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商標異議申立

2021-685001

エルピイジイ

審判番号
2021-685001
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
—
請求日
2021年01月28日
審決日
2022年02月08日
公報発行日
2023年01月27日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【権利者】LPG SYSTEMS
  • 【権利者代理人】村山 靖彦
  • 【権利者代理人】小暮 理恵子
  • 【権利者代理人】行田 朋弘
  • 【異議申立人】高野 勝弘
審判長/審判官
  • 審判長 岩崎 安子
  • 審判官 小田 昌子
  • 審判官 茂木 祐輔
分類
T1652.13 -ZC (W03) / T1652.272-ZC (W03)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、商標法第43条の2第1号、商標法第43条の3第4項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

国際登録第1452014号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。

結論

国際登録第1452014号商標の指定商品及び指定役務中,第3類「Soaps, perfumery, cosmetics, hair lotions and creams, beauty masks, face and/or body creams, lotions and milks, shampoos.」についての商標登録を取り消す。 本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。

理由

第1 本件商標 本件国際登録第1452014号商標(以下「本件商標」という。)は,「LPG」の文字を横書きしてなり,平成30年12月21日に国際商標登録出願,第3類「Soaps, perfumery, essential oils, cosmetics, hair lotions and creams, beauty masks, face and/or body creams, lotions and milks, shampoos.」を含む,第10類,第25類,第28類及び第44類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として,2018年6月29日にFranceにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,令和2年9月29日に登録査定され,同年12月11日に設定登録されたものである。 第2 登録異議の申立ての理由 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,本件商標について,その指定商品及び指定役務中,第3類「Soaps, perfumery, essential oils, cosmetics, hair lotions and creams, beauty masks, face and/or body creams, lotions and milks, shampoos.」(以下,「申立商品」という。)との関係において,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから,申立商品に係る登録は取り消されるべきである旨申し立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第16号証を提出した。 (1)本件商標は,アルファベット三文字からなる「LPG」,すなわち「液化石油ガス」を直感させる(甲1)。 (2)申立商品においても,「LPG」の語は,化粧品等の本件指定商品の原材料である「液化石油ガス」を表す語として成分表示等に使用され,認識されている。 (3)「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(以下,「薬機法」という。)で規制されている化粧品は,2001年4月から全成分表示が義務付けられている。ここでいう化粧品には,商標法における化粧品,石けん及び歯みがきのうち多くのものが該当する。また,薬機法を所管している厚生労働省の通知によると,「成分の名称は,邦文名で記載し,日本化粧品工業連合会作成の『化粧品の成分表示名称リスト』等を利用することにより,消費者における混乱を防ぐよう留意すること」が示されている(甲2~甲4)。 (4)日本化粧品工業連合会では,「化粧品の成分表示名称リスト」を作成しているが,この中で,「液化石油ガス」については「LPG」の表示名称が付与され,実際にヘアスプレー,シェービングフォーム等のエアゾール剤型の製品において化粧品の成分表示として「LPG」が普通に使用されている(甲5,甲6,甲11~甲14)。 (5)なお,医薬部外品については,薬機法において全成分表示を求められてはいないものの,例えば日本化粧品工業連合会では,自主基準として腋臭防止剤(制汗剤),てんか粉類,育毛剤(養毛剤)等の医薬部外品についても,化粧品と同様に全成分表示を実施している。そのため,制汗剤等にも成分表示が記載されており,「液化石油ガス」の簡略名として「LPG」が普通に使用されている(甲7~甲8,甲15,甲16)。 (6)さらに,高圧ガス保安法において,エアゾール製品には使用するガスの種類を赤字で記載することが規定されており,これを受けて一般社団法人日本エアゾール協会は「エアゾール等製品の表示自主基準」を策定,使用するガスの名称の一つに「LPG」が定められ,「火気と高温に注意」等の語句とともに「LPG」の語が赤字で商品に記載されている(甲9~甲16)。 (7)本件商標「LPG」は,これを申立商品に使用するときは,「液化石油ガスを使用した商品」を直感させ,単に商品の原材料,品質を表す標章にすぎないものであることから,商標法第3条第1項第3号の規定に該当する。 (8)また,本件商標を,「液化石油ガスを使用した商品」以外の申立商品に使用するときは,あたかもその商品が「液化石油ガスを使用した商品」であるかのごとく直感させ,その商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるから,同法第4条第1項第16号の規定に該当する。 第3 当審における取消理由 当審において,商標権者に対して,「本件商標は,その指定商品及び指定役務中,第3類『Soaps, perfumery, cosmetics, hair lotions and creams, beauty masks, face and/or body creams, lotions and milks, shampoos.』との関係においては,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。」旨の取消理由を令和3年9月30日付けで通知した。 第4 商標権者の意見 前記第3の取消理由の通知に対し,商標権者は,何ら意見を述べていない。 第5 当審の判断 1 本件商標及びその使用状況について 本件商標は,「LPG」の文字を普通に用いられる方法で横書きしてなるところ,当該文字は,一般の辞書である広辞苑第七版(甲1)や「大辞泉第2版」(株式会社小学館発行)において「(liquefied petrolem gas)液化石油ガス。」の記載があるほか,申立商品の分野に係る事典である「日本化粧品成分表示名称事典第3版」(株式会社薬事日報社発行)において,「定義:本品は、石油から得られる揮発性炭化水素の混合物である。/Chem/Other Name:液化石油ガス」の記載がある(甲6)。 そして,別掲1及び別掲2のとおり,新聞記事情報及びインターネット情報において,「LPG」の文字が「液化石油ガス」の略称として,せっけん類や化粧品等の原材料として広く使用されている実情を把握することができ,また,別掲2のとおり,洗顔料,シャンプー,シェービング・ソープ,ヘアトリートメント,ヘアスプレー等,実際の商品の販売及び広告に際して,「原材料」や「成分」等の項目に,「LPG」の文字が,エタノール等の他の原材料と併記して紹介されている。さらに,別掲2の事例の中には,商品の包装容器に,「LPG」の文字が原材料の一つとして実際に表示されていることが,ウェブサイト上の写真から直接確認できるものもある(別掲2(1),(2),(4)及び(5))。 2 本件商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について 上記1のとおり,「LPG」の文字は,「液化石油ガス」を意味する語として一般の辞書や申立商品の分野に係る事典に掲載されており,また,申立人提出の証拠(甲11~甲16)のほかにも,せっけん類や化粧品等の原材料として広く使用されると共に,それら商品の原材料として商品の包装容器等に表示されている実情がある。 そうすると,「LPG」の文字からなる本件商標は,「液化石油ガス」を表したものというべきであるから,これを申立商品中,液化石油ガスを使用した「Soaps, perfumery, cosmetics, hair lotions and creams, beauty masks, face and/or body creams, lotions and milks, shampoos.」(以下「取消対象商品」という。)について使用をするときには,これに接する取引者,需要者は,「液化石油ガス」を使用した商品であること,すなわち,商品の原材料を表示したものと理解,認識するとみるのが相当である。 したがって,本件商標は,取消対象商品との関係において,商品の原材料を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであるから,商標法第3条第1項第3号に該当し,また,「液化石油ガス」を使用した取消対象商品以外の,取消対象商品について本件商標を使用するときには,商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから,同法第4条第1項第16号に該当する。 3 まとめ 以上のとおり,本件商標は,その指定商品及び指定役務中,申立商品のうち,第3類「Soaps, perfumery, cosmetics, hair lotions and creams, beauty masks, face and/or body creams, lotions and milks, shampoos.」についての登録は,商標法第3条第1項第3号及び第4条第1項第16号の規定に違反してされたものである。 したがって,本件商標の登録は,商標法第43条の2第1号に該当するものであるから,同法第43条の3第2項の規定により,取り消すべきものである。 また,本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての本件商標の登録は,取り消すべき理由はないから,商標法第43条の3第4項の規定により,維持すべきものである。 よって,結論のとおり決定する。

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