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商標無効審判

2021-890082

ミミノカプラ、ミミ、カプラ

審判番号
2021-890082
法域
商標
審判種別
無効審判(無効の審決)
出願番号
商願2020-097247
登録番号
6338367
請求日
2021年11月29日
審決日
2022年08月04日
公報発行日
2022年11月25日
結論
請求成立(無効)
当事者
  • 【請求人】冨安 智子
  • 【請求人代理人】佐藤 明子
  • 【被請求人】三澤 善利
審判長/審判官
  • 審判長 齋藤 貴博
  • 審判官 岩崎 安子
  • 審判官 馬場 秀敏
分類
T111 .261-Z (W28) / T111 .262-Z (W28) / T111 .263-Z (W28) / T111 .271-Z (W28)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項11号商標法4条1項15号商標法46条1項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の登録第6338367号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 登録第6338367号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6338367号商標(以下「本件商標」という。)は、「mimiのカプラ」の文字を標準文字で表してなり、令和2年7月20日に登録出願、第28類「おもちゃ,ジグソーパズル,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,ドミノ用具,運動用具」を指定商品として、同年12月3日に登録査定、同3年1月8日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 1 請求人が、本件商標の登録の無効の理由において、商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する登録第4317129号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成8年5月13日に登録出願、第28類「おもちゃ,ドミノ用具」を指定商品として、同11年9月24日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。 2 同じく、商標法第4条第1項第15号に該当するとして引用する商標は、「KAPLA」又は「カプラ」の文字(以下「引用商標2」という。)からなるものであり、請求人が木の造形ブロックに使用して周知であると主張するものである。 なお、引用商標2を使用した木の造形ブロックを、以下、商品「カプラ」という。 第3 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第65号証(ただし、甲第27号証は欠号。)を提出した。 1 請求の理由 本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、同法第46条第1項第1号により、無効にすべきものである。 2 請求人について 請求人は、引用商標1の専用使用権者であり、引用商標1の権利者が考案した木の造形ブロック「KAPLA」を製造販売するフランスカプラ社の日本総代理店として、独占して日本における「KAPLA」の販売や普及活動等を行っている有限会社アイ・ピー・エス(以下「アイ・ピー・エス社」という。)の代表者である(甲2、甲3)。 請求人が、本件商標の使用を知るきっかけは、被請求人が代表者を務める会社のホームページ及びインターネット上のフリーマーケットにおいて、商品「カプラ」に酷似する商品を「mimiのカプラ」、「カプラ風積木セット」として宣伝販売していたためである。請求人は、これに対して、被請求人宛てに弁護士を介して「通知書」(甲4)を送付し、被請求人は、ホームページ及びフリーマーケットの関連ページを閉鎖した旨の回答をした(甲5)。 しかしながら、その回答において、被請求人は、本件商標の登録証を同封し、本件商標の登録に基づく使用であることを示唆している。 本件商標の態様から、被請求人が商品「カプラ」の著名性にただ乗りした販売行為をもくろんだことが明らかであり、今回被請求人は本件商標を使用した製品について販売を一応中止したものの、本件商標の登録が維持されていることにより、再び本件商標の正当な使用行為として、商品「カプラ」と紛らわしい製品の販売を行うおそれは否定できない。 3 商標法第4条第1項第11号について (1)本件商標と引用商標1との類否 本件商標は、「mimiのカプラ」の文字を書してなるものであり、「mimi」の文字部分は、他の文字部分に比較しやや小さく、それに続く「の」により、「mimi」が後続の「カプラ」を修飾する文字である印象を与える。「カプラ」の文字は、本件商標を構成する他の文字種に比較してやや大きく、全て片仮名で構成されているため、本件商標中で一体的にこの3文字が強く印象づけられる構成となっている。前述したように、「mimiの」の文字は、一見して「miniの(小さな)」のように「カプラ」を修飾する文字である印象を与えるから、本件商標全体として「カプラ」という商品シリーズの一つの名称であるような印象を与えるものである。 これに対し、引用商標1は、「KAPLA」と「カプラ」を2段に横書きで併記するものであり、「KAPLA」と「カプラ」の外観及び「カプラ」の称呼を生じるから、本件商標は、引用商標1と、外観及び称呼において類似する商標である。 (2)指定商品について 本件商標の指定商品は、「運動用具」を除き、引用商標1の指定商品と、同一又は類似の商品を指定するものである。 (3)小括 本件商標と引用商標1とは、特定の明確な観念は生じないものの、両商標は、外観及び称呼において類似する商標であり、その指定商品も同一又は類似の商品であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。 4 商標法第4条第1項第15号について (1)商品「カプラ」について 商品「カプラ」は、1(厚み):3(幅):15(長さ)という独特の3辺の比率を有する直方体の形状の木製のブロックであり、このワンサイズの板を重ねるだけで、建物や乗り物から動物まで自由に造形できるという特徴を有している。 商品「カプラ」は、引用商標1の権利者が考案したもので、1988年にフランスのサール・カプラ社(以下「フランスカプラ社」という。)から発売されて以来、世界42カ国で累計26億枚以上を販売し、世界各国ですぐれた玩具として数多くの賞を受賞し、世界的に周知・著名な商品となっている。 日本においては、請求人が1989年に輸入販売を開始し、1996年には、アイ・ピー・エス社を設立し、商品「カプラ」の販売、宣伝広告、普及活動等を行ってきた。 ア 日本における販売実績及び主要な取扱店舗について アイ・ピー・エス社が1996年以降、本件商標の登録出願日前である2019年12月31日までの商品「カプラ」の販売実績として、販売ピース数の総計は、5,507万2,179ピースとなっている(甲6)。 また、商品「カプラ」は、全国主要都市のデパートや大型書店等で販売されており(甲7)、これらデパート自身が発行する贈答用カタログに掲載されることも多い(甲8)。 イ 受賞歴について 商品「カプラ」は、世界各国で優れた玩具として数多くの賞を受賞しており、日本においては、1997年12月11日・2000年12月15日「グッド・トイ」選定の認定証(甲10、甲11)、2012年7月31日「第6回キッズデザイン賞」受賞証(甲12)、2016年9月20日「Amazon知育・学習玩具大賞/知育玩具部門大賞」受賞(甲13)がある。 ウ 商品「カプラ」の直接納入施設数 アイ・ピー・エス社は、保育園、幼稚園、放課後学童クラブ、小学校・中学校・高等学校・大学、その他の施設を合計して、10,799施設に商品「カプラ」を直接納入している(甲14)。これらの施設に通う子供や学生達は、商品「カプラ」を知っており、彼らの多くの親たちも商品「カプラ」の存在を知っていると考えられる。 エ 商品「カプラ」に関する放映・放送(甲15、甲16)、新聞・雑誌・書籍への掲載(甲17~甲26、甲28~甲35)により、日頃から商品「カプラ」に親しんでいる幼稚園児、保育園児、生徒やその親達以外の一般の人々にも商品「カプラ」を周知させる要因の一つである。 オ 商品「カプラ」に関する普及活動及びワークショップを実施したイベント 請求人及びアイ・ピー・エス社は、商品「カプラ」の遊びを日本で伝えるために、多くのワークショップを開催してきた(甲36~甲40)。 このワークショップは、フランスカプラ社公認のインストラクターによって指導されるもので、常設アトリエで行われる造形教室と、インストラクターが多数の商品「カプラ」を持参して各地に赴き開催する出張形式のワークショップが含まれる。 また、ワークショップのうち、ワークショップを実施した主なイベント(甲41~甲53)は、これらのイベントが各地の博物館、科学館、児童館、公園、美術館、ショッピングモール、体育館、学校等の大型施設において開催され、ワークショップや商品「カプラ」による造形のデモンストレーションが実施されることによって、これらに参加する子供や大人だけでなく、たまたま通りかかった多くの人の眼に触れる機会も多く、またこれらのワークショップやデモンストレーションにより、商品「カプラ」の魅力を伝えることができるため、参加者による口コミでさらに普及が進むという効果がある。 カ 商品「カプラ」作品コンテストの開催及び展示会出展 アイ・ピー・エス社は、2014年から毎年「児童館・科学館・美術館対抗全国KAPLA大会」(カプラ大会)を主催し(甲54~甲60)、様々な展示会に商品「カプラ」を出展している(甲61~甲65)。 (2)本件商標の使用による出所の混同 上記(1)により、引用商標2は、木の造形ブロックに使用されている商標として、少なくともおもちゃの分野の需要者・取引者間において、本件商標の登録出願日以前に、日本において周知著名となっていたことは明らかである。 そして、本件商標は、その構成中に「カプラ」を含み、「mimiの」の部分は、「カプラ」を修飾している語句と理解できることから、本件商標は、全体的印象から、ブロックや積木に使用された場合に、引用商標2に係る商品のシリーズ商品、あるいは引用商標2に係る商品の提供元と何らかの関係のある会社により提供される商品であるかのような印象を与えることは明白である。 また、現在では、インターネットを介した商品の販売や広告・宣伝・情報発信が重要になっているが、需要者あるいは取引者が何かをきっかけに商品「カプラ」を調べようとしてキーワード「KAPLA」又は「カプラ」を用いて検索した場合に、本件商標は、その構成中に「カプラ」を含んでいるために、商品「カプラ」に関する情報だけでなく、本件商標をブロックや積木に使用した情報も同時にヒットすることになり、本件商標を使用した情報源に需要者・取引者を誘導する可能性が極めて高い。すなわち、本件商標は、引用商標2の周知著名性を利用して、本件商標を使用した商品の販売を有利に進めようとするもくろみから、その登録取得を意図したものに他ならない。 (3)小括 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 第4 被請求人の答弁 被請求人は、請求人の主張に対し、何ら答弁していない。 第5 当審の判断 請求人が本件審判を請求するにつき、利害関係について争いがないから、本案について判断する。 1 引用商標2の周知性について 請求人の提出に係る証拠及び同人の主張によれば、以下のとおりである。 (1)請求人は、引用商標1の専用使用権者であり、引用商標1の権利者が考案した木の造形ブロック「KAPLA」を製造販売するフランスカプラ社の日本総代理店として、独占して日本における「KAPLA」の販売や普及活動等を行っているアイ・ピー・エス社の代表者である(甲2、甲3)。 (2)商品「カプラ」について ア 日本における販売実績及び主要な取扱店舗について アイ・ピー・エス社が1996年以降、本件商標の登録出願日前である2019年12月31日時点までの商品「カプラ」の日本における販売ピース数の総計は、5,507万2,179ピースとなっている(甲6)。 また、商品「カプラ」は、全国主要都市のデパートや書店等で販売されており(甲7)、例えば、日本橋三越本店が発行した2009年クリスマス用のおもちゃカタログには、「KAPLA」の表示とともに「フランス生まれの木製ブロック『カプラ』」の記載がある(甲8)。 イ 受賞歴について 我が国において、アイ・ピー・エス社は、商品「カプラ」について、1997年及び2000年に「グッド・トイ認定」(甲10、甲11)、2012年に「第6回キッズデザイン賞」(甲12)、2016年に「amazon知育・学習玩具大賞/知育玩具部門大賞」(甲13)のように、おもちゃや知育玩具の分野において受賞している。 ウ 商品「カプラ」の直接納入施設数について アイ・ピー・エス社は、商品「カプラ」を保育園、幼稚園、放課後学童クラブ、小学校・中学校・高等学校・大学、その他の施設を合計して、全国で10,799施設に直接納入しているほか(甲14)、その他のルートを介して商品「カプラ」を保有している施設があることもうかがえる。 エ 放映・放送について 商品「カプラ」は様々なテレビ番組やニュース等で取り上げられているとされ(甲15)、例えば、2008年「ザ・鉄腕ダッシュ」、2011年「FNNニュース」、2012年「VS嵐」、2013年「キャスト」、2015年「ノンストップ!」及び2017年「正月特別番組「100人ノススメ」」で放送された(甲16)。 オ 雑誌・書籍への掲載について (ア)「母の友 1月号」(1999年1月1日 福音館書店発行:甲19)には、「カプラ/KAPLA 魔法の板」の表示の下、カプラ体験の写真の掲載及び「アイピーエス(カプラ総代理店)」の記載がある。 (イ)「ボンメルシィ!2001クリスマス号」(2001年10月20日 (株)ベネッセコーポレーション発行:甲20)には、「カプラ」の表示の下、「カプラ総代理店アイ・ピー・エス」の記載がある。 (ウ)「モダンリビングJuly2002」(2002年7月1日 株式会社アシェット婦人画報社発行:甲21)には、「魔法の板」の見出しの下、「カプラ取り扱い先/アイ・ピー・エス」の記載がある。 (エ)「NHKすくすく子育てAPRIL2003」(2003年4月1日 日本放送出版協会発行:甲22)には、「フランス製 造形遊具『カプラ』」の表示の下、「フランス・カプラ社」の記載がある。 (オ)「日経Kids+/2006June」(日経ホーム出版社発行:甲23)には、「KAPLA」の表示の下「1枚の板から創造がふくらむフランス生まれの「魔法の板」」及び「カプラ(フランス・カプラ社)」の記載がある。 (カ)「エー エヌ エー スカイショップ2007/11・12」(2007年11月1日 全日本空輸株式会社発行:甲24)には、「KAPLA」の表示とともに「世界の玩具賞を総ナメ!欧米でブームの木製ブロック「カプラ」」及び「フランス生まれの造形ブロック「カプラ」。母国フランスでは文部省も推薦。」の記載がある。 (キ)「AERAウィズベビー2009 6月号」(2009年6月1日 朝日新聞出版発行:甲25)には、「おもしろ積み木」の見出しの下、包装容器に「KAPLA」が表示された写真とともに「カプラ社のカプラ」の記載がある。 (ク)「サンデー毎日2009年8月9日号」(2009年8月9日 毎日出版社発行:甲26)には、「「魔法の板」の世界」の見出しの下、カプラ体験の写真の掲載及び「不思議な木片「カプラ」(KAPLA)は遠くフランスからやって来た。」及び「カプラ日本総代理店」の記載がある。 (ケ)「赤すぐキッズ2009冬号」(平成21年11月15日 (株)リクルート発行:甲28)には、「子どもも大人も夢中になれるカプラの不思議な世界」の見出しの下「KAPLA」の表示とともに「商品に関するお問い合わせ」に「有限会社アイ・ピー・エス」の記載がある。 (コ)「週刊朝日11月6日増大号」(2015年11月6日 朝日新聞出版発行:甲29)には、「粋の一品」の頁に「KAPLA200」の表示の下、「フランス生まれのKAPLA」の記載がある。 (サ)「プレジデントFamily 親子遊び大百科」(2014年7月22日 プレジデント社発行:甲30)には、「KAPLAブロック」及び「フランス生まれの魔法の板「カプラ」とは?」の記載がある。 (シ)「プレジデント2017.2.13号」(2017年1月23日 プレジデント社発行:甲31)には、「教育編10脳科学」の頁に、木板に「KAPLA」が表示された写真の掲載及び「シンプルな木の板を組み合わせるカプラ200はよく考えてつくられた玩具だ。」の記載がある。 (ス)以上からすれば、商品「カプラ」は、フランスカプラ社又はアイ・ピー・エス社の商品として、1999年頃から継続して雑誌や書籍に掲載されている。 カ 新聞への掲載について 2001年8月11日付け 朝日新聞(甲33)には、積み木の体験の写真の掲載及び「「カプラ」と呼ばれるフランス製の木板」の記載、2015年3月16日付け 夕刊読売新聞(甲34)には、ブロック玩具とするコラムに「仏カプラの「KAPLA」(カプラ)ブロック」の記載及び「KAPLA」が表示された包装容器の写真が掲載され、2016年10月18日付け 読売新聞(甲35)には、「知育玩具 3世代で楽しく」の見出しの下、人気のある知育玩具の例として、「カプラブロック200(仏カプラ)」の表示とともに木板に「KAPLA」が表示された写真の掲載及び「大賞の「カプラブロック200」(仏カプラ、・・・)はフランス企業の木製玩具。」の記載があるように、商品「カプラ」は全国紙に掲載されている。 キ カプラ大会について 「いわて子どもの森NEWS」(2014.7.4:甲37)には、「第1回全国児童館・科学館・美術館カプラ大会 参加決定!」の記載及び「カプラスペース開設期間」が「7/19(土)~8/3(日)」とされ、静岡市こどもクリエイティブタウンの「ま・あ・るの情報誌まあるんダ!」(2018.8-9月33号:甲38)には、「8/13」に「児童館科学館美術館対抗 第5回全国KAPLA大会/KAPLA大会inま・あ・る」が紹介され、2019年7月9日 愛媛新聞(甲39)には、「フランスで生まれた長方形のシンプルな積み木「カプラ」を使った作品の出来を競う全国大会が6月30日、新居浜市大生院の県総合科学博物館であった。」の記載、一般財団法人 児童健全育成推進財団発行の「こども+あそび×まいにち/じどうかん」(2020 No.97 夏号:甲40)には、2019年6月1日~10月31日に児童館 科学館 美術館対抗第6回全国KAPLA大会が行われたことが記載されるとともに作品の写真が掲載され、また、第7回大会も2020年6月1日より全国各地で実施中であることが紹介されている。 また、アイ・ピー・エス社が主催し、開催期間が2014年5月~9月とする第1回KAPLA大会から2019年6月~11月の期間の第6回の全国KAPLA大会に関する案内(甲54~甲60)により、2014年から2019年の間、毎年全国KAPLA大会(カプラ作品コンテスト)が行われていたことがうかがえる。 ク イベント 商品「カプラ」に関するイベントは、2014年夏休みに国立科学博物館(甲42)、2008年12月20日及び21日に札幌ドーム(甲43)、平成17年3月1日~4月6日に多摩六都科学館(甲44)、2003年3月21日~7月6日に横浜こども科学館(甲45)、平成19年4月21日~6月3日に富山県こどもみらい館(甲46)、2005年7月12日~8月31日に大阪府立大型児童館ビックバン(甲47)、2008年6月15日にトレッサ横浜(甲48)、2011年8月18日及び19日にパナソニックセンター東京(甲49)、2014年6月21日に幕張メッセ(甲50)、2019年11月2日及び3日に大森ふるさとの浜辺公園(甲51)、2005年7月8日~8月31日に仙台港国際ビジネスサポートセンター(甲52)、2008年4月26日及び5月6日に市川住宅公園(甲53)において、それぞれ「魔法のブロック「カプラ」」、「魔法の板カプラ」、「カプラで遊ぼう」、「KAPLA」等と表示されて、開催されている。 ケ アイ・ピー・エス社は、2009年6月3日~5日の「topfair/interiorlifestyle」に「魔法の板「カプラ」」を出展している(甲62)。 (3)以上からすると、商品「カプラ」は、我が国において、請求人によってフランスから輸入された後、1996年以降アイ・ピー・エス社によって、主に保育園、小中高校等の各種施設へ納入され、全国においてカプラ大会(カプラ作品コンテスト)やイベント等が開催されるなど、販売及び普及活動等が行われ、また、遅くとも1999年頃から雑誌、書籍、新聞、テレビ番組等のメディアを通じて紹介されるとともに、おもちゃや知育玩具の分野で各種の賞を受賞したことなどを併せ考慮すれば、本件商標の登録出願時及び登録査定時には、需要者の間で広く知られていたものと認められる。 そうすると、商品「カプラ」に使用されている引用商標2は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、アイ・ピー・エス社の業務に係る「木の造形ブロック(おもちゃ)」を表示する商標として、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認められる。 2 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本件商標 本件商標は、上記第1のとおり、「mimiのカプラ」の文字を標準文字で表してなるところ、構成各文字は同書同大同間隔で、外観上まとまりよく表されているものであり、構成文字全体から生じる「ミミノカプラ」の称呼はよどみなく一連に称呼し得るものである。また、「mimiのカプラ」は、一般の辞書等に載録がなく、何らかの意味合いを理解させる語でもないから、これより特定の観念は生じない。 そうすると、本件商標は、「ミミノカプラ」の称呼を生じ、特定の観念は生じない。 (2)引用商標1 引用商標1は、別掲のとおり、上段にややデザイン化した「KAPLA」の欧文字を、下段に上段の文字よりも小さく「カプラ」の片仮名を配した構成からなるところ、その構成からすれば、片仮名は欧文字の読みを特定したものと認められるから、「カプラ」の称呼を生じる。 そして、引用商標1は、上記1のとおり、需要者の間に広く認識されている引用商標2と構成文字を同じにするものであって、引用商標1の指定商品には「おもちゃ」が含まれているから、引用商標2と同様に「アイ・ピー・エス社に係る木の造形ブロック(おもちゃ)」ほどの観念を生じる。 そうすると、引用商標1は、「カプラ」の称呼を生じ、「アイ・ピー・エス社に係る木の造形ブロック(おもちゃ)」ほどの観念を生じる。 (3)本件商標と引用商標1の類否 本件商標と引用商標1とは、全体の構成が明らかに相違するから、外観において判然と区別することができ、また、称呼においては、音及びその数が明らかに相違し、明瞭に聴別することができるから、外観及び称呼において相紛れるおそれはない。 また、本件商標は、特定の観念は生じないものであるのに対し、引用商標1は、「アイ・ピー・エス社に係る木の造形ブロック(おもちゃ)」ほどの観念を生じるものであるから、両者は観念において区別することができ相紛れるおそれはない。 そうすると、本件商標と引用商標1とは、外観、称呼及び観念において相紛れるおそれはないものであるから、両者は類似しない商標と判断するのが相当である。 (4)小括 したがって、本件商標と引用商標1とは、類似しない商標であるから、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品が類似するとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 3 商標法第4条第1項第15号該当性について (1)引用商標2の周知性について 引用商標2は、上記1のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、アイ・ピー・エス社の業務に係る「木の造形ブロック(おもちゃ)」を表示する商標として、我が国の需要者の間に広く認識されていたと認められるものである。 (2)本件商標と引用商標2の類似性の程度 本件商標は、上記第1のとおり、「mimiのカプラ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「カプラ」の文字部分は、需要者の間に広く認識されている引用商標2の片仮名「カプラ」と構成文字を同じにするものであって、当該文字部分が需要者に対し強く支配的な印象を与えるものであるから、両者の類似性の程度は決して低くはないというべきである。 (3)引用商標2の独創性 引用商標2は、「KAPLA」又は「カプラ」の文字からなるところ、当該文字は一般の辞書等に載録されている成語ではなく、造語であるから、独創性が高いものである。 (4)本件商標の指定商品と引用商標2に係る「木の造形ブロック(おもちゃ)」との間の性質、用途又は目的における関連性の程度並びに需要者の共通性等について 本件商標の指定商品中「おもちゃ,ジグソーパズル,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,ドミノ用具」と引用商標2に係る「木の造形ブロック(おもちゃ)」とは、いずれもおもちゃ又は娯楽用品であるから、両者はその性質、用途及び目的において密接な関連性を有し、その需要者層も共通にする。また、本件商標の指定商品中「運動用具」と引用商標2に係る「木の造形ブロック(おもちゃ)」とは、幼児、学生といった需要者の一部を共通にするといえるものである。 (5)出所の混同のおそれ 以上(1)ないし(4)からすれば、引用商標2は、アイ・ピー・エス社の業務に係る「木の造形ブロック(おもちゃ)」を表示する商標として、需要者の間に広く認識されていて、「KAPLA」又は「カプラ」の文字(引用商標2)の独創性は高く、また、本件商標は引用商標2と類似性の程度は決して低くはなく、本件商標の指定商品中「おもちゃ,ジグソーパズル,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,ドミノ用具」は、引用商標2に係る「木の造形ブロック(おもちゃ)」と密接な関連性を有し、その需要者層を共通にするうえに、本件商標の指定商品中「運動用具」は、引用商標2に係る「木の造形ブロック(おもちゃ)」と需要者の一部を共通にするものである。 そして、これらを踏まえ、本件商標の指定商品の需要者において普通に払われる注意力を基準として総合的に判断すれば、本件商標は、その登録出願時及び登録査定時において、商標権者が本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する需要者をして、引用商標2を想起、連想させることが少なくないものと判断するのが相当である。 そうすると、本件商標は、その登録出願時及び登録査定時において、商標権者がこれをその指定商品に使用した場合、これに接する需要者が引用商標2を想起、連想し、その商品が他人(アイ・ピー・エス社)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるというべきである。 (6)小括 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 4 むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しないとしても、商標法第4条第1項第15号に該当するものであり、その登録は、同条第1項の規定に違反してされたものであるから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2021-890082

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