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商標無効審判

2021-890032

オオアイオオアイメイン、オーアイオーアイメイン、オオオオアイメイン、オオアイメイン、オオアイオオアイ、オーアイオーアイ、オオオオアイ、メイン

審判番号
2021-890032
法域
商標
審判種別
無効審判(無効の審決)
出願番号
商願2020-026360
登録番号
6371695
請求日
2021年07月14日
審決日
2024年07月09日
公報発行日
2024年12月27日
結論
請求成立(無効)
当事者
  • 【請求人】株式会社 丸井グループ
  • 【請求人代理人】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
  • 【請求人代理人】蔵田 昌俊
  • 【請求人代理人】小出 俊實
  • 【請求人代理人】幡 茂良
  • 【請求人代理人】橋本 良樹
  • 【被請求人】ジョン・イェスル
  • 【被請求人代理人】弁理士法人南青山国際特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 山田 啓之
  • 審判官 杉本 克治
  • 審判官 渡邉 あおい
分類
T111 .261-Z (W091825) / T111 .262-Z (W091825) / T111 .263-Z (W091825)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項11号商標法46条1項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号、商標法第80条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の登録第6371695号商標の商標登録無効審判事件についてされた令和5年5月18日付け審決に対し、知的財産高等裁判所において審決取消しの判決(令和5年(行ケ)第10068号、令和6年3月27日判決言渡)があったので、さらに審理のうえ、次のとおり審決する。

結論

結 論 登録第6371695号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6371695号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、令和2年3月11日に登録出願、第9類「携帯電話機用ストラップ,携帯電話機用ケース,スマートフォン用保護フィルム,スマートフォン用自撮り棒,USBケーブル,統合増幅器をもったサウンドミキサー,電力増幅器,ヘッドフォン,ワイヤレススピーカー,スピーカー,携帯通信端末装置,携帯電話機,サングラス,眼鏡,電池」、第18類「かばん類,かばん用革製アクセサリー,革製かばん,革製名刺入れ,擬革製かばん,革製旅行かばん,多目的かばん,登山用バッグ,ベルトバッグ,ヒップバッグ,買物袋,旅行用衣服かばん,財布,通学用かばん,携帯用化粧道具入れ,傘,ポーチ,革製肩掛けベルト,袋型ベビーキャリー」及び第25類「被服,コート,ジャンパー,ワンピーススーツ,ブルージーンズ地の被服,半ズボン,外衣,下着,シャツ,スポーツコート,作業服,新生児用被服,子供服,履物,帽子,革製ベルト,皮革製被服,手袋(革製・獣皮製又は毛皮製を含む。),半袖シャツ,アロハシャツ,靴下,パンティストッキング」を指定商品として、同3年3月8日に登録査定され、同年4月1日に設定登録されたものである。 第2 請求人が引用する商標 請求人が、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する商標は、次の1ないし12のとおりであり、いずれの商標権も、現に有効に存続しているものである。 1 登録第1318603号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の構成:別掲2のとおり 登録出願日:昭和48年11月14日 設定登録日:昭和53年1月10日 書換登録日:平成20年6月25日 指定商品:第6類、第14類、第18類、第21類、第22類、第25類及び第26類に属する商標登録原簿に記載の商品 2 登録第1374613号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の構成:別掲2のとおり 登録出願日:昭和48年11月14日 設定登録日:昭和54年2月27日 書換登録日:平成21年4月30日 指定商品:第20類、第24類及び第25類に属する商標登録原簿に記載の商品 3 登録第4640297号商標(以下「引用商標3」という。) 商標の構成:別掲3のとおり 登録出願日:平成14年3月4日 設定登録日:平成15年1月24日 指定商品及び指定役務:第3類、第5類、第7類ないし第12類、第14類ないし第16類、第18類、第20類ないし第22類及び第24類ないし第42類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務(別掲4) 4 登録第4864162号商標(以下「引用商標4」という。) 商標の構成:別掲5のとおり 登録出願日:平成16年8月2日 設定登録日:平成17年5月13日 指定商品:第14類、第16類、第18類及び第24類に属する商標登録原簿に記載の商品 5 登録第4869207号商標(以下「引用商標5」という。) 商標の構成:別掲5のとおり 登録出願日:平成16年8月2日 設定登録日:平成17年6月3日 指定商品:第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」 6 登録第4887323号商標(以下「引用商標6」という。) 商標の構成:別掲5のとおり 登録出願日:平成16年8月2日 設定登録日:平成17年8月12日 指定商品:第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,つけづめ,つけまつ毛」 7 登録第5156394号商標(以下「引用商標7」という。) 商標の構成:別掲6のとおり 登録出願日:平成19年6月22日 設定登録日:平成20年8月1日 指定役務:第35類「織物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,時計及び眼鏡の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,宝玉及びその模造品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」 8 登録第5185473号商標(以下「引用商標8」という。) 商標の構成:別掲2のとおり 登録出願日:平成19年6月22日 設定登録日:平成20年12月5日 指定役務:第35類に属する商標登録原簿に記載の役務 9 登録第5185475号商標(以下「引用商標9」という。) 商標の構成:別掲7のとおり 登録出願日:平成19年6月22日 設定登録日:平成20年12月5日 指定役務:第35類に属する商標登録原簿に記載の役務 10 登録第5185476号商標(以下「引用商標10」という。) 商標の構成:別掲3のとおり 登録出願日:平成19年6月22日 設定登録日:平成20年12月5日 指定役務:第35類に属する商標登録原簿に記載の役務 11 登録第5427419号商標(以下「引用商標11」という。) 商標の構成:別掲8のとおり 登録出願日:平成23年2月18日 設定登録日:平成23年7月22日 指定商品及び指定役務:第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘」、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物」及び第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」 12 登録第5458511号商標(以下「引用商標12」という。) 商標の構成:別掲9のとおり 登録出願日:平成23年7月19日 設定登録日:平成23年12月16日 指定商品及び指定役務:第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘」、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物」及び第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」 なお、引用商標1ないし引用商標12をまとめていう場合は、以下「引用商標」という。 第3 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を審判請求書及び令和4年10月11日付け弁駁書(以下「弁駁書」という。)において要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第36号証を提出した。 なお、以下、証拠の表示については、「甲第○号証」を「甲○」のように、簡略して記載する場合がある。 1 請求の理由 本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号の規定に違反して登録されたものであるから、同法第46条の規定により、その登録を無効にすべきものである。 2 具体的理由 (1)商標法第4条第1項第15号に該当する理由 ア 株式会社丸井グループのハウスマーク「OIOI」の著名性、独自性 請求人である株式会社丸井グループ(以下「丸井グループ社」という。)は、1937年に設立され、小売事業、フィンテック事業を行うグループ会社の経営計画・管理等を事業内容とする、約360億円の資本金からなる東京証券取引所第一部上場企業である。 丸井グループ社は、1931年に創業、家具の割賦販売をルーツとし、戦後は月賦百貨店として事業を拡大し、その後、1960年に日本で初めて「クレジット」という名称を用いた「クレジットカード」を発行し、1981年には「丸井のキャッシング」と称した消費者金融事業を開始したもので、かつてはテレビコマーシャルにおける「駅のそばの丸井」、「赤いカードの丸井」のキャッチコピーのもと、駅前一等地に出店することでブランド認知度を高め、DCブランドブームに乗って若年層を取り込み、1972年頃より若年層をターゲットとしたアパレル・ファッション中心の小売業態に転換し、DCブランドブームからはファッションビル形態の店舗を展開し、ファッションを軸に家具、雑貨、眼鏡、宝石の販売の他、食品、レストラン、通信販売、Eコマースを営んでいる。 その後、2007年に「株式会社丸井」を「株式会社丸井グループ」に変更し、現在に至っている(甲3、甲4)。 丸井グループ社及び小売・店舗事業、通信販売事業、専門店事業を営むグループ会社の株式会社丸井(以下「丸井社」という。)は、「OIOI」を、45年の長きにわたりハウスマークとして使用している(以下「ハウスマーク」という。)。 このハウスマークは、1973年に丸井全店の電話番号の末尾4桁を「0101」に統一したことを契機に、これを告知するために採用した商標であるところ、その構成の意外性もあって、メディアにおいてもその由来について取り上げられている(甲3~甲8)。 上記したように、丸井グループ社は、45年の長きにわたり、ハウスマークを使用しているところ、その提供する事業との関係で周知著名性を獲得しており、特許庁の審査においても、「織物、寝具類、被服、履物、かばん類、袋物、身の回り品、酒類、食肉、食用水産物、野菜、果実、菓子、パン、米穀類、牛乳、清涼飲料、果実飲料、茶、コーヒー、ココア、加工食料品、家具、電気機械器具類、台所用品、化粧品、印刷物、紙類、文房具類、運動具、おもちゃ、録音済みのCD―ROM、時計、眼鏡、たばこ、喫煙用具、宝玉、宝玉の模造品」の小売等役務について使用している著名商標であると認定されている(甲9~甲11)。 イ 商標法第4条第1項第15号該当性 丸井グループ社のハウスマークは、ファッションを中核とした幅広い商品の小売等役務について使用する著名商標であるところ、本件商標の指定商品は「電気機械器具類」、「眼鏡」、「かばん類」、「袋物」、「被服」、「履物」の範ちゅうに属する商品であって、当該ハウスマークが著名であると認定されている小売等役務とは需要者、取引経路、販売場所等を共通にする。 また、丸井グループ社の著名商標であるハウスマークは、欧文字の「O」と「I」をモチーフにした図形を用いた「OIOI」であるのに対し、本件商標は、欧文字の「O」と「i」、「i」を反転させたものを用いた「O!Oi」を語頭に有するものであって、これは、丸井グループ社の著名商標と類似するものである。 したがって、被請求人が本件商標をその指定商品に使用した場合には、取引者、需要者は、「丸井グループ社又はこれと経済的・組織的に何らかの関係にある者の提供に係る商品」であるかのごとく誤認混同するおそれがある。 本件商標が登録出願されたのは2020年3月11日であるから、本件商標の登録出願時において、ハウスマークが著名性を獲得していたことも明らかであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。 なお、本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当する点については、「O!Oi」の構成からなる国際登録第1473728号商標に対して、引用商標10を引用して、同号に該当する、と認定した拒絶通報が発せられていること、及び、「O!OiCLUB」の構成からなる商願2020-58893号商標に対して、「OIOI」の構成からなる丸井グループ社の著名商標を引用して、同号に該当する、と認定した拒絶理由通知が発せられていることからも容易に理解できる(甲10~甲14)。 (2)商標法第4条第1項第11号に該当する理由 請求人は、引用商標10以外にも欧文字の「O」と「I」をモチーフにした図形を構成中に有する商標を多数所有しており(甲15~甲25)、本件商標は、これらの登録商標とも類似するものである。 すなわち、本件商標は、丸井グループ社の著名商標「OIOI」と類似する「O!Oi」を、商標の識別上最も重要な要素となる語頭に有し、これに「O!Oi」とは観念上特に関連性を見いだせない「MAIN」の文字を続けた構成からなるものであるから、本件商標においては、「O!Oi」の部分が自他商品の識別標識としての機能を強く発揮するものである。 本件商標が、引用商標と類似することについては、上記した国際登録第1473728号商標及び商願2020-58893号商標に対して、引用商標を引用して、商標法第4条第1項第11号に該当する、と認定した拒絶通報、拒絶理由通知が発せられていることからも容易に理解できる(甲10、甲11)。 なお、引用商標の指定商品及び指定役務と、本件商標の指定商品とは、同一又は類似の関係にある。 よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号にも違反して登録されたものである。 3 弁駁書における主張 (1)無効審判の請求に至った経緯 被請求人は、衣類の製造・卸小売業、かばん・インナーウェア・スポーツウェア等の製造・卸小売業を営む韓国企業、株式会社ファインドフォーム(以下「ファインドフォーム社」という。)の代表者である。 2019年頃、ファインドフォーム社が、請求人の著名な登録商標「○I○I」と同一又は類似の商標「OIOI」、「O!Oi」、「OiOi」等を付した被服、バッグ等の商品を我が国の複数の通販サイトを通じて販売していることが判明したことから、2020年に入り、請求人は、ファインドフォーム社を始め、当該通販サイトに対して、当該商品の宣伝広告・販売の中止を求める通告書を送付した。 しかしながら、ファインドフォーム社及び一部の通販サイトは、宣伝広告・販売についての中止の要求に対する回答をすることもなく、当該商品の宣伝広告・販売を継続していたことから、請求人は、2021年7月に本件無効審判を請求し、同年12月には、ファインドフォーム社を債務者として、商標「OIOI」、「O!Oi」、「OiOi」等の使用の中止を求める仮処分の申立てを行っている(令和3年(ヨ)第22201号)。 請求人が特に問題視しているのは、ファインドフォーム社が、商品の中央に「OIOI」を大きく表示し、これに「(R)」(審決注:(R)は、Rの丸付き文字である。以下同じ。)を付しているものを販売している点である。 かかる行為は、明らかに、請求人が長年かけて築き上げた著名商標「OIOI」の高いブランド力の信用にただ乗りするものであり、需要者に対しても、請求人の商品であるかのごとく欺くことであり、強い不正の意図に基づく使用行為といわざるを得ない。 現に、ファインドフォーム社の販売する被服を請求人の商品であると混同したとの投稿がウェブサイト等に多く寄せられており、また、請求人は、その顧客や取引者から、ファインドフォーム社の商品をして、これが請求人の商品であるのか、あるいは、請求人がファインドフォーム社と、どのような関係にあるのかといった問合せを受けている状況にあった。 このような事態を放任することは、請求人の高いブランド力を毀損し、取り返しのつかない甚大な損害発生の危機にあるとの認識から、仮処分の申立てと平行して本件無効審判を請求している。 (2)不正の目的に基づく本件商標の登録及び出所混同のおそれについて ア 甲第27号証ないし甲第29号証として提出するのは、ファインドフォーム社のウェブサイトにおいて宣伝広告されていた被服、バッグの販売ページである(2021年11月9日出力)。 当該ページにおいては、商品自体には、「OiOi」、「OIOI」、「O!Oi」を顕著に表示した上で、その右上又は右下に商標登録表示(又はこれと紛らわしい表示)である「(R)」を付している(なお、「OIOI」に「(R)」が付されている点については、甲第28号証の商品と同じものが、現在でも、通販サイト「BUYMA」において販売されており、甲第28号証より明確に視認できることから、これを甲第30号証として提出する。)。 しかしながら、被請求人は、「O!Oi」について、我が国を指定した国際登録を行い、我が国での権利化を図ったが、請求人の著名登録商標「OIOI」を引用した拒絶通報を受け、登録は拒絶されている(甲31)。 それにもかかわらず、本件商標から「O!Oi」の部分を分離抽出し、その部分を強調して使用することは登録商標との同一性を欠き、登録商標の使用とはいえない。 商標法においては、このような登録商標ではない商標に商標登録表示又はこれと紛らわしい表示を付することを禁止しており、その違反は虚偽表示として「三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金」(商標法第80条)の罪に該当する行為と規定している。このように、ファインドフォーム社が「(R)」を付する行為は、国内で行った場合には刑事罰が課され得る悪質な行為である。 現実には、そのような行為によって、同時に請求人に対する商標権侵害がなされている。 すなわち、ファインドフォーム社は、あたかも「OIOI」等がファインドフォーム社の登録商標であるかのごとく、商標登録表示(又はこれと紛らわしい表示)を付するなどして「OIOI」等を使用すべき正当な権限を有するかのごとく振る舞っており、真の商標権者たる請求人は、通常の商標権侵害行為をも超えた不利益にさらされている。 上記したように、被請求人は、「O!OiMAIN」を登録しつつも、その使用実態からは、請求人の著名標章に化体した高い信用力、顧客吸引力にフリーライドせんとする被請求人の不正の意図が如実に表れているものであって、本件商標の登録商標は無効とされるべきである。 イ 被請求人は、「O!Oi」が「オーアイオーアイ」と称呼されているから、「マルイ」と称呼される引用商標とは非類似であるかのごとき主張を行っている。 しかしながら、現実には、需要者は、「O!Oi」及び「5252 by O!Oi」(審決注:「5252 by O!Oi」は「O!OiMAIN」の誤記と認める。)から請求人を認識し、「マルイ」と称呼している(甲32~甲36)。 したがって、称呼が異なるから非類似であるという被請求人の主張は誤りである。 引用商標は、「○」と「I」を構成要素とし、これらを交互に並べた外観に特徴があり、独自性を有することから、請求人のハウスマークとして強い識別力を有するところ、本件商標は、日常頻繁に用いられている「MAIN」の英単語の識別力は弱く、相対的に「O!Oi」の部分が強い識別力を有している。 また、被請求人は、「O!Oi」あるいは「OIOI」に「(R)」を付して、あたかも「O!Oi」あるいは「OIOI」を登録しているかのごとく使用しているから、両商標の類否は、「OIOI」と「O!Oi」の対比を中心に行うべきである。 この点、被請求人の登録出願に係る国際登録第1473728号商標は、請求人の著名登録商標「OIOI」と類似する、及び請求人の当該著名登録商標との関係で出所の混同を生じさせる、と判断され、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するとして登録を拒絶されている。 したがって、本件商標と引用商標は類似するものであり、本件商標をその指定商品に使用した場合には、出所の混同を生じるものである。 第4 被請求人の答弁 被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第7号証を提出した。 なお、以下、証拠の表示については、「乙第○号証」を「乙○」のように、簡略して表記する場合がある。 1 商標の類否について (1)本件商標 本件商標は、「O!OiMAIN」の文字を斜体字で横書きしてなり、その構成文字は、同書同大等間隔でまとまりよく一体に表されているものである。 そして、当該文字は、「MAIN」の文字部分が「主要な」等を意味する英語として認識されているものの、全体としては辞書等に載録されている語ではなく、また、特定の意味合いを有するものとして認識されているというような事情もないから、一種の造語として認識されるものである。 また、本件商標の「O!Oi」の文字部分については、「オーアイオーアイ」と称呼されるものである(乙1~乙5)。 そうすると、本件商標は、その構成全体をもって「オーアイオーアイメイン」との称呼を生じ、特定の観念を生じない造語よりなるものである。 (2)引用著名商標及び引用商標 請求人が使用する著名商標「○I○I」(以下「引用著名商標」という。)及び引用商標は、いずれも、「○I○I」の文字で構成されるか、「○I○I」の文字を構成中に有するものである。 そして、「○I○I」の標章は、丸井グループ社のファッションアパレル関連商品を表示する商標として、我が国における取引者、需要者の間に広く認識されていたものである(甲3~甲8)。 また、引用著名商標は、需要者、取引者によって、長年「マルイ」と称呼されているものである(乙6、乙7)。 そうすると、引用著名商標及び引用商標は、いずれも、その構成文字「○I○I」から「マルイ」の称呼を生じ、「丸井グループ社に係るファッションアパレル関連商品のブランド」の観念を生じるものである。 (3)本件商標と引用著名商標及び引用商標の類否 本件商標と引用著名商標及び引用商標の類否について検討するに、両者はそれぞれ上記(1)及び(2)のとおりの構成よりなるところ、本件商標と引用著名商標及び引用商標とは、構成文字数、「MAIN」の文字の有無、及び「O!Oi」と「○I○I」の文字の相違等により、外観において、判然と区別し得るものである。 次に、称呼については、本件商標から生じる「オーアイオーアイメイン」の称呼と引用著名商標及び引用商標から生じる「マルイ」の称呼とは、詳細を論じるまでもなく明らかな差異を有するものであるから、称呼において、明瞭に聴別し得るものである。 さらに、本件商標は、特定の観念を生じないものであるから、「丸井グループ社に係るファッションアパレル関連商品のブランド」の観念を生じる引用著名商標及び引用商標とは、観念において相紛れるおそれはない。 してみれば、本件商標と引用著名商標及び引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても、相紛れるおそれのない別異の商標である。 2 商標法第4条第1項第15号について 上記1のとおり、本件商標と引用著名商標は、相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標である。 そうすると、引用著名商標が請求人の業務に係る商品を表示するものとして本件商標の登録出願の日前から需要者の間に広く認識されているとしても、本件商標は、これに接する取引者、需要者が、引用著名商標を連想又は想起するものということはできない。 してみれば、本件商標は、その商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者をして、引用著名商標を連想又は想起させることはなく、その商品が他人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。 3 商標法第4条第1項第11号について 上記1のとおり、本件商標と引用商標は、相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標である。 したがって、本件商標は、その指定商品と引用商標の指定商品が同一又は類似するとしても、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。 第5 当審の判断 1 本件審判の請求の利益について 請求人が、本件審判を請求するにつき、利害関係を有することについては、当事者間に争いがないから、本案に入って審理する。 2 請求人の業務に係る標章の周知性について 請求人は、1937年に「株式会社丸井」(審決注:請求人の商号変更前の名称である。以下「旧丸井社」という。)として設立、1972年頃より若年層向けアパレル・ファッション中心の小売業態とし、ファッションビル形態の店舗を展開する企業であり、小売事業では、ファッションを軸に家具、雑貨、眼鏡、宝石の販売の他、食品、レストラン、通信販売、Eコマースを営んでいる(甲3、甲4)。 旧丸井社は、2007年には、小売事業、クレジットカード事業等からなる持株会社へ移行し、丸井グループ社へ商号変更し、同時に新たな小売事業として丸井社を設立した(甲3、甲4)。 請求人の2021年3月期の売上収益は、グループ全体では約2,208億円である(甲3)。 また、2つの丸と2本の縦棒を交互に「○|○|」と表した図形からなる標章(別掲10。以下「請求人標章」という。)は、請求人及びグループ会社の一つであり小売事業を営む丸井社(以下、請求人及び丸井社を「請求人等」という。)のハウスマークとして、店舗の看板やホームページにおいて使用していることが認められる(甲3~甲5)。 なお、請求人標章の使用時期については、1993年にリニューアルされているものの、1973年からハウスマークとして継続して使用し、現在に至っているものと認められる(甲8)。 さらに、請求人標章は、請求人等の商標として「丸井(マルイ)のロゴマーク」と称されている事実があることから(甲7、甲8)、請求人標章に触れた取引者、需要者は、請求人標章を「マルイ」と称し、請求人等のブランドとしての「丸井(マルイ)のマーク」と認識していることがうかがえる。 加えて、アパレル・ファッション関連商品についての小売業務について、請求人標章が我が国における取引者、需要者の間に広く認識されていることは、被請求人も認めるところである。 そうすると、請求人は、本件商標の登録出願前から、請求人標章である2つの丸と2本の縦棒を交互に表した図形からなる標章を請求人又は請求人のグループ会社の店舗やウェブサイトにおいて長年にわたり継続して使用していることから、請求人標章は、本件商標の登録出願時及び登録査定時には、請求人等の業務に係る商品及び役務を表示する商標として、我が国の取引者、需要者の間において広く認識されていたというべきである。 3 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)商標の類否について 商標の類否は、対比される両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが、それには、そのような商品に使用された商標がその外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべきであり、かつ、その商品の取引の実情を明らかにし得る限り、その具体的な取引状況に基づいて判断するのが相当である(最高裁昭和39年(行ツ)第110号 昭和43年2月27日第三小法廷判決・民集22巻2号399頁参照)。 また、複数の構成部分を組み合わせた結合商標と解されるものについて、商標の構成部分の一部が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合等、商標の各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められない場合には、その構成部分の一部を抽出し、当該部分だけを他人の商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである(最高裁昭和37年(オ)第953号 昭和38年12月5日第一小法廷判決・民集17巻12号1621頁、最高裁平成3年(行ツ)第103号 平成5年9月10日第二小法廷判決・民集47巻7号5009頁、最高裁平成19年(行ヒ)第223号 平成20年9月8日第二小法廷判決・裁判集民事228号561頁、参照)。 (2)本件商標について ア 本件商標の構成 本件商標は、別掲1のとおり、「O!OiMAIN」の欧文字及び記号を、同じ書体、同じ大きさ、等しい間隔でまとまりよく一連に横書きしてなるところ、その構成中「MAIN」(以下「MAIN部分」という。)の文字(語)は、「主要な」等の意味を有し我が国において日常的に広く用いられ、親しまれている「メイン」の文字(語)に相当する「MAIN」の語として、ひとまとまりの単語であると強く認識されるというべきである。 イ O!Oi部分 本件商標の構成中「O!Oi」(以下「O!Oi部分」という。)の文字が、辞書等に載録された語、あるいは一般的に用いられている語であると認めるに足りる証拠はないから、「O!Oi部分」は、特定の意味合いを有しない一種の造語であるというべきであって、それゆえに、本願商標の構成中、平易な英単語のみからなる「MAIN部分」との対比において視覚的に目立つものである。 そして、被請求人が代表者を務めるファインドフォーム社は、その製品に「OIOI」、「OiOi」、「O!Oi」等の標章を付して販売するなどしており(甲27~甲30)、このような取引の実情を併せ考慮すると、「O!Oi部分」は、取引者、需要者に対し商品の出所識別標識としての印象を強く与えるものであると認めるのが相当である。 ウ MAIN部分 本件商標の構成中「MAIN」の語(文字)は、前記アのとおり、「主要な」等という意味を有する英単語であり、かつ、それが多くの場合、形容詞として他の語を修飾するために広く用いられている語であることは、公知の事実である。 これに対して、前記イのとおり、本件商標の構成中「O!Oi」の語が特定の意味合いを有しない一種の造語であり、視覚的に目立つものであって、取引の実情(甲27~甲30)において商品の出所識別標識としての印象を強く与えるような形で使用されているのに対し、「MAIN」の語については、そのような事情は見当たらない。 すなわち、MAIN部分は、「MAIN」の語の通常の意味に照らしても、取引の実情においても、商品の出所識別標識としての印象は、O!Oi部分が与える印象と比較しても、相当程度に弱いというべきである。 エ 小括 以上によると、本件商標の「O!Oi部分」は、取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるといえ、本件商標の構成を考慮しても、本件商標を構成する「O!Oi部分」及び「MAIN部分」は、いずれかを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほどに不可分的に結合していると認められないから、本件商標については、その構成部分の一部である「O!Oi部分」を要部として抽出し、「O!Oi部分」をもって各引用商標と比較して商標の類否を判断することも許されると解するのが相当である。 そして、本件商標の構成中「O!Oi部分」は、その構成文字に相応して「オーオイ」又は「オーオーアイ」の称呼を生じ得るものであり、他方、当該文字部分は辞書等に載録されている語等を構成するものではなく、上記のとおり生じ得る称呼からも特段の意味合いを見いだせないことからすれば、当該「O!Oi部分」からは特定の観念を生じないものといえる。 以上よりすると、本件商標は、その構成文字全体に相応して、「オーオイメイン」又は「オーオーアイメイン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないほか、「O!Oi部分」の構成文字に相応して「オーオイ」又は「オーオーアイ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 (3)引用商標について 引用商標3は、別掲3のとおり、赤色の丸ゴシック体の文字で、同じ大きさ、等しい間隔で「OIOI」と横書きしてなるものであるから、その構成文字に相応して「オーアイオーアイ」又は「オイオイ」の称呼を生じるほか、上記2において認定した事実関係によると、請求人標章は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、一般消費者を含むファッション・アパレル関係の取引者、需要者において著名な商標であったと認められるから、色彩を異にするものの請求人標章と同一の構成態様からなる引用商標3からは、「マルイ」の称呼も生じ、請求人等のブランドとしての「丸井(マルイ)のマーク」の観念も生じるものと認められる。 (4)本件商標と引用商標3との類否について 本件商標と引用商標3との類否を検討すると、両商標の外観を比較すれば、全体の構成が明らかに異なるものの、本件商標の要部である「O!Oi」と引用商標3とは、いずれもゴシック体にて4つの文字又は記号を書してなり、1字目と3字目はいずれも「O」の欧文字を共通にしており、2字目は「!」の記号と「I」の欧文字、4字目は「i」と「I」の各欧文字と、異なる文字又は記号が使用されているが、いずれも1本の縦線又は1本の縦線とその延長線上にある点により構成される点において形状が類似している。 加えて、当該文字部分を構成する各文字の字間を含めた配列も近似している。 そうすると、両者の外観は、子細に見ると異なる部分はあるが、時と場所とを異にする離隔的観察の下では、互いに相紛らわしいというべきである。 また、本件商標から生じる「オーオイメイン」又は「オーオーアイメイン」の称呼と引用商標3から生じる「オーアイオーアイ」、「オイオイ」又は「マルイ」の称呼とは、構成音及び構成音数に明らかな差異があることから、互いに聞き誤るおそれはないものの、本件商標の要部である「O!Oi」の部分から生じる「オーオイ」又は「オーオーアイ」の称呼と引用商標3から生じる「オーアイオーアイ」、「オイオイ」を比較すると、「オーオーアイ」の称呼と「オーアイオーアイ」の称呼とは本件商標の2音目及び3音目の「アイ」の音の有無の差異を有するもの、比較的長い称呼にあって、語頭部の「オー」と語尾部の「オーアイ」の称呼を共通とするもので、多くの音を共通にすることから、称呼において類似するものといい得るものであり、本件商標の「オーオイ」の称呼と引用商標3の「オイオイ」の称呼とは2音目において長音と「イ」の音の差異を有するものの、語頭の「オ」及び語尾部の「オイ」の音を共通にすることから、称呼において類似するものといい得るものである。 次に、本件商標及び本件商標の要部である「O!Oi」からは特段の観念を生じないのに対して、引用商標3からは請求人等のブランドとしての「丸井(マルイ)のマーク」との観念を生じるので、両者は、観念において相紛れるおそれがない。 そうすると、本件商標と引用商標3とは、観念において相紛れるおそれはないとしても、外観及び称呼において相紛らわしいものであるから、これらを総合的に考慮すると、本件商標及び引用商標が同一又は類似の商品に使用された場合には、当該商品の出所を誤認混同するおそれがあるというべきである。 (5)本件商標の指定商品と引用商標3の指定商品の類否について ア 本件商標の指定商品中、第9類「携帯電話機用ストラップ,携帯電話機用ケース,スマートフォン用保護フィルム,スマートフォン用自撮り棒,統合増幅器をもったサウンドミキサー,電力増幅器,ヘッドフォン,ワイヤレススピーカー,スピーカー,携帯通信端末装置,携帯電話機」は、引用商標3の指定商品中、第9類「電気通信機械器具」と同一又は類似の商品である。 イ 本件商標の指定商品中、第9類「スマートフォン用保護フィルム,スマートフォン用自撮り棒」は、引用商標3の指定商品中、第9類「電子応用機械器具及びその部品」と同一又は類似の商品である。 ウ 本件商標の指定商品中、第9類「USBケーブル」は、引用商標3の指定商品中、第9類「電線及びケーブル」と同一又は類似の商品である。 エ 本件商標の指定商品中、第9類「サングラス,眼鏡」は、引用商標3の指定商品中、第9類「眼鏡」と同一又は類似の商品である。 オ 本件商標の指定商品中、第9類「電池」は、引用商標3の指定商品中、第9類「電池」と同一の商品である。 カ 本件商標の指定商品中、第18類「かばん類,かばん用革製アクセサリー,革製かばん,革製名刺入れ,擬革製かばん,革製旅行かばん,多目的かばん,登山用バッグ,ベルトバッグ,ヒップバッグ,買物袋,旅行用衣服かばん,財布,通学用かばん,ポーチ,革製肩掛けベルト,袋型ベビーキャリー」は、引用商標3の指定商品中、第14類「貴金属製のがま口及び財布」及び第18類「かばん類,袋物」と同一又は類似の商品である。 キ 本件商標の指定商品中、第18類「携帯用化粧道具入れ」は、引用商標3の指定商品中、第3類「つけづめ,つけまつ毛」、第8類「ひげそり用具入れ,ペディキュアセット,まつ毛カール器,マニキュアセット」、第10類「耳かき」、第14類「貴金属製コンパクト」、第18類「携帯用化粧道具入れ」、第21類「化粧用具」及び第26類「つけあごひげ,つけ口ひげ,ヘアカーラー(電気式のものを除く。)」と同一又は類似の商品である。 ク 本件商標の指定商品中、第18類「傘」は、引用商標3の指定商品中、第18類「傘」と同一の商品である。 ケ 本件商標の指定商品中、第18類「袋型ベビーキャリー」及び第25類「被服,コート,ジャンパー,ワンピーススーツ,ブルージーンズ地の被服,半ズボン,外衣,下着,シャツ,スポーツコート,作業服,新生児用被服,子供服,帽子,皮革製被服,手袋(革製・獣皮製又は毛皮製を含む。),半袖シャツ,アロハシャツ,靴下,パンティストッキング」は、引用商標3の指定商品中、第25類「被服」と同一又は類似の商品である。 コ 本件商標の指定商品中、第25類「履物」は、引用商標3の指定商品中、第25類「履物」と同一の商品である。 サ 本件商標の指定商品中、第25類「革製ベルト」は、引用商標3の指定商品中、第25類「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」及び第26類「腕止め」と同一又は類似の商品である。 (6)小括 以上のとおり、本件商標と引用商標3とは類似する商標であって、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 4 被請求人の主張について 被請求人は、本件商標は「O!OiMAIN」の文字を斜体で横書きしてなり、同書同大等間隔でまとまりよく一体に表されているものであって、その構成中「MAIN」の文字部分は「主要な」等を意味する英語として認識されているものの、全体としては辞書等に載録されている語ではなく、また、特定の意味合いを有するものとして認識されているというような事情もないから、一種の造語として認識されるものであることに加え、本件商標の「O!Oi」の文字部分については、「オーアイオーアイ」と称呼されるものである(乙1~乙5)から、その構成全体をもって「オーアイオーアイメイン」との称呼を生じ、特定の観念を生じない造語よりなるものである旨主張する。 しかしながら、上記3(2)のとおり、本件商標は、その構成中「MAIN部分」の文字が、「主要な」等の意味を有し我が国において日常的に広く用いられ、親しまれている「メイン」の文字(語)に相当する「MAIN」の語として、ひとまとまりの単語であると強く認識されるというべきであり、かつ、それが多くの場合、形容詞として他の語を修飾するために広く用いられている語であるから、MAIN部分は、商品の出所識別標識としての印象は、O!Oi部分が与える印象と比較しても、相当程度に弱いというべきである。 これに対して、本件商標の構成中「O!Oi部分」の語が特定の意味合いを有しない一種の造語であり、視覚的に目立つものであって、取引の実情(甲27~甲30)において商品の出所識別標識としての印象を強く与えるような形で使用されているのに対し、「MAIN」の語については、そのような事情は見当たらず、「O!Oi」の文字が、辞書等に載録された語、あるいは一般的に用いられている語であると認めるに足りる証拠はないから、「O!Oi部分」は、特定の意味合いを有しない一種の造語であるというべきであって、それゆえに、本願商標の構成中、平易な英単語のみからなる「MAIN部分」との対比において視覚的に目立つものであり、取引者、需要者に対し商品の出所識別標識としての印象を強く与えるものであると認めるのが相当である。 そうすると、本件商標の「O!Oi部分」は、取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるといえ、本件商標の構成を考慮しても、本件商標を構成する「O!Oi部分」及び「MAIN部分」は、いずれかを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほどに不可分的に結合していると認められないから、本件商標については、その構成部分の一部である「O!Oi部分」を要部として抽出し、この部分のみを他人の商標と比較して商標の類否を判断することが許されるというべきである。 そして、本件商標の構成中「O!Oi部分」は、その構成文字に相応して「オーオイ」又は「オーオーアイ」の称呼を生じ得るものであり、他方、当該文字部分は辞書等に載録されている語等を構成するものではなく、上記のとおり生じ得る称呼からも特段の意味合いを見いだせないことからすれば、本件要部からは特定の観念を生じないものといえる。 以上よりすると、本件商標は、その構成文字全体に相応して、「オーオイメイン」又は「オーオーアイメイン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないほか、「O!Oi」の構成文字に相応して「オーオイ」又は「オーオーアイ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 そうしてみると、上記3(4)のとおり、本件商標と引用商標3とは、観念において相紛れるおそれはないとしても、外観及び称呼において相紛らわしいものであるから、これらを総合的に考慮すると、本件商標及び引用商標3が同一又は類似の商品に使用された場合には、当該商品の出所を誤認混同するおそれがあるというべきである。 以上のとおり、本件商標は、その商標登録出願の日前の商標登録出願に係る他人の登録商標である引用商標3と類似するもので、引用商標3の指定商品と同一又は類似する商品を指定商品とするものであるから、引用商標1、引用商標2及び引用商標4ないし引用商標12との類否について判断するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当する。 したがって、被請求人の上記主張は採用できない。 5 むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その余の無効事由について判断するまでもなく、その登録は、同条第1項の規定に違反してされたものであるから、同法第46条第1項の規定に基づき、その登録を無効とすべきである。 よって、結論のとおり審決する。

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2021-890032

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