そして、「La」の文字を除いた「Meduse」及び「meduse」のつづりは、2文字目にアクサン・テギュ記号が付されていることも含め、完全に同一である。
これらのことから、本件商標と引用商標1とは、外観上互いに紛らわしく、類似する商標といえる。
イ 称呼について
本件商標は、「ラメデュース」、「ラメデューズ」等の称呼を生ずるとも考えられるが、「Meduse」の語にヨーロッパ言語の定冠詞「La」が付されたものと見ることができる。
そして、定冠詞「La」を捨象した「Meduse」の文字が本件商標の要部であり、当該文字に相応して「メデュース」、「メデューズ」等の称呼も生ずる。
これに対し、引用商標1は、幾何図形の中央に「meduse」の欧文字を白抜きの斜体で配してなるものであり、「meduse」の欧文字より「メデュース」、「メデューズ」等の称呼を生ずる。
してみれば、本件商標と引用商標1は、ともに「メデュース」、「メデューズ」等の称呼を生ずるから、その称呼において同一の商標である。
ウ 観念について
本件商標の構成中の「Meduse」と引用商標1の「meduse」は、同一の「水母(くらげ)」又は「どっきり」の意味を観念すると考えられる。
したがって、本件商標と引用商標1は同一の観念を有する。
エ 指定商品について
申立商品は、「履物類」及び「被服類」に大別される。
これに対して、引用商標1に係る第25類の指定商品も、「履物類」及び「被服類」に大別される。
以上より、申立商品と引用商標1に係る第25類の指定商品は、ともに「履物類」と「被服類」からなり、互いに単に類似するだけでなく、相互に実質同一である。
オ まとめ
以上のとおり、本件商標と引用商標1とは、互いに類似する商標であり、申立商品と引用商標1に係る第25類の指定商品も実質的に同一である。
(2)本件商標と引用商標2との対比
ア 外観について
本件商標が「La Meduse」の欧文字を斜体で横書きしたものであるのに対し、引用商標2は、「MEDUSE」の欧文字をゴシック体様の書体で表されている。
また、本件商標は、「Meduse」の欧文字の前に「La」の欧文字を伴うものの、これらはスペースで分かれており、かつ、「La」は定冠詞であって捨象されるといえる。
そして、本件商標の構成中「Meduse」の欧文字は、「M」以外が小文字であるものの、本件商標の構成中「Meduse」と引用商標2の「MEDUSE」のつづりは完全に同一である。
これらのことから、本件商標と引用商標2とは、外観上互いに紛らわしく、類似する商標である。
イ 称呼について
本件商標は、「ラメデュース」、「ラメデューズ」等の称呼を生ずるとも考えられるが、「Meduse」の語にヨーロッパ言語の定冠詞「La」が付されたものと見ることができる。
そして、定冠詞「La」を捨象した「Meduse」の文字が本件商標の要部であり、当該文字に相応して「メデュース」、「メデューズ」等の称呼も生ずる。
これに対し、引用商標2は、欧文字で「MEDUSE」と表されることから、「メデュース」、「メデューズ」等の称呼を生ずる。
してみれば、本件商標と引用商標2は、ともに「メデュース」、「メデューズ」等の称呼を生ずるから、その称呼において同一の商標である。
ウ 観念について
本件商標の構成中「Meduse」と引用商標2の「MEDUSE」は、同一の「水母(くらげ)」又は「どっきり」の意味を観念すると考えられる。
したがって、本件商標と引用商標2は同一の観念を有する。
エ 指定商品について
申立商品は、「履物類」及び「被服類」に大別される。
これに対して、引用商標2に係る第25類の指定商品も、「履物類」と「被服類」に大別される。
以上より、申立商品と引用商標2に係る第25類の指定商品は、ともに「履物類」と「被服類」からなり、互いに単に類似するだけでなく、相互に実質同一である。
オ まとめ
以上のとおり、本件商標と引用商標2は、互いに類似する商標であり、申立商品と引用商標2に係る第25類の指定商品も実質的に同一である。
(3)結論
本件商標と引用商標は、「メデュース」、「メデューズ」との称呼だけでなく、外観及び観念がそれぞれ同一又は類似していることから、本件商標及び引用商標を、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に観察し、本件商標を申立商品に使用した場合には、申立商品と引用商標に係る指定商品が実質同一であることから、これらは、出所混同のおそれがある。
また、本件商標は「La Meduse」であり、「La」と「Meduse」の結合商標ともいえるが、その結合の強弱の程度を考慮すると、「La」の欧文字と「Meduse」の欧文字を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど強く結合していると認めることができない。
このことから、本件商標は、その構成中「Meduse」の欧文字のみから称呼、観念が生じることになることは明らかである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
3 商標法第4条第1項第15号について
(1)2018年10月29日付けINVOICE(甲4)は、HUMEAU-BEAUPREAU(ユモーボープレオ)社の、東京都中央区所在のM.S.T.,INC.社に対する請求書であるところ、同書の左上に小さく「meduse」の商標があるほか、「MEDUSE」の欧文字も記載されていることから、申立人は、本件商標の登録出願日以前(2018年10月)から「meduse」の欧文字、及び「MEDUSE」の欧文字を使用している。
(2)「meduse」の欧文字及び「エアバス」の片仮名によるインターネット検索結果(甲5)によれば、「楽天市場」や「アマゾン」等の通販サイトを含む多数の店舗で、商品名「エアバス」の「レインブーツ」等の「履物類」に「meduse」の商標を用いていることがうかがえる。
また、アマゾンの通販サイトにおいて、商品名「エアバス」の「レインブーツ」に、「meduse」や「メデュース」の商標が使用されていることが確認できる(甲6)。
このことから、少なくとも、2018年(平成30年)10月当時から、商品名「エアバス」の、「履物類」の一つである「レインブーツ」に関して、日本国内で「meduse」や「メデュース」の商標が広く用いられていた。
(3)2019年5月20日付けFACTURE(甲7)は、HUMEAU-BEAUPREAU(ユモーボープレオ)社のHAYASHIGO CO.LTD社に対する2019年(令和1年)5月20日付けの請求書であるところ、同書の左上に小さく「meduse」の商標があるほか、「MEDUSE」の欧文字も記載されていることから、申立人は、本件商標の登録出願日以前(2019年5月)から「meduse」の欧文字、及び「MEDUSE」の欧文字を使用している。
(4)「meduse」の欧文字及び「CASTIC」の欧文字によるインターネット検索結果(甲8)によれば、「楽天市場」や「アマゾン」の通販サイトを含む多数の店舗で、商品名「CASTIC」の「レインブーツ」等の「履物類」に「meduse」の商標を用いていることがうかがえる。
また、楽天市場の通販サイトにおいて、商品名「CASTIC」の「レインブーツ」に、「meduse」の商標が使用されていたことが確認できる(甲9)。
このことから、少なくとも、2019年(令和1年)5月当時から、商品名「CASTIC」の、「履物類」の一つである「レインブーツ」に関して、日本国内で「meduse」や「メデュース」の商標が広く用いられていた。
(5)「meduse」の欧文字及び「靴」によるインターネット検索結果(甲10)によれば、多数の店舗で、「レインブーツ」だけではなく、サンダル、靴にも「meduse」の商標を用いていることがうかがえる。
(6)小括
甲第4号証ないし甲第10号証によれば、商品「履物類」について、「meduse」と明らかに認識し得る文字や図形、若しくは、「メデュース」と容易に称呼し得る文字からなる商標を、申立人は、1946年に創業して以来、広く使用し今日に至っていることは明白であり、当該商標を使用した商品「履物類」の我が国における市場占有率も極めて高い。
そうすると、申立商品の需要者は、「La Meduse」の文字からなる本件商標が、本件商標の指定商品について使用された場合には、申立人の業務に係る商品と出所の混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
第4 取消理由の通知
当審において、本件商標の権利者に対して、「本件商標は、引用商標と類似する商標であり、本件商標の指定商品及び指定役務中、第25類「被服,履物,靴,運動靴,帽子,メリヤス下着,メリヤス靴下,手袋(被服),ペルリーヌ,ベルト,下着,ジャージー製運動用衣服,スカート,ズボン」は、引用商標の指定商品と類似する商品に使用をするものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨の取消理由を、令和4年6月17日付けで通知し、相当の期間を指定して意見を求めたが、本件商標権者は、指定した期間を経過するも、何ら意見を述べていない。
第5 当審の判断
1 本件商標と引用商標の類否について
(1)本件商標について
本件商標は、別掲1のとおり、「La Meduse」の欧文字を斜体文字で横書きしてなるところ、本件商標を見るに、本件商標の構成中「La」と「Meduse」の間には1文字分のスペースを有し、また、1文字目の「L」の欧文字と3文字目の「M」は大文字で記載され、その他の文字は、全て欧文字の小文字で書されていることから、本件商標は、「La」の欧文字と「Meduse」の欧文字とが分離して観察され得るものである。
また、本件商標の構成中「La」の欧文字は、欧文字2字よりなるところ、欧文字2字は、商品の品番や型式などを表示する際に使用される一類型にすぎないものであり、また、本件商標の構成中「La」は、フランス語の定冠詞であり、定冠詞が、名詞の前に付される場合、その名詞によって表されるものを強調、限定する働きをするにとどまることからすれば、本件商標の構成中「La」の欧文字は、商品の出所識別標識としての機能がないか又は極めて弱いものと判断するのが相当である。
そして、本件商標の構成中「Meduse」の欧文字は、「クラゲ」の意味を有するフランス語(「クラウン仏和辞典 第7版」三省堂)であり、本件商標の指定商品との関係で、商品の品質等を想起させるものではない。
そうすると、本件商標は、その構成中「Meduse」の欧文字が取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであり、本件商標の構成中「La」の欧文字を捨象し、「Meduse」の欧文字のみを本件商標の要部として抽出し、引用商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。
よって、本件商標は、「Meduse」の欧文字に相応して「メデュース」又は「メデューズ」の称呼を生じ、「クラゲ」の観念を生じるものである。
(2)引用商標について
ア 引用商標1
引用商標1は、幾何図形の中央に、白抜きで「meduse」(2文字目の「e」はアクサン・テギュ記号が付されている。また3文字目の「d」は、くずし文字で書されている。以下「meduse」という。)の欧文字を横書きしてなるところ、その構成中「meduse」の欧文字は、引用商標1の構成において、中央に位置し、また、当該文字は、白抜きでやや特徴を有して書されていることからすると、引用商標1の構成中「meduse」の文字は、看者の目を引くものと判断し得るものである。
また、引用商標1の幾何図形は、その中央部分に、「meduse」の欧文字が書されていることから、背景図と認識し得るものであり、幾何図形は、我が国において特定の事物又は意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情は認められないため、特定の称呼及び観念は生じないものである。
そうすると、引用商標1は、その構成中「meduse」の欧文字が取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであり、引用商標1の構成中の幾何図形を捨象し、「meduse」の欧文字のみを引用商標1の要部として抽出し、本件商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。
よって、引用商標1は、「meduse」の欧文字に相応して「メデュース」又は「メデューズ」の称呼を生じ、「クラゲ」の観念を生じるものである。
イ 引用商標2
引用商標2は、「MEDUSE」の欧文字を横書きしてなるところ、当該文字は、辞書等に載録はないものの、そのつづりは、本件商標の構成中「Meduse」の欧文字及び引用商標1の構成中「meduse」の欧文字と、同一のつづりであることが認められる。
そうすると、「MEDUSE」の欧文字は、辞書等に載録されていないとしても、本件商標の構成中「Meduse」の欧文字及び引用商標1の構成中「meduse」の欧文字と同様の称呼及び観念が生じると判断し得るものである。
よって、引用商標2は、その構成文字に相応して「メデュース」又は「メデューズ」の称呼を生じ、「クラゲ」の観念を生じるものである。
(3)本件商標と引用商標との比較
ア 本件商標と引用商標1との比較
本件商標と引用商標1とは、全体の外観において、「La」の定冠詞の有無及び幾何図形の有無の差異を有し、本件商標の要部である「Meduse」の欧文字と引用商標1の要部である「meduse」の欧文字とは、語頭のみ大文字で表記するか全て小文字で表記するかの差異を有するとしても、両者はそのつづりが同一であるため、外観において極めて近似した印象を与えるものである。
また、両商標は「メデュース」又は「メデューズ」の称呼及び「クラゲ」の観念を共通にする。
そうすると、本件商標と引用商標1とは、外観において極めて近似した印象を与えるものであり、「メデュース」又は「メデューズ」の称呼及び「クラゲ」の観念を共通にする類似の商標である。
イ 本件商標と引用商標2との比較
本件商標と引用商標2とは、全体の外観において、「La」の定冠詞の有無の差異を有し、本件商標の要部である「Meduse」の欧文字と引用商標2を構成する「MEDUSE」の欧文字とは、アクサン・テギュ記号の有無、語頭のみ大文字で表記するか全て大文字で表記するかの差異を有するとしても、両者はそのつづりが同一であるため、外観において極めて近似した印象を与えるものである。
また、両商標は「メデュース」又は「メデューズ」の称呼及び「クラゲ」の観念を共通にする。
そうすると、本件商標と引用商標2とは、外観において極めて近似した印象を与えるものであり、「メデュース」又は「メデューズ」の称呼及び「クラゲ」の観念を共通にする類似の商標である。
(4)小括
以上のとおり、本件商標と引用商標は、外観において極めて近似した印象を与えるものであり、「メデュース」又は「メデューズ」の称呼及び「クラゲ」の観念を共通にする類似の商標であり、類似性の程度は高いものである。
2 引用商標の周知著名性について
申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば、申立人は、「レインブーツ」等の履物に引用商標を使用していることはうかがえる(甲6、甲8)。
しかしながら、申立人は、引用商標が使用された商品の販売数や売上高に関する証拠は何ら提出していない。
また、申立人は、「当該商標を使用した商品「履物類」の我が国における市場占有率も極めて高い。」旨主張するが、申立人は、履物類の市場規模に関する証拠は提出しておらず、かつ、前記のとおり、申立人は、引用商標を使用した商品「履物類」の販売数や売上高について証拠を提出していないため、申立人の取り扱う商品の市場占有率は確認することができない。
さらに、引用商標に関し、我が国における宣伝広告費用、宣伝広告を行った媒体、その回数や期間等が客観的に把握し得る証拠は提出されていない。
そうすると、申立人が提出した全証拠によっては、引用商標が、申立人が製造、販売する商品を表示するものとして、我が国及び外国の需要者の間に広く認識され、本件商標の登録出願時及び登録査定時に周知著名性を獲得していたとは認められないものである。
3 商標法第4条第1項第11号該当性について
上記1のとおり、本件商標と引用商標は、外観において極めて近似した印象を与えるものであり、「メデュース」及び「メデューズ」の称呼及び「クラゲ」の観念を共通にする類似の商標である。
また、申立商品中、第25類「被服,履物,靴,運動靴,帽子,メリヤス下着,メリヤス靴下,手袋(被服),ペルリーヌ,ベルト,下着,ジャージー製運動用衣服,スカート,ズボン」は、引用商標の指定商品と同一又は類似する。
したがって、本件商標は、引用商標と類似する商標であり、申立商品中、第25類「被服,履物,靴,運動靴,帽子,メリヤス下着,メリヤス靴下,手袋(被服),ペルリーヌ,ベルト,下着,ジャージー製運動用衣服,スカート,ズボン」(以下「取消対象商品」という。)について、商標法第4条第1項第11号に該当する。
なお、申立商品中の「取消対象商品」以外の商品である「運動用特殊靴,フットボール靴,ジャージー製運動用特殊衣服」(以下「取消対象商品以外の商品」という。)は、引用商標の指定商品とは類似しないため、申立商品中の「取消対象商品以外の商品」については、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
4 商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)商標法第4条第1項第15号について
商標法第4条第1項第15号は、「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標(第10号から前号までに掲げるものを除く。)」と規定されている。
そして、上記3のとおり、本件商標は、引用商標と類似する商標であり、申立商品中の「取消対象商品」については、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
したがって、申立商品中の「取消対象商品」について、本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当するか否かについて検討を要しない。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
申立商品中、取消対象商品以外の商品について、本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当するか否かを以下検討する。
ア 本件商標と引用商標の類似性の程度について
上記1のとおり、本件商標と引用商標は、外観において極めて近似した印象を与えるものであり、「メデュース」及び「メデューズ」の称呼及び「クラゲ」の観念を共通にする類似の商標であり、類似性の程度は高いものである。
イ 引用商標の周知著名性について
上記2のとおり、引用商標が、申立人が製造、販売する商品を表示するものとして、我が国及び外国の需要者の間に広く認識され、本件商標の登録出願時及び登録査定時に周知著名性を獲得していたとは認められないものである。
ウ 申立商品中の取消対象商品以外の商品と申立人の業務に係る商品との関連性、需要者の共通性について
申立商品中の取消対象商品以外の商品と申立人の業務に係る商品「履物類」とは、商品の製造、販売が同一事業者によって行われているのが一般的であり、用途及び需要者の範囲等が一致するものであるから、両者は関連性のある商品であり、取引者、需要者が共通するものといえる。
エ 出所の混同のおそれについて
上記アのとおり、本件商標と引用商標は、類似の商標であり、類似性の程度は高いものであり、上記ウのとおり、申立商品中の取消対象商品以外の商品と申立人の業務に係る商品「履物類」とは、商品の製造、販売が同一事業者によって行われ、用途及び需要者の範囲等が一致するから、両者は関連性のある商品であり、取引者、需要者が共通するものといえるものの、上記イのとおり、引用商標が、申立人が製造、販売する商品を表示するものとして、我が国及び外国の需要者の間に広く認識され、本件商標の登録出願時及び登録査定時に周知著名性を獲得していたとは認められないものであることからすると、本件商標は、本件商標の権利者がこれを申立商品中の取消対象商品以外の商品について使用しても、これに接する需要者が、引用商標を連想又は想起することはなく、その商品が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないというべきである。
また、その他に、本件商標を申立商品中の取消対象商品以外の商品について使用しても、他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがあるというべき事情も見いだせない。
したがって、本件商標は、申立商品中の取消対象商品以外の商品との関係において、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
5 むすび
以上のとおり、本件商標は、その指定商品及び指定役務中、「結論掲記の指定商品」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものである。
また、本件商標は、その指定商品及び指定役務中、本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品については、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものではなく、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録は維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2021-900166