商標取消審判
2021-300921
ブイルーム、ルーム
- 審判番号
- 2021-300921
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2017-093057
- 登録番号
- 6035653
- 請求日
- 2021年11月19日
- 審決日
- 2023年08月30日
- 公報発行日
- 2023年12月28日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【請求人】ブイルーム,インコーポレーテッド
- 【請求人代理人】福田 秀幸
- 【被請求人】KKCompany Japan合同会社
- 【被請求人代理人】新池 義明
- 審判長/審判官
- 審判長 矢澤 一幸
- 審判官 豊田 純一
- 審判官 富澤 哲生
- 分類
- T132 .1 -Z (W09)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第2条第3項第8号、商標法第50条第2項、商標法第50条、商標法第50条第1項、商標法第2条、商標法第2条第3項、商標法第2条第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第6035653号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
登録第6035653号商標の指定商品及び指定役務中、第9類「携帯電話機用ゲームプログラム,携帯電話機用プログラム,電子計算機用ゲームプログラム,電子計算機用プログラム,その他の電子応用機械器具及びその部品」についての商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6035653号商標(以下「本件商標」という。)は、「VROOM」の文字を標準文字で表してなり、平成29年7月11日に登録出願、「携帯電話機用ゲームプログラム,携帯電話機用プログラム,電子計算機用ゲームプログラム,電子計算機用プログラム,その他の電子応用機械器具及びその部品」を含む第9類及び第41類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として同30年4月13日に設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録は、令和3年12月6日になされたものであるから、商標法第50条第2項に規定する「審判の請求の登録前3年以内」とは、平成30年12月6日から令和3年12月5日までの期間(以下「要証期間」という。)である。
第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、審判請求書及び令和4年2月8日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対する同年4月12日付け審判事件弁駁書にて、その理由を要旨以下のように述べた。
1 請求の理由
本件商標は、過去3年間において、その指定商品及び指定役務中、第9類「携帯電話機用ゲームプログラム,携帯電話機用プログラム,電子計算機用ゲームプログラム,電子計算機用プログラム,その他の電子応用機械器具及びその部品」(以下「本件審判請求に係る指定商品」という。)について、使用された形跡がないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)被請求人は、乙第1号証及び乙第2号証である「配信プレスリリース」において、「このプレスリリースは、通常使用権者の「うたパス」オリジナル360°/VR映像コンテンツ「VROOM」を紹介するために2019年8月8日にWEB上で配信された。」旨、そして「このプレスリリースは、「アーティストとのコラボレーションによる本格的オリジナル360度・VRライブミュージックビデオ「VROOM(ブイアルーム)」の提供をうたパスでスタート」したことを紹介するために2017年7月13日にWEB上で配信された」旨主張している。
そして、これらに本件商標が使用されているので「上記プレスリリースにおける本件商標の使用は商品に関する広告を電磁的方法により提供する行為(商標法第2条第3項第8号)に該当する。」旨主張している。
しかし、被請求人は、「「うたパス」オリジナル360°/VR映像コンテンツ「VROOM」を紹介するため」及び「「本格的オリジナル360度・VRライブミュージックビデオ「VROOM(ブイアルーム)」の提供をうたパスでスタートしたことを紹介するため」のものと解されているが、これは、映像や画像やビデオの広告として理解されるべきものである。
映像や画像やビデオは「インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル、録画済みビデオディスク及びビデオテープ」についての広告であって、本件審判請求に係る指定商品の広告とは異なるものである。
したがって、被請求人が主張する「上記プレスリリースにおける本件商標の使用は商品に関する広告を電磁的方法により提供する行為(商標法第2条第3項第8号)に該当する。」という主張は対象となる商品を異にしているものであるから、誤った主張であると考える。
(2)被請求人は、「上記プレスリリースにおけるVR映像コンテンツについての本件商標は、第9類の「コンピュータプログラム」についての使用である。」と主張しているが、何らコンピュータプログラムの具体的内容を直接的に示したものではないので、「VR映像コンテンツ」が「コンピュータプログラム」であるとの主張は妥当でなく、被請求人のプレスリリースでの本件商標の使用はコンピュータプログラムについての広告であるとの主張は受け入れられない。
(3)被請求人は、「乙第3号証契約書のコピー」において「「うたパス」サービスに関する協業契約」書に言及しているが、この内容は、「月額サブスクリプション型音楽ストリーミングサービス「うたパス」を共同で提供することについて」の契約書であって、コンピュータプログラムの提供についての契約書ではない。
すなわち、コンピュータプログラム自体の使用を対象とした契約書ではない。
したがって、被請求人が主張する商標の使用は商標法第2条第3項第8号の「コンピュータプログラムに関する広告」に該当しない。
第3 被請求人の主張
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする旨の審決を求め、答弁書において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第3号証を提出した。
なお、以下、乙各号証の表記にあたっては、乙第1号証を「乙1」のように省略して表示する場合がある。
1 答弁の理由
(1)2019年8月8日配信プレスリリース(乙1)は、通常使用権者の「うたパス」オリジナル360°/VR映像コンテンツ「VROOM」を紹介するために2019年8月8日WEB上で配信された。
2019年8月8日配信プレスリリース(乙1)の第1頁の映像写真の左上に本件商標が使用されている。
(2)2017年7月13日配信プレスリリース(乙2)は、「アーティストとのコラボレーションによる本格的オリジナル360度・VRライブミュージックビデオ「VROOM(ブイアルーム)」の提供をうたパスでスタート」したことを紹介するために2017年7月13日にWEB上で配信されものであり、2020年12月2日の使用を証明するものである。
乙第2号証の第1頁の写真右側、同2頁の視聴イメージ写真の左上及びうたパス画像イメージに本件商標が使用されている。
(3)上記プレスリリースにおける本件登録商標の使用は、商品に関する広告を電磁的方法により提供する行為(商標法2条3項8号)に該当する。
(4)上記プレスリリースにおけるVR映像コンテンツについての本件商標は、第9類の「コンピュータプログラム」についての使用である。
乙第2号証の第2頁に「■VROOM(ブイアルーム)」について、「うたパスの展開する「VROOM(ブイアルーム)」は、「特別な空間で、特別な映像体験を」をコンセプトとした、普段決して見ることのできない、アーティスト達の素顔に近づける、うたパス独自の新感覚体験型映像コンテンツです。360度全方位へ自由に視点を動かすことが可能で、まるでその場に自分自身がいるかのような、臨場感溢れる視聴体験をお楽しみ頂けます。」の記載がある。
つまり、VR映像コンテンツは、体験型映像をコンピュータによって視聴することができるようにするためのコンピュータプログラムである。
(5)「うたパス」サービスに関する協業契約(乙3)は、2019年2月28日にKDDI株式会社(以下「KDDI社」という。)と被請求人の間で締結されたものであり、同契約第15条第4項に知的財産権の使用を許諾することが定められている。
(6)以上より、本件商標は、本審判の登録前3年以内に日本国内において少なくとも通常使用権者によって、本件審判請求に係る指定商品に使用されている。
2 当審における令和4年12月13日付け審尋及びその回答
審判長は、令和4年12月13日付け審尋により、被請求人に対し、被請求人のVR映像コンテンツはコンピュータプログラムであるとの主張の根拠が不明である旨及び被請求人の主張する「VR映像コンテンツ」が、その実行のためにコンピュータにインストールされることを裏付けるものが提出されていない旨の合議体の暫定的見解を提示し、期間を指定して、これに対する回答を求めたが、相当の期間を経過するも、被請求人はこの審尋に対して、何ら応答していない。
第4 当審の判断
1 被請求人の立証責任
商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。
すなわち、本件商標の使用をしていることを証明するには、商標法第50条第2項に規定されているとおり、被請求人は、ア 要証期間に、イ 日本国内において、ウ 商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、エ 本件審判請求に係る指定商品のいずれかについての、オ 本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標の使用(商標法第2条第3項各号のいずれかに該当する使用行為)をしていることをすべて証明する必要がある。
2 事実認定
被請求人の提出した乙各号証によれば、以下のことが確認できる。
(1)乙第1号証は、被請求人が「2019年8月8日配信プレスリリース」と主張するものであり、本号証の第1頁の右上に「KDDI株式会社」の記載、その左に、「【au】×【ダンスウィズミー】何も考えず歌って踊りたくなってしまう!?映画「ダンスウィズミー」独占コンテンツ「ワケあって踊らされましたin NY」をVRで!8月8日より「VROOM」にて独占配信開始」の記載があり、その下に「KDDI株式会社は、映画「ダンスウィズミー」が8月16日(金)に公開されることを記念して、「うたパス」オリジナル360°/VR映像コンテシツ「VROOM」にて、8月8日(木)午前10時からの特別コンテンツ「ワケあって踊らされました in NY」の独占配信開始をはじめ、映画「ダンスウィズミー」に連動したサービスを実施いたします。」の記載があり、本号証の1頁の下部に掲載された画像内の左上に、「VROOM」の欧文字よりなる標章(以下「使用標章1」という。別掲1)が記載されている。
また、本号証の2頁に、「■うたパス」の記載、「特別コンテンツ「ワケあって踊らされました in NY」VR映像独占配信概要」の記載、及び「・内容:「うたパス」オリジナル360°/VR映像コンテンツ「VROOM」にて、特別コンテンツ「ワケあって踊らされました in NY」を配信いたします。」の記載がある。
なお、使用標章1が使用されるVR映像コンテンツは、これがダウンロード可能な商品である場合、第9類「インターネットを利用して受信し及び保存することができる映像ファイル」に該当し、これがダウンロード不可な形式で提供される場合、第41類「インターネットを利用して行う映像の提供」の役務に該当するものであるから、いずれにしても、本件審判請求に係る指定商品には含まれない。
(2)乙第2号証は、被請求人が「2017年7月13日配信プレスリリース」と主張するものであり、本号証の第1頁の左上に「KDDI株式会社」の記載、その左に、「アーティストとのコラボレーションによる本格的オリジナル360度・VRライブミュージックビデオ「VROOM(ブイアルーム)」の撮供をうたパスでスタート!!」の記載があり、本号証の第1頁の下部に掲載された画像内に、「VROOM」の欧文字よりなる標章(以下「使用標章2」という。別掲2)が記載されている。
また、本号証の2頁に、「■VROOM(ブイアルーム)について」の記載、「うたパスの展開する「VROOM(ブイアルーム)」は、「特別な空間で、特別な映像体験を」をコンセプトとした、普段決して見ることのできない、アーティスト違の素顔に近づける、うたパス独自の新感覚体験型映像コンテンツです。360度全方位へ自由に視点を動かすことが可能で、まるでその場に自分自身がいるかのような、臨場感溢れる視聴体験をお楽しみ頂けます。」の記載があり、本号証の2頁の下部に掲載された画像内の左上に、「VROOM」の欧文字よりなる標章(以下「使用標章3」という。別掲3)が記載されている。
なお、使用標章2及び使用標章3が使用されるVRライブミュージックビデオは、これがダウンロード可能な商品である場合、第9類「インターネットを利用して受信し及び保存することができる映像ファイル」に該当し、これがダウンロード不可な形式で提供される場合、第41類「インターネットを利用して行う映像の提供」の役務に該当するものであるから、いずれにしても、本件審判請求に係る指定商品には含まれない。
(3)乙第3号証は、「うたパス」サービスに関する協議契約を標題とする書類であり、本号証の1葉目に「KDDI株式会社(以下「甲」という)とKKBOX JAPAN合同会社(以下「乙」という)は月額サブスクリプション型音楽ストリーミングサービス「うたパス」を共同で提供することについて、以下のとおり契約(以下「本契約」という)を締結する。」の記載、第1条の(2)に、「「本件アプリ」とは、ユーザーの情報端末等にインストールされる本件サービスに係るアプリケーション及びauショップに設置されるデモ端末にインストールされる本件サービスに係るアプリケーション(以下「デモアプリ」という)の総称をいう。」の記載、本号証の3葉目の左下に「2019年2月28日」の記載、「甲」の項目に「KDDI株式会社」の記載、「乙」の項目に「KKBOX.Japan合同会社」の記載があることから、「うたパス」サービスの提供の際に、本件商標の権利者(以下「本件商標権者」という。)である「KKBOX.Japan合同会社」は、KDDI社に対し、2019年2月28日から、本件商標の使用を許諾していたことが推認できる。
(4)なお、上記(2)の2017年7月13日において、本件商標権者がKDDI社に本件商標の使用を許諾していることが確認できないため、乙第2号証による本件商標の使用に関しては、KDDI社が通常使用権者と認めることができず、本件商標権者が本件商標を使用したことが確認できない。
3 判断
上記の2(1)ないし(3)によれば、本件商標権者は、要証期間である2019年2月28日からKDDI社に本件商標の使用を許諾し、KDDI社は、「うたパス」サービスにおいて、使用標章1が使用されるVR映像コンテンツを提供していることは確認できる。
そして、本件商標と使用標章1は、「VROOM」のつづりを共通にし、「ブイルーム」の称呼を共通にすることから、本件商標と使用標章1は、社会通念上同一の商標及び標章であると認められる。
しかしながら、使用標章1が使用されるVR映像コンテンツは、これがダウンロード可能な商品である場合、第9類「インターネットを利用して受信し及び保存することができる映像ファイル」に該当し、これがダウンロード不可な形式で提供される場合、第41類「インターネットを利用して行う映像の提供」の役務に該当するものであるから、いずれにしても、本件審判請求に係る指定商品には含まれない。
また、仮に、2017年7月13日時点において、KDDI社が通常使用権者と推認した場合であっても、本件商標と使用標章1と同様に、本件商標と社会通念上同一と認められる使用標章2及び使用標章3が使用されるVRライプミュージックビデオは、これがダウンロード可能な商品である場合、第9類「インターネットを利用して受信し及び保存することができる映像ファイル」に該当し、これがダウンロード不可な形式で提供される場合、第41類「インターネットによる映像の提供」の役務に該当するものであるから、いずれにしても、本件審判請求に係る指定商品には含まれない。
そうすると、通常使用権者であるKDDI社は、要証期間に、日本国内において、本件商標と社会通念上同一の使用標章1を使用したVR映像コンテンツを、使用標章2及び使用標章3を使用したVRライブミュージックビデオをダウンロードにより提供したことは認められるとしても、VR映像コンテンツ及びVRライブミュージックビデオは、本件審判請求に係る指定商品には含まれない。
その他被請求人の提出した証拠を参照しても、本件商標権者、専用使用権者又は通常使用権者が、要証期間に、日本国内において、本件商標(社会通念上同一と認められるものを含む。)を本件審判請求に係る指定商品について使用したことを認めるに足る証拠は見いだせない。
4 被請求人の主張について
(1)被請求人は、VR映像コンテンツについての本件商標は第9類の「コンピュータプログラム」についての使用である旨主張する。
しかしながら、VR映像コンテンツは、これがダウンロード可能な商品である場合、第9類「インターネットを利用して受信し及び保存することができる映像ファイル」に該当し、これがダウンロード不可な形式で提供される場合、第41類「インターネットによる映像の提供」の役務に該当するものであるから、いずれにしても、本件審判請求に係る指定商品には含まれない。
(2)その他、被請求人の主張はいずれも採用できない。
5 まとめ
以上のとおり、被請求人が提出した証拠によっては、被請求人は、本件要証期間に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を、本件審判請求に係る指定商品のいずれかについて、商標法第2条第3号各号に規定する使用行為を行ったことを証明していない。
また、被請求人は、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしていない。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品及び指定役務中、第9類「携帯電話機用ゲームプログラム,携帯電話機用プログラム,電子計算機用ゲームプログラム,電子計算機用プログラム,その他の電子応用機械器具及びその部品」についての登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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