商標拒絶査定不服審判
2021-017211
シューキャクアプリ
- 審判番号
- 2021-017211
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-063517
- 請求日
- 2021年12月14日
- 審決日
- 2022年12月28日
- 公報発行日
- 2023年03月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】オンジョブ株式会社
- 【請求人代理人】植村 貴昭
- 審判長/審判官
- 審判長 岩崎 安子
- 審判官 馬場 秀敏
- 審判官 茂木 祐輔
- 分類
- T18 .13 -WZ (W41) / T18 .272-WZ (W41)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-63517拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「集客アプリ」の文字を標準文字で表してなり、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,知識の教授,ノウハウの伝授(訓練),セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,書籍の制作,インターネットを利用して行う映像の提供,インターネットを利用して行う音楽の提供,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),パーティの企画,会員制による教育・娯楽の提供,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,写真の撮影」を指定役務として、令和3年5月25日に登録出願されたものである。
本願は、令和3年11月2日付けで拒絶理由の通知がされ、同月10日に意見書が提出されたが、同月24日付けで拒絶査定がされたものであり、これに対して同年12月14日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
2 当審における拒絶理由通知
当審において、請求人に対し、令和4年10月19日付で、別掲1のとおりの事実を示した上で、本願商標は、その指定役務中、「技芸・スポーツ又は知識の教授,知識の教授,ノウハウの伝授(訓練),セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,インターネットを利用して行う映像の提供」について使用をするときは、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、本願商標を、その指定役務中、上記指定役務以外の役務について使用をするときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する旨の拒絶理由を通知し、期間を指定した上で、これに対する意見を求めた。
3 当審における拒絶理由通知に対する請求人の意見
請求人は、前記2の拒絶理由通知に対し、令和4年11月2日に意見書を提出し、要旨以下のとおり意見を述べた。
(1)本願の指定役務は、コンピュータプログラムとは関係のない、知識の教授等であって、アプリケーションと直結するものではないから、本願商標は、必ずしも直接的に集客用のアプリケーションに関する役務を表すものではない。
(2)現実に、集客用のアプリケーションに関する知識の教授が提供されている例はなく、あったとしても、一般的になされているものではない。インターネットの使用例がわずかにあるとしても、証拠としては不十分である。
(3)集客用のアプリケーションに関する知識の教授といっても、プログラムの組み方、アプリの名前の付け方、アプリのダウンロード方法、アプリの会社の作り方、アプリの製作会社への融資の仕方、アプリの使用方法等、様々考えられるものであって、抽象的、間接的なものである。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「集客アプリ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「アプリ」の文字部分は、「アプリケーションの略。特に、スマートフォンなどで用いるソフトウェア。」を意味する語である(広辞苑第七版)から、全体として、「集客のためのアプリケーション」ほどの意味合いを理解させるものである。
また、別掲1のとおり、インターネット情報や新聞記事情報において、「集客アプリ」の文字が実際に「集客のためのアプリケーション」ほどの意味合いをもって使用されており、「集客アプリ」は、「集客アプリを利用する事業者が増えています。」(別掲1(2))、「集客アプリの導入を行う事業者も増えてきました」(同(3))、「多くの顧客に使われる集客アプリ」(同(4))等、多くの事業者に利用されている実情がある。
さらに、別掲1の各事例で見られるように、集客アプリには、様々なアプリケーションが存在し、それぞれに特徴や独自の機能があること、それぞれメリットやデメリット、注意点等があることなどから、集客アプリの選定や導入後の活用法等においては、一定程度の知識やノウハウ等が必要とされていることに加え、集客アプリに関する説明会やセミナーが開催されていることは、原審で示した事例(別掲2)に加え、別掲1の(7)や(8)の事例でも確認することができる。
以上よりすれば、「集客アプリ」の文字は、「集客のためのアプリケーション」ほどの意味合いを理解させるとともに、実際にその意味合いをもって、多くの事業者の間で利用されるなど、一般に広く知られた語というべきものである。
また、集客アプリの選定や導入後の活用法等においては、一定程度の知識やノウハウ等が必要とされ、集客アプリに関する説明会やセミナーも存在する。
そうすると、「集客アプリ」の文字からなる本願商標を、その指定役務中、「技芸・スポーツ又は知識の教授,知識の教授,ノウハウの伝授(訓練),セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,インターネットを利用して行う映像の提供」について使用をするときは、これに接する取引者、需要者は、「集客のためのアプリケーション」を内容とするもの、すなわち、役務の質(内容)を表示したものと認識するにとどまるものというべきである。
したがって、本願商標は、役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、本願商標を、その指定役務中、上記指定役務以外の指定役務について使用をするときは、これに接する取引者、需要者は、あたかも「集客のためのアプリケーション」に関連した役務であるかの如く、その役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願の指定役務は、コンピュータプログラムとは関係のない、知識の教授等であって、アプリケーションと直結するものではない、また、集客用のアプリケーションに関する知識の教授が提供されている例はなく、あったとしても、一般的になされているものではないから、本願商標は、必ずしも直接的に集客用のアプリケーションに関する役務を表すものではない旨主張する。
しかしながら、商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質(役務の質)を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解される(東京高裁平成12年(行ケ)第76号 同年9月4日判決)ところ、上記1のとおり、本願商標が多くの事業者の間で利用され、広く知られた語であること、集客アプリの選定や導入後の活用法等においては、一定程度の知識やノウハウ等が必要とされ、集客アプリに関する説明会やセミナーも存在することからすれば、本願商標は、その指定役務に使用された場合に、取引者、需要者によって、役務の質を表示するものとして認識され得るというべきであるから、本願商標の指定役務についての現実の使用状況によって判断が左右されるべきものではない。
イ 請求人は、集客用のアプリケーションに関する知識の教授といっても、プログラムの組み方、アプリの名前の付け方、アプリのダウンロード方法、アプリの会社の作り方、アプリの製作会社への融資の仕方、アプリの使用方法等、様々考えられるものであって、抽象的、間接的なものである旨主張する。
しかしながら、本願商標は、上記1のとおり、「技芸・スポーツ又は知識の教授」等に使用された場合に、「集客のためのアプリケーション」を内容とするもの、すなわち、役務の質を表示したものとして一般に認識されるというべきものであるから、請求人が主張するような具体的な知識の教授の在り方まで必要とされるべきものではない。
ウ したがって、請求人の主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するから、これを登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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