意匠無効審判
2021-880009
側溝用ブロック
- 審判番号
- 2021-880009
- 法域
- 意匠
- 審判種別
- 無効審判(無効の審決)
- 出願番号
- 意願2019-027744
- 登録番号
- 1670469
- 請求日
- 2021年06月25日
- 審決日
- 2022年05月11日
- 公報発行日
- 2022年12月28日
- 結論
- 請求成立(無効)
- 当事者
- 【請求人】會澤高圧コンクリート 株式会社
- 【請求人代理人】小林 浩
- 【請求人代理人】網野 精一
- 【請求人代理人】岩間 智女
- 【請求人代理人】大石 倫太郎
- 【被請求人】D.C.T新興工材北海道 株式会社
- 【被請求人代理人】津久井 照保
- 審判長/審判官
- 審判長 小林 裕和
- 審判官 内藤 弘樹
- 審判官 外山 雅暁
- 分類
- D1113. -Z (L2-4)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 意匠法第3条、意匠法第48条、意匠法第52条、特許法第169条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の意匠登録第1670469号「側溝用ブロック」の意匠登録無効審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
意匠登録第1670469号の登録を無効とする。
審判費用は被請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本件意匠登録第1670469号の意匠(以下「本件登録意匠」という。)は、令和元年(2019年)12月13日に意匠登録出願(意願2019-27744)されたものであって、令和2年(2020年)9月15日付けで登録査定がなされ、同年9月30日に意匠権の設定の登録がされた後、同年10月19日に意匠公報が発行さ、その後、当審において、概要、以下の手続を経たものである。
令和3年(2021年) 6月25日付け 審判請求書の提出
同年 12月15日付け 上申書の提出(被請求人)
令和4年(2022年) 2月 8日付け 上申書の提出(請求人)
同年 2月15日付け 書面審理通知書
同年 2月17日付け 無効理由通知書
同年 2月17日付け 職権審理結果通知書
第2 請求の趣旨及び理由
本件無効審判の請求の趣旨は「登録第1670469号意匠の登録を無効とする 審判費用は被請求人の負担とする との審決を求める。」というものであり、その理由として、「本件登録意匠は、意匠登録出願前に日本国内において頒布された刊行物である甲1号証に記載された意匠であるか、又はこれと類似する意匠であり、意匠法3条1項2号又は同項3号により意匠登録を受けることができないものであるから、同法48条第1項1号により無効とすべきである。」と主張した。
第3 被請求人の答弁
審判長は、被請求人に対し、審判請求書の副本を送達し、期間を指定して答弁書の提出を求めたが、これに対し、被請求人は、令和3年12月15日付けで上申書を提出し、答弁しない旨、回答した。
第4 書面審理
被請求人は、令和3年12月15日付けで提出した上申書において、書面審理を希望する旨上申し、請求人は、令和4年2月8日付けで上申書を提出し、書面審理を希望する旨上申した。
当審は、本件審判について、請求人及び被請求人の申出に応じて、令和4年2月15日付けで書面審理に付する旨の通知を両当事者に通知した。
第5 当審の無効理由通知
当審は、請求人及び被請求人の主張について審理し、更に請求人が申し立てない理由についても審理したところ、本件登録意匠の意匠登録に無効理由を発見したので、その無効理由を、被請求人に対して、令和4年2月17日付け無効理由通知書により通知し、期間を指定して意見書の提出を求めたが、被請求人からの応答はなかった。併せて、その審理の結果を、請求人に対して、同日付け職権審理結果通知書により通知し、期間を指定して意見書の提出を求めたが、請求人からの応答はなかった。
この無効理由通知書及び職権審理結果通知書により通知した無効理由は、同内容であり、本件登録意匠が、その出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された意匠又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記2の意匠(以下「引用意匠」という。)に類似し、意匠法3条1項3号の意匠(先行の公知意匠に類似するため、意匠登録を受けることのできない意匠)に該当するから、本件の意匠登録が同法同条同項の規定に違反してされたものであり、意匠法48条1項1号に該当し無効とすべきものであるとの理由であり、具体的には以下のとおりである。
1 本件登録意匠(別紙第1参照)
本件登録意匠は、意匠に係る物品を「側溝用ブロック」とし、その形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形状等」という。)を、願書及び願書に添付した図面に記載されたとおりとするものである。
(1)本件登録意匠の意匠に係る物品
本件登録意匠の意匠に係る物品は、道路脇に設置し水路として使用される「側溝用ブロック」である。
(2)本件登録意匠の形状等
ア 基本的構成態様
全体は、左右側面の外形を略正方形とする略横長四角柱形で、側面視略中央に略円形の貫通孔を設けて流水路とし、上面中央に長手方向に沿って略横長帯状のスリットを形成し、上面の背面側に長手方向に沿って側面視略横長長方形の突条を背面と面一に設けて縁石としたものであって、正背面の下端のうち中央及び両端の一部を残して大きく傾斜状に切り欠いている。
イ 各部の態様
(ア)上面の態様
スリットの正面側の縁に沿って小さな突起を形成し、縁石の上面を若干正面側に傾斜している。
(イ)側面の態様
各部の比率について、正面側、背面側の高さ及び横の長さの比率は約0.9:1.1:1で、貫通孔の径は横の長さの約3/5で、スリット幅は横の長さの約1/6である。
左側面について、流水路の周縁に沿って略「U」字状のごく浅い細溝を形成している。
(ウ)底面の態様
周縁を小さく斜めに面取りしている。
2 引用意匠(別紙第2参照)
(1)引用意匠の意匠に係る物品
引用意匠の意匠に係る物品は、道路脇に設置し水路として使用される「一般道用トンネル側溝」である。
(2)引用意匠の形状等
ア 基本的構成態様
全体は、左右側面の外形を略正方形とする略横長四角柱形で、側面視略中央に略円形の貫通孔を設けて流水路とし、上面中央に長手方向に沿って略横長帯状のスリットを形成し、上面の背面側に長手方向に沿って側面視略横長長方形の突条を背面と面一に設けて縁石としたものであって、正背面の下端のうち中央及び両端の一部を残して大きく傾斜状に切り欠いている。
イ 各部の態様
(ア)上面の態様
スリットの正面側の縁に沿って小さな突起を形成し、縁石の上面を若干正面側に傾斜している。
(イ)側面の態様
各部の比率について、正面側、背面側の高さ及び横の長さの比率は約1:1.14:1で、貫通孔の径は横の長さの約3/5で、スリット幅は横の長さの約1/6である。
左右側面について、両端中央に略矩形状の切欠きを形成している。
左側面について、流水路の周縁に沿って略「U」字状のごく浅い細溝を形成している。
(ウ)底面の態様
周縁を小さく斜めに面取りしている。
3 本件登録意匠と引用意匠の対比
(1)意匠に係る物品
本件登録意匠と引用意匠(以下「両意匠」という。)は、表記は異なるが、いずれも、道路脇に設置し水路として使用される側溝用のブロックであるから、一致する。
(2)形状等
ア 共通点
(ア)基本的構成態様について、全体は、左右側面の外形を略正方形とする略横長四角柱形で、側面視略中央に略円形の貫通孔を設けて流水路とし、上面中央に長手方向に沿って横長帯状のスリットを形成し、上面の背面側に長手方向に沿って側面視略横長長方形の突条を背面と面一に設けて縁石としたものであって、正背面の下端のうち中央及び両端の一部を残して大きく傾斜状に切り欠いている点、
(イ)上面の態様について、スリットの正面側の縁に沿って小さな突起を形成し、縁石の上面を若干正面側に傾斜している点、
(ウ)左側面の態様について、流水路の周縁に沿って略「U」字状のごく浅い細溝を形成している点、
(エ)底面の態様について、周縁を小さく斜めに面取りしている点において共通している。
イ 相違点
(ア)側面における正面側、背面側の高さ及び横の長さの比率について、本件登録意匠は、約0.9:1.1:1であるのに対し、引用意匠は、約1:1.14:1で、引用意匠の方がわずかに縦長である点、
(イ)左右側面の態様について、引用意匠は、両端中央に略矩形状の切欠きを形成しているのに対し、本件登録意匠は切欠きを形成していない点において相違する。
4 類否判断
(1)意匠に係る物品
両意匠の意匠に係る物品は、いずれも道路脇に設置して使用する側溝用のブロックであるから、同一である。
(2)形状等
両意匠の共通点は、いずれも両意匠の全体の形状等を特徴付けるものであり、需要者に共通の美感を起こさせるものであるから、両意匠の類否判断に与える影響は大きい。
一方、両意匠の相違点は、いずれも常套的になされる改変の範囲内のものか、部分的な相違に過ぎないものであるから、上記の共通点を圧して需要者に別異の美感を起こさせるほどのものではなく、両意匠の類否判断に与える影響は小さい。
したがって、両意匠は、意匠に係る物品が同一で、その形状等においても類似するものであるから、本件登録意匠は引用意匠に類似する。
第6 むすび
以上のとおり、本件登録意匠は、意匠法3条1項3号に掲げる意匠に該当し、同項柱書の規定に違反して登録されたものであるから、本件の意匠登録は、意匠法48条1項1号に該当し、無効とすべきものである。
審判に関する費用については、意匠法52条で準用する特許法169条2項で準用する民事訴訟法61条の規定により、被請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
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