商標拒絶査定不服審判
2021-017613
オカヤマシイオオツーフリーデンキ、オカヤマシイオオニフリーデンキ、シイオオツーフリーデンキ、シイオオニフリーデンキ、フリーデンキ、オカヤマシイオオツーフリー、オカヤマシイオオニフリー、シイオオツーフリー、シイオオニフリー、フリー
- 審判番号
- 2021-017613
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-014255
- 請求日
- 2021年12月21日
- 審決日
- 2023年06月13日
- 公報発行日
- 2023年09月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】中国電力株式会社
- 【請求人代理人】大竹 正悟
- 【請求人代理人】小椋 崇吉
- 審判長/審判官
- 審判長 矢澤 一幸
- 審判官 豊田 純一
- 審判官 杉本 克治
- 分類
- T18 .13 -Z (W3940) / T18 .16 -Z (W3940)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号、商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第1項、商標法第3条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020- 14255拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び本願の手続きの経緯
本願商標は、別掲1のとおり、「おかやまCO2フリー電気」(「CO2」の文字のうち「2」は「O」の文字の右下部に小さく表示されている。以下「CO2」と記載する。)の文字を書してなり、第39類及び第40類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、令和2年2月10日に登録出願されたものである。
本願は、令和3年2月22日付けで拒絶理由の通知がされ、同年4月5日に意見書(以下「意見書」という。)が提出され、本願の指定役務は、意見書と同日付け手続補正書により、第39類「岡山県における電気の供給,岡山県における電気の供給に関する情報の提供」及び第40類「岡山県における発電,岡山県における発電に関する情報の提供」に補正されたが、同年9月24日付けで拒絶査定がされ、これに対し、同年12月21日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、本願商標は「おかやまCO2フリー電気」の文字からなるところ、構成中の「おかやま」は「中国地方の県」を表す「岡山」の文字を平仮名で書したものと容易に理解でき、「CO2フリー電気」は「CO2を排出せずに発電された電気」を表す語として使用されているため、本願商標は全体として「岡山県で提供されるCO2を排出せずに発電された電気」の意味合いを理解させるから、本願商標を、CO2を排出せずに発電された電気に関する役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「岡山県で提供されるCO2を排出せずに発電された電気」といった意味合いを理解するにとどまり、何人かの業務に係る役務であることを認識することができないので、商標法第3条第1項第6号に該当する旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審における審尋
当審において、令和4年7月27日付け審尋により、請求人(出願人)(以下「請求人」という。)に対し、別掲2及び別掲3のとおりの事実を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同項第6号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定してこれに対する回答を求めた。
第4 審尋に対する請求人の回答(要旨)
請求人は、上記第3の審尋に対し、令和4年9月1日付けの回答書(以下「回答書」という。)を提出し、要旨、以下、1ないし4のとおりの意見を述べた。
1 商標法第3条第1項第6号の文言上、「前各号に掲げるもののほか」と規定し、同項第3号に重ねて同項第6号に該当するということはできない以上、本願商標が同項第3号及び同項第6号の両号に該当する旨の合議体の見解は、実体的瑕疵があり、また、同項第6号に該当する商標は、自他商品役務識別性の使用獲得を主張立証できないことから、両号に該当するとなると、自ずと同条第2項の主張立証を断念せざるを得ない以上、かかる見解には、手続的瑕疵がある。
2 第39類の指定役務との関係で、本願商標が「役務の提供の用に供するもの」に該当し、商標法第3条第1項第3号に該当する旨を合議体は表明しているが、指定役務・無形サービスや付された標章そのものが、「役務の提供の用に供する物」に該当することはない以上、本願の指定役務・無形サービスの「電気の供給」や「電気の供給に関する情報の提供」や本願商標そのものが、「役務の提供の用に供する物」に当らない。
3 合議体が商標法第3条第1項第6号に該当する旨の原審の拒絶の理由を撤回することなく、原審の拒絶の理由に重ねて本願商標に新たに発見された拒絶の理由の同項第3号を付加する旨を合議体は表明しているが、同法第55条の2第2項で準用する同法第16条で規定する「政令で定める期間」の1年6月を経過後、新たに発見された拒絶の理由を通知することは、出願人が自己の出願についての拒絶の理由を出願日より1年6月以内に知ることを制度的に保障し、不意打ち防止として機能する同法第16条の規定からも許されない。
4 本願商標が商標として一般的に使用されているか否かの一般性の検討をすると、本願の指定役務の需要者である岡山県内の高圧事業者は、本願商標の構成中の「おかやま」の文字を、地産地消を表すものと認識し、かつ、当該「おかやま」の文字に着目して取引すると推認できるのであるから、本願商標の構成中の「おかやま」の文字は、取引者、需要者の注意をひく部分として要部となり、要部となり得る取引の実情がうかがえ、同趣旨の審決例及び判決例があり、また、将来や可能性も排除した現時点(登録審決時)において、請求人のほか、本願商標が商標として一般的に使用されている例は、皆無である。
第5 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号について
本願商標は、別掲1のとおり、「おかやまCO2フリー電気」の文字を書してなるところ、その構成中の「おかやま」の文字は、「中国地方南東部の県。」の意味を、「CO2」の文字は、「二酸化炭素のこと。」の意味を、「フリー」の文字は、「他の語の下に付いて、その物質を含んでいないことを表す。」の意味を、「電気」の文字は、「摩擦電気・放電・電流などの現象。また、その主体である電荷や電気エネルギー。」(いずれも「デジタル大辞泉」発行者:株式会社小学館。)の意味を有する語であるところ、本願商標は、これらの文字を横一連に結合したものと容易に認識できるものである。
そして、本願商標の構成中の「CO2フリー電気」の文字は、その構成文字である「CO2」、「フリー」及び「電気」の有する上記意味から、「二酸化炭素を含んでいない電気」、すなわち、「二酸化炭素の排出量を抑えて発電した電気」のような意味合いを理解させ、別掲2のとおり、「CO2フリー電気」の文字は、実際に当該意味合いを表す語として使用されている事実がある。
また、別掲3のとおり、本願の指定役務を取り扱う業界において、地域ごとに、「CO2フリー電気」の発電や供給が行われている実情があることがうかがえる。
そうすると、本願商標は、構成各文字の意味合いから、「岡山県で二酸化炭素の排出量を抑えて発電した電気」程の意味合いを容易に理解させるものであり、本願商標を、その指定役務中、第39類「岡山県における電気の供給,岡山県における電気の供給に関する情報の提供」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、当該役務が、「岡山県で二酸化炭素の排出量を抑えて発電した電気の供給,岡山県で二酸化炭素の排出量を抑えて発電した電気の供給に関する情報の提供」であることを理解するにとどまるから、役務の提供の用に供する物を普通に用いられる方法で表示するにすぎず、また、本願商標を、その指定役務中、第40類「岡山県における発電,岡山県における発電に関する情報の提供」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、当該役務が、「岡山県で二酸化炭素の排出量を抑えて行われる電気の発電,岡山県で二酸化炭素の排出量を抑えて行われる電気の発電に関する情報の提供」であることを理解するにとどまるから、役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
2 商標法第3条第1項第6号について
本願商標は、「おかやまCO2フリー電気」の文字を書してなるところ、上記1のとおり、本願商標は、構成各文字の意味合いから、「岡山県で二酸化炭素の排出量を抑えて発電した電気」程の意味合いを容易に理解させるものであり、別掲3のとおり、本願の指定役務を取り扱う業界において、地域の脱炭素化を推進し、環境に配慮するため、地域ごとに、「CO2フリー電気」の発電や供給が行われている実情がうかがえる。
そうすると、本願商標を、その指定役務に使用するときは、当該役務が、「岡山県で二酸化炭素の排出量を抑えて発電した電気の供給」や「岡山県で二酸化炭素の排出量を抑えて行われる発電」により、地域の脱炭素化を推進し、環境に配慮して提供される役務であることを理解させるにとどまり、需要者に、当該役務に関心を持たせるための宣伝広告を表示したものと認識されるものといえる。
したがって、本願商標は、その指定役務について、何人もその使用を欲するといい得るものであり、自他役務の識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであるため、需要者が何人かの業務に係る役務であるかを認識することができない商標というのが相当であるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。
3 請求人の主張について
(1)請求人は、商標法第3条第1項第6号の文言上、「前各号に掲げるもののほか」と規定し、同項第3号に重ねて同項第6号に該当するということはできない以上、本願商標が同項第3号及び同項第6号の両号に該当する旨の合議体の見解は、実体的瑕疵があり、また、同項第6号に該当する商標は、自他商品役務識別性の使用獲得を主張立証できないことから、両号に該当するとなると、自ずと同条第2項の主張立証を断念せざるを得ない以上、かかる見解には、手続的瑕疵がある旨主張する。
しかしながら、本願商標は、上記1のとおり、その指定役務中、第39類「岡山県における電気の供給,岡山県における電気の供給に関する情報の提供」との関係においては、役務の提供の用に供する物を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものであり、第40類「岡山県における発電,岡山県における発電に関する情報の提供」との関係においては、役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当するものと判断するのが相当である。
また、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するほかに、上記2のとおり、需要者に、その指定役務に関心を持たせるための宣伝広告を表示したものと認識されるものであり、その指定役務について、需要者が何人かの業務に係る役務であるかを認識することができない商標というのが相当であるから、同項第6号に該当すると判断するのが相当である。
そして、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するとの認定、判断をしていることから、請求人は、これに基づき同法第3条第2項該当性について主張、立証することは可能であり、請求人の「自ずと同条第2項の主張立証を断念せざるを得ない」とする主張は失当である。
(2)請求人は、第39類の指定役務との関係で、本願商標が「役務の提供の用に供するもの」に該当し、商標法第3条第1項第3号に該当する旨を合議体は表明しているが、指定役務・無形サービスや付された標章そのものが、「役務の提供の用に供する物」に該当することはない以上、本願の指定役務・無形サービスの「電気の供給」や「電気の供給に関する情報の提供」や本願商標そのものが、「役務の提供の用に供する物」に当らない旨主張する。
しかしながら、上記1のとおり、本願商標は、構成各文字の意味合い及び本願の指定役務を取り扱う業界における取引の実情から、「岡山県で二酸化炭素の排出量を抑えて発電した電気」程の意味合いを容易に理解させるものであり、本願商標を、その指定役務中、第39類「岡山県における電気の供給,岡山県における電気の供給に関する情報の提供」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、当該役務が、「岡山県で二酸化炭素の排出量を抑えて発電した電気の供給,岡山県で二酸化炭素の排出量を抑えて発電した電気の供給に関する情報の提供」であることを理解するにとどまるから、本願商標は、役務の提供の用に供する物である「岡山県で二酸化炭素の排出量を抑えて発電した電気」を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものであると判断するのが相当である。
また、「電気」は無体物であるとしても、「役務の提供の用に供する物」であることに何ら変わりはない。
(3)請求人は、合議体が商標法第3条第1項第6号に該当する旨の原審の拒絶の理由を撤回することなく、原審の拒絶の理由に重ねて本願商標に新たに発見された拒絶の理由の同項第3号を付加する旨を合議体は表明しているが、同法第55条の2第2項で準用する同法第16条で規定する「政令で定める期間」の1年6月を経過後、新たに発見された拒絶の理由を通知することは、出願人が自己の出願についての拒絶の理由を出願日より1年6月以内に知ることを制度的に保障し、不意打ち防止として機能する同法第16条の規定からも許されない旨主張する。
しかしながら、商標法第3条第1項第3号該当性及び同項6号該当性の判断は、いずれも、本願商標は自他役務識別標識としての機能を有するものではなく、商標法第3条第1項所定の商標登録の要件を欠くという共通の結論に至るものであり、両者はその判断の内容において実質的に相違するものではないから、原審説示の商標法第3条第1項第6号に該当する旨の拒絶の理由を撤回することなく、当審において同項第3号にも該当すると判断することは許されるものであり、審尋において、請求人の意見を求めており、不意打ちにもならない。
(4)請求人は、本願商標が商標として一般的に使用されているか否かの一般性の検討をすると、本願の指定役務の需要者である岡山県内の高圧事業者は、本願商標の構成中の「おかやま」の文字を、地産地消を表すものと認識し、かつ、当該「おかやま」の文字に着目して取引すると推認できるのであるから、本願商標の構成中の「おかやま」の文字は、取引者、需要者の注意をひく部分として要部となり、要部となり得る取引の実情がうかがえ、同趣旨の審決例及び判決例があり、また、将来や可能性も排除した現時点(登録審決時)において、請求人のほか、本願商標が商標として一般的に使用されている例は、皆無であるから、本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当しない旨主張する。
請求人の主張の趣旨は、本願商標の商標法第3条第1項第6号該当性の判断において、本願商標が商標として一般的に使用されているか否かの検討がされておらず、請求人の検討によると、本願商標が商標として一般的に使用されている例は皆無であるから、本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当しないとする点にあるものと解されるところ、「商標法3条1項6号は,需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標につき,それ故に登録を受けることができないとしたものであって,当該商標が取引上現実に使用されている事実は,同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである」(知財高裁平成25年(行ケ)第10142号,同25年11月14日判決)と判示されている。
そして、上記2のとおり、本願商標は、構成各文字の意味合いから、「岡山県で二酸化炭素の排出量を抑えて発電した電気」程の意味合いを容易に理解させるものであり、別掲3のとおり、本願の指定役務を取り扱う業界において、地域の脱炭素化を推進し、環境に配慮するため、地域ごとに、「CO2フリー電気」の発電や供給が行われている実情がうかがえることからすると、仮に、本願商標が、請求人以外に使用されていないとしても、本願商標を、その指定役務に使用するときは、当該役務が、「岡山県で二酸化炭素の排出量を抑えて発電した電気の供給」や「岡山県で二酸化炭素の排出量を抑えて行われる電気の発電」により、地域の脱炭素化を推進し、環境に配慮して提供される役務であることを理解させるにとどまり、需要者に、当該役務に関心を持たせるための宣伝広告を表示したものと認識されるものといえるから、本願商標は、その指定役務について、何人もその使用を欲するといい得るものであり、自他役務の識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであるため、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る役務であるかを認識することができない商標というのが相当である。
また、請求人が、本願商標の構成中の「おかやま」の文字は、取引者、需要者の注意をひく部分として要部となり得るとして挙げる判決例及び審決例は、本願商標とは、構成文字や構成態様が異なるものであって、かつ、具体的事案の判断においては、過去の判決例及び審決例に拘束されることなく、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と取引の実情に応じて個別的に判断されるべきであるから、請求人の挙げる判決例及び審決例の存在によって、上記2の認定、判断が左右されるものではない。
(5)請求人の上記主張は、いずれも採用することができず、その他、請求人の主張は、採用するべき事情はない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同項第6号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2021-017613