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商標取消審判

2021-300532

ユキネマキ

審判番号
2021-300532
法域
商標
審判種別
取消審判(商標取消の審決)
出願番号
商願2017-140713
登録番号
6060989
請求日
2021年07月14日
審決日
2023年08月30日
公報発行日
2023年11月24日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】三澤 勝男
  • 【請求人代理人】辻田 朋子
  • 【請求人代理人】下田 一徳
  • 【請求人代理人】樋口 頼子
  • 【請求人代理人】中川 慶太
  • 【被請求人】齋藤 俊一
  • 【被請求人代理人】笠原 基広
  • 【被請求人代理人】木村 満
  • 【被請求人代理人】松嶋 さやか
  • 【被請求人代理人】吉松 こず恵
審判長/審判官
  • 審判長 豊田 純一
  • 審判官 杉本 克治
  • 審判官 小田 昌子
分類
T131 .1 -Y (W25)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法2条3項2号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第2条第3項第2号、商標法第2条第3項第1号、商標法第50条第1項、商標法第50条、商標法第50条第2項、商標法第2条第3項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の登録第6060989号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6060989号商標(以下「本件商標」という。)は、「YUKINEMAKI」の文字を標準文字で表してなり、平成29年10月12日に登録出願、第25類「スキー又はスノーボード用スーツ,スキー又はスノーボードに適した帽子,その他の被服,スキー又はスノーボード用手袋,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」(以下「本件審判請求に係る指定商品」という。)を指定商品として、同30年5月31日に登録査定、同年7月13日に設定登録されたものである。 なお、本件審判の請求の登録は、令和3年7月29日であり、本件審判の請求の登録前3年以内の平成30年7月29日から令和3年7月28日までを以下「要証期間」という。 第2 請求人の主張 請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録を取消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、審判請求書において、その理由を要旨以下のように述べた。 1 請求の理由 本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。 2 答弁に対する弁駁 請求人は、被請求人の答弁に対し、何ら弁駁していない。 第3 被請求人の主張 被請求人は、結論同旨の審決を求め、令和3年9月10日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)及び同4年3月11日付け審尋に対する同年4月14日付けの回答書(以下「回答書」という。)において、その理由を要旨以下のとおり述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第67号証(枝番号を含む。)を提出した。 以下、証拠の記載に当たっては、乙第1号証を「乙1」のように記載し、また、枝番号の全てを引用する場合は、枝番号を省略して表示する。 1 答弁の理由 (1)本件商標の権利者及び株式会社SPORTSBOOKについて 株式会社SPORTSBOOK(以下「SPORTSBOOK社」という。)は、スポーツウェア、カジュアルウェアの企画、製造及び販売をはじめ、各種物品の小売業等を目的として、平成25年12月6日に設立された法人である(乙1)。 本件商標の権利者(以下「本件商標権者」という。)は、平成30年11月1日にSPORTSBOOK社の代表取締役に就任し(乙1)、同日付けで、SPORTSBOOK社と本件商標の商標権(以下「本件商標権」という。)の通常使用許諾契約を締結している(乙2)。 よって、SPORTSBOOK社は、本件商標の通常使用権者である。 (2)使用商標 SPORTSBOOK社が使用する商標は、「YUKINEMAKI」の欧文字を斜字体で、横一連に書してなる商標(以下、「使用商標」という。)である(乙3、乙8、乙13、乙15)。 他方、本件商標は、「YUKINEMAKI」の文字を標準文字で表してなる。 本件商標と使用商標は、書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標であるため、両商標は社会通念上同一である。 (3)本件審判請求に係る指定商品についての使用 ア スノーボード用パンツ 乙第3号証は、アイテム名を「スノーボードパンツ」、型番を「YN19MP01」とするスノーボード用パンツの縫製仕様書であり、本件商標の通常使用権者であるSPORTSBOOK社が、本商品の製造を製造会社へ依頼した際に作成されたものである。 縫製仕様書には、ブランドネームとして本件商標「YUKINEMAKI」が記されており、商品の裏地に縫い付ける仕様の、布製のタグ(織りネーム)に表示されている標章は、使用商標と同一である。 これにより、2018年12月12日付けで販売された本商品「スノーボードパンツ(型番:YN19MP01)」に、使用商標が表示された織りネームが縫い付けられていたと推認される。 また、スノーボード用パンツは、ジャケット部分とパンツ部分からなるスノーボード用スーツのパンツ部分であり、本件審判請求に係る指定商品中の「スキー又はスノーボード用スーツ」に含まれる。 乙第4号証ないし乙第6号証は、SPORTSBOOK社が、スノーボードパンツ(型番:YN19MP01)を、スポーツ用品の小売販売店(以下「スポーツ用品店」という。)に販売した際の2018年12月12日付けの納品書、同月19日付けの請求書及び2019年4月8日付け発行のSPORTSBOOK社名義の銀行口座の取引履歴明細証明書の写しである。 これにより、要証期間内の2018年12月12日に、SPORTSBOOK社が、使用商標を付したスノーボードパンツ(型番:YN19MP01)をスポーツ用品店に販売、納品し、その総額である7,382,340円から、銀行振込手数料700円及び当時の消費税56円を差し引いた7,381,584円が、2019年1月18日に、上記スポーツ用品店からSPORTSBOOK社へ支払われたことが示されている。商標を付した商品を販売する行為は、商標法第2条第3項第2号の使用に該当する。 上記より、本件商標の通常使用権者であるSPORTSBOOK社が、本件商標と社会通念上同一の使用商標を、要証期間内に、日本国内において、本件審判請求に係る指定商品中の「スキー又はスノーボード用スーツ」について使用したといえる。 イ レインジャケット 乙第7号証は、アイテム名を「メンズ レインジャケット」、「メンズ レインパンツ」、型番を「YN19RS01」とするレインジャケット及びレインパンツの縫製仕様書であり、SPORTSBOOK社が、本商品の製造を製造会社へ依頼した際に作成されたものである。 乙第8号証は、スポーツ用品店で販売されているメンズ レインジャケットの写真であり、フード部分に付された下げ札に表示されている標章は、使用商標と同一である。 商品の写真からも明らかなように、レインジャケットは、雨天時用の上半身用被服であり、本件審判請求に係る指定商品の「その他の被服」に含まれる。 乙第9号証ないし乙第11号証は、SPORTSBOOK社が、メンズ レインジャケット及びメンズ レインパンツ(型番:YN19RS01)をスポーツ用品店に販売した際の2019年4月18日付けの納品書、同月20日付けの請求書及び2019年8月5日付け発行のSPORTSBOOK社名義の銀行口座の取引履歴明細証明書の写しである。 これにより、要証期間内の2019年4月18日に、SPORTSBOOK社が、使用商標を付したメンズ レインジャケット及びメンズ レインパンツ(型番:YN19RS01)をスポーツ用品店に納品、販売し、その総額である5,275,800円から、振込手数料700円及び当時の消費税56円を差し引いた5,275,044円が、2019年5月20日に、上記スポーツ用品店からSPORTSBOOK社へ支払われたことが示されている。商標を付した商品を販売する行為は、商標法第2条第3項第2号の使用に該当する。 上記より、本件商標の通常使用権者であるSPORTSBOOK社が、本件商標と社会通念上同一である使用商標を、要証期間内に、日本国内において、本件審判請求に係る指定商品の「その他の被服」について使用したといえる。 ウ インナーフリーストップス 乙第12号証は、アイテム名を「POLARTEC インナーフリーストップス」とするフリース製の上半身用被服の縫製仕様書であり、SPORTSBOOK社が、本商品の製造を製造会社へ依頼した際に作成されたものである。 乙第13号証は、POLARTEC インナーフリーストップス(型番:YN20FJ01)の写真、乙第14号証は、型番が記載されたタグの拡大写真であり、襟元に縫い付けられた織りネーム及びジッパー部分に付された下げ札に表示されている標章は、使用商標と同一である。 乙第15号証は、スポーツ用品店で販売されているPOLARTEC インナーフリーストップスの写真であり、ジッパー部分に付された下げ札に表示されている標章は、使用商標と同一である。商品の写真からも明らかなように、POLARTEC インナーフリーストップスは、フリース製の上半身用被服であり、本件審判請求に係る指定商品の「その他の被服」に含まれる。 乙第16号証ないし乙第18号証は、SPORTSBOOK社がPOLARTEC インナーフリーストップス(型番:YN20FJ01)を、スポーツ用品店に販売した際の2019年10月23日付けの納品書、請求書及び2020年8月5日付け発行のSPORTSBOOK社名義の銀行口座取引履歴明細証明書の写しである。 これにより、要証期間内の2019年10月23日に、SPORTSBOOK社が、使用商標を付したPOLARTEC インナーフリーストップス(型番:YN20FJ01)をスポーツ用品店に納品、販売したことが示される。 さらに、2019年10月23日付けの請求書の総額1,285,240円と、SPORTSBOOK社からスポーツ用品店へ販売された別商品のスノーパンツ(型番:YN20PT01)についての2019年11月5日付けの請求書(乙19)の総額6,509,250円との合計金額7,794,490円から、振込手数料700円及び消費税70円を差し引いた7,793,720円が、2019年12月20日に、スポーツ用品店からSPORTSBOOK社へ支払われたことが示されている。商標を付した商品を販売する行為は、商標法第2条第3項第2号の使用に該当する。 上記より、本件商標の通常使用権者であるSPORTSBOOK社が、本件商標と社会通念上同一である使用商標を、要証期間内に、日本国内において、本件審判請求に係る指定商品の「その他の被服」について使用したといえる。 (4)以上の事実及び書証によって、本件商標の通常使用権者が、本件審判請求の予告登録前3年以内に、日本国内において、本件商標を請求に係る指定商品中の「スキー又はスノーボード用スーツ,その他の被服」について使用していたといえる。 2 回答書による主張 (1)本件商標と社会通念上同一の商標(以下、回答書による主張に限り「本件使用商標」という。)を付した商品の取引の流れについて 本件商標の通常使用権者であるSPORTSBOOK社は、スポーツウェア、カジュアルウェアの企画、販売等を目的とした法人であり(乙1)、自社ブランドのスポーツウェア等のアパレル商品(以下、「SPORTSBOOK商品」という。)の企画、デザイン及び販売を行っている。 SPORTSBOOK社は、SPORTSBOOK商品の縫製仕様書の作成、縫製仕様書に基づいた商品の製造及び納品を日本マート株式会社(英文表記:JAPAN MART CO.,LTD.)(乙20)(以下、「日本マート社」という。)に委託している。 日本マート社は、繊維原料、資材及びこれらの製品の国内販売、輸出入、仲立等を目的として、昭和53年7月18日に設立された法人であり(乙21)、SPORTSBOOK社の指示に基づいて縫製仕様書を作成し、縫製仕様書に基づいたSPORTSBOOK商品の製造を中国に所在する提携工場に依頼し、製造された商品を我が国に輸入し、SPORTSBOOK社に納品しており、SPORTSBOOK社は、SPORTSBOOK商品を株式会社ロンドンスポーツ(以下、「ロンドンスポーツ社」という。)に販売している。 ロンドンスポーツ社は、スポーツ用品の販売、衣料品の販売等を目的として、平成3年3月11日に設立された法人である(乙22)。 なお、物流においては、日本マート社からロンドンスポーツ社に直接納品されているが、取引としては、委託製造されたSPORTSBOOK商品が、日本マート社からSPORTSBOOK社に納品され、それをSPORTSBOOK社がロンドンスポーツ社に販売している。 上記取引の流れにおいて、SPORTSBOOK社の指示により、本件使用商標が表示された織りネーム、織りワッペン及び下げ札が、SPORTSBOOK商品である「スノーボードパンツ(型番:YN19MP01)」、「メンズ レインジャケット及びメンズ レインパンツ(型番:YN19RS01)」及び「POLARTEC インナーフリーストップス(型番:YN20FJ01)」に付され、SPORTSBOOK社が、本件使用商標を付した上記商品をロンドンスポーツ社に販売していた。 ア 縫製仕様書(乙3、乙7、乙12)について (ア)縫製仕様書の作成者について 縫製仕様書(乙3、乙7、乙12)は、SPORTSBOOK社が、商品の製造を日本マート社に依頼した際に、日本マート社により作成されたものである(乙23~乙26)。日本マート社は、SPORTSBOOK社から依頼を受け、SPORTSBOOK社の要望及び指示に従ってSPORTSBOOK社商品の縫製仕様書を作成、サンプル加工、サンプル商品チェック、生産管理等を行っている(乙27)。 (イ)SPORTSBOOK社の依頼により、その要望及び指示に従って縫製仕様書が作成されたことの証明 a 乙第28号証は、2018年10月24日付け電子メール(差出人:日本マート社担当者)の写しであり、「スノーボードパンツ(型番:YN19MP01)」の縫製仕様書(乙23)は当該電子メールに添付されており、日本マート社の担当者が、同年5月18日付けで作成された「スノーボードパンツ(型番:YN19MP01)」の縫製仕様書に基づいて作られたサンプル商品の実寸の採寸結果を、SPORTSBOOK社代表取締役である本件商標権者に連絡し、確認を求めている。当該電子メールに添付された縫製仕様書(乙23)の右端の「SPL」の文字の下に、日本マート社が10月22日にLサイズのサンプル商品の採寸を行った結果が記載されている。これにより、SPORTSBOOK社の依頼により、その要望及び指示に従って日本マート社が当該縫製仕様書を作成したことが示されている。 b 乙第29号証は、日本マート社の担当者と本件商標権者が、レインスーツの仕様について行ったやりとりの2019年2月15日及び同月18日付け電子メールの写しであり、2018年2月12日付けで作成された縫製仕様書の右端の「SPL」の文字の下に、日本マー卜社が、2019年2月4日にLサイズのサンプル商品の採寸を行った結果が記載されている(乙24)。2019年2月15日付けの電子メール(差出人:日本マート社担当者)にて、日本マート社の担当者が、縫製仕様書(乙24)に記載の最終確認サンプルについてのコメントを本件商標権者に求めており、これに対し、同月18日1:13PM付けの電子メール(差出人:本件商標権者)にて、最終仕様について、ロンドンスポーツ社にも確認し、了承したこと及び縫製仕様書(乙24)の仕様にて「メンズ レイン ジャケット及びメンズ レイン パンツ(型番:YN19RS01)」の製造を進行するよう、本件商標権者から日本マート社へ指示が出されている。これにより、SPORTSBOOK社の依頼により、その要望及び指示に従って日本マート社が当該縫製仕様書を作成したことが示されており、2019年2月18日付け電子メールには、下げ札等のデザイン(乙30)が添付されている。 c 乙第31号証は、2019年5月27日付け電子メール(差出人:日本マート社担当者)の写しであり、「POLARTEC インナーフリーストップス」の縫製仕様書(乙25)はこの電子メールに添付されていたものであり、当該電子メールにて、日本マート社の担当者が、2019年4月25日付けで作成された「POLARTEC インナーフリーストップス」の縫製仕様書に基づいて作られたサンプル商品の実寸の採寸結果を、SPORTSBOOK社代表取締役である本件商標権者に連絡し、確認を求めている。当該電子メールに添付された縫製仕様書(乙25)の右端の「SPL」の文字の下に、日本マート社が2019年5月21日にLサイズのサンプル商品の採寸を行った結果が記載されている。これにより、SPORTSBOOK社の依頼により、その要望及び指示に従って日本マート社が当該縫製仕様書を作成したことが示されている。 d 乙第32号証は、「POLARTEC インナーフリーストップス」についてやりとりした2019年7月16日付け及び同年8月15日付け電子メールの写しであり、同年7月16日14:07付け電子メール(差出人:日本マート社担当者)(乙32)には、織りネームの参考サンプルの写真(乙33)が添付されており、参考サンプルと同様に「YUKINEMAKI」の織りネームを付する仕様について、日本マート社が本件商標権者に確認を行っており、これに対し、同日22:02:57付け電子メール(差出人:本件商標権者)にて、本件商標権者が了承し、上記仕様で進めるよう指示をしたことが確認できる。 さらに、2019年8月15日付け電子メール(差出人:日本マート社担当者)(乙32)には、「POLARTEC インナーフリーストップス」の修正版の縫製仕様書(乙26)が添付されており、そこには、SPORTSBOOK社の要望により、同年6月7日及び同年7月16日付けで変更が加えられたものであり、同年8月15日付け電子メール(乙32)にて、日本マート社の担当者が、同年7月9日付けで作成された「POLARTEC インナーフリーストップス」の修正版の縫製仕様書に基づいて作られたサンプル商品の実寸の採寸結果を、本件商標権者に連絡し、確認を求めている。当該修正版の縫製仕様書(乙26)の右端の「2nd SPL」の文字の下に日本マート社が2度目のサンプル採寸を行った結果が記載されている。 これにより、SPORTSBOOK社の依頼により、その要望及び指示に従って日本マート社が当該縫製仕様書を作成したことが示されている。 また、当該修正版の縫製仕様書(乙26)には、「POLARTEC インナーフリーストップス」の型番が、「YN20FJ01」であることが記載されており、商品の衿に、布製のタグ(織りネーム)を付けることが示されている。織りネームに表示されている標章「YUKINEMAKI」は、使用商標と同一であり、当該修正版の縫製仕様書に基づき作成された「POLARTEC インナーフリーストップス(YN20FJ01)」の衿には使用商標が表示された織りネームが付けられている(乙13、乙15、乙53~乙55)。これにより、縫製仕様書(乙26)に基づいて、本件商標が表示された織りネームが「POLAKTEC インナーフリーストップス(型番:YN20FJ01)」に付されたといえる。 (ウ)以上より、「スノーボードパンツ(型番:YN19MP01)」、「メンズ レイン ジャケット及びメンズ レイン パンツ(型番:YN19RS01)」、及び「POLARTEC インナーフリーストップス(YN20FJ01)」の縫製仕様書の写し(乙3、乙7、乙12、乙23~乙26)は、SPORTSBOOK社の依頼を受け、その要望及び指示に従って、取引先である日本マート社により作成されたものである。 加えて、本件商標が表示された織りネームを商品に付けることは、商標法第2条第3項第1号の「商品に標章を付する行為」に該当する。SPORTSBOOK社の要望及び指示に従って作成された縫製仕様書(乙23~乙26)に、当該織りネームを付することが指示されており、上記縫製仕様書に基づいて、織りネームを付した商品が製造されていることから、上記行為はSPORTSBOOK社によって、商標法第2条第3項第1号の「商品に標章を付する行為」が行われたといえる。 イ 縫製仕様書に基づき製造された商品が、SPORTSBOOK社宛てに納品されたことの証明 (ア)乙第34号証ないし乙第36号証は、SPORTSBOOK社宛てに日本マート社から発行された2018年12月25日付け納品書、2019年1月7日付け請求書及び2018年12月25日付け電子メール(差出人:日本マート社担当者)の写しであり、納品書(乙34)は、電子メール(乙36)に添付されていたものである。これにより、縫製仕様書(乙23)により製造された「スノーボードパンツ(型番:YN19MP01)」が、納品書に記載の数量の合計である1,519着、日本マート社からSPORTSBOOK社宛てに納品されたこと(乙34)、納品書上の小計金額5,088,650円及び消費税407,092円が、日本マート社からSPORTSBOOK社宛てに請求されたこと(乙35)が示されている。 なお、SPORTSBOOK社からロンドンスポーツ社への「スノーボードパンツ(型番:YN19MP0l)」1,519着の納品書に「納品日2018/12/12」とあるとおり、ロンドンスポーツ社へ商品が納品されたのは2018年12月12日であり、納品書(乙34)が2018年12月25日付けで発行されているのは、商品が納品された後日、納品数量について、日本マート社からSPORTSBOOK社へ確認連絡を行うために納品書(乙34)が発行されたためである。納品書(乙34)が添付された電子メール(乙36)にて、日本マート社の担当者が、スノーパンツの納品内容の確認を求めていることからも上記状況が確認できる。 (イ)乙第38号証ないし乙第40号証は、SPORTSBOOK社宛てに日本マート社から発行された2019年4月19日付け納品書、同年5月7日付け請求書並びに、同年4月16日及び同月19日付け電子メールの写しであり、電子メール(乙40)に納品書(乙38)が添付されていた。これにより、縫製仕様書(乙24)により製造された「メンズ レイン ジャケット及びメンズ レイン パンツ(型番:YN19RS01)」が、日本マート社からSPORTSBOOK社宛てに、2019年4月18日に977着納品されたこと(乙38)、納品書上の合計金額3,798,576円が、日本マート社からSPORTSBOOK社宛てに請求されたこと(乙39)が示されている。 納品書(乙38)の左下の備考に記載の「4/18 大徳運輸第三倉庫納品」の「大徳運輸第三倉庫」とは、ロンドンスポーツ社の商品納品用の倉庫であり、2019年4月18日に、ロンドンスポーツ社の商品納品用倉庫に、当該納品書に記載の「メンズ レイン ジャケット及びメンズ レイン パンツ(型番:YN19RS01)」が直送されたことを示している。 乙第40号証の2019年4月16日付け電子メール(差出人:日本マート社担当者)には、日本マート社の担当者からSPORTSBOOK社の代表取締役である本件商標権者に、4月18日に「メンズ レイン ジャケット及びメンズ レイン パンツ(型番:YN19RS01)」977セットを「大徳運輸第三倉庫」に納品するとの連絡がされており、納品書(乙38)の内容と一致する。 (ウ)乙第41号証ないし乙第43号証は、SPORTSBOOK社宛てに日本マート社から発行された2019年10月25付け納品書、同年11月1日付け請求書及び同年10月25日付け電子メール(日本マート社担当者)の写しであり、電子メール(乙43)に納品書(乙41)が添付されていた。これにより、縫製仕様書(乙26)により製造された「POLARTEC インナーフリーストップス(型番:YN20FJ01)」が、日本マート社からSPORTSBOOK社宛てに、2019年10月23日に512着納品されたこと(乙41)、納品書上の合計金額1,267,200円が、日本マート社からSPORTSBOOK社宛てに請求されたこと(乙42)が示されている。 なお、SPORTSBOOK社からロンドンスポーツ社への「POLARTEC インナーフリーストップス(型番:YN20FJ01)」の納品書(乙44)では、商品数量合計が508着であるが、これは、見本商品4着を先に納品し、2019年10月23日に、量産分の508着を納品したことによるものである。納品書(乙41)が添付された電子メール(乙43)にて、4着分を先に納品したことが示されている。先に納品した4着は見本であるため、SPORTSBOOK社からロンドンスポーツ社へ請求は行われず2019年10月23日付け発行のロンドンスポーツ社宛ての請求書(乙45)では508着分の請求が計上されている。 納品書(乙41)の左下の備考に記載の「10/23 大徳運輸第三倉庫納品」とは、2019年10月23日に、ロンドンスポーツ社の商品納品用倉庫である「大徳運輸第三倉庫」に、当該納品書に記載の「POLARTEC インナーフリーストップス(型番:YN20FJ01)」が直送されたことを示している。 (エ)乙第46号証は、楽天市場オンラインショップサイトにて「スノーボードパンツ(型番:YN19MP01)」が販売されていた画面の打ち出しであり、乙第47号証ないし乙第49号証は、画面上で確認できる商品全体、織りネーム、下げ札シールの拡大写真である。乙第47号証のスノーボードパンツの左股に、「スノーボードパンツ(型番:YN19MP01)」の縫製仕様書(乙23)に取り付け指示がある織りワッペンが付されており、スノーボードパンツに取り付けられた織りネーム(乙48)は、縫製仕様書(乙23)に取り付け指示のある織りネームと一致している。 下げ札の裏に貼付された下げ札シール(乙49)には、この商品の型番が「YN19MP01」であることが示されており、当該シールは、乙第30号証のものと一致している。これにより、品番「YN19MP01」のスノーボードパンツに本件商標と社会通念上同一の商標である使用商標が使用されている。 (オ)以上より、縫製仕様書(乙23、乙24、乙26)に基づき委託製造された「スノーボードパンツ(型番:YN19MP01)」、「メンズ レイン ジャケット及びメンズ レイン パンツ(型番:YN19RSO1)」、及び「POLARTEC インナーフリーストップス(YN20FJ01)」が、上記日付、数量のとおり、日本マート社からSPORTSBOOK社に納品されたこと、物流においては、日本マート社からロンドンスポーツ社に直接納品されたといえる。 ウ 下げ札が取り付けられた経緯について (ア)乙第50号証の1は、SPORTSBOOK社が日本マート社に依頼した下げ札のデザインについて、日本マート社がその確認のために送った2018年7月31日付け電子メールであり、乙第50号証の2は、その電子メールに添付された下げ札のデザインの写しである。添付された下げ札の表のデザインは、「メンズ レイン ジャケット及びメンズ レイン パンツ(型番:YN19RS01)」に取り付けられた下げ札(乙8)及び「POLARTEC インナーフリーストップス(型番:YN20FJ01)」に取り付けられた下げ札(乙13、乙15、乙54、乙55)のデザインと同一である。 (イ)乙第29号証は、「メンズ レイン ジャケット及びメンズ レイン パンツ(型番:YN19RS01)」に付される下げ札についての本件商標権者と日本マート社の担当者の確認のやりとりの電子メールの写しであり、乙第30号証は、2019年2月18日17:28付け電子メール(差出人:日本マート社担当者)(乙29)に添付された下げ札のデザイン、耐水圧等のタグデザイン、下げ札に添付するシールデザインの写しである。 2019年2月18日1:13PM付けの電子メール(乙29)にて、本件商標権者が、日本マート社の担当者に対して、スノーボードパンツに付した下げ札と同様の下げ札を、レインスーツに付けることを指示し、これについて、同日17:28付け返信の電子メール(差出人:日本マート社担当者)(乙29)及び添付された下げ札のデザイン及びシールデザイン(乙30)によって、「スノーボードパンツ(型番:YN19MP01)」に付した実績のある下げ札と同様の下げ札を、「メンズ レイン ジャケット及びメンズ レイン パンツ(型番:YN19RS01)」に付けることが確認されている。 添付された下げ札(乙30)のデザインは、アパレル副資材メーカーであるナクシス株式会社の大阪支社(以下「ナクシス大阪」という。)(乙51)により2018年8月6日に作成されたものであり、同年7月31日付け電子メールに添付された下げ札のデザイン(乙50の2)から、下げ札の裏面がBLACK無地へ変更されており、日本マート社担当者のメール(乙29)の記載から、下げ札の裏面にシールを貼り付けることが示されている。 (ウ)「メンズ レイン ジャケット及びメンズ レイン パンツ(型番:YN19RS01)」の縫製仕様書(乙24)には、下げ札シールをブランド下げ札に貼り、ブランド下げ札を前ファスナースライダーに取り付けることが示されており、縫製仕様書(乙24)に基づいて、前ファスナースライダ一に下げ札が取り付けられたことが、「メンズ レイン ジャケット及びメンズ レイン パンツ(型番:YN19RS01)」の写真から確認できる(乙8)。 なお、下げ札シール及びブランド下げ札等の手配先として縫製仕様書(乙23)に記載の「上海ナクシス」は、下げ札のデザインを行ったナクシス大阪のグループ会社である(乙51)。 (エ)乙第52号証の1は、「POLARTEC インナーフリーストップス(型番:YN20FJ01)」に取り付ける下げ札に貼る下げ札シールのレイアウト確認のため、日本マート社の担当者から本件商標権者へ送られた2019年8月28日付け電子メールの写しであり、乙第52号証の2は、上記メールに添付された下げ札シールのレイアウトの写しである。添付された下げ札シールのレイアウト(乙52の2)と同じシールが、「POLARTEC インナーフリーストップス(型番:YN20FJ01)」の本件商標が表示された下げ札の裏面に貼り付けられている(乙53~乙56)ことから、2019年8月28日付け電子メール(乙52の1)によりSPORTSBOOK社がレイアウトの確認を求められた下げ札シールを貼り付けた下げ札が「POLARTEC インナーフリーストップス(型番:YN20FJ01)」に取り付けられたといえる。 (オ)以上より、本件商標「YUKINEMAKI」が表示された下げ札は、SPORTSBOOK社の依頼によって作成され、SPORTSBOOK社の指示により、日本マート社の提携工場によって、「スノーボードパンツ(型番:YN19MP01)」、「メンズ レイン ジャケット及びメンズ レイン パンツ(型番:YN19RS01)」及び「POLARTEC インナーフリーストップス(型番:YN20FJ01)」に取り付けられたといえる。 加えて、本件商標が表示された下げ札を商品に取り付ける行為は、商標法第2条第3項第1号の「商品に標章を付する行為」に該当する。SPORTSBOOK社の指示に従って作成された下げ札を、SPORTSBOOK社の指示に従って商品に取り付けられていることから、上記行為はSPORTSBOOK社によって、商標法第2条第3項第1号の「商品に標章を付する行為」が行われたといえる。 エ ロンドンスポーツ社へ商品を納品した際の、SPORTSBOOK社宛てのロンドンスポーツ社発行の書類及びロンドンスポーツ社に商品が譲渡された事実の証明について (ア)乙第57号証は、スノーパンツの納期及び納品場所についての、本件商標権者とロンドンスポーツ社の担当者のやりとりの2018年11月12日付け電子メールの写しであり、同日5:21PM付け電子メール(差出人:本件商標権者)にて、本件商標権者がロンドンスポーツ社の担当者に対し、納期が同年12月10日前後になること、及び納品場所の確認の連絡を行っており、これに対し、同年11月12日18:04付け電子メールにて、ロンドンスポーツ社担当者から、ロンドンスポーツ社の店舗に納品するよう指示されている。 これに対応して、「スノーボードパンツ(型番:YN19MP01)」1,519着が、2018年12月12日にSPORTSBOOK社からロンドンスポーツ社へ納品された(乙37)。上記納品場所は、SPORTSBOOK社が発行したロンドンスポーツ社への「スノーボードパンツ(型番:YN19MP01)」の納品書(乙37)に記載の納品場所と一致している。 (イ)乙第58号証は、ロンドンスポーツ社の担当者からSPORTSBOOK社代表取締役である本件商標権者への「メンズ レイン ジャケット及びメンズ レイン パンツ(型番:YN19RS01)」の納品日及び納品先についての2019年4月5日付け電子メールの写しであり、当該証拠にて、同月18日に、レインウェアを、ロンドンスポーツ社の商品納品用倉庫である「大徳運輸第三倉庫」へ納品することが、ロンドンスポーツ社の担当者から本件商標権者へ指示されており、これに対応して、同日に、「大徳運輸第三倉庫」へ「メンズ レイン ジャケット及びメンズ レイン パンツ(型番:YN19RS01)」が直送され、同月19日付け電子メール(差出人:日本マート社)(乙40)及び添付納品書(乙38)により、日本マート社から上記商品の納品の報告がされている。 (ウ)乙第59号証は、「POLARTEC インナーフリーストップス(型番:YN20FJ01)」の受発注についてのロンドンスポーツ社の担当者とSPORTSBOOK社代表取締役である本件商標権者のやりとりの2019年10月6日及び同月7日付け電子メールの写しであり、同月6日付け電子メール(差出人:本件商標権者)により、SPORTSBOOK社が、ロンドンスポーツ社からフリースを508着受注したことが示されており、同月7日13:55付け電子メール(差出人:ロンドンスポーツ社担当者)にて、ロンドンスポーツ社担当者から商品単価を2,300円とする打診を受け、同日16:53:33付け返信メール(差出人:本件商標権者)により、単価を2,300円とすることが確定している。その後、SPORTSBOOK社からロンドンスポーツ社へ、「POLARTEC インナーフリーストップス(型番:YN20FJ01)」が508着販売され、SPORTSBOOK社は、2019年10月23日付けで、単価を2,300円とする「POLARTEC インナーフリーストップス(型番:YN20FJ01)」508着分の請求書(乙45)を発行し、同年12月20日付けでロンドンスポーツ社から当該請求金額が入金されている(乙60)。 (エ)乙第61号証は、ロンドンスポーツ社担当者からSPORTSBOOK社代表取締役である本件商標権者への、フリースの納品場所の指示(2019年10月8日付け電子メール)及びフリースが納品されたことのお礼(同月23日付け電子メール)の写しであり、同月8日付け電子メール(差出人:ロンドンスポーツ社担当者)にて、フリースをレインウェアと同様「大徳運輸第三倉庫」に納品するよう指示を受け(乙61)、これに対応して、同月23日に、「POLARTEC インナーフリーストップス(型番:YN20FJ01)」が、ロンドンスポーツ社の商品納品用倉庫である「大徳運輸第三倉庫」に直送されており、納品を確認したロンドンスポーツ社担当者が、本件商標権者に、「本日(審決注:電子メールの送信日時から2019年10月23日である。)納品ありがとうございました。」と連絡している(乙61)。 (オ)乙第62号証は、ロンドンスポーツ社にて販売されていた「POLARTEC インナーフリーストップス(型番:YN20FJ01)」を2022年4月12日付けで購入した際に発行された領収書の写しである。 乙第53号証ないし乙第56号証は、2022年4月12日付けで購入した「POLARTEC インナーフリーストップス(型番:YN20FJ01)」の写真であり、当該商品が、ロンドンスポーツ社にて販売されていることから、SPORTSBOOK社からロンドンスポーツ社へ「POLARTEC インナーフリーストップス(型番:YN20FJ01)」が販売されたことが示されている(乙44、乙45、乙53~乙56、乙60)。 加えて、乙第8号証及び乙第15号証は、ロンドンスポーツ社店舗にて撮影された「メンズ レイン ジャケット(型番:YN19RS01)」及び「POLARTEC インナーフリーストップス(型番:YN20FJ01)」の写真であり、上記商品が、ロンドンスポーツ社にて販売されていることから、SPORTSBOOK社からロンドンスポーツ社へ「メンズ レイン ジャケット(型番:YN19RS01)」及び「POLARTEC インナーフリーストップス(型番:YN20FJ01)」が販売されたことが示されている。 (カ)以上より、ロンドンスポーツ社から発注を受け、ロンドンスポーツ社の指示により「スノーボードパンツ(型番:YN19MP01)」、「メンズ レイン ジャケット及びメンズ レイン パンツ(型番:YN19RS01)」及び「POLARTEC インナーフリーストップス」を納品したことが明らかとなり、これらの商品が譲渡された事実が客観的に証明された。 オ その他 (ア)使用商標2について 「スノーボードパンツ(型番:YN19MP01)」の縫製仕様書(乙23)及び「メンズレインジャケット及びメンズレインパンツ(型番:YN19RS01)」の縫製仕様書(乙24)に取り付け指示のある、織りワッペン(またはブランドネーム)(ロゴ)の上部に、標準的な書体で「YUKINEMAKI」と白抜きで表示(以下「使用商標2」という。)されている。 使用商標2は、本件商標「YUKINEMAKI」と同一の商標であり、上記織りワッペン等は、縫製仕様書(乙23、乙24)に基づいて、「スノーボードパンツ(型番:YN19MP01)」及び「メンズ レイン ジャケット及びメンズ レイン パンツ(型番:YN19RSO1)」に取り付けられており(乙47、乙48)、使用商標2が、スノーボードパンツ及びレインジャケットに使用されていることが確認できる。 (イ)答弁書に添付した証拠の再提出 a 乙第37号証、乙第63号証及び乙第64号証は、乙第4号証ないし乙第6号証の該当筒所の墨消しを外した「スノーボードパンツ(型番:YN19MP01)」のロンドンスポーツ社への納品書、請求書及び請求費用の入金明細であり、SPORTSBOOK社が使用商標を付した「スノーボードパンツ(型番:YN19MP01)」をロンドンスポーツ社に納品、販売し、その請求金額及び銀行手数料の総額が、ロンドンスポーツ社からSPORTSBOOK社へ支払われたことが明らかである。 b 乙第65号証ないし乙第67号証は、乙第9号証ないし乙第11号証の該当箇所の墨消しを外した「メンズ レイン ジャケット及びメンズ レイン パンツ(型番:YN19RS01)」のロンドンスポーツ社への納品書、請求書、及び請求費用の入金明細であり、SPORTSBOOK社が使用商標を付した「メンズ レイン ジャケット及びメンズ レイン パンツ(型番:YN19RS01)」をロンドンスポーツ社に納品、販売し、その請求金額及び銀行手数料の総額が、ロンドンスポーツ社からSPORTSBOOK社へ支払われたことが明らかである。 c 乙第44号証、乙第45号証及び乙第60号証は、乙第16号証ないし乙第18号証の該当箇所の墨消しを外した「POLARTEC インナーフリーストップス(型番:YN20FJ01)」のロンドンスポーツ社への納品書、請求書及び請求費用の入金明細であり、SPORTSBOOK社が使用商標を付した「POLARTEC インナーフリーストップス(型番:YN2OFJ01)」をロンドンスポーツ社に納品、販売し、その請求金額及び銀行手数料の総額が、ロンドンスポーツ社からSPORTSBOOK社へ支払われたことが明らかとなった。 カ 以上のとおり、本件商標の通常使用権者であるSPORTSBOOK社が、本件商標と社会通念上同一である本件使用商標を、要証期間内に、日本国内において、本件審判請求に係る指定商品の「その他の被服」について使用していた(商標法第2条第3項第1号及び同項第2号)といえる。 第4 当審の判断 1 被請求人の立証責任 商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。 すなわち、本件商標の使用をしていることを証明するには、商標法第50条第2項に規定されているとおり、被請求人は、ア 要証期間に、イ 日本国内において、ウ 本件商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、エ 本件審判請求に係る指定商品のいずれかについての、オ 本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標の使用(商標法第2条第3項各号のいずれかに該当する使用行為)をしていることをすべて証明する必要がある。 2 認定事実 被請求人の提出に係る証拠及び同人の主張によれば、以下の事実が認められる。 (1)履歴事項全部証明書(乙1)によると、本件商標権者は、SPORTSBOOK社の代表取締役であり、また、「商標権通常使用権許諾契約書」(乙2)によると、本件商標権者は、2018年11月1日付けで、SPORTSBOOK社との間で、範囲を日本国内、内容を本件商標の指定商品に係る製品についての一切の使用、期間を2018年11月1日から2028年7月12日とする本件商標権に関する通常使用権をSPORTSBOOK社に許諾していることが確認できる。 したがって、SPORTSBOOK社は、本件商標権者から、本件商標の使用を許諾された通常使用権者と認められる。 (2)日本マート社が平成30年5月18日に作成した縫製仕様書(乙23)の1葉目の「STYLE NO」の項に「YN19MP01」、「ITEM」の項に「スノーボードパンツ」、「BRAND」の項に「YUKINEMAKI」、「CLIENT」の項に「ロンドンスポーツ」、「2018.5.18」の日付の記載の下に「JAPAN MART CO.,LTD」の記載があり、本号証の2葉目の「ブランドネーム」の記載の下に、黒地長方形内に白抜きされた「YUKINEMAKI」の欧文字を表した別掲のとおりの構成よりなる標章(以下「使用標章」という。)が確認できる。 そして、使用標章は、黒地長方形内に白抜きの「YUKINEMAKI」の欧文字を書してなるところ、その構成中の黒地長方形は背景図形にすぎず、「YUKINEMAKI」の欧文字を書した標章であると容易に認識できるものであり、本件商標と構成文字を同じくし、「ユキネマキ」の称呼を共通にすることから、本件商標と使用標章は社会通念上同一のものと判断するのが相当である。 そうすると、品番「YN19MP01」の商品「スノーボードパンツ」には、本件商標と社会通念上同一の使用標章が付されていたことが確認できる。 (3)日本マート社がSPORTSBOOK社宛てに、2018年12月25日に作成した納品書(乙34)の左側に「株式会社 SPOTSBOOK 御中」の記載、右側に「日本マート株式会社」の記載、表中「NO.」の「1」の項目の、「品名」の欄に「YN19MP01」の記載、「カラー」の欄に「90」、数量の欄に「52」の記載がある。 また、SPORTSBOOK社がロンドンスポーツ社宛てに、2018年12月12日に作成した納品書(乙37)の左側に「株式会社ロンドンスポーツ 御中」の記載、右側に「株式会社SPOTSBOOK」の記載、表中「内容」の下に「YN19MP01 BK XS」の記載、「数量」の欄に「52」の記載がある。 そうすると、日本マート社がSPORTSBOOK社宛てに、2018年12月25日に作成した納品書(乙34)とSPORTSBOOK社がロンドンスポーツ社あてに、2018年12月12日に作成した納品書(乙37)の発行日が前後しているとしても、日本マート社が製造した本件商標と社会通念上同一の使用標章が付され品番「YN19MP01」の商品「スノーボードパンツ」が、通常使用権者であるSPORTSBOOK社に納品され、当該商品は、SPORTSBOOK社からロンドンスポーツ社に納品されたことが確認できる。 そして、各納品書が発行された2018年12月12日及び同年12月25日は、要証期間であり、商品「スノーボードパンツ」は、本件審判請求に係る指定商品の範ちゅうに属する商品である。 3 判断 以上、上記2より、本件商標権者から本件商標の使用を許諾された通常使用権者であるSPORTSBOOK社は、要証期間に、日本国内において、本件審判請求に係る指定商品の範ちゅうに属する商品「スノーボードパンツ」に、本件商標と社会通念上同一と認められる使用標章を付したものを、取引先に譲渡したということができ、当該使用行為は、商標法第2条第3項第2号(商品に標章を付したものを譲渡し)に該当する。 4 まとめ 以上のとおり、被請求人は、要証期間に日本国内において、通常使用権者が本件審判の請求に係る指定商品の範ちゅうに属するものと認められる商品「スノーボードパンツ」に本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を付したものを譲渡した(商標法第2条第3項第2号)ことを証明した。 したがって、本件商標の登録は、本件審判の請求に係る指定商品について、商標法50条の規定により、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。

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2021-300532

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