商標異議申立
2021-900152
ネル
- 審判番号
- 2021-900152
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2020-063837
- 登録番号
- 6353919
- 請求日
- 2021年04月15日
- 審決日
- 2022年02月15日
- 公報発行日
- 2022年03月25日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】株式会社Morght
- 【異議申立人】株式会社 ジスクリエーション
- 【異議申立人代理人】加藤 光宏
- 審判長/審判官
- 審判長 平澤 芳行
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 水落 洋
- 分類
- T1652.261-Y (W2024) / T1652.262-Y (W2024) / T1652.263-Y (W2024)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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登録第6353919号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6353919号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
1 本件商標
本件登録第6353919号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、令和2年5月22日に登録出願、第20類「マットレス,まくら,クッション,座布団,寝具類(リネン製品を除く。)」及び第24類「マットレスカバー,マットレスシーツ,布製身の回り品,布団,布団カバー,まくらカバー,毛布,敷布,カーテン,織物」を指定商品として、同3年2月1日に登録査定、同月18日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第5792942号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成27年4月15日に登録出願され、第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス」及び第24類「敷布,布団,布団カバ-,布団側,まくらカバー,毛布,タオル,ハンカチ,手ぬぐい」を指定商品として、同年9月11日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。
3 登録異議の申立ての理由(要旨)
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。
(1)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について
本件商標の第20類の指定商品と、引用商標の第20類の指定商品は、いずれも「クッション、座布団、まくら、マットレス」であり同一である。
また、本件商標の第24類の指定商品中「マットレスカバー,マットレスシーツ,布製身の回り品,布団,布団カバー,まくらカバー,毛布,敷布」は、引用商標の第24類の指定商品と同一又は類似である。
(2)本件商標について
本件商標は、別掲1のとおり、バクを模した図形の下側に「NELL」の欧文字を表した商標であるが、各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど強く結合しているものとは認められないため、「NELL」の文字のみから称呼、観念が生じ得るといえる。
そうすると、本件商標は「NELL」の欧文字からは「ネル」の称呼が生じ、当該文字は、特別な意味を有する語ではないから、特定の観念は生じない(甲1)。
(3)引用商標について
引用商標は、別掲2のとおり、筆記体の「nelle」の欧文字と、その下に「ネッル」の片仮名を表した商標であるが、各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど強く結合しているものとは認められないため、「nelle」の欧文字と「ネッル」の片仮名のそれぞれから称呼、観念が生じ得るといえる。
そうすると、引用商標の構成中の「nelle」の欧文字部分からは「ネル」及び「ネリ」の称呼が生じ、当該文字は、特別な意味を有する語ではないから、特定の観念は生じない。
また、引用商標の構成中の「ネッル」の片仮名部分からは「ネッル」の称呼が生じ、特定の観念は生じない(甲2)。
(4)本件商標と引用商標との類否について
ア 本件商標の構成中の「NELL」と引用商標の構成中の「ネッル」とを比較すると、称呼については、本件商標から生ずる「ネル」と引用商標から生ずる「ネッル」とは、促音の有無の差異のみであり、両者は2音程度の短い称呼ではあるが、中央に挟まれた促音は比較的認識されがたく、また、「ネッル」は比較的称呼しにくい語であるため、中央の促音は一層、印象には残りづらくなり、印象としては「ネル」に近づくといえるから、両者は類似する。
そうすると、本件商標の構成中の「NELL」と引用商標の構成中の「ネッル」は、いずれも特定の観念を生じず、称呼において類似する。そして、外観において異なるものの、称呼の類似を凌駕するものではないから、両者は類似する。
イ 本件商標の構成中の「NELL」と引用商標の構成中の「nelle」とを比較すると、上記のとおり、両者は、いずれも特定の観念を生じず、称呼が「ネル」で共通する。
また、外観については、本件商標は欧文字の大文字であるのに対し、引用商標は小文字である点及び末尾に「e」の有無について相違するが、両者の外観の相違は、称呼の共通性を凌駕するほどのものとはいえないから、両者は類似する。
ウ 以上のとおり、本件商標と引用商標とは、「NELL」と「ネッル」又は「nelle」の構成部分で類似しており、全体観察を考慮したとしても、両者は類似するものであるといえる。また、本件商標の異議申立に係る指定商品は、引用商標と同一又は類似である。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(5)本件商標の構成中の「NELL」と引用商標の構成中の「nelle」との出所混同の実在について
本件商標の商標権者は、「nell.life」のドメイン名でウェブサイトを開設しており(甲3)、本件商標のうち「NELL」の文字のみを商品パッケージに表示し、WEBサイトにおいて「NELL」の文字列だけを用いて同商品の広告を行っている(甲4)。
一方、申立人は、「JZYSS shop」なるウェブサイトを開設しており(甲5)、引用商標である「nelle」を用いた枕を販売している(甲6)。
かかる状況下で、申立人は、本件商標の商標権者のWEBページ(甲3、甲4)を閲覧等した消費者から、「類似のものがある」等の問合わせを相当数受けている。
これらの事実は、一般消費者が、「NELL」と「nelle」とを混同していることを表しており、本件商標と引用商標が類似することを裏付けているといえる。
4 当審の判断
(1)本件商標について
本件商標は、別掲1のとおり、何らかの動物を描写したとおぼしき図形とその下部にブロック体で「NELL」の欧文字を書してなるところ、図形部分と文字部分は、上下に明確に分かれ、視覚上、分離して看取されるものである。
そして、本件商標の構成中の「NELL」の文字部分は、一般の辞書等に載録のない語であって、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語と認められるものであるから、特定の観念を生じないものである。
他方、本件商標構成中の図形部分は、文字部分と一体となって特別な観念を有することや一連一体の称呼が生じるなど、何らかの関連性を有しているともいえないものである。
そうすると、図形部分と文字部分とが、分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合していると認めることはできないから、図形部分と文字部分は、それぞれが独立して出所識別機能を有する要部であると認められる。
以上から、本件商標からは、「NELL」の文字部分に相応して「ネル」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲2のとおり、筆記体で「nelle」(「n」の文字は一部図案化されている。)の欧文字及び「ネッル」の片仮名を上下2段に書してなるところ、下段の片仮名は上段の欧文字の読みを表したものと無理なく認識できるものである。
そうすると、引用商標は、その構成文字に相応して「ネッル」の称呼を生じるものであり、当該文字は、一般の辞書等に載録のない語であって、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語と認められるものであるから、特定の観念を生じないものである。
(3)本件商標と引用商標との類否について
ア 外観について
本件商標は、別掲1のとおりの構成からなるものであり、引用商標は、別掲2のとおりの構成からなるところ、両者は、その全体構成において、動物とおぼしき図形の有無、「ネッル」の片仮名の有無において、明らかな差異を有するものであるから、外観上、判然と区別できるものである。
そして、本件商標の要部の一つである「NELL」の文字部分と引用商標「nelle」とを比較しても、両者は、「NELL(nell)」のつづりを共通にするものの、引用商標の語尾における「e」の文字の有無に加え、ブロック体と筆記体という文字態様を異にするものであるから、外観上、明らかに相違するものである。
イ 称呼について
本件商標の文字部分から生ずる「ネル」の称呼と引用商標から生ずる「ネッル」の称呼とは、引用商標における促音の有無の差異を有するところ、2音という極めて短い音構成からなる両称呼全体に及ぼす影響は大きく、それぞれを一連に称呼しても、その語調、語感が相違し、称呼上、明瞭に聴別し得るものである。
ウ 観念について
本件商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じないものであるから、比較することができない。
エ 小括
以上のとおり、本件商標と引用商標とは、観念においては比較することができないとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれのないものであるから、両者が取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合的に考慮すれば、両者は、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
したがって、本件商標の指定商品が引用商標の指定商品と同一又は類似するとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではなく、その登録は同条第1項の規定に違反してなされたものとはいえないものであり、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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