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商標取消審判

2021-300998

アイピーストラテジ

審判番号
2021-300998
法域
商標
審判種別
取消審判(商標取消の審決)
出願番号
商願2007-069649
登録番号
5140378
請求日
2021年12月14日
審決日
2023年06月22日
公報発行日
2024年03月29日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【請求人】正林 真之
  • 【請求人代理人】林 栄二
  • 【請求人代理人】木村 一弘
  • 【被請求人】アイピーストラテジ 株式会社
  • 【被請求人代理人】田中 秀▲てつ▼
  • 【被請求人代理人】森 哲也
審判長/審判官
  • 審判長 矢澤 一幸
  • 審判官 豊田 純一
  • 審判官 富澤 哲生
分類
T132 .1 -Z (X45)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法2条3号商標法50条
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第50条第2項、商標法第2条第3項、商標法第50条、商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第8号、商標法第2条第3号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の登録第5140378号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 登録第5140378号商標の指定役務中、第45類「全指定役務」についての商標登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第5140378号商標(以下「本件商標」という。)は、「アイピーストラテジ」の文字を標準文字で表してなり、平成19年6月28日に登録出願、平成20年6月13日に設定登録されたものであって、第45類「知的財産権の移転の仲介及び斡旋,知的財産権の実施許諾の仲介及び斡旋,知的財産権の事業化のための仲介及び斡旋,特許料の納付手続についての代理,特許原簿への登録の申請手続についての代理,内外国の特許・実用新案・意匠・商標の調査および資料の蒐集,特許及び意匠出願用図面の作成」並びに第35類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務とするものである。 そして、本件審判の請求の登録は、令和3年12月28日になされたものであるから、商標法第50条第2項に規定する「審判の請求の登録前3年以内」とは、平成30年12月28日から令和3年12月27日までの期間(以下「要証期間」という。)である。 第2 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求め、審判請求書及び令和4年2月21日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対する同年4月4日付け審判事件弁駁書にて、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。 1 請求の理由 本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第45類「知的財産権の移転の仲介及び斡旋,知的財産権の実施許諾の仲介及び斡旋,知的財産権の事業化のための仲介及び斡旋,特許料の納付手続についての代理,特許原簿への登録の申請手続についての代理,内外国の特許・実用新案・意匠・商標の調査および資料の蒐集,特許及び意匠出願用図面の作成」(以下「本件審判請求に係る指定役務」という。)について、継続して3年以上、日本国内において商標権者(以下「本件商標権者」という。)、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。 2 答弁に対する弁駁 (1)本件審判請求に係る指定役務と使用に係る役務の同一性について 乙第1号証は、アイピーストラテジ株式会社(以下「アイピーストラテジ社」という。)による複数の請求書の写しと思われるところ、その請求書には、件名として、中国特許出願、欧州特許出願、ドイツ特許出願やインド特許出願の出願番号、国際出願番号、発明の名称又は出願人の記載などが記載され、その下部には、「年金納付指示手数料」や「現地代理人手数料」の金額が記載されている。そのほか、納品書の写しと思われるものもあるが、やはり、出願国、出願番号、名称などが記載され、「年金移管通知手数料」「手数料」や「現地代理人費用」の単価、数量、金額が記載されている。 これらの記載によれば、これらは、いずれも、外国への特許出願に関連する請求書や納品書と思われるが、本件審判請求に係る指定役務中のいずれの指定役務についての使用であるのか、被請求人は、具体的な説明を何ら行っていない。 特に、本件商標権者は、弁理士でも特許業務法人でもないから、特許・実用新案・意匠・商標に関する手続は、弁理士法による規制があり、登録の代理行為はできない。 加えて、乙第1号証の請求書や納品書によっては、使用に係る役務が知的財産権の移転、知的財産権の実施許諾、知的財産権の事業化、調査および資料の蒐集、図面の作成であることを示す記載もない。 このような状況を踏まえるならば、商標法第50条第2項に規定する商標の使用が請求に係る指定役務について行われたことが証明されたということはできない。 (2)本件商標と使用標章の同一性について 乙第1号証には、請求書や納品書の発行者として、また、請求額の費用の振込先の口座の名義として、「アイピーストラテジ株式会社」(以下「使用標章」という。)の記載があるとしても、本件商標「アイピーストラテジ」の構成文字は存在しない。 ところで、商標法第50条第2項の規定によって証明が求められるのは、登録商標と同一の商標の使用であって、登録商標と類似の商標では要件を満たさない。 そして、使用標章は、外観においては、「アイピーストラテジ株式会社」の文字を同書、同大、等間隔で1行に横書きしたものであり、外観上は「アイピーストラテジ」の文字部分のみを分離して表示した態様ということはできない。 また、観念においては、使用標章は、語尾に「株式会社」の文字を有していることから、「アイピーストラテジ株式会社」の文字の全体として、いずれかの法人の商号を表示するものとして認識されるといえるところ、本件商標の「アイピーストラテジ」の文字は、特定の意味合いを理解することができない一種の造語として認識されるものであって、法人の商号を表示するものとして認識されることはない。 仮に、「アイピー」を略語の「IP」、「ストラテジ」を「strategy」の片仮名表記と看取するような者がいたとしても、本件商標を法人の商号を表示するものと理解することはないから、本件商標と使用商標から共通の意味合いを認識することはない。 さらに、称呼においては、本件商標は、その構成文字に相応して「アイピーストラテジ」の称呼のみを生じるものであるが、使用標章は、その構成文字の全体に相応して「アイピーストラテジカブシキガイシャ」の称呼が当然に生じるものであるから、本件商標と使用標章とは、称呼上も、同一ということはできない。 そうすると、本件商標と使用標章とは、それぞれの外観、観念及び称呼を対比してみると、いずれにおいても同一ということはできないものであるから、乙第1号証をもって、本件商標と同一の商標を使用していたということはできない。 なお、使用標章のうち、「株式会社」の文字が法人の種類を表す文字であるとして、「アイピーストラテジ」の文字部分を要部抽出する観察方法は、商標が類似するか否かの観察方法であって、商標が同一であるか否かの観察方法ではないから、本件商標と使用標章が同一であるか否かの判断(社会通念上同一であるか否かを含む。)においては、当該観察方法は用いることはできないものである。 第3 被請求人の主張 被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする旨の審決を求め、答弁書及び令和4年12月16日付け審尋に対する令和5年2月6日付け回答書(以下「回答書」という。)において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証を提出した。 1 答弁の理由 本件審判請求に係る指定役務について、継続して3年以上日本国内において商標権者が本件商標の使用をしている。 2 回答書による主張 (1)「使用をしている」について 「使用している」とは、特許料の納付手続や特許年金の納付手続きを出願人に代わって外国特許事務所へ指示してその請求金額の決済をし、特許原簿へ登録されるよう特許の審査段階において拒絶理由等に応答し、他人の類似する登録商標があるかどうかの調査を行い、それぞれの請求書の日付において、本件商標を使用している。 (2)使用を把握できる記載 本件商標を上記(1)のように使用していることは、請求書における「年金納付指示手数料」、「2018、2019、2020年度分特許権実施状況陳述書」、「登録料納付指示手数料」、「登録fee、発行fee、年金の納付」、「料金納付手数料(設定登録料等)」、「登録査定連絡」及び「商標調査基本手数料」で把握できる。 (3)該当する指定役務 「特許料の納付手続についての代理,特許原簿への登録の申請手続についての代理,内外国の特許・実用新案・意匠・商標の調査および資料の蒐集」が該当する。 (4)該当する商標法第2条第3項各号 役務に関する請求書等取引書類に標章を付して頒布、またはこれらを内容する情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為は商標法第2条第3項第8号に該当する。 第4 当審の判断 1 被請求人の立証責任 商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。 すなわち、本件商標の使用をしていることを証明するには、商標法第50条第2項に規定されているとおり、被請求人は、ア 要証期間に、イ 日本国内において、ウ 本件商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、エ 本件審判請求に係る指定役務のいずれかについての、オ 本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標の使用(商標法第2条第3項各号のいずれかに該当する使用行為)をしていることをすべて証明する必要がある。 2 被請求人の主張及び同人が提出した乙第1号証によれば、以下のとおりである。 乙第1号証は、「東京都港区虎ノ門4-3-1 城山トラストタワー32階」在の「アイピーストラテジ株式会社」が、2021年5月14日、同月17日、6月14日、同月16日、同月28日、7月7日、同月12日、同月14日、同月15日、同月26日、同月28日、8月3日、同月16日、同月24日、8月26日、9月2日、同月3日、同月7日、同月8日、同月13日、同月21日、同月27日、同月30日、10月1日、同月6日、同月8日、同月11日、同月15日、同月18日、同月26日、同月27日、11月5日、同月9日、同月10日、同月11日、同月12日、同月24日、同月25日、同月29日、12月6日、同月7日、同月14日、同月21日、同月27日、同月28日、2022年1月13日、同月21日及び同月27日に「富士電機株式会社」あてに発行した請求書、2021年5月7日、7月20日、8月11日及び同月30日に「古河電池株式会社」あてに発行した請求書、同年7月1日、8月16日、11月12日及び12月10日に「古河電気工業株式会社」あてに発行した納品書、同年5月13日、同月25日、6月3日、7月1日、同月16日、8月3日、同月10日、9月6日、同月7日、10月6日、11月30日及び12月13日に「古河機械金属株式会社」あてに発行した請求書、同年5月25日、6月14日、8月10日、同月18日、10月25日及び同月26日に「日本メタルガスケット株式会社」あてに発行した請求書、同年10月5日及び11月25日にY氏あてに発行した請求書、同年6月11日及び8月16日に「株式会社ユニバンス」あてに発行した請求書、同年8月31日、11月4日及び同月15日に「フォレマー合同会社」あてに発行した請求書、同年10月22日及び12月6日に「株式会社三友精機」あてに発行した請求書、同年11月18日、同月19日、12月14日及び同月17日に「昭和電工株式会社」あてに発行した請求書、同年6月2日に「オリヒロ株式会社」あてに発行した請求書、同年6月22日に「日本軽金属株式会社」あてに発行した請求書、同年6月22日及び8月6日に「株式会社ニフコ」あてに発行した請求書、同年5月7日、同月28日、6月2日、同月8日、7月15日、8月20日、9月9日、同月29日、10月13日、同月22日、11月8日及び12月7日に「株式会社おやつカンパニー」あてに発行した請求書、同年10月12日に「株式会社インスピーディア」あてに発行した請求書、同年8月30日に「石原ケミカル株式会社」あてに発行した請求書、同年10月13日に「国立研究開発法人産業技術総合研究所」あてに発行した請求書、同年11月12日に「イビデン株式会社」あてに発行した請求書、同年11月30日に「株式会社技工社」あてに発行した請求書、同年11月4日、同月18日、12月3日及び同月13日に「株式会社フジミインコーポレーテッド」あてに発行した請求書、同年12月14日に「凸版印刷株式会社」あてに発行した納品書、同年12月14日に「株式会社コージン」あてに発行した請求書、同年9月7日に「花泉酒造合名会社」あてに発行した請求書であり、「東京都港区虎ノ門4-3-1 城山トラストタワー32階」の住所は本件商標の権利者(以下「本件商標権者」という。)の住所と一致するため、当該請求書及び納品書は、本件商標権者が作成したものと確認できる。 そして、本件商標権者が、2021年5月7日、同月28日、7月15日に「株式会社おやつカンパニー」あてに発行した請求書の「件名」の項目に、それぞれ、「台湾商標調査」、「ポルトガル商標調査」、「インドネシア商標調査」の記載があり、当該請求書は台湾、ポルトガル及びインドネシアの商標の調査に対する費用の請求であることから、本件商標権者は、株式会社おやつカンパニーより依頼を受けて、外国の商標に関する調査を実施したことが認められ、「外国の商標の調査」は、本件審判請求に係る指定役務中の「内外国の特許・実用新案・意匠・商標の調査および資料の蒐集」の範ちゅうに属する役務であると認められるが、当該請求書における「アイピーストラテジ株式会社」の記載は、その発行者を記載しているにすぎず、当該請求書において、本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標が使用されていることは確認することができない。 その他、乙第1号証として提出された請求書及び納品において、本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標が使用されていることは確認することができない。 そうすると、本件商標権者は、要証期間に、「株式会社おやつカンパニー」より依頼を受け、本件審判請求に係る指定役務中の「内外国の特許・実用新案・意匠・商標の調査および資料の蒐集」の範ちゅうに属する「外国の商標の調査」を行ったことは認められるとしても、当該役務について本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標の使用(商標法第2条第3項各号のいずれかに該当する使用行為)をしたとは認められず、その他、本件審判請求に係る指定役務について、本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標の使用を証明したということはできない。 3 まとめ 以上のとおり、被請求人が提出した証拠によっては、被請求人は、本件要証期間に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を、本件審判請求に係る指定役務のいずれかについて、商標法第2条第3号各号に規定する使用行為を行ったことを証明していない。 また、被請求人は、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしていない。 したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定役務中、第45類「知的財産権の移転の仲介及び斡旋,知的財産権の実施許諾の仲介及び斡旋,知的財産権の事業化のための仲介及び斡旋,特許料の納付手続についての代理,特許原簿への登録の申請手続についての代理,内外国の特許・実用新案・意匠・商標の調査および資料の蒐集,特許及び意匠出願用図面の作成」についての登録を取り消すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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