商標拒絶査定不服審判
2021-018248
ソフトカップ、ソフト、カップ
- 審判番号
- 2021-018248
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-070767
- 請求日
- 2021年12月09日
- 審決日
- 2022年11月18日
- 公報発行日
- 2023年02月24日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】重野 裕之
- 審判長/審判官
- 審判長 森山 啓
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 荻野 瑞樹
- 分類
- T18 .13 -Z (W10) / T18 .272-Z (W10)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020- 70767拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「Soft Cup」の文字を標準文字で表してなり、第10類「月経用カップ,医療用指サック,おしゃぶり,氷まくら,三角きん,支持包帯,手術用キャットガット,吸い飲み,スポイト,乳首,氷のう,氷のうつり,哺乳用具,魔法哺乳器」を指定商品として、令和2年5月26日に登録出願されたものである。
本願は、令和2年11月4日付けで拒絶理由の通知がされ、同3年1月21日に意見書が提出されたが、同年11月2日付けで拒絶査定がされたものである。
これに対して、令和3年12月9日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
第2 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定は、「本願商標は、「Soft Cup」の欧文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「Soft」の文字は、「柔らかい」等の意味を有する語として、「Cup」の文字は、「紙・プラスチック・金属などで作った小さな器」の意味を有する語として、それぞれ一般的に知られているものであり、本願商標は全体として「柔らかいカップ」ほどの意味合いを認識させる。そして、「月経用カップ」を「カップ」と称し、また、柔らかい月経用カップについて「ソフト」と表示して取引が行われている実情が認められる。そうすると、本願商標を、その指定商品中「月経用カップ」に使用した場合、これに接する取引者、需要者に、「柔らかい月経用カップ」であることを認識させるにとどまることから、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示するものといわざるを得ない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、上記第1のとおり、「柔らかい」等の意味を有する英語の「Soft」の文字と、「カップ」等の意味を有する英語の「Cup」の文字を、1文字分の空白(スペース)を介して結合した構成よりなるものである(いずれも「プログレッシブ英和中辞典」小学館)。
その構成中の「Soft」及び「Cup」の語は、いずれも「ソフト」及び「カップ」との片仮名表記で日常的に使用されている、我が国において広く一般に親しまれた平易な語であるから、本願商標は、全体として「柔らかいカップ」ほどの意味合いを容易に想起させ得るものである。
そして、原審において示した証拠を含め、別掲のとおりの証拠によれば、本願の指定商品中、カップ状の商品である「月経用カップ」を取り扱う業界においては、商品の素材や原材料が柔らかいことを「ソフト」と称して、その商品の品質を表すものとして使用されている実情や、「月経用カップ」のことを、単に「カップ」と称して取引されている実情が見受けられる。
してみれば、「Soft Cup」の文字からなる本願商標を、その指定商品中の「月経用カップ」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その構成中の「Cup」の文字をカップ状の商品である「月経用カップ」そのものを表したものと認識し、「Soft」の文字を商品の素材や原材料が柔らかいことを表したものと認識するものであって、「Soft Cup」の文字全体では、当該商品が「柔らかい月経用カップ」であることを表したものと認識、把握するものであるから、本願商標は、単に商品の品質を表示するにすぎないものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商品の品質等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであり、かつ、上記「柔らかい月経用カップ」以外の「月経用カップ」に使用した場合、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものである。
よって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、英単語の「CUP」は、(紅茶・コーヒー用の、耳付きの)カップ」や「優勝者に贈られる記念品(トロフィー)」、「ブラジャーの、乳房を覆い隠す丸く盛り上がった部分」、「ゴルフ競技でボールを入れる穴」といった多様な意味合いを想起させる言葉であって、「月経用カップ」を示す言葉として一義的に認識されるようなものではない旨主張する。
しかしながら、たとえ英単語の「CUP」が多様な意味合いを想起させ得るとしても、本願の指定商品には、カップ状の商品である「月経用カップ」が含まれており、「月経用カップ」を取り扱う業界においては、「月経用カップ」のことを、単に「カップ」と称して取引されている実情も見受けられることは、上記1のとおりであるから、本願商標の構成中の「Cup」の文字は、指定商品中の「月経用カップ」との関係において、当該商品そのものを表すものと認識されるとみるのが相当である。
(2)請求人は、「ソフトカップ」の一連の文字は、原審における証拠の記事において使用されておらず、商品の品質や特徴を表示するものとして、取引者、需要者に認識、理解されない旨主張する。
しかしながら、商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきであり(平成12年(行ケ)第76号 平成12年9月4日 東京高等裁判所)、本願商標の「Soft Cup」の文字は、上記1のとおり、その指定商品中の「月経用カップ」に使用しても、「柔らかい月経用カップ」を認識させるものであるから、取引者、需要者に商品の品質等を示すものとして認識され得る商標であると判断するのが相当である。
(3)請求人は、平易な形容詞と「カップ」の文字から構成される商標であって、本願商標と同一の類似群コード「01C01」が付されている商品を指定商品に含む過去の登録例を挙げ、本願商標も同様に取り扱われるべきである旨主張する。
しかしながら、請求人が挙げる登録例は、いずれも指定商品として「月経用カップ」が指定されたものではないなど、事案を異にするものであり、かつ、具体的事案の判断においては、過去の登録例に拘束されることなく判断されるべきであるから、これらの事例の存在が上記の判断を左右するものではない。
(4)したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
3 結論
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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