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商標取消審判

2021-300785

オーパス

審判番号
2021-300785
法域
商標
審判種別
取消審判(商標取消の審決)
出願番号
商願1997-143388
登録番号
4248343
請求日
2021年10月07日
審決日
2022年09月15日
公報発行日
2022年12月28日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社 コーセー
  • 【被請求人】株式会社 ハーバー研究所
  • 【被請求人代理人】北村 周彦
審判長/審判官
  • 審判長 矢澤 一幸
  • 審判官 豊田 純一
  • 審判官 山村 浩
分類
T132 .1 -Y (Z03)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法2条3項8号商標法50条
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第50条第2項、商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第8号、商標法第50条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の登録第4248343号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第4248343号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおり、「オーパス」の片仮名と「OPUS」の欧文字を2段に横書きしてなり、平成9年7月31日に登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品として、同11年3月12日に設定登録されたものである。 そして、本件審判の請求の登録は、令和3年10月21日になされたものであるから、商標法第50条第2項に規定する「審判の請求の登録前3年以内」とは、平成30年10月21日から令和3年10月20日までの期間(以下「要証期間」という。)である。 第2 請求人の主張 請求人は、本件商標の指定商品中、第3類「化粧品,せっけん類」(以下「本件審判請求に係る指定商品」という。)について登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出している。 1 請求の理由 本件商標は、本件審判請求に係る指定商品について、継続して3年以上、日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。 2 答弁に対する弁駁 請求人は令和3年12月3日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対して、何ら弁駁していない。 第3 被請求人の主張 被請求人は、結論同旨の審決を求め、答弁書において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第9号証を提出した。 なお、以下、乙各号証の表記にあたっては、乙第1号証を「乙1」のように省略して表示する場合がある。 1 答弁の理由 (1)商標について 乙第1号証に示される商品「アップ アンド アップS 育毛剤」(以下「本件商品」という。)の販売名として、商標「オーパス」が付されている。当該商標は、本件商標を構成する片仮名「オーパス」と同一文字で構成されており、同一の観念が生じるものであって、本件商標を構成する欧文字「OPUS」から生じる称呼「オーパス」と当該商標から生じる称呼「オーパス」は同一である。このため、当該商標は、本件商標と同一の称呼及び観念を生じ、本件商標と社会通念上同一と認められる商標である。 (2)使用者について 乙第1号証の「●お問い合わせ」に示されるように、本件商品は、株式会社RSKサービス(以下「RSKサービス社」という。)が製造販売を行っている。株式会社ハーバー研究所(以下「現本件商標権者」という。)は、令和3年3月30日付けで、子会社であった株式会社HプラスBライフサイエンス(以下「HプラスBライフサイエンス社」又は「旧本件商標権者」という。)を吸収合併しているが(乙2)、同2年6月1日付けで、「HプラスBライフサイエンス社」と「RSKサービス社」との間において、本件商標に係る商標権の使用許諾契約を締結している(乙3)。乙第3号証に示されるように、「HプラスBライフサイエンス社」は、「RSKサービス社」に対して、旧本件商標権者が保有する本件商標を含む複数の登録商標を、本件商品を含む複数の商品について使用することを許諾している。すなわち、「RSKサービス社」は、本件商標の通常使用権者である。 なお、「RSKサービス社」のウェブサイトには、令和2年6月1日付けで「株式会社HプラスBライフサイエンスより医薬部外品及び化粧品事業を継承した」旨が記載されている(乙4)。 (3)使用に係る商品について 乙第1号証に示されるように、本件商品は、1.発毛を促進し脱毛を予防することで、元気な髪を育てるとともに、2.頭皮を守り、3.頭皮をイキイキと整えることができる育毛剤である。有効成分「感光素301号」により、発毛を促進し、ふけ・かゆみを抑えるとともに、弱々しい髪にハリとコシを与える「ボタンエキス」とダメージから髪を守り頭皮をうるおす「海藻エキス」とが、当該有効成分の働きをサポートする医薬部外品である。当該「感光素301号」は、主に、育毛剤、ヘアトニックなどの頭髪用化粧品に用いられる成分である(乙5)。 ここで、第3類「化粧品」の概念には、(旧)薬事法に規定する化粧品の大部分及び医薬部外品のうち、人体に対する作用が緩和なものであって、身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え又は皮膚若しくは毛髪をすこやかに保つことを目的として、身体に途擦、散布等の方法で使用するものが含まれるのに対し、第5類「薬剤」の概念には、(旧)薬事法の規定に基づく医薬品の大部分及び医薬部外品の一部を含み、外皮用薬剤の概念に含まれる「毛髪用剤」は、例えば、円形脱毛症、脂漏性脱毛症、壮年脱毛症などのように、特定の疾病の治療薬(医薬品)として取引されるものだけに限られると解される(「商品及び役務区分解説」(改訂第3版))。 そうすると、本件商品の、1.発毛を促進し脱毛を予防することで、元気な髪を育てるとともに、2.頭皮を守り、3.頭皮をイキイキと整えるという効果・効能は、人体に対する作用が緩和なものであって、身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え又は皮膚若しくは毛髪をすこやかに保つことを目的として、身体に塗擦、散布等の方法で使用するものであり、医薬部外品の中でも化粧品の使用目的に用いられるものといえる。特に、本件商品のパッケージ(乙1)中、「<育毛剤>」の下に、英語で「育毛ローション」を意味する「Hair Restoring Lotion」と記載されていることからも、同じことがいえる。また、本件商品が医薬部外品の承認を受けているとしても、特定の疾病の治療を目的とする医薬品ではないことは明らかである。本件商品の用途、性質、効果、効能等から、仮に、「薬剤」に近い効果、効能を有する場合があるとしても、特定の疾病の治療を目的としない以上、第3類「化粧品」に属するものである。 さらに、乙第1号証に示されるように、本件商品は、「スカルプ シャンプー」及び「マイルド コンディショナー」とひとまとめにして「アップ アンド アップ」シリーズとして販売されており、これらの商品の並びからみても、本件商品は「頭髪用化粧品」である。 (4)使用時期について 乙第1号証に係るパンフレットは、有限会社坪井工芸「以下「坪井工芸社」という。」(乙6)が印刷したものである。これについて、令和3年3月30日付けで、「RSKサービス社」は、「坪井工芸社」に対して、修正指示を添付した電子メールを送った(乙7)。これを受けて、同日付けで、「坪井工芸社」は、「RSKサービス社」に対して、修正した版下を添付した電子メールを送った(乙8)。その後、同3年4月5日付け発行の納品書(乙9)に基づき、「坪井工芸社」は、「RSKサービス社」に対して、当該パンフレット1,000枚を納品した。なお、納品書では、商品「サイクレアー」のパンフレット1,000枚と合わせているため、「数量2,000枚」と記載されている。乙第1号証に記載された「21.04.1000」の文字は、「2021年4月に1000部」印刷したことを表している。 これらのことから、当該パンフレットは、要証期間である令和3年(2021年)4月に発行されたことが明らかである。 2 まとめ 以上のとおり、通常使用権者は、要証期間内に、日本国内において、本件商標と社会通念上同一の商標を本件審判請求に係る指定商品中「化粧品」について使用していることは明らかである。 第4 当審の判断 1 被請求人の提出した乙各号証によれば、以下のとおりである。 (1)乙第1号証は、被請求人が商品「アップ アンド アップS 育毛剤」のパンフレット(写し)と主張するものであり、本号証の1葉目の「●お問い合わせ」の記載の下に「(株)RSKサービス 健康事業部」の記載、電話番号の記載、「〒700-0823 岡山市北区丸の内2丁目1番10号 丸の内ヒルズ」の記載、その下に「http://www.rsk-s.jp/」の記載があり、その右に「21.04.1000」の記載があり、本号証の2葉目の左下に、「発毛促進」の記載、「脱毛予防」の記載、「ふけ」及び「かゆみ」の記載の下に、「アップ アンド アップS 育毛剤 500ml」の記載と左側に当該商品の画像、「アップ アンド アップS 育毛剤 200ml」の記載があり、「販売名」の右横に「オーパス」の記載があり、「アップ アンド アップS 育毛剤 500ml」及び「アップ アンド アップS 育毛剤 200ml」の容器には、「育毛ローション」を意味する「Hair Restoring Lotion」の文字が表されている。 また、本号証の2葉目を参照すると、「アップ アンド アップS 育毛剤 500ml」及び「アップ アンド アップS 育毛剤 200ml」は、「スカルプシャンプー」や「マイルドコンディショナー」と並列して、パンフレットにおいて紹介されていることが確認できる。 (2)乙第2号証は、「合併公告」と題する書面であって、「令和3年2月22日」の記載、その下に「東京都千代田区神田須田町一丁目24番地」の記載、その下に「株式会社ハーバー研究所」の記載、その下に「代表取締役」の記載及び同氏の記載があり、その下に「当社(以下「甲」という。)は、令和3年3月30日を効力発生日として、甲を吸収合併存続会社とし、株式会社HプラスBライフサイエンス(本店:東京都千代田区神田須田町一丁目24番地。以下「乙」という。)を吸収合併消滅会社とする吸収合併を行うことにいたしましたので、下記のとおり公告いたします。」の記載、その下に「これにより、効力発生日をもって甲は乙の権利義務全部を承継し、乙は解散することとなります。」の記載がある。 (3)乙第3号証は、「契約書」と題する書面であり、本号証の1葉目に、「株式会社HプラスBライフサイエンス(以下「甲」という。)と株式会社RSKサービス(以下「乙」という。)とは、甲が乙に下記商標(以下「本件商標」といい、本件商標についての権利を「本件商標権」という。)の使用権を許諾することについて、下記の通り契約する。」の記載、その下の6番目の項に、「登録商標 オーパス\OPUS」の記載、その下に「登録番号 商標登録第4248343号」の記載、登録日「1999年3月12日」の記載がある。 また、本号証の2葉目に、「第1条(対象商品の確認等)」の記載の下、「甲は、乙に対し、本件商標を甲が販売していた下記の医薬部外品商品(以下「本件商品」といいます。)に使用することを許諾する。ただし、乙が、本件商品以外の商品に本件商標の使用をする場合、甲の許諾を必要とする。」の記載、その下の項目中、上から15番目に「アップ アンド アップS」の記載があり、「第2条(有効期間)」の記載の下、「1.本契約は、契約書締結の日から本件商標権の存続期間満了まで(更新登録された場合」の記載、その下に「は更新後の存続期間満了まで」効力を有するものとする。)の記載がある。 さらに、本号証の3葉目に、「2020年 6月 1日」の記載、その下に「甲 東京都千代田区神田須田町1-24」の記載、「株式会社HプラスBライフサイエンス」の記載、「代表取締役」の記載及び同氏の記載並びに同社の社印と思われる印影があり、その下に「乙 岡山市北区丸の内2-1-10」の記載、その下に「株式会社RSKサービス」の記載、その下に「代表取締役」及び同氏の記載並びに同社の社印と思われる陰影がある。 (4)乙第9号証は、「納品書」と題する書面であり、本号証の左上に、「700-0823」の記載、その下に「岡山市北区丸の内2-1-10」の記載、その下に「丸の内ヒルズ6F」の記載、その下に「(株)RSKサービス 御中」の記載があり、本号証の右上に、「(有)坪井工芸」の記載の下、「700-0936 岡山市北区富田503-20」の記載、その下に電話番号及びファクシミリ番号の記載があり、その下の表中、「発行日」の欄に「2021年4月5日」の記載、その下の表中上から2行目に、「受注No」及び「見積No」の下に「2103058」の記載、「製品名」の下に「(印刷)」の記載、その下に「パンフレット2種(サイクレアー・UP&UP)3ツ折」の記載、「数量」及び「単位」の下に「2000」及び「枚」の記載がある。 2 判断 (1)本件商標の権利者について 「HプラスBライフサイエンス社」は、令和3年3月30日に、現本件商標権者に吸収合併されて、吸収合併消滅会社となったことが確認できる(乙2)。 そして、本件商標の商標登録原簿の記載によれば、本件商標の商標権は、令和3年4月21日付けで本件移転登録申請書が提出されたことにより、「HプラスBライフサイエンス社」から現本件商標権者に移転されている。 (2)通常使用権者について 上記1(2)によれば、旧本件商標権者である「HプラスBライフサイエンス社」は、令和2年6月1日に、「RSKサービス社」に対して、本件商標の使用許諾を行っていることが確認できることから、「RSKサービス社」は、旧本件商標権者より本件商標の使用を許諾された者(通常使用権者)であると認められる。 (3)使用商標について 上記1(1)によれば、商品「アップ アンド アップS 育毛剤」のパンフレット(写し)には、「アップ アンド アップS 育毛剤」の販売名として、「オーパス」の片仮名が記載されていることから、商品「アップ アンド アップS 育毛剤」には、「オーパス」の商標(以下「使用商標」という。)が付されていることが推認できる。 そして、本件商標と使用商標は、片仮名「オーパス」の構成文字を同じくするとともに、「オーパス」の称呼を共通にするものであるから、両者は、社会通念上同一の商標と認められる。 (4)使用商品について 商品「アップ アンド アップS 育毛剤」のパンフレット(写し)によると、使用商標が付された商品(以下「使用商品」という。)は、「育毛剤」として、当該パンフレットに掲載されているものの、上記1(1)のとおり、使用商品は、「スカルプシャンプー」及び「マイルドコンディショナー」と並列して掲載されており、その容器には、「育毛ローション」を意味する「Hair Restoring Lotion」の文字が表されていることからすると、使用商品は、「育毛ローション」に該当する商品である推認できる。 そして、「育毛ローション」は、本件審判請求に係る指定商品中「化粧品」の範ちゅうに属する商品と認められる。 (5)使用行為について 上記1(4)によれば、商品「アップ アンド アップS 育毛剤」のパンフレットは、2021年4月に、「坪井工芸社」が、2,000部、印刷し、通常使用権者である「RSKサービス社」に納品されたことが確認できることから、通常使用権者は、要証期間内に、本件商標と社会通念上同一の商標と判断できる使用商標を付した使用商品に関するパンフレットを頒布したことが推認できる。 (6)まとめ 以上からすると、通常使用権者は、要証期間内である2021年4月頃、日本国内において、本件商標と社会通念上同一の使用商標を付した本件審判請求に係る指定商品「化粧品」の範ちゅうに属する「育毛ローション」に関するパンフレットを頒布したことが確認でき、この使用行為は、商品に関する広告に標章を付して頒布する行為であるから、商標法第2条第3項第8号に該当する。 そうすると、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において通常使用権者がその請求に係る指定商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていたことを証明したということができる。 したがって、本件商標の登録は、その請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。

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