商標無効審判
2021-890015
ウイッシャック、ウイシャック
- 審判番号
- 2021-890015
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 無効審判(無効の審決)
- 出願番号
- 商願2020-059294
- 登録番号
- 6307314
- 請求日
- 2021年04月14日
- 審決日
- 2023年06月20日
- 公報発行日
- 2024年04月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】深▲セン▼市恒生科技有限公司
- 【請求人代理人】坪内 康治
- 【被請求人】岳 ▲帥▼
- 審判長/審判官
- 審判長 矢澤 一幸
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 阿曾 裕樹
- 分類
- T111 .261-Y (W20) / T111 .262-Y (W20) / T111 .263-Y (W20)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第6307314号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6307314号商標(以下「本件商標」という。)は、「wishacc」の文字を標準文字で表してなり、令和2年5月12日に登録出願、第20類「わら製マットレス,ベッド,寝台,貯蔵・輸送用コンテナ(金属製のものを除く。),本箱,おもちゃ箱,輸送用コンテナ(金属製のものを除く。),机,索引用戸棚(家具),指物細工品(家具),鏡,額縁,事務用家具,宝石整理用陳列棚,陳列台,ロッカー,額縁用飾り縁,スリーピングパッド,乳児用寝台,装飾用ビーズカーテン,食卓,いす,ベンチ,棚(家具),保管用棚,工具箱(金属製のものを除く。),ペット用クッション,スツール,寝具類(リネン製品を除く。),金属製家具,エアマットレス(医療用のものを除く。),エアベッド(医療用のものを除く。),ソファー,貯蔵容器(金属製のものを除く。),ファイリングキャビネット,洋服だんす,クッション,座布団,まくら,マットレス,木製・竹製又はプラスチック製の包装用容器,家具,食器戸棚,架台(家具),ショーケース(家具),収納箱(金属製のものを除く。)」を指定商品として、同年10月14日に登録査定、同月22日に設定登録されたものである。
第2 請求人が引用する商標
請求人が、本件商標の登録の無効の理由において、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する登録商標は以下の1及び2のとおりである。
1 登録第2334164号商標(以下「引用商標1」という。)
引用商標1は、別掲1のとおりの構成よりなり、昭和63年11月7日に登録出願、第20類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成3年9月30日に設定登録されたものであり、その後、書換登録により、その指定商品は、第6類「金属製立て看板,金庫,金属製の可搬式家庭用温室,金属製の墓標及び墓碑用銘板,金属製靴ぬぐいマット,金属製ブラインド,金属製建具」、第14類「記念カップ,記念たて,貴金属製の花瓶及び水盤,貴金属製宝石箱」及び第20類「アドバルーン,木製又はプラスチック製の立て看板,すだれ,装飾用ビーズカーテン,つい立て,びょうぶ,ベンチ,家具,食品見本模型,人工池,葬祭用具」となったものであり、引用商標1の閉鎖商標登録原簿によれば、その商標権の登録は、令和3年9月30日に存続期間満了により抹消となり、抹消の登録が同4年6月8日にされたものである。
2 登録第4419590号商標(以下「引用商標2」という。)
引用商標2は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成11年11月29日に登録出願、第14類「貴金属,貴金属製食器類,貴金属製のくるみ割り器・こしょう入れ・砂糖入れ・塩振出し容器・卵立て・ナプキンホルダー・ナプキンリング・盆及びようじ入れ,貴金属製の花瓶及び水盤,貴金属製針箱,貴金属製宝石箱,貴金属製のろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製のがま口及び財布,貴金属製靴飾り,貴金属製コンパクト,貴金属製喫煙用具,身飾品(「カフスボタン」を除く。),カフスボタン,宝玉及びその模造品,宝玉の原石,時計,記念カップ,記念たて,キーホルダー」を指定商品として、同12年9月22日に設定登録されたものである。
なお、「引用商標1」及び「引用商標2」をまとめて「引用商標」という。
第3 請求人の主張
請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を、審判請求書において、要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録は、同法第46条第1項第1号により無効にすべきである。
(1)本件商標
本件商標は、「wishacc」の文字を横書きしてなるところ、「wishacc」のうち、「wish」は「~を切望する、~を強く望む」を意味する英単語であり、義務教育である中学校の英語で習う英単語である。
また、フレーズ「I wish I ‘were’a bird」と叫ぶテレビコマーシャルが長期間にわたり放送され、消費者は「wish」の意味を理解しており、「wish」は辞書にも掲載された単語であり、ありふれたものである。
一方、「wishacc」のうち、「acc」は、例えば、1.=activated carbon cloth 活性炭布 2.=activated charcoal cloth 活性炭布 3.=Adaptive Cruise Control 適応走行制御 4.=Allied CM Council CM合同研究会 ◆1960年発足。1963年、全日本CM協議会へ改組 5.=alveolar cell cancer 肺胞上皮がん、肺胞細胞がん 6.=American Chemistry Council 米国化学工業協会 7.=American College of Cardiology 米国心臓病学会など、特定の名称や組織名の略称として使用されている。
以上より、「wishacc」のうち、「wish」は識別力を発揮せず、「acc」が識別力を発揮するから、「wishacc」の要部は「acc」である。
(2)引用商標1
引用商標1は、丸い円の中に大きな太文字で「ACC」があり、右下に小さく「INTERNATIONAL」があり、「ACC」と「INTERNATIONAL」の間に旗の絵がある構成よりなり、「INTERNATIONAL」は、「国際的な」という意味の英単語であり、細字の字体で右下に小さく記載され、特段、識別力を発揮するものではなく、旗の絵もありふれた旗であり、特段、識別力を発揮するものではないから、引用商標1の要部は、丸い円の中心に大きな太文字で記載された「ACC」である。
(3)引用商標2
引用商標2は、大きな字体で「ACC」が上段に記載され、その下に、「ACC」のそれぞれの頭文字を構成する単語「ALTO/CAMPO/COMPANY」がそれぞれ改行して小さな字体で記載されているから、引用商標2の要部は、「ALTO/CAMPO/COMPANY」の頭文字である大きな字体で記載された「ACC」である。
(4)本件商標と引用商標との類否
ア 商標の類否
以上のように、本件商標の要部は「acc」であり、称呼は「エイシイシイ(エーシーシー)」である。引用商標の要部は、「ACC」であり、称呼は「エイシイシイ(エーシーシー)」である。
このように、本件商標の要部の称呼と、引用商標の要部の称呼は共通である。
また、本件商標の要部と、引用商標の要部から生じる観念も、英文字の小文字であるか大文字であるかという表記の相違のみであり、英文字字体は共通するため、観念も共通する。
したがって、本件商標と、引用商標とは類似の商標である。
イ 指定商品について
本件商標の指定商品の類似群コードと、引用商標の指定商品の類似群コードとは共通しており、同一又は類似の商品を指定している。
ウ 結論
本件商標と、引用商標とは、外観が相違するとしても「エイシイシイ(エーシーシー)」の称呼及び「acc」(「ACC」)の観念を共通にする類似の商標であり、その指定商品も同一又は類似する商品である。
(5)その他
wishacc商標は、請求人が2017年から多くの国で登録しており、2017年5月23日に欧州で、第9類、第11類、第18類において商標を登録し、2018年1月2日、米国で、第9類において商標を登録し、すでに商標証がある。2018年3月16日、我が国でも、第9類で登録されている。
また、請求人は、当該商標を使用しており、アマゾンのプラットフォームを通じて商品を販売し、消費者に人気がある。
我が国のウェブサイトの製品の出品は2018年7月17日であり、2019年と2020年には良好な注文実績がある。
(6)むすび
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
第4 被請求人の主張
上記第3の請求人の主張に対して、被請求人は何ら答弁していない。
第5 当審の判断
請求人が本件審判を請求するにつき、利害関係を有することについては、当事者間に争いがないので、本案に入って審理する。
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、上記第1のとおり、「wishacc」の欧文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は、同じ書体、同じ大きさで、間隔を空けずに外観上まとまりよく一体的に表されているものである。
また、本件商標は、その構成文字全体に相応して、「ウイシャック」などの称呼を生じるものであり、かつ、当該称呼は、無理なく一連に称呼し得るものである。
そして、本件商標の構成中「wish」の文字は、申立人が主張する「~を切望する、~を強く望む」の意味を有する英語であるとしても、本件商標の指定商品との関係において、これが直ちに、商品の種別名等を表すものとして自他商品の出所識別標識としての機能を欠くと判断すべき特別な事情はないことから、本件商標に接する取引者、需要者は、その構成中の「wish」の文字を捨象し、「acc」の文字のみに着目する合理的理由はなく、本件商標の構成全体をもって一体不可分の語と把握、認識するとみるのが相当である。
また、本件商標の構成中「acc」の文字及び構成全体の「wishacc」の文字は、いずれも一般の辞書等に載録されている語ではないから、特定の意味合いを想起させるものではない。
したがって、本件商標は、その構成文字全体に相応して「ウイシャック」の称呼を生じるが、特定の観念は生じない。
(2)引用商標について
ア 引用商標1について
引用商標1は、別掲1のとおり、円形内に、大きく「ACC」の欧文字、当該文字の下に近接して、旗の図形(以下「旗図形」という。)を配し、その右下に円形の輪郭に沿い、旗図形のさお部分から旗先部分の間に収まるように小さく「INTERNATIONAL」の欧文字を配した構成よりなるところ、「ACC」の文字と「INTERNATIONAL」の文字の大きさが異なるとしても、引用商標1を構成する「ACC」の文字、旗図形及び「INTERNATIONAL」の文字の各要素は、円形内にまとまりよく配置されているものである。
また、引用商標1は、その構成文字全体に相応して、「エーシーシーインターナショナル」の称呼を生じるものであり、かつ、当該称呼は、無理なく一連に称呼し得るものである。
そうすると、引用商標1に接する取引者、需要者は、その構成中の「ACC」の文字のみに着目するというよりもむしろ、その構成全体をもって一体不可分のものと把握、認識するとみるのが相当である。
そして、引用商標1の構成中「ACC」の文字及び構成文字全体の「ACC INTERNATIONAL」の文字は、いずれも一般の辞書等に載録されている語ではないから、特定の意味合いを想起させるものではない。
したがって、引用商標1は、構成文字に相応して、「エーシーシーインターナショナル」の称呼を生じるが、特定の観念は生じない。
イ 引用商標2について
引用商標2は、別掲2のとおり、黒塗りの正方形内に、「ACC」(3文字目の「C」は、白塗りの円で囲まれている。以下、同じ。)、「ALTO」、「CAMPO」及び「COMPANY」の欧文字を四段に配してなるところ、「ACC」の文字が「ALTO」、「CAMPO」及び「COMPANY」の文字とやや大きさが異なるとしても、引用商標2を構成する構成各文字は、いずれも同じ書体で表され、「ALTO」、「CAMPO」及び「COMPANY」の文字は、正方形内に、文字の高さ、語頭及び語尾の位置を揃え、「ACC」の文字の下にまとまりよく配置されているものである。
また、引用商標2は、その構成文字全体に相応して、「エーシーシーアルトカンポカンパニー」の称呼を生じるものであり、かつ、当該称呼は、無理なく一連に称呼し得るものである。
そうすると、引用商標2に接する取引者、需要者は、その構成中の「ACC」の文字のみに着目するというよりむしろ、その構成全体をもって一体不可分のものと把握、認識するとみるのが相当である。
そして、引用商標2の構成中「ACC」の文字及び構成文字全体の「ACC ALTO CAMPO COMPANY」の文字は、いずれも一般の辞書等に載録されている語ではないから、特定の意味合いを想起させるものではない。
したがって、引用商標2は、その構成文字に相応して、「エーシーシーアルトカンポカンパニー」の称呼を生じるが、特定の観念は生じない。
(3)本件商標と引用商標の類否について
ア 本件商標と引用商標1の類否について
本件商標と引用商標1を比較すると、外観においては、図形部分の有無の差異に加え、構成文字も明らかに異なる語を表してなるから、明確に区別できるものである。
次に、称呼においては、本件商標から生じる「ウイシャック」の称呼と、引用商標1から生じる「エーシーシーインターナショナル」の称呼とは、その音構成及び構成音数が明らかに相違することから、明瞭に聴別し得るものである。
さらに、観念においては、本件商標及び引用商標1は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、比較することができない。
したがって、本件商標と引用商標1とは、観念において比較することができないとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
イ 本件商標と引用商標2の類否について
本件商標と引用商標2を比較すると、外観においては、図形部分の有無の差異に加え、構成文字も明らかに異なる語を表してなるから、明確に区別できるものである。
次に、称呼においては、本件商標から生じる「ウイシャック」の称呼と、引用商標2から生じる「エーシーシーアルトカンポカンパニー」の称呼とは、その音構成及び構成音数が明らかに相違することから、明瞭に聴別し得るものである。
さらに、観念においては、本件商標及び引用商標2は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、比較することができない。
したがって、本件商標と引用商標2とは、観念において比較することができないとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(4)小括
以上のとおり、本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから、本件商標の指定商品が引用商標の指定商品と同一又は類似であるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号にも該当するものではなく、その登録は、同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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