商標無効審判
2021-890044
タートオプティカルエンタープライゼス、タートオプチカルエンタープライゼス、タートオプティカル、タートオプチカル、タート、タルト、オプティカルエンタープライゼス、オプチカルエンタープライゼス、エンタープライゼス、エンタープライジズ、エンタープライジーズ
- 審判番号
- 2021-890044
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 無効審判(無効の審決)
- 出願番号
- 商願2017-128736
- 登録番号
- 6086891
- 請求日
- 2021年09月02日
- 審決日
- 2022年10月27日
- 公報発行日
- 2023年02月24日
- 結論
- 請求成立(無効)
- 当事者
- 【請求人】タート オプティカル エンタープライゼズ エルエルシー
- 【請求人代理人】深井 俊至
- 【被請求人】株式会社 The LIGHT
- 【被請求人代理人】林 栄二
- 【被請求人代理人】篠田 貴子
- 審判長/審判官
- 審判長 豊田 純一
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 渡邉 潤
- 分類
- T111 .261-Z (W09) / T111 .262-Z (W09) / T111 .263-Z (W09)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法46条1項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号、商標法第4条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第6086891号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
登録第6086891号の登録を無効とする。
審判費用は被請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6086891号商標(以下「本件商標」という。)は、「TART OPTICAL ENTERPRISES」の欧文字を横書きしてなり、平成29年9月26日に登録出願、第9類「眼鏡フレーム,眼鏡,眼鏡の部品及び附属品,眼鏡用つる,眼鏡用レンズ,サングラス」を指定商品として、同30年9月14日に登録査定、同年10月5日に設定登録されたものである。
第2 請求人が引用する商標
請求人が、本件商標の登録の無効の理由において、本件商標が商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するとして引用する登録第5427549号商標(以下「引用商標」という。)は、「TART」の文字を標準文字で表してなり、平成23年1月18日に登録出願、第9類「眼鏡,眼鏡の部品及び附属品」を指定商品として、同年7月22日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
第3 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を、審判請求書において要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第12号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 無効理由
本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、同法第46条第1項第1号により、無効にすべきものである。
2 具体的理由
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標と引用商標との類似性
(ア)本件商標は、「TART OPTICAL ENTERPRISES」の欧文字を横書きしてなるところ、「TART」と「OPTICAL」の間及び「OPTICAL」と「ENTERPRISES」との間にそれぞれ空白が置かれており、「TART」の部分と「OPTICAL」の部分及び「ENTERPRISES」の部分は、分離して観察できる。
また、本件商標の構成中の「OPTICAL」の部分は、「目の」、「視力の」、「視覚の」、「視力を助ける」及び「光学(上)の」などの意味を有するものであるから、本件商標の指定商品との関係において、商品の種類、用途ないし機能を示すにすぎず、識別力を有さないか少なくとも識別力は弱いものであり、本件商標の構成中の「ENTERPRISES」の部分は、「事業」、「企業」及び「会社」などの意味を有するものであり、企業、会社ないし事業者がその事業に商標を使用するのであるから、識別力を有さないか少なくとも識別力は弱いものである(甲8、甲9)。
一方、引用商標は、「TART」の文字を標準文字で表してなるものであり、本件商標と引用商標とは、「TART」の部分が同一(実質同一を含む。以下同じ。)である。
(イ)本件商標は、「タートオプティカルエンタープライゼズ」と称呼されるが「オプティカル」の部分及び「エンタープライゼズ」の部分は、いずれも、識別力を有さないか少なくとも識別力は弱いものである。
一方、引用商標は、「タート」と称呼される。
本件商標と引用商標とは、「タート」の部分において称呼が同一である。(ウ)本件商標の「TART」の部分及び引用商標「TART」は、本件商標の指定商品の分野においては、1948年にアメリカ合衆国ニューヨーク州で設立された「Tart Optical Enterprises,Inc.(以下「タート社」という。)の創立者であり、眼鏡フレームの伝説的職人であるJulius Tart 氏(以下「タート氏」という。)を想起させる(甲4、甲10)。
請求人は、タート社の正当な承継者であり、「TART」ブランドの保有者である(甲5~甲7、甲10)。我が国を含む世界において、請求人の「TART」ブランドの眼鏡関係商品が、請求人又はそのライセンシーによって、製造及び販売され、映画スターを含む著名人にも使用され、眼鏡関係商品において「TART」は世界的に知られてきたブランドである(甲10~甲12)。
なお、2017年に、請求人は権利保有会社となり、タート氏のタート社と同じ名称の「Tart Optical Enterprises,Inc.」を事業会社とし、以降は、「Tart Optical Enterprises,Inc.」が「TART」ブランドの眼鏡関係商品を製造及び販売をしている。
一方、被請求人は、被請求人ウェブページにおいて、被請求人を「JULIUS TART OPTICAL」と称して、「JULIUS TART OPTICALは1950年代初頭に創業したタート・オプテイカル・エンタープライズ社の創立者であるジュリアス・タート氏の意思を継ぐブランドとしてジュリアス・タート氏の甥のリチャード・タート氏と共に新規に創設したブランドです。リチャード氏はタート・オプテイカル社のファクトリーやマーケティングに関わった実績を持ち、数多くの資料を保有し、唯一ジュリアス氏の意思を継ぐ存在となります。」のように述べている。
リチャード・タートがジュリアス・タートの甥であることは正しいが、リチャード・タートと被請求人のいずれも、タート氏又はタート社から何らタート社のブランドないし権利を取得しておらず、被請求人がタート社を承継しているかのような記載は虚偽である。
なお、被請求人の代表者であるオガラトーマス(甲3)は、請求人の「TART」ブランドの眼鏡事業に関心があるかのように装い、2015年に請求人に接触し請求人と話をした事実があり、請求人が「TART」ブランドの眼鏡事業を行ってきたことについて知っていた。
被請求人は、被請求人が製造、販売する眼鏡商品に「TART」の部分を大きく目立つように表示し、「JULIUS TART OPTICAL」と称し、被請求人がタート氏又はタート社を承継するかのような説明をし、被請求人があたかもタート氏又はタート社を承継しているかのように需要者を誤認させている(甲4)。
本件商標の構成中の「TART」の部分及び引用商標「TART」は、タート社の創立者であるタート氏を想起させる。
(エ)以上のとおり、「TART」の部分が本件商標の要部であり、外観、称呼、観念において、引用商標「TART」と同一である。
したがって、本件商標と引用商標とは類似する。
イ 商品の類似性について
本件商標の指定商品と、引用商標の指定商品が同一又は類似であることは明らかである。
ウ 結論
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
本件商標と引用商標の類似性及び本件商標の指定商品と引用商標の指定商品の類似性については、上記(1)ア及びイのとおりである。
そして、上記(1)ア(ウ)のとおり、「TART」は、眼鏡関係分野においては、1948年にアメリカ合衆国ニューヨーク州で設立されたタート社の創立者であり眼鏡フレームの伝説的職人であるタート氏を想起させる。請求人は、タート社の正当な承継者であり、「TART」ブランドの保有者で、日本を含む世界において、請求人の「TART」ブランドの眼鏡関係商品が、請求人又はそのライセンシーによって、製造、販売され、映画スターを含む著名人にも使用され(甲10~甲12)、眼鏡関係商品において「TART」は世界的に知られてきたブランドである。
一方、被請求人は、タート氏又はタート社から何らタート社のブランドないし権利( 眼鏡事業の資料に関する権利を含む。) を取得していないにもかかわらず、被請求人が製造、販売する眼鏡商品に「TART」を使用し、「JULIUS TART OPTICAL」と称し、被請求人がタート氏又はタート社を承継するかのような説明をし、被請求人があたかもタート氏又はタート社を承継又はライセンスを受けているかのように需要者を誤認させている。
以上により、被請求人が、本件商標をその指定商品に使用すると、需要者は、被請求人の商品が、タート社の正当な承継人である請求人の商品と混同を生ずるおそれがある。
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
第4 被請求人の答弁
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べた。
1 商標法第4条第1項第11号違反について
(1)本件商標と引用商標の対比
本件商標と引用商標との類否について検討すると、本件商標は、「TART OPTICAL ENTERPRISES」の欧文字を横書きしてなるところ、各文字の大きさ及び書体は同一であって、「TART」、「OPTICAL」及び「ENTERPRISES」の文字の間には若干のスペースが設けられているものの、そのスペースの幅は極めて狭く、その構成上、本件商標は「TART」と「OPTICAL ENTERPRISES」の文字に分離して認識されるものではなく、むしろ全体が一体的な商標としてのみ認識されるべきものである。
また、本件商標の全体より自然に生ずる「タートオプティカルエンタープライゼズ」なる称呼は、多少冗長であるものの、語呂が良く一気一連に淀みなく発音されることからすると、称呼上においても、本件商標が「TART」と「OPTICAL ENTERPRISES」の文字とに分離して認識されなければならないとする特段の事情は存在しない。
この点、請求人は、本件商標の構成中の「OPTICAL」と「ENTERPRISES」の文字は識別力がないか、ほとんどないとして、本件商標からは「TART」の文字のみが分離して認識され、そこから「タート」の称呼が生じると主張する。
しかしながら、本件商標は、各文字の大きさ及び書体は同一であって、全体で横一連にまとまりよく表されているものであるから、「TART」の文字だけが独立して見る者の注意をひくように構成されているということはできない。
また、「OPTICAL」の文字が、「視力[視覚]の、視力を助ける、光学(上)の、光を利用した、光学式の」等の意味を有する英単語であるとしても(甲9)、「眼鏡」を表すものとして一般に用いられている言葉ではないから、本件商標に係る指定商品「眼鏡, 眼鏡フレーム」等との関係において、一般的、普遍的な文字であるとはいえず、自他商品を識別する機能がないということはできない。
同様に、「ENTERPRISES」の文字が、「(新しい)企業、会社、(困難な大規模の)(新しいものを生み出すための)事業、プロジェクト、企て、起業、企業活動、事業経営のやり方、進取の気性、積極性、チャレンジ精神」等の意味を有する英単語であるとしても(甲9)、本件商標の構成中の「ENTERPRISES」の文字は、「株式会社」や「有限会社」等の会社の形態を表すものとして一般に用いられている言葉ではないから、一般的、普遍的な文字であるとはいえず、自他商品を識別する機能がないということはできない。
仮に、本件商標より「タート」の称呼が生じるとするならば、極めてまとまりよく表されてなる本件商標を「TART」と「OPTICAL ENTERPRISES」の文字とに分離して認識し、かつ、「OPTICAL」の文字が「視力[視覚]の、視力を助ける、光学(上)の、光を利用した、光学式の」等の意味を有する英単語であり、「ENTERPRISES」の文字が、「(新しい)企業、会社、(困難な大規模の)(新しいものを生み出すための)事業、プロジェクト、企て、起業、企業活動、事業経営のやり方、進取の気性、積極性、チャレンジ精神」等の意味を有する英単語であると認識したうえで、「OPTICAL」の文字が本件指定商品との関係で自他商品識別力がないか、ほとんどない、「ENTERPRISES」の文字のうち「ENTERPRISE」の文字が自他商品の識別標識としての機能を有するものではないと理解し、その結果、残りの「TART」の文字のみが自他商品識別力を発揮する文字であると認識し、該文字に照応する「タート」の称呼が本件商標から生じると判断する必要があるが、簡易迅速を旨とする実際の商取引において、このような迂遠な思考プロセスを経たうえで「TART」の文字のみが取引に資されるとは考えられない。
よって、本件商標は全体で一体としてのみ認識され、その全体より「タートオプティカルエンタープライゼズ」の称呼のみが生じるものである。
以上より、本件商標と引用商標は、称呼はもちろんのこと、外観及び観念においても明らかに異なるものであるから、両者は互いに相紛れるおそれのない非類似の商標である。
(2)引用商標について
請求人は、1948年にアメリカ合衆国で設立されたタート社の正当な承継者であると主張する。しかしながら、被請求人の知る限り、請求人はタート社の正当な承継者ではない。請求人は、米国において、タート社の所有する登録商標「TART」が更新されなかったことを奇貨として、米国で商標「TART」を登録し、あたかもタート社の承継者であるかの如く、「TART」の名のもとに眼鏡関連商品を販売してきたにすぎない。
また、請求人は、被請求人ウェブサイトにおいて、被請求人がタート社を承継しているかのような虚偽の記載をしていると主張するが、請求人は、タート社の創立者であるジュリアス・タート氏の唯一の遺族である甥のリチャード・タート氏と、リチャード氏が被請求人商品のデザイン、製造、マーケティングに協力し、ブランドアンバサダー(ブランド大使)を務めることを旨とする契約を2016年に締結したうえで(乙1)、我が国において、一貫して誠実にビジネスを行っている。
一方、請求人は、甲第10号証ないし甲第12号証を提出し、引用商標の周知性を立証しようと試みているものと思われる。
しかしながら、甲第10号証は請求人のウェブページの写し、甲第12号証のほとんどは請求人のフェイスブックの写しと思われるところ、請求人のウェブページ、フェイスブックは、すべて英語で表示、投稿されており、我が国における取引者、需要者において、請求人のウェブページ、フェイスブックに物理的にアクセスすることは可能であるとしても、英語のみで表示、投稿されている以上、我が国における引用商標の使用ということはできない。
乙第2号証の1ないし乙第2号証の4は、甲第12号証の1の3頁、甲第12号証の1の6頁、甲第12号証の1の7頁、甲第12号証の1の11頁に係る請求人のフェイスブックが、英語で投稿されていることを示すものである。
そして、甲第12号証に係る請求人フェイスブックの写しは、英語による投稿を日本語に機械翻訳したものを印刷したものであることは、これらの写しのすべてに、「翻訳を非表示・この翻訳の評価」と表示されていることからも裏付けられる。
さらに、甲第12号証に係る請求人フェイスブックの投稿コメントが不自然な日本語であることからも、甲第12号証が英語によるフェイスブックの投稿を、日本語に機械翻訳したものを印刷したにすぎないものであることが容易に推認できる。
加えて、請求人が引用商標の周知性を主張するのであれば、本件商標の登録出願時及び登録査定時に、引用商標が請求人の業務に係る商品を表すものとして取引者、需要者の間に広く認識されていたことを立証する必要があるが、請求人は、英語で表示、投稿された自身のウェブページ、フェイスブックの写しを提出するのみで、我が国における請求人商品の販売数、売上高、宣伝広告物(販促物)、宣伝広告費等を一切明らかにしていない。
また、甲第11号証は、2021年8月時点で、我が国の小売店、オンラインショップにおいて、請求人の商品が販売されていたことはうかがえるものの、本件商標の登録出願時及び登録査定時に、引用商標が請求人の業務に係る商品を表すものとして取引者、需要者の間に広く認識されていた事実を何ら証明するものではない。
(3)商標法第4条第1項第11号該当性について
上記(1)のとおり、本件商標は、引用商標と類似するものではないことから、引用商標との関係において、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものではない。
2 商標法第4条第1項第15号違反について
上記1(2)で述べたとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時に、請求人の業務に係る商品を表すものとして取引者、需要者の間に広く認識されていたものではないとともに、本件商標と引用商標は非類似の商標であって別異の商標であることから、本件商標をその指定商品に使用しても、その出所について混同を生ずるおそれはない。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第第15号の規定に違反して登録されたものではない。
3 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当せず、これらの規定に違反して登録されたものではない。
第5 当審の判断
請求人が本件審判を請求するにつき、利害関係を有する者であることについては、当事者間に争いがないので、本案に入って審理し、判断する。
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、上記第1のとおり、「TART OPTICAL ENTERPRISES」の欧文字を横書きしてなるところ、これらの文字は、同じ書体、同じ大きさで書されているものの、「TART」の欧文字と「OPTICAL」の欧文字の間及び「OPTICAL」の欧文字と「ENTERPRISES」の欧文字との間にそれぞれ1文字分の空白を有することからすると、「TART」の欧文字と「OPTICAL」の欧文字及び「ENTERPRISES」の欧文字は、それぞれ分離して観察し得るものといえる。
また、本件商標は、その構成文字全体に相応して「タートオプティカルエンタープライゼズ」の称呼を生じるところ、かかる称呼は、やや冗長であるといえる。
そして、本件商標の構成中の「TART」の欧文字は、「ぴりっとした、すっぱい」等の意味を有する語(出典:小学館プログレッシブ英和中辞典)であり、当該文字は、本件商標の指定商品との関係において、商品の品質等を表示する等の事情はないため、自他商品の識別標識としての機能を有するが、本件商標の構成中の「OPTICAL」の欧文字は、「光学(上)の、視力を助ける」などの意味を有する語(前掲書)であるから、本件商標の指定商品との関係において、商品の種類、用途あるいは機能を示すものであり、本件商標の構成中の「ENTERPRISES」の欧文字は、「企業、会社」などの意味を有する語である「ENTERPRISE」(前掲書)の複数形であり、英語の企業名称を表示する際に使用される語であることから、「OPTICAL」の欧文字及び「ENTERPRISES」の欧文字は、自他商品の識別力を有さないか、あるいは、有するとしても、その機能は弱いものといえる。
さらに、「TART」の欧文字、「OPTICAL」の欧文字及び「ENTERPRISES」の欧文字が一連一体で、何らの特定の意味合いを生じさせる等の特段の事情は存在しない。
そうすると、本願商標は、その構成文字全体に相応して生じる「タートオプティカルエンタープライゼズ」の称呼は、やや冗長であるといえ、「TART」の欧文字、「OPTICAL」の欧文字及び「ENTERPRISES」の欧文字は、分離して観察し得ること、「OPTICAL」の欧文字が、自他商品の識別力を有さないか、あるいは、有するとしても、その機能は弱いものといえること、及び本願商標が一連一体で、何らの特定の意味合いを生じさせる等、「TART」の欧文字、「OPTICAL」の欧文字及び「ENTERPRISES」の欧文字とが、観念上のつながりがあるとは認められないことから、その構成中の「TART」の欧文字を本願商標の要部と認識し、当該文字のみを捉えて、これと引用商標との類否を判断することも許されるものである。
よって、本願商標は、その構成文字全体に相応して「タートオプティカルエンタープライゼズ」の称呼を生じるほか、その構成中の「TART」の欧文字に相応して「タート」の称呼を生じ、「ぴりっとした、すっぱい」の観念を生じるものである。
(2)引用商標について
引用商標は、上記第2のとおり、「TART」の文字を標準文字で表してなるものであるから、その構成文字に相応して「タート」の称呼を生じ、上記(1)のとおり、「ぴりっとした、すっぱい」の観念を生じるものである。
(3)本件商標と引用商標の類否
ア 外観について
本件商標と引用商標とを比較すると、両商標は、構成全体を見た場合、「OPTICAL」の欧文字及び「ENTERPRISES」の欧文字の有無に明らかな差異があることから、これらは外観において相違するが、本件商標の構成中の「TART」の欧文字と引用商標とは、構成文字を共通にするため、これらは、外観上類似するものである。
イ 称呼について
本件商標の構成文字全体に相応して生じる「タートオプティカルエンタープライゼズ」の称呼と引用商標の構成文字より生じる「タート」の称呼は、それぞれ構成音数及び音構成において顕著な差を有するもので、明瞭に聴別できるものであるが、本件商標の要部である「TART」の欧文字に相応して生じる「タート」の称呼と引用商標の構成文字より生じる「タート」の称呼は、同一であるから、本件商標と引用商標は、称呼を共通にするものである。
ウ 観念について
本件商標と引用商標は、いずれも「ぴりっとした、すっぱい」の同一の観念を生じるものであるから、本件商標と引用商標は、観念を共通にするものである。
エ 小括
本件商標と引用商標は、外観が類似し、「タート」の称呼及び「ぴりっとした、すっぱい」の観念を共通にするものであるから、両商標は、相紛れるおそれのある類似の商標である。
(4)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品の類否について
本件商標の指定商品「眼鏡フレーム,眼鏡,眼鏡の部品及び附属品,眼鏡用つる,眼鏡用レンズ,サングラス」と引用商標の指定商品「眼鏡,眼鏡の部品及び附属品」は、同一又は類似の商品である。
(5)小括
以上のとおり、本件商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品に使用されるものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 商標法第4条第1項第15号該当性について
商標法第4条第1項第15号は、「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標(第十号から前号までに掲げるものを除く。)」と規定されている。
したがって、本件商標は、上記1のとおり、商標法第4条第1項第11号に該当する以上、本件商標が、商標法第4条第1項第15号に該当するか否かについて、検討を要さない。
3 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであり、その登録は、同項の規定に違反してされたものであるから、同法第46条第1項の規定により無効とすべきである。
よって、結論のとおり審決する。
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