商標取消審判
2021-300911
クン、カオリ
- 審判番号
- 2021-300911
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願1985-021102
- 登録番号
- 2155104
- 請求日
- 2021年11月19日
- 審決日
- 2024年08月13日
- 公報発行日
- 2024年11月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社 ベニレイ
- 【請求人代理人】奥谷 雅子
- 【被請求人】中野 和義
- 【被請求人代理人】竹井 啓
- 【被請求人代理人】長野 克彦
- 【被請求人代理人】長野 光宏
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 小俣 克巳
- 分類
- T132 .1 -Y (X29)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第1号、商標法第2条第3項第2号、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第2155104号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第2155104号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、昭和60年3月6日に登録出願、第32類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成元年7月31日に設定登録され、その後、同21年5月20日に第29類ないし第31類に属する別掲2のとおりの商品に指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続するものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和3年12月8日であり、この登録前3年以内の期間である平成30年12月8日から令和3年12月7日までを以下「要証期間」という場合がある。
第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、第29類「肉製品,加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり」を除く。),かつお節,寒天,削り節,食用魚粉,とろろ昆布,干しのり,干しひじき,干しわかめ,焼きのり」(以下「請求に係る指定商品」という。)についての登録を取り決す、審判費用は、被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、請求に係る指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁について
請求人は、被請求人の答弁に対して、何ら弁駁していない。
第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、令和4年2月25日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)及び同5年3月6日付け回答書(以下「回答書」という。)においてその理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第5号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 答弁書の要旨
(1)本件商標は、商標権者から本件商標の使用について黙示の許諾を受けた、商標権者が代表取締役を務める株式会社和興商会(通常使用権者)(以下「和興商会」という。)により、本件商標の指定商品である「焼きのり」について、要証期間内に日本国内で継続的に使用されていた事実がある。
(2)本件商標の使用対象製品(以下「使用商品1」(別掲3)ないし「使用商品4」(別掲6)とする。)は、和興商会が製造及び販売するものである。
(3)使用の事実
ア 乙第1号証の1は、使用商品1の包装材の写真及びデザイン案である。
本件商標「薫」が一方側の中央部に大きく表示されている。
また、製造者の記載欄に「株式会社和興商会」と記載されている。
さらに、商品の名称の記載欄に「焼のり」と記載されている。
使用商品1の包装材のデザイン案(乙1の2 2葉目)には品名として「全型薫(和紙)アルミチャック」と記載されている。
そのうえ、使用商品1の包装材のデザイン案の制作日として2019年11月18日と記載されている。
イ 乙第1号証の2は、使用商品1を収納するギフトボックスの写真である。
ウ 乙第1号証の3は、使用商品1が掲載されたカタログである。
乙第1号証の1の包装材、及び乙第1号証の2のギフトボックスが表示されている。
エ 乙第1号証の4は、使用商品1の包装材を制作した株式会社黒沢が和興商会に発行した請求書である。
請求書の発行日は(20)20年2月4日と記載されている。
また、商品名には「和興全型薫(和紙)アルミチャック」が記載されている。
オ 乙第1号証の5は、使用商品1の納品先である株式会社湘南保険サービスに和興商会が発行した納品書である。
納品書の発行日は令和3年6月17日と記載されている。納品書には「アルミ薫10枚」及び「Y-35」と記載されている。「Y-35」は乙第1号証の3のカタログにおける「Y-35」である。
カ 乙第2号証の1は、使用商品2の写真及びラベルのデザイン案である。
本件商標「薫」がラベルの中央部に大きく表示されている。
また、製造者の記載欄に「株式会社和興商会」と記載されている。
さらに、商品の名称の記載欄に「味付のり」と記載されている。
なお、味付のりは「味を付けた焼きのり」であり指定商品「焼きのり」に該当する。
そのうえ、使用商品1(審決注「使用商品2」の誤記と認める。)のラベルのデザイン案(乙2の1 3葉目)の制作日として2021年7月30日と記載されている。
キ 乙第2号証の2は、使用商品2が掲載されたカタログである。
商品名として「有明海産味付のり薫8切48枚」と記載されている。
ク 乙第2号証の3は、使用商品2のラベルを制作した株式会社フタバとの取引書類(メールでのやり取り及び請求書)である。
請求書の発行日は2021年8月11日と記載されており、商品名には「有明海産味付のり薫8切48枚」と記載されている。
ケ 乙第2号証の4は、使用商品2の納品先である三菱食品株式会社(以下「三菱食品社」という。)に和興商会が発行した請求書(以下「使用商品2の請求書1」という。)である。
使用商品2の請求書の発行日は(令和)3(2021)年5月1日と記載されている。
使用商品2の請求書の商品名の欄には「有明海産味付のり薫8切48枚」と記載されている。
また、使用商品2の請求書の日付は上記乙第2号証の3の取引書類の日付より前となっているが、和興商会は上記乙第2号証の3の取引書類に関する取引の前から複数回にわたり本件ラベルと同様のラベルの制作を株式会社フタバヘ依頼しており、当該三菱食品社へ納品した使用商品2のラベルは上記乙第2号証の3の取引書類に関する取引より前に制作されたものが使用されている。
コ 乙第3号証の1は、使用商品3の写真及び個包装材のデザイン案である。
個包装材には本件商標「薫」、「(株)和興商会」及び「和興の味付海苔」が表示されている。
使用商品3の個包装材の品名とし「和興薫味付12切ロール」と記載されている。
使用商品3は、所定の大きさの板海苔を12等分したうちの5枚が1つの個包装材に収納されており、当該個包装材の100束が収納された製品である。
サ 乙第3号証の2は、使用商品3の包装材を制作した株式会社黒沢が和興商会に発行した請求書である。
請求書の発行日は2020年9月2日と記載されている。
また、商品名には「和興薫味付12切ロール」が記載されている。
シ 乙第3号証の3は、使用商品3の納品先である株式会社ヤグチに和興商会が発行した請求書である。
請求書の発行日は(令和)3(2021)年5月1日と記載されている。
請求書の商品名の欄には「味付海苔5/12 100束薫」と記載されており、「5/12」とは所定の大きさの定型海苔を12等分したうちの5枚が1つの個包装材に収納されていることを意味する。
ス 乙第4号証の1は、使用商品4の写真である。
使用商品4は、所定の大きさの板海苔を12等分したうちの5枚が1つの個包装材に収納されており、当該個包装材の8束が収納された製品である。個包装材は使用商品3と同様である。
セ 乙第4号証の2は、使用商品4の納品先である株式会社竹内東京本社(以下「竹内東京本社」という。)、又は株式会社ワタナベに和興商会が発行した請求書である。
請求書の発行日は(令和)3(2021)年7月1日、又は(令和)3(2021)年6月9日と記載されている。
請求書の商品名の欄には「味付海苔8束」と記載されている。
ソ 乙第5号証は、履歴事項全部証明書の写しである。
役員に関する事項の欄には「代表取締役」として商標権者の氏名が記載されている。
タ 請求人により提出された甲第1号証における商標登録原簿には商標権者の住所及び氏名が記載されている。
すなわち、商標権者が代表取締役を務める和興商会の所在地が居所として商標登録原簿に登録されている。
チ 以上の乙号証により、本件商標の商標権者から本件商標の使用について黙示の許諾を受けた和興商会(通常使用権者)による要証期間内の本件商標の指定商品についての日本国内使用事実(商標法第2条第3項第1号及び同項第2号)を立証し得たものと確信する。
2 回答書の要旨
(1)乙第2号証の4について
「有明海産味付のり 薫 8切48枚」(使用商品2)が、三菱食品社へ譲渡されたことを明確にするための証拠(乙2の4の1、乙2の4の2)を新たに提出する。
ア 乙第2号証の4の1について
乙第2号証の4の1は、乙第2号証の4の請求書に対応する取引先(三菱食品社)の社内システム画面(買掛金残高明細)の写しである。
当該明細の納品年月とオーダーNoの情報と、乙第2号証の4における請求書に記載の納品日とNo.の記載が対応している。
例えば、乙第2号証の4の請求書において最上段に記載された「有明海産味付のり薫8切48枚」(使用商品2)の下方には「4/6着 No.400194」と記載されており、乙第2号証の4の1の明細において最上段に記載された「有明海産味付のり 薫 8切48枚」(使用商品2)の納品年月には「20210406」と記載されており、かつオーダーNoには「400194」と記載されており、両証拠は対応している。
なお、乙第2号証の4の1の社内システム画面のURLの一部に「・・mitsubishiーshokuhin・・」との記載があり、かつ本画面の写しを作成した同社担当者のサインが表示されていることから同証拠は取引先(三菱食品社)における社内システム画面であることがわかる。
イ 乙第2号証の4の2について
乙第2号証の4の2は、乙第2号証の4の請求書に対応する商品の発送及び受取を証明する伝票の写しである。
より具体的には、乙第2号証の4の2は、乙第2号証の4の請求書に対応する商品の発送を行った運送会社(福山通運社)により発行された伝票(4件)であり、同商品が取引先(三菱食品社)に輸送されたことを明確にするための証拠である。
例えば、各伝票におけるサイン取得日時には「2021/04/06」(1ページ目)「2021/04/13」(2ページ目)「2021/04/21」(3ページ目)「2021/04/27」(4ページ目)と記載されており、乙第2号証の4の請求書及び乙第2号証の4の1の社内システム画面に記載された納品日と対応している。
(2)乙第2号証の2について
「有明海産味付のり 薫 8切48枚」(使用商品2)が掲載されたカタログが要証期間に存在していたことを明確にするための証拠(乙2の2の1~乙2の2の4)を新たに提出する。
ア 乙第2号証の2の1について
乙第2号証の2の1は、乙第2号証の2のカタログのデザイン案の写しである。デザイン案の制作日として右上部に「2013.01.31」と記載されている。
イ 乙第2号証の2の2について
乙第2号証の2の2は、乙第2号証の2のカタログの制作を受注した制作業者(三宝化成工業株式会社)(以下「三宝化成工業社」という。)のシステム画面の写しである。受注した品名の欄に「(株)和興商会様向けパンフレット A3二つ折り・・・」との記載及び指定納期の欄に「2013/02/12」と記載されている。
ウ 乙第2号証の2の3について
乙第2号証の2の3は、乙第2号証の2の2のカクログデータが添付された電子メールの写しである。
当該メールは、送信元である三宝化成工業社の担当者から和興商会の担当者に送信されたものであり、添付データとして「和興商会様パンフレットデータ」及び「2013売上履歴」が存在することがわかる。
「和興商会様パンフレットデータ」は上述した乙第2号証の2の1であり、「2013売上履歴」は上述した乙第2号証の2の2である。
つまり、上述した乙第2号証の2の1及び乙第2号証の2の2の制作者及び情報管理者は三宝化成工業社である。
エ 乙第2号証の2の4について
乙第2号証の2の4は、三宝化成工業社が制作した乙第2号証の2のカタログを梱包した梱包材(送り状)の写しである。
品物の欄には「(株)和興商会様パンフレット」と記載されていること、記事の欄には「2000部」と記載されていること、及びお届け予定日の欄には上述した指定納期と同様の「2013/02/12」と記載されている。つまり、乙第2号証の2の1ないし第2号証の2の4で示すように、要証期間より前の2013年2月12日には「有明海産味付のり 薫 8切48枚」(使用商品2)が掲載されたカタログが存在していた。
オ 頒布方法について
商標権者が代表を務める和興商会の営業担当者は、2013年2月13日ないし同月15日に開催された第47回スーパーマーケット・トレードショー2013及び2014年2月12日ないし同月14日に開催された第48回スーパーマーケット・トレードショー2014にて複数部を手渡しにてブース訪問者に頒布したが、そのすべて(2000部)を頒布しておらず、その後は和興商会の営業担当者が手渡しにて新規願客等に頒布していた。
そして、乙第2号証の2(カタログ原本)は少なくとも答弁書の提出日時点(2022年2月25日)で存在していたことは明らかである。
したがって、2022年2月25日より前の要証期間においても当該乙第2号証の2(カタログ原本)が存在していたことは明らかである。
また、上述するように要証期間において使用商品2の販売(譲渡)事業を行っていることからも、要証期間において使用商品2が掲載された乙第2号証の2(カタログ)を新規顧客等に頒布する活動も継続していた。
(3)乙第4号証について
「味付のり8束」(使用商品4)が要証期間において第三者に譲渡されたことを明確にするための新たな証拠(乙4の1の1、乙4の3、乙4の3の1~乙4の3の3)を提出する。
ア 乙第4号証の1の1について
乙第4号証の1の1は、使用商品4が掲載されたウェブサイト画面の写しである。
本ウェブサイト画面は、ウェブアーカイブサービスを提供する「Wayback Machine」(サイト名)であり、和興商会の取引先企業である株式会社三王商会(以下「三王商会」という。)が公開するウェブサイトが少なくとも要証期間である2020年8月11日に公開されていたことを明確にするための証拠である。
そして、三王商会が公開する同ウェブサイトには、同社が取り扱う商品を紹介するページがあり、当該ページで「和興商会」の製品も掲載されており、第4号証の1で示す製品と同様の登録商標が包装材に付された「味付のり8束」(使用商品4)が掲載(左最下部)されている。
なお、賞味期限の欄には「365日」と記載されているところ、乙第4号証の1で示す製品の賞味期限は「22.11.20」と記載されていることから、乙第4号証の1で示す製品は上記賞味期限の365日前の2021年11月20日には製造されていたといえる。
また、JANコード(審決注:「Japanese Article Number」(商品識別コード))の欄には「4951418001935」と記載されている。
イ 乙第4号証の3について
乙第4号証の3は、使用商品4の納品先である法人に発行した請求書(以下「使用商品4の請求書」という。)である。
使用商品4の請求書の商品名の欄には「味付海苔8束」と記載されている。最上に記載の商品から数えて6番目に記載されている「味付海苔8束」については、その下方に「(株)竹内商店 埼玉事業所」及び「7/31 出荷8/4着」と記載されている。
ウ 乙第4号証の3の1について
乙第4号証の3の1は、乙第4号証の3の請求書に対応する取引先((株)竹内商店)の社内システム情報(仕入確認表)の写し(以下「竹内商店の仕入確認表」という。)である。
最上に記載された「味付けのり8束袋8袋」の仕入日の欄には「20/08/04」と記載されており、乙第4号証の3の請求書における上述した製品と対応する。
また、「味付けのり8束袋8袋」の左には「4951418001935」との番号が記載されており、当該番号は乙第4号証の1の1のウェブサイト画面で表示された同商品のJANコード「4951418001935」と一致する。
エ 乙第4号証の3の2について
乙第4号証の3の2は、乙第4号証の3の請求書に対応する和興商会の社内システム画面の写しである。
1ページ目に表示の「味付海苔8束」における摘要の欄には「7/31出荷8/4着」と記載されており、JANコードの欄には「4951418001935」と記載されていることから乙第4号証の3及び乙第4号証の3の1の証拠と対応している。
オ 乙第4号証の3の3について
乙第4号証の3の3は、乙第4号証の3の請求書に対応する商品の発送及び受取を証明する伝票の写しである。例えば1ページ目における伝票におけるサイン取得日時は「2020/08/04」と記載されており、上述した乙第4号証の3ないし乙第4号証の3の2の取引先書面の納品日と対応している。
第4 当審の判断
1 事実認定
被請求人の主張及び同人並びに請求人の提出した証拠によれば、以下の事実が認められる。
(1)本件商標の商標登録原簿(甲1)に記載の商標権者の氏名と通常使用権者と主張する和興商会の履歴事項全部証明書(乙5)に記載している代表取締役の氏名は一致する。
また、本件商標の商標登録原簿(甲1)の記載の商標権者の住所と和興商会が発行しているカタログ(乙2の2)、請求書(控)(乙2の4)及び請求書(控)(乙4の3)に記載の和興商会の本社の住所は一致する。
(2)使用商品2
使用商品2(別掲4)の包装容器のラベルには、中央に「薫」の漢字(別掲4、以下「使用商標」という。)、その右上に「有明海産 味付のり」、右下に「8切48枚」、ラベルの右に名称として「味付のり」、内容量として「8切48枚 板のり 6枚」、製造者として「株式会社和興商会」及び同社の営業本部の住所(乙2の2、乙2の4)の記載がある(乙2の1)。
ア 乙第2号証の2は、和興商会が発行しているカタログであり、該カタログに掲載している商品名を「有明海産味付のり薫8切48枚」とする商品写真は、使用商品2の包装容器と同視できるものである。
イ 乙第2号証の4は、令和3年5月1日に和興商会が、三菱食品社に発行した請求書の(控)であり、宛先に「三菱食品(株)中四国ロジグループ 中国物流事務所」及び住所、発行元として「株式会社和興商会」及び本社並びに営業本部の住所等の記載がある。
(ア)日付が「3年4月2日」の項目において、商品名として「有明海産味付のり薫8切48枚 4/6着 No.400194」の記載がある。
(イ)日付が「3年4月9日」の項目において、商品名として「有明海産味付のり薫8切48枚 4/13着 No.409775」の記載がある。
(ウ)日付が「3年4月19日」の項目において、商品名として「有明海産味付のり薫8切48枚、4/21着 No.421361」の記載がある。
(エ)日付が「3年4月23日」の項目において、商品名として「有明海産味付のり薫8切48枚「4/27着 No.435912」の記載がある。
ウ 乙第2号証の4の1は、被請求人が上記イの請求書(控)に対応する三菱食品社の「買掛金残高明細」と称する社内システム画面(以下「三菱食品社の買掛金残高明細」という。)と主張するものであり、仕入先口座の項目に「(株)和興商会」、買掛締日の項目に「2021/04/30」等の記載がある。
(ア)納品年月が「20210406」の商品名として「有明海産味付のり薫8切、オーダーNoとして「400194」の記載がある。
(イ)納品年月が「20210413」の商品名として「有明海産味付のり薫8切、オーダーNoとして「409775」の記載がある。
(ウ)納品年月が「20210421」の商品名として「有明海産味付のり薫8切、オーダーNoとして「421361」の記載がある。
(エ)納品年月が「20210427」の商品名として「有明海産味付のり薫8切、オーダーNoとして「435912」の記載がある。
(3)上記(1)及び(2)によれば、以下のことが認められる。
ア 使用商品2に係る商品は、包装容器のラベルに記載の名称より「味付のり」と認められる。
イ 和興商会が三菱食品社に発行した請求書(控)(乙2の4)に記載の「着日」及び「No.」と三菱食品社の買掛金残高明細(乙2の4の1)に記載の「納品年月」及び「オーダーNo」の情報が一致する。
また、和興商会が発行した請求書(控)(乙2の4)に記載の商品名「有明海産味付のり薫8切48枚」と三菱食品社の買掛金明細(乙2の4の1)の商品名「有明海産味付のり薫8切」及び規格「48枚」の記載からすれば、これらの書証は同一の商品に係る一連の取引における書類であると推認できる。
そして、当該請求書(控)(乙2の4)及び三菱食品社の買掛金明細(乙2の4の1)に係る商品は、その商品名が使用商品2のラベルの記載と一致するため、使用商品2であると認められる。
そうすると、和興商会は、使用商品2(有明海産味付のり薫8切)を令和3年4月2日、同月9日、同月19日、同月23日に三菱食品社へ販売するために送付し、三菱食品社は、使用商品2を同月6日、同月13日、同月21日及び同月27日に受領したと認められる。
2 判断
(1)本件商標の使用者及び通常使用権者
本件商標の商標権者は、和興商会の代表取締役である。
また、商標権者の住所と和興商会が発行しているカタログに記載の和興商会の営業本部の住所は一致する。
そうすると、商標権者は、和興商会営業本部の住所を居所としたものであるから、本件商標を和興商会で使用する意図があったものと推認できる。
したがって、商標権者は、和興商会が本件商標を使用するにあたって、黙示の許諾をしたことが推認できるから、和興商会は、本件商標の通常使用権者と認められる。
さらに、使用商品2を三菱食品社に販売(譲渡)した者は和興商会であるから、本件商標の使用者は、通常使用権者である和興商会であると認められる。
(2)使用商品
使用商品2は、上記1(3)アのとおり、「味付のり」であり、該商品は、取消請求に係る指定商品中「焼きのり」の範疇に含まれる商品である。
(3)使用商標
使用商標は、別掲4のとおり、「薫」の漢字からなるものである。
(4)本件商標と使用商標の社会通念上同一について
本件商標と使用商標を比較すると、両者は、色彩が異なるものの、筆文字風の「薫」の漢字よりなることからすれば、社会通念上同一の商標と認められる。
(5)使用商標の使用時期及び商標の使用について
上記1(3)イからすれば、本件商標の通常使用権者である和興商会は、使用商標を付した使用商品2を令和3年4月2日、同月9日、同月19日、同月23日に三菱食品社へ販売のために送付し、三菱食品社は、使用商品2を同月6日、同月13日、同月21日及び同月27日に受領しているところ、当該日付けは、要証期間内である。
そして、当該使用商品2の納品先は日本国内であること明らかである。
(6)まとめ
以上(1)ないし(5)のとおり、被請求人の主張及び同人並びに請求人の提出した証拠を総合的に判断すると、本件商標の通常使用権者は、要証期間内に、日本国内において、本件商標と社会通念上同一の商標を本件審判の請求に係る商品の範疇の使用商品(味付のり)に付して譲渡したこと(商標法第2条第3項第2号)が認められる。
3 結び
以上のとおり、被請求人は、本件商標の通常使用権者が、本件審判の登録前3年以内に、日本国内において、請求に係る指定商品の範疇に含まれる「味付のり」に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用したことを証明したということができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
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