審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
商標異議申立

2021-900156

ライドボロ、リデボロ

審判番号
2021-900156
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2020-036375
登録番号
6343589
請求日
2021年04月09日
審決日
2022年06月06日
公報発行日
2022年07月29日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】深▲せん▼百客電子商務有限公司
  • 【権利者代理人】TRY国際特許業務法人
  • 【異議申立人】ボルボ トレードマーク ホールディング アーべー
  • 【異議申立人代理人】稲葉 良幸
  • 【異議申立人代理人】田中 克郎
  • 【異議申立人代理人】石田 昌彦
  • 【異議申立人代理人】右馬埜 大地
  • 【異議申立人代理人】両部 奈穂子
審判長/審判官
  • 審判長 小松 里美
  • 審判官 豊田 純一
  • 審判官 小俣 克巳
分類
T1651.22 -Y (W28) / T1651.271-Y (W28) / T1651.222-Y (W28)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第15号、商標法第4条第1項第7号、商標法第4条第1項第19号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

登録第6343589号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6343589号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6343589号商標(以下「本件商標」という。)は、「RideVolo」の文字を標準文字で表してなり、令和2年4月2日に登録出願、第28類に属する別掲のとおりの商品を指定商品として、同3年1月12日に登録査定され、同月21日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由に該当するとして引用する登録第477334号商標(以下「引用商標」という。)は、「VOLVO」の欧文字を横書きしてなり、昭和30年5月14日に登録出願、第20類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同31年2月25日に設定登録、その後、平成19年12月26日に指定商品を第7類、第11類及び第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものであり、その商標権は、現に有効に存続しているものである。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第15号及び同項第19号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第10号証を提出した。 1 引用商標の著名性について 引用商標は、申立人の母体である世界企業エービーボルボ(以下「ボルボ社」という。)が、1972年(決定注:「1972年」は「1927年」の誤記と認める。)の会社創設以来、車輌、船舶、その他運搬用機械器具に使用している世界的に著名な商標であり、「VOLVO」の名前は、ボルボ社及び申立人のハウスマークとして、世界中で親しまれている。 ボルボ社の2018年の年間平均正社員数は43,000人にものぼり、スウェーデン、ベルギー、米国及び中国に主な生産拠点を置いて、世界中で商品の製造及び販売を行っている。 ボルボ社の自動車の世界販売台数は、6年連続で過去最高記録を更新し続けており、2018年と2019年を比較するだけでも、前年比を大きく上回る台数が売り上げられたことが分かる(甲3)。 また、ボルボ社の製造する自動車のモデルの一種である「VOLVO XC40」は、「2018-2019年日本カー・オブ・ザ・イヤー」、「2018年度グッドデザイン賞」、「2018年欧州カー・オブ・ザ・イヤー」及び「2018年のユーロNCAPテストにおいて最高評価を獲得」している(甲4)。 さらに、「2020年秋 輸入車ランキング【新車ベスト5】」において、「VOLVO XC40」はランキング1位を獲得し(甲5)、「【2021年最新版】人気の外車・輸入車おすすめランキングTOP20」のSUV編において、「VOLVO XC40」はランキング1位を獲得している(甲6)。 申立人は、異議2004-90746において、「VOLVO」の著名性を述べたうえで、異議申立ての対象商標が商標法第4条第1項第15号に違反することを主張したところ、「VOLVO」の著名性を認められたうえで、異議申立ての対象商標が商標法第4条第1項第15号に違反すると認定された。 以上より、ボルボ社及び申立人のハウスマークである「VOLVO」は、創業時から現在まで、長きにわたって使用され、近年になっても販売台数は各国で過去最高記録を更新し続けているという事実や、様々な賞を世界中で受賞している事実、人気ランキングのトップを独走している事実から、「VOLVO」は人気が全く衰えないブランドとして、我が国及び世界中で揺るぎない知名度を誇っていることは明らかである。 したがって、「VOLVO」が、我が国及び世界中で著名性を獲得していることは明白であり、本件商標の登録出願時に、引用商標が著名であったということは疑う余地がない。 2 事業の多角化の可能性 ボルボ社は、乗用車等の輸送機器産業を主とした事業を展開しているが、「VOLVO」の表示とともにファッション関連商品である被服、かばん、帽子、マフラー、手袋等を販売している。また、おもちゃ会社にライセンスを許諾するなどして、おもちゃ製品にも関連性を有している(甲8)。 さらに、ボルボ社は、20年間という長きにわたって、世界一周のヨットレース「ボルボ・オーシャン・レース」を主宰し(甲9)、1940年から現在に至るまで、スウェーデンラリー、ヨーロッパラリー選手権、世界ツーリングカー選手権等の世界中の自動車レースに参戦し、華々しい成績を収め続けている(甲10)。 したがって、ボルボ社は、輸送機械産業以外にも、被服、おもちゃ、スポーツ競技にも携わり、又は、関連性を有しており、既に事業の多角化を図っており、さらなる新事業への展開の可能性があることも考えられる。 3 本件商標と引用商標の類似性 (1)本件商標について 本件商標は、欧文字「RideVolo」から構成されるが、構成文字の「R」と「V」は大文字で、他の「ide」及び「olo」は小文字で構成されている。 したがって、本件商標は、構成文字のフォントに一貫性がなく、強い一体性を備えていないことは明らかである。 殊に、「R」及び「V」が大文字で目立つ態様であるため、本件商標は「Ride」と「Volo」とに分断されやすい構成であり、その結果、分断された「Volo」が商標として機能し得る。このように分断された場合、商標として機能する「Volo」は、「ボロ」以外に、その構成文字に即して「ボルオ」とも称呼され得る。 (2)引用商標について 引用商標は、欧文字「VOLVO」から構成され、構成文字に即して「ボルボ」と称呼されることが自然である。 (3)本件商標と引用商標の比較 本件商標の「Volo」部分と、引用商標「VOLVO」は、中間部分の「V」の有無において異なる。 しかしながら、中間部分は、語頭部分と比較すると印象が薄らぐため、「V」の有無が、外観において与える影響は大きいものではないといえる。 さらに、本件商標は4文字、引用商標は5文字から構成されているが、構成文字「V」、「O」、「L」、「O」が共通し、殊に、語頭の「VOL」の配列が一致している。 加えて、本件商標と引用商標は、構成文字が非常に近しく、「V」の有無における差異が与える印象は非常にわずかなものであることは明らかである。 よって、時と処を異にして本件商標と引用商標を比較観察した場合、商品に接する取引者及び需要者は、両商標が紛らわしいゆえに混同し、同一視するおそれがあるといえる。 したがって、本件商標と引用商標は、外観においてきわめて類似する商標であるといえる。 次に、本件商標から生じ得る称呼「ボルオ」と、引用商標から生じる称呼「ボルボ」は、「ボル」の音が共通する。 また、語尾の音が「オ」と「ボ」で異なるものの、「オ」と「ボ」は母音が「O」の音である点が共通している。 よって、「ボルボ」と「ボルオ」は、類似性の程度が比較的高く、近似した音であり、「ボルボ」と「ボルオ」は称呼において類似性が高いといえる。 したがって、本件商標と引用商標は、外観において類似し、称呼においても類似性が高いため、類似関係にあることは明らかである。 4 商標法第4条第1項第15号該当性 (1)「混同を生ずるおそれ」について 商標法第4条第1項第15号は、「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」について、商標登録を受けることができないと規定している。 ここで、商標法第4条第1項第15号にいう「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」は、当該商標をその指定商品等に使用したときに、当該商品等が他人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品等であると誤信されるおそれ、すなわち、いわゆる広義の混同を生ずるおそれがある商標をも包含するものであり、同号にいう「混同を生ずるおそれ」の有無は、当該商標と他人の表示との類似性の程度、他人の表示の周知著名性及び独創性の程度や、当該商標の指定商品等と他人の業務に係る商品等との間の関連性の程度、取引者及び需要者の共通性その他取引の実情などに照らし、当該商標の指定商品等の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として、総合的に判断されるべきものである。 (2)本件商標と引用商標の類似性の程度 本件商標と引用商標は類似関係にあり、類似性の程度が非常に高いことは明らかである。 (3)引用商標の周知性の程度 引用商標が、ボルボ社及び申立人のハウスマークとして我が国を含む世界中において著名性を獲得している事実は、明らかである。 (4)商品の関連性の程度 本件商標の指定商品は「運動用具,おもちゃ」等であり、引用商標に係る指定商品は「自動車」等に関連するものである。 これらの商品は、一見関連性が乏しいかのように見えるが、申立人がライセンスを許諾した様々な乗物おもちゃが広く販売されており、これら乗物おもちゃと自動車とは、乗物という共通の性質を備えている。 また、申立人は、様々なレースに参戦しているが、競技用の自動車を運転する場合には、すね当て、ひじ当て、ひざ当て及びサポーターを含む運動用具を使用することは、一般的に行われている。 よって、自動車と運動用具は、同じ環境で使用される、関連性の非常に強い商品であるといえる。 したがって、本件商標に係る指定商品と、引用商標に係る指定商品の関連性が高いことは明らかである。 (5)小括 以上より、本件商標は、我が国を含む世界中で著名性を獲得している引用商標と類似関係にあり、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品の関連性が強いことは明らかである。 よって、本件商標をその指定商品に使用した場合、申立人と関係がある者による商品である等の混同を生ずるおそれがあることは明らかである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 5 商標法第4条第1項第19号該当性 (1)引用商標が広く認識されていること 引用商標がボルボ社及び申立人のハウスマークとして、我が国を含む世界中において広く認識されていることは、明らかである。 (2)商標の類似性 本件商標と引用商標は類似関係にあり、類似性の程度が非常に高いことは明らかである。 (3)不正の目的について 引用商標は、我が国のみならず、世界において著名性を獲得しているので、本件商標の権利者(以下「本件商標権者」という。)も引用商標を当然に認識していたことが自然である。 それにも関わらず、自動車との関連性が高い「運動用具,おもちゃ」に対して、引用商標と近似する本件商標を偶然選択したとは考え難く、本件商標権者が、引用商標が有する信用力、顧客吸引力にフリーライドする意図をもって「Volo」(決定注:「Volo」は「RideVolo」の誤記と認める。)をあえて選択し、使用していることは明らかである。 よって、本件商標の使用に不正の目的があることは明らかである。 (4)小括 以上より、本件商標は、我が国及び世界において著名性を備えた引用商標と類似関係にあり、不正の目的をもって使用されたことは明らかである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。 6 商標法第4条第1項第7号該当性 本件商標は、我が国を含む世界中において著名性を備えた引用商標と類似している。 また、本件商標が、引用商標の著名性にフリーライドする意図をもって登録出願されていることは明らかであるため、本件商標が不正の目的をもって登録出願されたものである。 よって、本件商標の登録出願の経緯は社会的相当性を欠くものであり、この様な登録出願を認めることは、公正な市場の秩序を乱すことに他ならない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。 7 結語 以上の理由により、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項15号及び同項第19号に該当する。 第4 当審の判断 1 引用商標及び「VOLVO」の文字の周知著名性について 申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば、引用商標及び「VOLVO」の文字は、申立人の母体であるボルボ社が、1927年の会社創設以来、現在に至るまで、車輌・船舶、その他運搬用機械器具に使用している商標であり、ボルボ社及び申立人のハウスマークとして使用されていること、様々なランキングにおいて、「VOLVO」が常に上位を占める人気ブランドであり、ボルボ社の製造する自動車は、様々な受賞歴を有していること(甲4~甲6)等からすると、引用商標及び「VOLVO」の文字は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、ボルボ社及び申立人の取り扱う商品「自動車」を表示するものとして、我が国及び外国の需要者の間において、広く知られているといい得るものである。 2 本件商標と引用商標の類似性について (1)本件商標について 本件商標は、上記第1のとおり、「RideVolo」の文字を標準文字で表してなるものであるから、その構成文字に相応して、「ライドボロ」の称呼を生じるものであり、また、当該文字は、辞書等に載録されている成語とは認められないことから、特定の観念を生じないものである。 (2)引用商標について 引用商標は、上記第2のとおり、「VOLVO」の欧文字を横書きしてなるものであるから、その構成文字に相応して、「ボルボ」の称呼を生じるものである。 また、「VOLVO」の文字は、ボルボ社又は申立人の略称と認識されるものであり、ボルボ社が製造・販売する自動車のブランド名を表示するものである。 よって、引用商標は、「ボルボ」の称呼を生じるものであり、「ボルボ社が製造、販売する自動車のブランド名」の観念を生じるものである。 (3)本件商標と引用商標の類否について ア 外観について 本件商標は、「RideVolo」の文字を標準文字で表してなり、引用商標は、「VOLVO」の欧文字を横書きしてなるところ、本件商標と引用商標とは、構成文字数が相違し、「Ride」の文字及び後ろから2文字目の「V」の有無において明らかに相違するものであるから、これらの外観は、明らかに相違するものである。 したがって、本件商標と引用商標とは、外観上、類似する商標ということはできず、これらを時と所を異にして離隔的に観察した場合においても、互いに紛れるおそれはない。 イ 称呼について 本件商標から生じる「ライドボロ」の称呼と引用商標から生じる「ボルボ」の称呼とは、音数が明らかに相違し、また、本件商標は5音、引用商標は3音と短い音の構成において、4音の相違が称呼全体に及ぼす影響は大きいものであり、これらの語調語感は相違したものとなり、互いに紛れるおそれはない。 したがって、本件商標と引用商標は、称呼上、類似する商標ということはできない。 ウ 観念について 本件商標は、特定の観念を生じないものであり、引用商標は、「ボルボ社が製造、販売する自動車のブランド名」の観念が生じるものであるから、本願商標と引用商標とは、観念において相紛れるおそれはない。 エ 小括 以上から、本件商標と引用商標とは、外観及び称呼において相違し、観念において相紛れるおそれはないものであるから、これらを総合して判断すれば、両商標は、相紛れるおそれのない非類似の商標である。 その他、本件商標と引用商標とが類似するというべき特段の事情は見いだせない。 したがって、本件商標と引用商標とは非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。 3 商標法第4条第1項第15号該当性について 上記1のとおり、引用商標及び「VOLVO」の文字は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、ボルボ社及び申立人並びにボルボ社の取り扱う商品を表示するものとして、我が国及び外国の需要者の間において、広く知られているといい得るものであるとしても、上記2のとおり、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であり、別異の商標というべきものであるから、本件商標をその指定商品に使用しても、需要者において、ボルボ社及び申立人並びにボルボ社の取り扱う商品を連想、想起するということはできず、よって、その商品がボルボ社及び申立人あるいは同社と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれがある商標とはいえない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 4 商標法第4条第1項第19号及び同項第7号該当性について 上記1のとおり、引用商標及び「VOLVO」の文字は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、ボルボ社及び申立人並びにボルボ社の取り扱う商品を表示するものとして、我が国及び外国の需要者の間において、広く知られているといい得るものであるとしても、上記2のとおり、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であり、別異の商標というべきものであるから、本件商標をその指定商品に使用しても、需要者において、ボルボ社及び申立人並びにボルボ社の取り扱う商品を連想、想起するということはできないものである。 そうすると、本件商標は、引用商標及び「VOLVO」の文字の知名度や名声にただ乗りするなど不正の目的をもって使用をするものと認めることはできない。 また、本件商標が、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標というべき事情は見いだせず、その登録出願の経緯に社会的相当性を欠くなど、公序良俗に反するものというべき事情は見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号及び同項第7号のいずれにも該当するものではない。 5 まとめ 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第15号及び同項第19号に該当するものではなく、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録は維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2021-900156

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存