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商標異議申立

2021-685021

マック、エムエイケイ

審判番号
2021-685021
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
—
請求日
2021年12月20日
審決日
2022年08月25日
公報発行日
2022年12月28日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】Michael Wiss
  • 【権利者代理人】岩瀬 ひとみ
  • 【権利者代理人】八木 智砂子
  • 【異議申立人】マクドナルド インターナショナル プロパティー カンパニー リミテッド
  • 【異議申立人代理人】又市 義男
審判長/審判官
  • 審判長 大森 友子
  • 審判官 岩崎 安子
  • 審判官 清川 恵子
分類
T1651.25 -Y (W30) / T1651.261-Y (W30) / T1651.262-Y (W30) / T1651.263-Y (W30) / T1651.271-Y (W30)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第10号、商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号、商標法第4条第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

国際商標登録第1489892号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

国際商標登録第1489892号商標の商標登録を維持する。

理由

第1 本件商標 国際登録第1489892号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの態様で表してなり、2019年2月28日Australiaにした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張して、2019年(令和元年)8月26日に国際登録出願、第30類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、令和3年8月24日に登録査定され、同年10月8日に設定登録されたものである。 なお、本件商標は、2022年(令和4年)4月20日に国際登録簿に記録された領域指定の放棄による抹消の記録の通報がなされたものである。 第2 登録異議申立人が引用する商標等 1 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する商標は次のとおりであり、現に有効に存続しているものである。以下、これらをまとめて「引用商標」という。 (1)登録第5101750号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の態様:別掲2のとおり 指定商品 :「コーヒー」を含む第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品 登録出願日:平成19年5月2日 設定登録日:平成19年12月28日 (2)登録第5422608号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の態様:McCAFE(標準文字) 指定商品 :「コーヒー」を含む第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品 登録出願日:平成23年1月24日 設定登録日:平成23年7月1日 (3)登録第5422611号商標(以下「引用商標3」という。) 商標の態様:マックカフェ(標準文字) 指定商品 :「コーヒー」を含む第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品 登録出願日:平成23年1月24日 設定登録日:平成23年7月1日 2 申立人が、本件商標が商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に該当するとして引用する標章は、「マック」、「MAC」及び「Mc」(以下、これらをまとめて「引用標章」という場合がある。)であって、日本マクドナルド株式会社(以下「日本マクドナルド社」という。)が、ハンバーガー、ポテト、コーヒー等及びそれら飲食物の提供(ファースト・フードビジネス)に使用して広く認識されていると主張するものである。 なお、申立人は、上記引用標章のほかに「「マック」の称呼」をも引用しているが、商標法第4条第1項第10号及び同項第15号で引用の対象とされるのは、商標又は標章であることから、当合議体は上記のように認定した。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は同法第43条の3第2項(決定注:同法第43条の2第1号の誤記と認める。)により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。 1 商標法第4条第1項第11号について 本件商標と引用商標は、それぞれ「コーヒー」を指定商品としており、指定商品において抵触する。 称呼においては、引用商標からは、「マックカフェ」の称呼が生じる。一方、単語の「Cafe」、「CAFE」及び「カフェ」はフランス語でコーヒーを意味することは、日本においては顕著な事実となっている。したがって、指定商品「コーヒー」との関係において、引用商標中の「Cafе」、「CAFE」及び「カフェ」の語は顕著性を有さず、引用商標の要部は「Mc」及び「マック」であり、これらがいずれも「マック」と称呼されることは明らかである。 これに対して、本件商標は、黒地に「MAK」という欧文字を浮き彫りにした構成からなり、本件商標からは当然に「マク」又は「マック」の称呼が生じる。 したがって、本件商標から生じる「マック」の称呼は、引用商標の要部の称呼である「マック」と同一であり、本件商標と引用商標とは称呼において類似していること明らかである。 後述するように、「マック」という名称及び称呼は、コーヒー飲料の販売を含むマクドナルドのハンバーガー・レストラン・ビジネス及びその商品を意味するものとして、需要者間において広く使用され受容されているものでもあり、したがって、「マック」の称呼が生じる本件商標をコーヒー商品に使用すれば、需要者においてその商品はマクドナルドの商品であるかの誤認混同を生じさせることが明らかである。 よって、本件商標は商標法第4条第1項第11項に該当する。 2 商標法第4条第1項第10号について (1)申立人は、ハンバーガーのマクドナルドとして全世界で広く知られているマクドナルド・グループのための商標の取得・管理等のために設立されている米国法人である。日本におけるマクドナルドのハンバーガー・レストラン・ビジネスは、申立人の親会社である米国法人マクドナルド・コーポレーションからライセンスを受けた日本マクドナルド社により行なわれている。日本におけるマクドナルドのレストラン数は約3,000店を数え、日本全国において、コーヒーを含むマクドナルドの商品を提供している。 日本マクドナルド社は、日本において1971年からマクドナルドのレストラン・ビジネスを開始し、以後一貫して、引用標章及びそれらと一般名称との結合とからなる多くの商標を使用している。その使用対象は、各種のハンバーガー、フライドポテト、コーヒードリンク等、それらのコンビネーションからなるセット商品(以下、これらを「マクドナルド商品」という。)、及び飲食物の提供(役務)等と極めて多岐にわたっており、これらはテレビ、ラジオ、新聞、雑誌、その他の宣伝広告文書、バナー広告、SNS、その他の多種のメディアを通して一貫して広く広告宣伝されてきている。その結果として、引用標章及びそれらと一般名称との結合とからなる多くの商標は需要者間において周知・著名となっている。 また、引用標章から生じる「マック」の称呼も、マクドナルドのビジネス及びその各種のマクドナルド商品を示すものとして需要者間において周知・著名となっている(甲5)。 このような事実からも、引用標章が、マクドナルドの営業主体や商品を示すものとして、需要者間において周知・著名となっている。 (2)申立人は、引用標章及びそれらと一般名称又は他の名称との結合とからなる多くの商標の登録(登録第2188713号 ほか80件余り)及びその使用により、引用標章及びそれらから生じる「マック」の称呼は、日本マクドナルド社が提供する各種商品に関してその需要者の間において極めて周知・著名となっていることは顕著な事実であり、これは、日本マクドナルド社が広く提供しているコーヒー商品についても同様である。 (3)本件商標は「MAK」という構成からなるため、「マック」の称呼が生じることは明白である。一方、申立人及びそのライセンシーである日本マクドナルド社が使用している、引用標章からは、当然に「マック」の称呼が生じ、それらは日本マクドナルド社が提供、販売しているコーヒー商品に関しても周知・著名となっているので、本件商標がその指定商品である「コーヒー」に使用されると、需要者をして、その商品はマクドナルドから許諾を受けたものであるとか、又はその他マクドナルドと何らかの関係を有する商品であるとの誤認混同を惹起せしめるおそれが極めて大きいものである。 したがって、本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当する。 3 商標法第4条第1項第15号について 引用標章及び「マック」の称呼が、「コーヒー」に関しては周知・著名性を取得しているとはいえないと仮定した場合であっても、引用標章及び「マック」の称呼は日本マクドナルド社がそのファースト・フード・ビジネスにおいて提供、販売している広範囲の飲食物及び役務に関して周知・著名となっており、「コーヒー」商品もそれらの飲食物及び役務に関してごく一般的に提供されている商品であることから、「コーヒー」商品に関して本件商標が使用されると、需要者をして、その商品はマクドナルドから許諾を受けたものであるとか、又はその他マクドナルドと何らかの関係を有する商品であるとの誤認混同を惹起せしめるおそれが極めて大きいことが明らかである。 したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号にも該当する。 第4 当審の判断 1 引用標章の周知性について 申立人の提出に係る証拠及び申立人の主張並びに職権調査によれば、以下のとおりである。 (1)「節約カルマ」と称するウェブサイトにおいて、2020年10月24日付け「マックを安く食べる方法ランキング/マクドナルドを半額で食べる裏技」の見出しの下、「学校帰りのマックを安くしたい!」「マクドナルドを安く食べるには?」との記載があることからすれば、日本マクドナルド社が販売又は提供する商品(飲食物)を「マック」と称している様子がうかがえる(甲5)。 (2)日本マクドナルド社が、「マック」、「MAC」及び「Mc」の各文字に他の文字を結合した商標を、ハンバーガー、ポテト、コーヒー等の商品又はそれらの提供に使用していることが確認できる(職権調査)。 (3)上記からすれば、日本マクドナルド社が、「マック」、「MAC」及び「Mc」の各文字(引用標章)に他の文字を結合した商標を、ハンバーガー、ポテト、コーヒー等といった飲食物やその提供に使用し、他方、日本マクドナルド社が販売又は提供する飲食物が需要者から「マック」と称されていることはうかがえる。 しかしながら、申立人は、引用標章の使用に係るハンバーガー、ポテト、コーヒー等の飲食物やその提供に関する広告宣伝について述べるにとどまり、広告宣伝の規模(広告の種類及び広告金額等)を何ら明らかにしておらず、また、上記飲食物やその提供に関する販売実績(販売エリア及び売上金額等)等の事実を裏付ける具体的な証拠の提出もないことからすれば、それらの詳細を確認できないものであるから、引用標章の周知性の程度を推し量ることができない。 そうすると、提出された証拠によっては、本件商標の国際登録出願時及び登録査定時において、引用標章が、日本マクドナルド社の業務に係る商品又は役務(ハンバーガー、ポテト、コーヒー等の飲食物やその提供)を表示するものとして、需要者の間に広く知られていたものと認めることはできない。 2 商標法第4条第1項第10号の該当性について 引用標章は、上記1のとおり、本件商標の国際登録出願時及び登録査定時において、日本マクドナルド社の業務に係る商品又は役務(ハンバーガー、ポテト、コーヒー等の飲食物やその提供)を表示するものとして、需要者の間に広く知られていたものと認めることはできない。 そうすると、商標法第4条第1項第10号適用のための要件を欠くものであるから、本件商標と引用標章の類否について検討するまでもなく、本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当しない。 3 商標法第4条第1項第11号の該当性について (1)本件商標について 本件商標は、黒塗りの四角形内に白く縁取りした「MAK」の文字を、別掲1のとおりの態様で表してなるものである。 そして、本件商標は、その「MAK」の文字に相応して、「エムエーケー」の称呼を生じ、当該文字は、一般の辞書に載録がなく、また何らかの意味合いを理解させるものでもないから、特定の観念は生じない。 なお、申立人は、本件商標から「マック」の称呼を生じる旨主張するも、その理由を明らかにしていないことに加え、職権調査をしても、「MAK」の文字より「マック」の称呼を生じるとみるべき事情は見いだせない。 (2)引用商標について ア 引用商標1 引用商標1は、「Mc Cafe(eの上にはアクサンテギュが付されている。以下同じ。)」の欧文字及び「マックカフェ」の片仮名を別掲2のとおりの態様で表してなり、かかる構成からすれば、下段の片仮名は上段の欧文字の読みを特定したものと認められるものであるから、これより「マックカフェ」の称呼が生じること明らかであり、当該称呼は、無理なく一連に称呼し得るものである。 また、引用商標1の構成中の「Mc」の文字は、「~の息子」の意味を有する「Mac」の略称として辞書等に載録されてはいるものの、直ちにその意味合いを理解するとはいい難く、一方「Cafe」の文字はフランス語で「コーヒー」などの意味を有するものの、「Mc Cafe」の欧文字全体としては、直ちに何らかの意味合いを理解させるものではない。 そして、「Mc」の文字は、上記1のとおり、日本マクドナルド社の業務に係る商品又は役務を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているものではないことから、取引者、需要者に対し商品及び役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものとはいえない。 そうすると、「Mc Cafe」の欧文字は、たとえ、その構成中「Cafe」の文字が「コーヒー」などの意味を有するとしても、かかる構成、称呼及び上記実情からすれば、該文字部分が指定商品の品質等を表示したものとして認識されるというよりはむしろ、「Mc Cafe」の欧文字全体で一体として認識、把握されるものである。 なお、片仮名「マックカフェ」は、上記のとおり欧文字の読みと認められるものであるから、片仮名全体でも一体であるというべきである。 したがって、引用商標1は、欧文字及び片仮名の構成文字全体で一体不可分のものであって、これより、「マックカフェ」の称呼のみを生じ、特定の観念は生じないと判断するのが相当である。 イ 引用商標2 引用商標2は、「McCAFE」の文字を標準文字でまとまりよく表してなるものであって、その構成文字に相応して生じる「マックカフェ」の称呼はよどみなく一連に称呼し得るものである。 そして、引用商標2は引用商標1の欧文字部分と同じ文字から構成されていることから、引用商標1と同様に、その構成文字全体が一体不可分のものであって、これより、「マックカフェ」の称呼のみを生じ、特定の観念は生じない。 ウ 引用商標3 引用商標3は、「マックカフェ」の文字を標準文字でまとまりよく表してなるものであって、その構成文字に相応して生じる「マックカフェ」の称呼はよどみなく一連に称呼し得るものである。 また、引用商標3の構成中の「マック」の文字は、一般の辞書等に載録のない文字であるから特定の観念は生じない、一方「カフェ」の文字はフランス語で「コーヒー」などの意味を有するものの、商標全体としては、直ちに何らかの意味合いを理解させるものではない。 そして、「マック」の文字は、上記1のとおり、日本マクドナルド社の業務に係る商品及び役務を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているものではないことから、取引者、需要者に対し商品及び役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものとはいえない。 そうすると、引用商標3は、たとえ、その構成中「カフェ」の文字が「コーヒー」などの意味を有するとしても、かかる構成、称呼及び上記実情からすれば、該文字部分が指定商品の品質等を表示したものとして認識されるというよりはむしろ、「マックカフェ」の構成文字全体が一体不可分のものとして認識、把握されるものであって、直ちに何らかの意味合いを理解させるものではない。 したがって、引用商標3は、その構成文字全体が一体不可分のものであって、これより、「マックカフェ」の称呼のみを生じ、特定の観念は生じないものと判断するのが相当である。 (3)本件商標と引用商標の類否について 本件商標と引用商標は、上記(1)及び(2)のとおりの構成からなるところ、両者の構成文字が明らかに相違するものであるから、外観において判然と区別することができ相紛れるおそれはない。 次に、本件商標は、上記(1)のとおり、「エムエーケー」の称呼が生じるのに対し、引用商標は、上記(2)のとおり、「マックカフェ」の称呼が生じるものであるから、両者は、音数及び音調が相違し、明瞭に聴別することができ相紛れるおそれはない。 そして、本件商標と引用商標は、上記(1)及び(2)のとおり、いずれも特定の観念を生じないものであるから、比較することはできない。 以上からすると、本件商標と引用商標は、観念において比較することができないとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれはないものであるから、これらを総合して勘案すれば、類似しない商標というべきである。 なお、仮に、本件商標から「マック」の称呼が生じるとしても、外観、称呼及び観念において紛れるおそれはないこと明らかであるから、本件商標は、引用商標と類似しないというべきである。 (4)小括 本件商標は、引用商標とは類似しない商標であるから、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品が同一又は類似であるとしても、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 4 商標法第4条第1項第15号の該当性について (1)引用標章の周知性について 引用標章は、上記1のとおり、本件商標の国際登録出願時及び登録査定時において、日本マクドナルド社の業務に係る商品又は役務(ハンバーガー、ポテト、コーヒー等の飲食物やその提供)を表示するものとして、需要者の間に広く知られていたものと認めることはできない。 (2)類似性の程度について 本件商標と引用標章(「マック」、「MAC」及び「Mc」)を比較すると、両者は、構成文字の1字又は2字を共通にするとしても、本件商標は「マック」の称呼を生じないうえに、特定の観念を生じないものであるから、引用標章との共通性を見いだすことはできない。 したがって、本件商標と引用標章の類似性の程度は高くはないというべきである。 (3)判断 以上(1)及び(2)を踏まえて、本件商標の指定商品の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として総合的に判断すれば、本件商標は、その商標権者がこれをその指定商品に使用しても、取引者、需要者をして引用標章を連想又は想起することはなく、その商品が他人(日本マクドナルド社)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者(申立人又はその親会社)の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 5 むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号に該当するとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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2021-685021

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