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商標異議申立

2021-900140

アイスマイル、アイス、アイシイイイ、マイル

審判番号
2021-900140
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2018-138853
登録番号
6342237
請求日
2021年04月09日
審決日
2022年01月28日
公報発行日
2022年02月25日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】ビーアール アイピー ホルダー リミテッド ライアビリティ カンパニー
  • 【権利者代理人】田中 伸一郎
  • 【権利者代理人】中村 稔
  • 【権利者代理人】松尾 和子
  • 【権利者代理人】井滝 裕敬
  • 【権利者代理人】▲吉▼田 和彦
  • 【権利者代理人】藤倉 大作
  • 【権利者代理人】苫米地 正啓
  • 【異議申立人】アイス・アイピー・ソシエテ・アノニム
  • 【異議申立人代理人】田中 秀樹
審判長/審判官
  • 審判長 豊田 純一
  • 審判官 杉本 克治
  • 審判官 阿曾 裕樹
分類
T1652.251-Y (W14) / T1652.252-Y (W14) / T1652.253-Y (W14) / T1652.261-Y (W14) / T1652.262-Y (W14) / T1652.263-Y (W14) / T1652.271-Y (W14)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第10号、商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

登録第6342237号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6342237号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6342237号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおり、「アイスマイル」の片仮名と「ICE MILE」の欧文字を上下2段に横書きした構成からなり、平成30年11月8日に登録出願、第14類「キーホルダー,記念カップ,記念たて,身飾品,時計」及び第16類「紙製包装用容器,紙製のぼり,紙製旗,衛生手ふき,紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製ハンカチ,紙類,ボールペン,シャープペン,文房具類,印刷物,書画,写真,写真立て」を指定商品として、令和3年1月19日に設定登録されたものである。 第2 引用商標及び引用標章 1 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標は商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に該当するとして引用する標章は、別掲2のとおりの構成からなる標章(以下「引用標章1」という。)及び別掲3のとおりの構成からなる標章(以下「引用標章2」という。)であり、申立人が「時計」について使用し、需要者の間で周知著名となっていると主張するものである。 なお、引用標章1と引用標章2をまとめていう場合は、以下「引用標章」という。 2 申立人が、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する商標は、以下の(1)及び(2)のとおりの登録商標であり、その商標権は、現に有効に存続しているものである。 (1)登録第5920120号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の構成:別掲4のとおり(立体商標) 指定商品:第14類「貴金属及びその合金,身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,計時用具,時計,時計用ストラップ及びその他の時計の部品及び附属品,プラスチック製の計時用具の専用ケース」、第16類「紙類,印刷物,製本用材料,文房具類,文房具としての又は家庭用の接着剤,絵画用材料,はけ,教材(器具に当たるものを除く。)」及び第20類「家具,鏡,額縁,プラスチック製の包装用容器」 登録出願日:平成25年9月13日 優先権主張:2013年(平成25年)3月15日(域内市場における調和のための官庁(商標及び意匠)) 設定登録日:平成29年2月10日 (2)国際登録第1128035号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の構成:別掲5のとおり 指定商品:第14類「Precious metals, unwrought or semi-wrought; key rings [trinkets or fobs] of precious metal; jewellery cases [caskets] of precious metal.」 国際商標登録出願日:2012年(平成24年)7月10日 優先権主張:2012年(平成24年)5月14日(Benelux) 設定登録日:平成26年7月11日 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、その指定商品中第14類「全指定商品」について、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証(枝番号を含む。以下、枝番号の全てを示すときは、枝番号を省略する。)を提出した。 以下、証拠の表記に当たっては、「甲第○号証」を「甲○」のように省略して記載する。 1 商標法第4条第1項第10号該当性について (1)申立人は、引用標章が付された商品「時計」(以下「申立人商品」という。)について、2007年にベルギー国で販売を開始し、現在では世界25か国で販売し、我が国でも2009年から販売を開始している。 (2)引用標章が、世界のみならず、我が国においても、既に需要者、取引者の間で広く知られた商標であることは明らかである。 なお、雑誌、新聞及びウェブページ等においては、「アイスウォッチ」の片仮名表記もあるが、これは、我が国の需要者及び取引者に対する商品の紹介において、便宜上、使用標章2を表音で書き換えたものである。 ア 毎月の雑誌・新聞及びウェブページ等への掲載 申立人は、申立人商品について、数多くの雑誌・新聞及びウェブページ等に広告を行っており、それらの雑誌等には、数多くの紹介記事が掲載されている(甲2)。 イ 我が国における毎年の売上本数 我が国における申立人商品の売上本数は、2017年で59,267本、2018年で74,562本、2019年で55,448本となっており、この売上本数は、我が国での腕時計の売上本数としては相当の数に匹敵するものであり、調査レポート雑誌「時計市場&ブランド年鑑」によれば、2017年実績では、我が国における腕時計の販売総数のうち、第13位の売上本数を記録している。 ウ 各種イベントにおけるプロモーション活動(消費者の購買意欲を喚起するための活動)とポップアップストア(期間限定で実施されるイベント型の店舗・展示)における販売活動等 申立人は、各種イベントやポップアップストア等においても、活発に、申立人商品のプロモーション活動及び販売活動を展開しており(甲3)、例えば、2018年には、引用標章を付した商品のプロモーション活動を、2019年には、ポップアップストアとして、百貨店や腕時計のセレクトショップなどにおいて販売活動を行っており、それぞれにおいて申立人商品を販売している。 エ 新聞の掲載 「破竹のアイスウォッチ」、「ベルギー発、売上本数10年で5倍」、「低価格や品数で人気」などのタイトルで、アイスウォッチ(ICE WATCH)の新聞記事が掲載されている(甲4)。 オ 調査レポート雑誌「時計市場&ブランド年鑑2019」への掲載 調査レポート雑誌である、「時計市場&ブランド年鑑2019」(2018年12月25日発行:甲5)によると、有力インポートウォッチブランド売上高ランキング(2017年基準)として、第13位にアイスウォッチ(ICE WATCH)がランクされている。 アイスウォッチ(ICE WATCH)が、名だたる著名ブランドと並んでいることがうかがえ、アイスウォッチ(ICE WATCH)のブランドの需要者、取引者への深い浸透度がうかがえる。 (3)上記のように、引用標章は、長期にわたり、申立人商品について我が国において使用された結果、少なくとも、本件商標の登録出願日である2018年11月8日において、既に、また、今日においても、申立人商品について、需要者、取引者の間で広く知られた商標となっている。 しかるに、本件商標は、その構成中に「ICE」の欧文字を含むが、これは、引用標章1と同一の構成であり、同一の称呼及び「氷、氷面、氷菓」などの同一の観念が生じる。 また、引用標章2は、その構成中に「時計」を意味する語として我が国においてよく知られた英語「WATCH」の文字を含むが、引用標章2が商品「時計」について使用されていることから、引用標章2の構成中の「WATCH」は商品との関係では商品の普通名称を表す部分であり、このため、引用標章2は、全体の「ICE WATCH」以外に、支配的な部分である「ICE」のみが単独で抽出されて認識される場合があるといえる。その結果、本件商標の構成中に含まれる「ICE」の欧文字は、引用標章2の支配的な部分である「ICE」と同一の構成となり、同一の称呼及び「氷、氷面、氷菓」などの同一の観念が生じる。 (4)したがって、本件商標は、その下段に欧文字「ICE」と「MILE」とを間隔を空けて羅列しているものの、「ICE」の欧文字は、商品「時計」について、需要者、取引者の間で広く知られた引用標章1と同一の欧文字であることから、引用標章1と称呼及び観念が同一の類似する商標である。また、本件商標は、商品「時計」について、需要者、取引者の間で広く知られた引用標章2における支配的な部分である「ICE」と同一の欧文字を含むことから、本件商標と引用標章2とは称呼及び観念において同一の類似する商標である。 このため、本件商標は、第14類「時計」については、商標法第4条第1項第10号に該当する。 2 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本件商標の構成中の下段部分は、欧文字「ICE」と「MILE」とを間隔を空けて羅列した構成となっている。その構成中「ICE」の欧文字は、「氷、氷面、氷菓」などを意味する英語であり、「MILE」の欧文字は、「(法定)マイル:英米のヤード=ポンド法による距離の単位」を意味する英語である。いずれの語も我が国において広く一般に親しまれているものの、これらを組み合わせた「ICE MILE」の文字は、辞書等に載録されている語ではなく、特定の意味合いを有するものではないことから、必ずしも、完全に結合された一つの言葉として認識されるというものではない。また、本件商標の構成中の「アイスマイル」の文字部分は、下段の「ICE MILE」の読みを片仮名で表したものと認識されることは可能であるが、かかる事情は、欧文字「ICE」と「MILE」について、常に、完全に結合された一つの言葉として認識されるという根拠にはなり得ない。 一方で、本件商標の下段は、「ICE」と「MILE」の欧文字が羅列されているが、最初に記載された部分である欧文字「ICE」は、需要者、取引者の間で広く知られた引用標章である「ICE」及び「ICE/WATCH」から抽出される「ICE」と同一の構成からなるという事情から、本件商標の前半部分「ICE」と後半部分の「MILE」とでは、商標としての識別性の強弱に著しい差異があり、需要者、取引者の注意を惹起する力に顕著な相違がある。したがって、本件商標に接した需要者、取引者は、特に注意が注がれる前半部分の「ICE」のみ、簡略化して認識、把握し、「アイス」と呼称する場合も決して少なくない。 (2)一方、申立人は、本件商標の指定商品である第14類「身飾品、時計」と類似する関係にある商品、第14類「身飾品、計時用具、時計、時計用ストラップ及びその他の時計の部品及び附属品、プラスチック製の計時用具の専用ケース」を含む指定商品について、引用商標1を有している。 また、本件商標の指定商品、第14類「キーホルダー」と類似する関係にある商品、第14類「key rings[trinkets or fobs] of precious metal(貴金属製装身用鍵輪)」を含む指定商品について、引用商標2を有している(甲6)。 (3)引用商標1の構成中には、大きく表示された「ICE」の欧文字が含まれているが、当該部分が商標の支配的な構成要素として認識される場合があることから、引用商標1は「ICE」とのみ簡略化される場合がある。 また、引用商標2は、欧文字「ICE」のみからなる商標である。 したがって、本件商標と引用商標は、それぞれの構成要素「ICE」に着目して「アイス」なる同一の称呼、さらに、「氷、氷面、氷菓」などの同一の意味観念が生じ、本件商標に係る指定商品と引用商標の指定商品は同一又は類似ものであるから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。 3 商標法第4条第1項第15号該当性について (1)上記のとおり、引用標章は、長期及び広範囲にわたり、申立人商品について我が国において使用された結果、少なくとも、本件商標の登録出願日である2018年11月8日において、既に、また、今日においても、申立人商品について、需要者、取引者の間で広く知られた商標となっている。 また、引用商標1は、需要者、取引者の間で広く知られた引用標章と同一の構成からなる標章をその構成要素に含み、その指定商品に、本件商標の指定商品である第14類「時計」を含むものである。 (2)新聞の記載(甲3)のとおり、申立人は、腕時計についての新たなデザインコンセプトに基づく新作を、数多く提供している。 そして、引用標章を個別の時計に使用する際には、「ICE」あるいはその片仮名である「アイス」に、新作時計のデザインコンセプトごとに、他の欧文字あるいは片仮名を付して、個別の時計の名称としている(甲2)。 (3)かかる取引事情に鑑みれば、申立人の商品「時計」が現実に販売されている市場において、需要者、取引者の間で広く知られている商標である引用標章から抽出される「ICE」と同一の欧文字「ICE」をその構成要素に含む本件商標が付された「時計」が市場に流通した場合は、市場における具体的な事情に基づいて判断すれば、申立人の販売する商品「時計」の新作、あるいは、少なくとも申立人の業務に係る商品であると混同を生ずるおそれがある。 したがって、申立人の商品の出所と一体の関係にあると信じて商品を購入する需要者、取引者の期待を裏切ることになるので、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 第4 当審の判断 1 引用商標及び引用標章の周知性について (1)申立人の提出に係る証拠及び同人による主張によれば、以下の事実が認められる。 ア 申立人は、「ICE WATCH」(アイスウォッチ)と称する「腕時計」(以下「申立人使用商品」という。)を、2007年にベルギーで販売開始、我が国では、2009年にその販売を開始している(甲4)。 イ 2017年から2020年にかけて発行された雑誌や新聞、ウェブサイト等に、申立人使用商品の商品紹介記事が掲載されているところ、商品写真(文字盤に「ice」の文字や引用標章2が付されていることが確認できるものを含む。)とともに、「アイスウォッチ」、「ICE WATCH」、「アイスフォーエバー」、「アイスデュオ」、「ICE love」、「アイス シックスティー ナイン」、「アイスピュア(ICE Pure)」等の商品名が掲載されている(甲2)。 ウ 申立人の主張によれば、我が国における申立人使用商品の売上本数は、2017年で59,267本、2018年で74,562本、2019年で55,448本とされる。 申立人に係る「アイスウォッチ」ブランドの商品に係る売上高は、2017年基準で、45億円であり、「有力インポートウォッチブランド売上高ランキング」において第13位に位置づけられている(甲5)。 エ 申立人使用商品のプロモーション活動や販売活動として、各種イベントの開催やポップアップストアを開設しており店舗看板、陳列ケース等には、引用標章2と同一の構成態様からなる標章を顕著に表示している(甲3)。 (2)上記認定事実によれば、「ICE WATCH」と称する申立人使用商品は、我が国において10年以上の販売実績、一定程度の販売規模(売上本数、売上高)、広告宣伝実績(雑誌、広告宣伝活動等)があるから、申立人使用商品に係るブランド名「ICE WATCH」(アイスウォッチ)は、本件商標の登録出願時点において、我が国における腕時計の愛好家の間において、ある程度知られていたと認められる。 他方、申立人使用商品の中には、文字盤に「ice」の文字を表示する商品があるとしても、その商品販売や商品紹介においては、例えば引用標章2のような「ice watch」の文字を構成中に含むロゴや、「ICE WATCH」又はその他の「ICE○○」や「アイス○○」のような商品名が使用されており、引用標章1に相当するような「ice」又は「ICE」の文字単独で取引上略称されている実情も見いだせないから、引用標章1「ICE」が、申立人の製造、販売する「腕時計」に係る商標として、我が国の需要者の間において広く知られているとは認められない。 2 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本件商標 本件商標は、「アイスマイル」の片仮名と「ICE MILE」の欧文字を上下2段に書してなるところ、「ICE MILE」の欧文字は、半文字程度の空白を設けながらも、同書同大で、まとまりよく一体的に表されており、また、上段の「アイスマイル」の片仮名は「ICE MILE」の欧文字の表音を片仮名で表示したもので、本件商標の構成全体から生じる「アイスマイル」の称呼も、よどみなく一気一連に称呼し得るものである。 そして、本件商標の構成中、「ICE(アイス)」の文字は、「氷、氷菓」の意味を、「MILE(マイル)」の文字は、「マイル(米英の距離の常用単位)」の意味を有する英語(「ベーシックジーニアス英和辞典 第2版」大修館書店)であって、いずれの語も我が国において親しまれた外来語であるものの、これらを組み合わせた「ICE MILE」(アイスマイル)の文字は、辞書等に載録されている語ではなく、特定の意味合いを有するものとして認識されているというような事情も見いだせないことからすれば、当該文字は、特定の観念を生じない一種の造語と認識される。 そうすると、本件商標は、まとまりよく一連一体の語を表してなると認識、理解されるというべきであるから、その構成文字全体に相応して、「アイスマイル」の称呼を生じるが、特定の観念を生じない。 (2)引用商標 ア 引用商標1は、別掲4に示すとおり、上部に円形の突起部を有する直方体の形状からなる立体商標であって、当該立体の側面には、「ice」(「i」の文字の点部分は、デザイン化された滴状の形状である。以下同じ。)の欧文字の下に細線を配し、その下部に「watch」の欧文字を表してなり、また、上部の円形の突起部には「www.ice-watch.com」の文字が表示されている。 そして、引用商標1の構成中「watch」の文字は、「腕時計、懐中時計」の意味を有する英語(前掲書)であるが、上記した文字及び細線からなる構成が全体的にまとまりよく結合しているものであって、その構成の一体性からみれば、その構成中の「watch」の文字部分を省略し、殊更「ice」の文字部分のみを分離抽出して、称呼、観念されると見るべき特別の理由も見出し得ないし、その構成全体から生じる「アイスウォッチ」の称呼も無理なく一連に称呼し得るものであるから、むしろ、「ice」及び「watch」の文字全体をもって不可分一体の一種の造語を表したものと認識、把握されるものである。 なお、上記1のとおり、申立人に係る「ICE WATCH」(アイスウォッチ)のブランド名が、我が国における腕時計の愛好家の間では、ある程度知られているとしても、これが、「ICE」の略称で、我が国における需要者の間において広く知られているものとはいえないから、引用商標1の構成中「ice」の文字部分が、独立した出所識別標識として、特段強い印象を与えるものではない。 そうすると、引用商標1は、その構成文字に相応して、「アイスウォッチ」の称呼を生じるが、特定の観念を生じない。 イ 引用商標2は、「ICE」の欧文字を表してなるところ、その構成文字は「氷、氷菓」の意味を有する英語(前掲書)である。 そうすると、引用商標2は、その構成文字に相応して、「アイス」の称呼を生じ、「氷、氷菓」の観念を生じる。 (3)本件商標と引用商標の類否について ア 本件商標と引用商標1を比較すると、外観においては、構成要素(立体的形状の有無)に明らかな差異があり、構成文字もそれぞれ異なる語を表してなると容易に理解できるから、互いに判別は容易である。また、称呼においては、語頭の3音(アイス)を共通にするが、語尾の3音(「マイル」と「ウォッチ」)が明らかに異なるから、互いに聴別は容易である。さらに、観念においては、いずれも特定の観念が生じないから、比較できない。 そうすると、本件商標と引用商標1とは、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において判別は容易であるから、両商標の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、相紛れるおそれのない非類似の商標である。 イ 本件商標と引用商標2を比較すると、外観においては、構成文字の差異(「アイスマイル」、「ICE MILE」と「ICE」)から、それぞれ異なる語を表してなると容易に理解できるから、互いに判別は容易である。また、称呼については、語頭の3音(アイス)を共通にするが、語尾の3音(マイル)の有無の差異から、互いに聴別は容易である。さらに、観念については、引用商標2から特定の観念が生じるものの、本件商標から特定の観念は生じないから、互いに印象において相違する。 そうすると、本件商標と引用商標2とは、外観及び称呼において判別は容易で、観念における印象も相違するから、両商標の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、相紛れるおそれのない非類似の商標である。 (4)小括 以上のとおり、本件商標は、引用商標とは同一又は類似する商標ではないから、それら指定商品を比較するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 3 商標法第4条第1項第10号該当性について (1)本件商標 本件商標は、上記2(1)のとおり、その構成文字全体に相応して、「アイスマイル」の称呼を生じるが、特定の観念を生じない。 (2)引用標章 ア 引用標章1は、「ICE」の欧文字を表してなるところ、その構成文字を共通にする引用商標2と同様、上記2(2)イのとおり「アイス」の称呼及び「氷、氷菓」の観念を生じる。 イ 引用標章2は、別掲3のとおり、「ice」(「i」の文字の点部分は、デザイン化された滴状の形状である。以下同じ。)の欧文字の下に細線を配し、その下部に黒色で「watch」の欧文字を、まとまりよく一体に表した構成からなるものであるところ、各段は、左右の幅を揃えて、近接して配されていることから、全体として、外観上まとまりよく一体に看取、把握される。 そして、引用標章2は、引用商標1の構成中「ice」及び「watch」の文字部分と構成文字及び構成配置が共通するから、引用商標1と同様に上記2(2)アのとおり、「アイスウォッチ」の称呼を生じるが、特定の観念は生じない。 (3)本件商標と引用標章との類否について ア 本件商標と引用標章1を比較すると、外観においては、構成文字の差異(「アイスマイル」、「ICE MILE」と「ICE」)により、それぞれ異なる語を表してなると容易に理解できるから、互いに判別は容易である。また、称呼については、語頭の3音(アイス)を共通にするが、語尾の3音(マイル)の有無の差異から、互いに聴別は容易である。さらに、観念については、引用標章1から特定の観念が生じるものの、本件商標から特定の観念は生じないから、互いの印象において相違する。 そうすると、本件商標と引用標章1とは、外観及び称呼において判別は容易で、観念における印象も相違するから、両商標の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、相紛れるおそれのない非類似の商標であって、その類似性の程度は極めて低い。 イ 本件商標と引用標章2を比較すると、外観においては、構成要素(図形部分の有無)に明らかな差異があり、構成文字もそれぞれ異なる語を表してなると容易に理解できるから、互いに判別は容易である。また、称呼においては、語頭の3音(アイス)を共通にするが、語尾の3音(「マイル」と「ウォッチ」)が明らかに異なるから、互いに聴別は容易である。さらに、観念においては、いずれも特定の観念が生じないから、比較できない。 そうすると、本件商標と引用標章2とは、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において判別は容易であるから、両商標の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、相紛れるおそれのない非類似の商標であって、その類似性の程度は極めて低い。 (4)検討 本件商標は、引用標章とは、上記(3)のとおり、類似する商標ではない。 したがって、本件商標は、引用標章の周知性について検討するまでもなく、商標法第4条第1項第10号に該当しない。 4 商標法第4条第1項第15号該当性について (1)本件商標と引用標章との類似性 本件商標と引用標章1及び引用標章2は、上記3(3)のとおり、いずれも類似性の程度は極めて低い、別異の標章である。 (2)引用標章の周知性の程度 引用標章1「ICE」は、上記1(2)のとおり、我が国の需要者の間において広く知られているものとは認められない。 また、引用標章2は、その構成中「ice」及び「watch」の文字を含むところ、上記1(2)のとおり、申立人に係るブランド名「ICE WATCH」は、我が国における腕時計の愛好家の間で、ある程度知られているから、引用標章2も同様に、一定程度の周知性を有するものと考えられる。 (3)出所の混同のおそれについて 以上を踏まえると、本件商標と引用標章は、類似性の程度は極めて低い、別異の標章であるから、引用標章2に係るブランド名が一定程度の周知性を有するとしても、また、本件商標の第14類に属する指定商品と申立人使用商品との間に関連性があるとしても、本件商標に接する取引者、需要者が、申立人の業務に係る引用標章を連想又は想起するものということは考えにくい。 してみると、本件商標は、その指定商品について使用しても、その商品が他人(申立人)又はこれと組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その出所について混同を生ずるおそれがあるものとはいえない。 その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 5 まとめ 以上のとおり、本件商標の第14類「全指定商品」に関する登録は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。

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